ある日、時行と両津は絵崎に呼ばれてやって来た。
「何の用だ?」
「実は時空を超えるマシンを発明した。」
「はぁ?」
両津が嫌な顔をする。時行は首を傾げている。
「なんだそれ?」
「マルチバース理論というものがある。この世界は複数あるもしもの世界の1つでありもし他の世界に干渉出来たら…そう考え開発したのだ。」
絵崎は2人に球体状の機械を見せる。ごちゃごちゃしたパイプや装置が周りに着いている。
「これがマルチバース転移装置。名付けてどこでも行ける君!」
「名前がダサい。」
両津が呆れる。絵崎がどこでも行ける君の扉を開ける。そこには子供用の椅子があった。
「おい絵崎。なんだこれ?」
「実を言うと転送装置の部分が大半を占めてしまった結果、コックピットがこれぐらいしか空けれなかった。」
「欠陥品じゃねぇか!」
時行は嫌な予感がすると逃げようとした。それを絵崎が止めた。
「それで北条君に試乗してもらいたい。」
「あ、あの…それ大丈夫なのですか?」
「問題無い。林檎を使っての実験は成功している。」
「なんで林檎の次が時行なんだよ!?宇宙に行くのも犬や猿を通してから人間だっただろ!」
両津が文句を言うも絵崎は無視して時行をコックピットに乗せる。時行は椅子に座りシートベルトを締める。
「絵崎。これどこの世界に行くとか分かるのか?」
「知らない。条件として向こうに時空を超える何かがないと行けない。」
「不安しかないぞ。」
両津が止めようとするも既に扉はしまっていた。時行は冷や汗を搔いている。絵崎が起動させる。どこでも行ける君のコックピットが光る。両津は大丈夫なのかと心配する。しばらくして光が消えた。
「成功…なのか…?」
「林檎の実験では仏像と交換されていた。」
2人がコックピットを開けて見る。そこには宝石が埋め込まれた装置があった。
「なんだこれ…?」
「さぁ?」
2人は装置を見て首を傾げた。
時行が来る数分前、その装置を持っている男がいた。赤いジャケットに猿顔の長身痩軀の男だ。男は今、飛行船の上にいる。装置に組み込まれている宝石を月明かりに翳して見ている。
「これが未来人が持っていたという未来に行ける装置“フューチャールビー”か。…自分の未来なんて見たくもないがな。」
男がフューチャールビーを懐に仕舞おうとする。そこに銃を持った数人の男達が現れ撃ち始めた。男は弾丸を避けながら拳銃を取り出し応戦する。男達が倒れる。男はニヒヒと笑いながら逃げる。その時、フューチャールビーが浮いたと思ったら光り出した。
「なんだなんだ!?」
男が驚く。その瞬間、フューチャールビーが時行に変わった。時行と男の目が合う。そのまま頭同士をぶつける。
「痛てて…なんだお前?」
「え、えっと…私は北条時行と申します。」
時行が自己紹介する。そこにさっきの男達の仲間が来て銃撃した。2人は急いで逃げる。男達が撃っているとインカムから怒り狂った男が怒鳴ってきた。
「殺せ!なんとしても奴は殺せ!」
『1人増えている気が…』
「それがどうした!?そいつも殺せ!なんとしてもフューチャールビーを取り返せ!」
フューチャールビーの持ち主と思われる男が叫んでいる。拳銃を持った男達が追いかけて来る。2人は逃げるも逃げる先は飛行船の先頭だ。逃げ場がない。
「え?どうするのですか?」
「このまま飛ぶ!」
「ええ!?」
男は時行を抱えて飛行船からジャンプした。男は服の下からパラシュートを出して広げる。そのまま飛行船から逃げ切った。持ち主は悔しがっている。時行は男の用意周到さに驚いている。
「あ、あの…あなたは?」
「そうだった。まだ名前を言ってなかったな。」
男は時行を見る。
「俺の名は…ルパン三世。」
ルパン三世。大怪盗アルセーヌ・ルパンの孫であり三代目。狙った獲物は必ず奪う神出鬼没の大泥棒。世界中の警察が捕まえようと躍起になる大泥棒だ。
時行とルパン三世の出会い。これから起きるのは時行の新たな物語。まだ誰も知らないドタバタ劇が始まるのであった。