フランス•パリ
そこにあるホテルの1室に裸の男女がいた。1人はルパン三世。ベッドの上でニヤニヤしている。もう1人は茶髪でボン•キュッ•ボンのナイスバディの美貌を持っていた。
「ねぇルパン。私、欲しい物があるの?お願い、聞いてくれる?」
「聞いちゃう。聞いちゃう。不二子ちゃんのお願いならなんでも聞いちゃう〜。」
「あの…」
ルパンが不二子とキスしようとする。そこに時行が入ってきた。•••と沈黙が続く。裸の2人を見た時行は顔を真っ赤にさせて扉を閉めた。
「すみませんでした!」
「ちょっとルパン!あの子誰!?まさか…」
「待って不二子ちゃん!違うから!話を聞いて〜!」
赤面する時行の後ろで2人の声とビンタの音がした。時間が経過し次元と五エ門が来る。2人は赤面している時行を見つけ何があったのか聞く。時行が話すと2人は納得した。
「久しぶりにいいビンタ食らったみてえだな。」
「うるせえ!」
ルパンの頬に真っ赤に付いたビンタの跡を見て笑う次元。不二子は時行をジーと見ている。
「それでルパン。この子はなんなの?」
「北条時行。それが聞いてびっくり。なんと南北朝時代に活躍した武将なんだ。」
「俺の時と同じ説明だな。」
「拙者の時もそうだった。」
ルパンが不二子に説明する。不二子は不思議そうに時行を見る。
「本当にルパンの隠し子じゃないのね?」
「何れルパン4世と呼ばれたりしてな。」
「笑えない冗談ね。」
不二子はため息をつく。不二子はルパンに寄り添い胸を密着させた。
「ねぇ、ルパン〜。私、カタリナの首飾りが欲しいのよ。」
「うんうん。なんでもプレゼントしちゃうよ〜。」
「くだらん。帰る。」
「拙者も。」
呆れた次元と五エ門が席を立つ。
「次元〜。五エ門〜。折角呼んだのに帰っちゃうのか?」
「一々その女の我儘に付き合ってられるか。」
「左様。」
帰ろうとする2人を時行が止める。
「大丈夫なのでしょうか?」
「時行、先輩からのアドバイスだ。その女と関わると禄なことにならん。」
「えっと…不二子さんってどんな方なのですか?」
「いい女。」
「性悪女。」
「女狐。」
次元と五エ門の評価に不二子はしかめっ面をする。2人が部屋を出て去って行く。
「仕方ねぇ。不二子ちゃんと時行でやるぞ。」
時行は不安しかない。不二子が説明をしてくれた。
「カタリナの首飾りは愛徳姉妹会の聖女、聖カタリナ・ラブレが着けていたとされる首飾りよ。カタリナは聖母マリアからカトリック教会の信心具メダイを作るように言われた時に常に自分といられるようにと首飾りも作らせたそうよ。」
「それがこの首飾りか。確かにマリアの肖像が刻まれてるな。周りには100カラットのダイヤモンドが散りばめられているのか。」
「綺麗でしょ?欲しいわぁ〜ルパン〜。」
「あげちゃう!あげちゃう〜!」
不二子にべったりのルパン。時行は不安しかなかった。3人は早速カタリナの首飾りがあるという美術館へと向かった。昔は修道院だったところを改装して美術館にしたようだ。そこにはカトリック教会関係の美術品が展示されている。
「見張りは…外に8人、中には…10人。結構いるじゃん。」
「どうやって侵入するつもりなのですか?」
「そこは不二子ちゃんの出番よ。」
ルパンが指差す。時行が見るといつの間にかシスターに変装していた不二子が見張りと会話していた。見張り達は顔を赤らめ不二子を美術館に入れた。
「なんで?」
「ここは夜は関係者以外立ち入り禁止だ。だが、シスターや神父は関係者として入ることが出来る。不二子ちゃんが中の見張りを眠らせたら俺達も外の見張りを眠らせて入るぞ。」
