逃げ上手の転生記 〜世界一有名な大泥棒と〜   作:虹武者

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時行の華麗なる脱獄

 ルパン達は今…牢屋の中にいた。

 

 

 時を遡ること3日

 ルパン、次元、五エ門はある美術館に侵入していた。宝石を見つけてケースを開ける。その時、アラームが鳴り響き銭形が現れた。

 

「ルパーン!逮捕だー!」

 

 ルパン達は逃げるもあっさり捕まってしまった。そして、時は戻り牢屋の中。ルパンが欠伸しているところに次元が話しかけてきた。

 

 

「ルパン。そろそろ本当のことを言え。」

「何?」

「惚けるな。あんなチャチな宝石のためにわざわざこんなところまで来たんじゃないだろ。」

「あったりー!」

 

 ルパンは話す気になったのかニヒヒヒと笑いながら話し始めた。

 

「このアンドロフ刑務所に12年前に投獄されたホワンって男がいる。こいつはキリヴの独裁政権を打倒するレジスタンスのリーダーだ。」

 

 ルパンがアンドロフ刑務所のことを説明する。アンドロフ刑務所はカスピ海の真ん中にある人工島に建てられた刑務所で主に政治犯罪者を収容している。

 

「ホワンは軍資金として数億ユーロに相当する財宝をどこかに隠した。しかし、投獄されてからはそのことを一切話すことなく獄中死している。」

「なるほど。ルパン、その軍資金が狙いか。」

「ピンポーン!大正解。ホワンはその軍資金の在処を示す何かをアンドロフ刑務所に隠しているはずだ。」

「いいのかルパン?」

 

 次元が見る先には監視カメラがあった。

 

「いいよ。予告状出す暇なかったからこれを予告状代わりにするさ。と、いうことで~あんたらが血眼になっても見つけることが出来なかったホワンの軍資金はこのルパン様がいただいていくぜ~!」

 

 ルパンは監視カメラに向かって手を振っていた。それを監視カメラ越しで見ていた看守達は監獄長と思われる傷だらけの男を見た。

 

「どうしますか?」

「いいだろう。俺が何度拷問しても吐かなかったホワンの財宝。見つけてもらおうじゃないか。」

 

 ルパンが鼻唄をしていると監獄長がやってきた。

 

「こんにちはルパン君。俺がアンドロフ刑務所の所長グレゴリンだ。君の予告状受け取ったよ。そこでだ。もし、本当にホワンの財宝を見つけることが出来たら俺にくれないか?君達をすぐ釈放してやるぞ。」

「そりゃあありがたいが俺達は自主的にここから出て行く予定なんで。」

「そうか。期限は10日。それを過ぎたらルパン帝国の財宝を吐いてもらうぞ。」

 

 グレゴリンは笑いながら去って行った。

 それと同時刻、港に着いた定期船から運ばれてきた荷物がガタッと動いた。そこから時行が周りをキョロキョロ見回しながら出てきた。

 

「誰も居ませんね。」

 

 時行は荷物を持ってアンドロフ刑務所内を移動した。

 

「え~と、とにかくいろんなところを撮影すればいいのですね。」

 

 時行はカメラ片手にいろんなところを撮影し始めた。看守の見張りを上手くかわし見つからないように移動する。監視カメラに映らないようにこっそり死角を移動する。

 

「これでいいのでしょうか?」

 

 時行は出来る範囲で写真を撮り続けた。粗方、終わるとルパンの歯に着けている発信器を頼りにルパン達が囚われている牢屋に到着した。時行を見つけたルパン達は時行に監視カメラがあることを伝える。時行は監視カメラに近付くと何かの装置を取り付けた。

 

「ん?」

「どうした?」

「いや、映像が一瞬乱れたような?」

 

 ルパン達を映している監視カメラの映像を見ていた看守が気になったが映像には相変わらず寝ているルパン達がいた。しかし、実際はそこに時行がいる。

 

「何も起きてないところを見るとハッキングは成功しているみたいだな。」

「凄いですね。」

 

 ルパンは簡単に鍵を開けると時行を入れた。時行からカメラを受け取り確認する。

 

「なるほどなるほど…ここからは俺の仕事だな。」

 

 ルパンは時行と入れ替わりに牢屋を出る。時行はベットに行き毛布をくるんで寝た。ルパンがハッキング装置を外す。そのままバレないように出た。

 

「時行が居てくれて助かるぜ。」

 

 ルパンは時行が撮影した写真を頼りにアンドロフ刑務所内を調べる。ロッカーから服を奪い着替え変装する。時行が撮影した場所には手掛かりがないみたいだ。

 

「時行が行けなかったところは…」

 

 ルパンは監視の目が厳しいところを重点的に探し始めた。

 一方、見回りに来たグレゴリン達が牢屋の中を見る。やる気もなく寝転んでいる次元達がいた。

 

「お前ら、本当に探す気があるのか?」

「ここから出してくれたら探せるんだがな。」

「ルパン!起きろ!」

 

 看守がルパンのフリをしている時行に話しかけた。すると、時行はスマホからルパンの声を流した。

 

『ヌフフフフ~。不~二子ちゃ~ん!』

「だめだな。完全に寝てやがる。」

「こうなったルパンは梃子でも起きん。」

「チッ。忘れるなよ。8日後には貴様ら全員処刑だ。」

 

