中国•上海
そこにある隠れ家に1人の男が向かっていた。和服に長髪の男。左手には刀が握られている。男は周りに誰もいないことを確認して隠れ家に入る。床を見て何かを探す。見つけたと男は床を開けて地下室へと入った。
「ルパン。どこにいる?」
「おぉ〜!ここ!ここ!よく来たな五エ門!」
男の名は石川五エ門。ルパンファミリーの1人であり斬鉄剣の使い手でもある。五エ門はルパンの前に座る。すると、ルパンの後ろで掃除をしている時行が目に写った。
「ルパン、後ろの少年は誰だ?」
「ん?ああ、あいつは北条時行。聞いてびっくり南北朝の武将だぜ。」
「なんと?」
ルパンは次元にした説明と同じ説明を五エ門にした。
「際かには信じがたいが…」
「俺達は既にタイムスリップしたり宇宙人にあったりファラオの呪いを体験してんだよ。今更昔の偉人が蘇ったぐらい驚くことないだろ。」
「それはそうだが…」
「やっぱり五エ門もその反応か。」
後から次元が来た。ルパンは全員集まったと時行も椅子に座らせ今回の計画を話し始めた。
「今回の獲物はハオ•ヴァンが所有する豪華客船。そこにある金塊だ。」
ルパンは豪華客船に設計図を出す。
「ハオ•ヴァンは豪華客船の中に裏カジノを作っている。その売り上げを金塊に変えている。場所はここ。この部屋に専用金庫がある。金庫の周りにはマシンガンを持った怖〜いサングラスがいっぱいいるぜ。」
「いつものことだろ。」
次元が笑う。
「それで二手に分かれる。俺と次元が部屋に潜入する。五エ門と時行は逃走通路の確保だ。」
「拙者がこの少年とか?」
「そうだ。時行は頼れるぜ。」
「逃げるだけなら心配することはねぇ。」
ルパンと次元がお墨付きを出す。五エ門も文句は無いようで頷いた。結構は今夜。早速ルパン達は準備をする。時行は弓矢を持っていた。
「お主、弓矢が出来るのか?」
「はい。父親が弓矢が好きなので幼い頃から弓矢は学んでいました。」
「俺も見たけど相当なものだぞ。」
準備を終えたルパンが外に出て空き缶を拾う。どうやらルパンは時行に空き缶を当てさせるつもりらしい。50mぐらい離れる。次元と五エ門は時行の後ろで見学する。
「行くぞー!」
「はい!」
ルパンが空き缶を高く投げた。時行をよく狙って弓を引く。そして、矢を放つ。矢は落ちてくる空き缶に見事命中した。それを見た2人拍手した。
「すげぇもんだな。」
「見事でござる。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、行くぞー!」
夜になり計画が始まる。豪華客船ロンヴァン号に変装して潜入する。ルパンと次元は隙を見て裏カジノから出て行き金庫がある部屋へと向かう。
「どうだルパン?」
「チョロいもんよ。」
「だが、この計画大胆過ぎねぇか?」
「やるなら派手な方がいいだろ。」
ルパンは見張りをガスで眠らせて金庫に到着する。あっさりと鍵を開けて中に入る。そこにはズラリと並べられた金塊があった。
「あったぜ次元。」
「問題はこれからだろ。五エ門と時行の負担がデカいぞ。」
「信頼してるからこそよ。俺達も始めるぞ。」
ルパンと次元は互いの顔を見て頷いた。一方、時行と五エ門は裏カジノで連絡を待っていた。
「拙者はお主のことを何も知らん。共に仕事するならお主のことを聞きたい。」
「分かりました。」
時行は壮絶な南北朝体験を話した。その後、両津がいた世界での出来事も話した。五エ門は理解出来ず頭を抱える。
「ルパンが言っていた時もそうだが未だに信じられぬ。」
「ですよね。」
アハハと笑う時行。その時、警報が鳴った。五エ門がルパンに連絡する。
「どうしたルパン?」
『ハオが雇った傭兵に見つかった!そっちも気を付けろ!』
ルパンの声の他に銃撃の音も聞こえる。五エ門が呼びかける。すると、時行が上を見た。五エ門は殺気を感じて避ける。そこに両手に青龍刀を持った男が襲いかかってきた。
「臭うぜ…人殺しの臭いだ。」
「此奴がその傭兵の1人か。」
客達が逃げる。代わりにマシンガンを持ったハオの兵隊が2人を取り囲む。
「お前、知ってるぞ。石川五エ門だ。ルパンの手下。」
「手下ではない!」
五エ門は変装を解き斬鉄剣を構える。時行も変装を解いて弓矢を構えた。