 グレゴリンはそう言い残して去って行った。それから隙を見てはルパンと時行が入れ替わり看守の目を騙しながらアンドロフ刑務所内を探索していた。そして、ルパンはある場所に辿り着いた。

 

「ここは…拷問室ってところか。」

 

 拷問器具や大量の血の跡がある部屋に入る。ルパンの調べでホワンはここで拷問され死んでいることが分かった。その隣には懲罰房もある。

 

「怪しいのはこの2つか。」

 

 ルパンは拷問室と懲罰房を調べる。

 

「怪しいのはこの2つの部屋だが…」

 

 ルパンがいくら調べても何か隠されている感じはしない。ルパンは疲れたと仰向けになって倒れる。すると、天井の傷が目に映った。明らかに人の手で傷付けられたものだ。しかも、かなり古い。

 

「あれは…地図か?」

 

 所々掠れているが地図のように見える。ルパンはもしかしてと思い拷問室に行く。そこでは丁度グレゴリン達が囚人を拷問していた。グレゴリンが拷問を終わらせ囚人を連れて拷問室を出て行った。ルパンは拷問室に入り天井を見る。そこにも傷だらけの地図が描かれていた。

 

「これならバレないわけか。ホワンは何十回、何百回もここに連れて来られる度に隙を見て描いていたわけか。」

 

 ルパンはホワンの隠した財宝の手掛かりを見つけた。しかし、地図を2ヵ所も描く理由が分からなかった。ルパンは天井の地図を写真に撮る。それを牢屋に持ち帰りみんなで考えた。

 

「2つの地図だぁ?」

「ああ。だいたいの場所は分かるがこれだけじゃ全然分からん。」

 

 ルパン達が首を傾げる。すると、時行が写真の見すぎで頭がクラクラしてきた。

 

「あぁ…地図がぼやけてきました…」

「おい、大丈夫か時行?」

「見すぎて目眩を起こしたのだろう。休むといい。」

 

 時行を見たルパンは地図を並べてジーと見つめた。

 

「どうしたルパン?」

「次元。3D裸眼立体視って知ってるか?」

「なんだそれ?」

「右の図形を右目で、左の図形を左目で見ると図形が重なり立体的に見える見方のことだ。」

 

 ルパンはそれぞれの地図を焦点をぼかしながら見る。すると、4つに見えた地図の真ん中が重なり1カ所が浮き上がって見えた。

 

「あった!そこか!」

「分かったのかルパン?」

「ああ。ホワンって奴は相当凄い奴だ。全く別の場所に3D裸眼立体視で見れば宝の場所が浮き上がるように描いたからな。」

 

 ルパンは写真をしまい立ち上がった。

 

「じゃあ、行くとしましょうか。」

 

 ルパンは時行を先に行かせる。布団にダミー人形を入れて牢屋を出た。グレゴリン達はまだルパン達の脱獄に気付いていない。ルパン達は看守に変装しワルサーやマグナム、斬鉄剣を回収した。時行は看守の見張りを潜り抜け港の反対側にある崖に来ていた。

 

「ルパン!」

 

 見回りに来たグレゴリン達が呼ぶも反応がない。牢屋に入り毛布をのけるとそこにはダミー人形がいた。

 

「やられた!奴らは既に脱獄している!」

 

 グレゴリンはすぐに刑務所内の全ての看守にルパン達を捕まえるように命令した。刑務所内に鳴り響く警報音。

 

「おっ。バレたみたいだな。」

「ルパン、早く。」

「分かってる。」

 

 ルパン達を追いかけるグレゴリン達の声が聞こえた。ルパン達は時行がいる崖に向かう。

 

「バカめ!そこは崖っぷちだ!逃げ場など無い!」

 

 グレゴリン達が崖に到着する。そこには崖から遠くにある船を繋ぐワイヤーがあった。

 ルパン達が来る前、時行は自動運転の船にワイヤー付き矢を当てて張っていた。

 次元と五エ門がワイヤーにフックをかけ時行が待つ船に乗る。ルパンはワイヤーを崖から外しハンググライダーにかけると次元が船を運転した。

 

「いつの間にに!?」

「約束通り自主的にここから出て行くんで!あ~ばよ~!」

 

 グレゴリン達が発砲するもルパンには当たらない。ルパン達はそのままアンドロフ刑務所からの脱獄に成功した。

 

 数日後

 ルパン達はホワンの隠した財宝がある場所を探していた。荒野に小屋を見つけた。ルパンは写真を合わせて確かめる。

 

「間違いねぇ。ここだ。」

 

 ルパン達は小屋を調べる。一見、何もないボロい小屋だ。しかし、ルパンは小屋の中央で立ち止まると下を見た。何度も足踏みをする。ルパンは確信したのか床を剥がす。そこには木箱があった。

 

「ルパンさん!」

「あったぞ!」

 

 ルパンと次元が力強くで木箱を開けた。そこには数億はくだらないであろう札束があった。しかし、既に風化しボロボロで使えるものじゃなかった。

 

「あちゃー。」

「まぁ、12年以上も経てばこうなるか。」

 

 がっかりするもルパン達はすぐに大笑いした。時行もルパン達につられ一緒に笑うのだった。

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