「1人はガキかよ。ルパンも落ちたか。あんなガキを連れて来るか。」
「行けるのか時行?」
「問題ありません。」
「よし。」
兵隊がマシンガンを連射する。2人は同時に飛び出して避けた。時行は弾丸の嵐を避けながら矢をマシンガンの銃口に命中させていく。
「見事!」
「余所見か五エ門!」
五エ門は傭兵と交戦を開始した。激しく火花を散らす斬鉄剣と青龍刀。2人はカジノ内を縦横無尽に動きながら剣戟を繰り広げていた。
一方、ルパン達も金庫に隠れ応戦していた。そこにいかにも偉そうな男が来る。この男がハオ•ヴァンだ。
「ルパン三世。私の金塊を狙うとは命知らずですね。」
「カジノで騙して儲けた金だ。ちょっとは俺達にも恵んでくれよ。」
「ダメです。その金塊は全て私の物。君には鉛がお似合いですよ。バソン、ルパンにありったけの鉛を食わせてやりなさい。」
「了解!」
ハオの前にいる大男バソンがライフルで攻撃する。
「これは五エ門のところも問題ありだな。」
「時間は…あと10分。そこまで保てばいいが。」
「心配か?」
「ああ。ちゃんとタイミングを合わせてくれるか心配だ。」
ルパンが軽口を叩く。その五エ門は青龍刀使いとの激闘を続けていた。時行も弾丸を避けながら矢を命中させていく。
「あのガキ、なんて奴だ。」
「余所見か!」
五エ門が青龍刀を斬る。青龍刀使いは五エ門を蹴って距離をとる。周りに兵隊が集まる。時行と五エ門も集まる。
「拙者の後ろに。」
「は、はい!」
言われた通り後ろに隠れる。兵隊達が一斉にマシンガンを撃つ。それを五エ門は斬鉄剣で全て切り落としていった。時行はそれを見て感嘆する。
「す、凄い!」
「でやぁぁぁぁぁぁ!」
五エ門が叫びながら突撃する。時行はその後ろから銃口を撃ち抜き援護する。青龍刀使いは五エ門に向かって青龍刀を振り下ろす。すれ違う両者。
「また…つまらぬものを斬った。」
五エ門が斬鉄剣を鞘に納める。その瞬間、青龍刀も服も細切れにされパンツ一丁で倒れた。時行は拍手する。
「死んで…いないのですね。」
「無益な殺生は好まん。」
五エ門は時間を気にする。
「もうすぐか。」
「そうですね。」
2人はルパンに言われたところで待機する。すると、五エ門が斬鉄剣で円状に床を斬った。床は崩れ落ちる。それを繰り返していると金庫の真上まで2人は落ちた。ハオ達は煙で視界が塞がれる。
「時間ピッタリ。ナイス五エ門。」
「ここからだぞルパン。」
「もちろん!」
ルパンは金庫に隠していたロケットをみんなと協力して金庫に装着させる。すると、ロケットが噴射して金庫が浮かび上がった。ハオが着付いた時にはもう飛ぶ直前だった。
「またなーハオ!」
「ルパン!」
バソン達が撃つももう手遅れだった。金庫は天井を突き破りロンヴァン号から脱出した。
「こんな方法で逃げるとは。」
「これからこんなのばっかりだ。慣れろ。」
「安心せい。嫌でも慣れてくる時行殿。」
「あれ?五エ門、いつの間にそんな呼び方したの?」
五エ門の時行殿呼びにルパンも時行も驚く。
「お主の戦い見事だった。拙者の背中を預けるには充分だ。」
「五エ門がここまで評価するとか明日は槍でも降るか?」
次元が笑う。上海の街を金庫が飛ぶ。時行は空から上海を見下ろす。綺麗な街だと感動している。
「南北朝には空飛ぶ乗り物なんざない時代だからな。」
「やっぱり人生楽しんでこそよ。」
みんな笑う。時行は五エ門と斬鉄剣を見ている。
「五エ門さんって刀1本でなんでも斬るのですね。」
「拙者と斬鉄剣に斬れぬものなし。」
「そういや、五エ門のこと話してなかったか。十三代目石川五ェ門。いにしえの大泥棒“石川五右衛門”の末裔。居合い抜の達人で何でも真っ二つにしちまう怒らせるとコワーイ男。」
「その説明は止めろ。それと拙者はルパンの手下ではなくライバルというものだ。」
五エ門がルパンの説明に付け加える。
「あなたがいたら戦に勝てるかも。」
「五エ門は南北朝でも通用するのか。」
「逆に言えば五エ門レベルじゃないと南北朝では生き残れないみたいだぜ次元。」
時行が五エ門を見て目をキラキラさせている。五エ門は悪く感じていないみたいだ。五エ門は時行を認めて笑うのであった。