ルパンは不二子を信用しているみたいだ。次元や五エ門は不二子を毛嫌いしているようだった。時行は気になりルパンに不二子のことを聞いてみる。
「ルパンさん。不二子さんってどんな方なのですか?」
「ん?謎の女峰不二子。女盗賊か女スパイか、この俺にも分からない謎の女。そして、欲望に忠実な女。いつも酷い目に遭うが憎めないんだなあ。俺はカワイコちゃんに弱いからねぇ。」
「裏切られているのですか?」
「そういうこと。」
ルパンは笑いながら話す。時行は足利尊氏の裏切りによって故郷を失っているため裏切りにはいい思い出などないのだ。
「裏切られて…悔しくないのですか?」
「いいや。裏切りは女のアクセサリーさ。いい女ってのは裏切られてもいいやと思ってしまう女のことさ。女は全部分かってしまうとつまらない。謎が1つ解けたらまた新しい謎が出る。それぐらいがちょうどいい女なのさ。」
ルパンが持論を話す。
「時行もいずれこの時代でそんな女に会えるさ。」
「会いたくない気もします。私は絶対に裏切りませんからね。」
「それでいい。…おっ。不二子ちゃんが見張りを眠らせたぞ。俺達も行くぞ。」
ルパンがガスマスクを着けて美術館に向かう。時行もガスマスクを着けるとルパンの後を追った。2人は静かに催眠ガスが出るボールを投げ見張りを全員眠らせた。ルパンが扉を開けるとズラリと並んだ美術品が目に写った。
「これはすげえぜ。」
「ルパン、こっちよ。」
不二子が手招きする。ルパンが行くとカタリナの首飾りがあった。ガラスケースの中に展示されている。鍵がかかっているみたいなのでルパンがチャチャっと解錠した。
「ではでは、ごたいめ〜ん。」
ルパンがガラスケースを開けた。その瞬間、警報が鳴った。ルパンと時行が驚いていると不二子がカタリナの首飾りをルパンから取って天井にワイヤーをかけ天窓へと登って行った。
「不二子ちゃん!?」
「ごめんねルパン。これ、ありがとう。」
「そりゃあないぜ不二子ちゃ〜ん。」
ルパンが手を振っているも不二子はバイバイとジェスチャーして天窓から逃げて行った。2人が見上げていると剣を持った警備員が続々と入ってきた。
「ルパンさん、いつもこんな感じですか?」
「そうそう。こんな感じよ。」
「…ダメじゃないですかぁ!」
2人は慌てて逃げる。一方の不二子は美術館からカタリナの首飾りを盗むと富豪の屋敷に転がり込んだ。富豪にカタリナの首飾りを見せる。
「さすが峰不二子だ。それで何が欲しい?」
「あなたの金庫にあるお金。」
「強欲だねぇ。」
富豪は不二子を連れて地下を進む。その先にある金庫を開けると大量の札束が並べられていた。不二子はキラキラした瞳で札束の山を眺める。
「凄いわぁ!あなたとなら結婚したいわ!」
「うんうん。俺も不二子ちゃんと結婚したい〜。」
不二子が驚く。いつの間にか富豪がルパンと変わっていた。その富豪は金庫の前で気絶していた。時行が富豪の頬をツンツン指でさす。
「結局、俺よりお金なんだから〜。」
「あら?カタリナの首飾りが欲しいって言ったのは嘘じゃないわよ。」
「あの富豪に取り入るためでしょ〜?」
「それもある。本当な欲しいと思ったのも事実よ。」
不二子はいつの間にかカタリナ首飾りを胸の谷間に隠していた、それをルパンに見せる。ルパンが呆れてある。不二子は札束を袋の中に入れていく。
「ルパン。今度、札束風呂で混浴しない?」
「するする!不二子ちゃんと混浴風呂〜!」
「あれはもうダメですね。」
不二子にメロメロのルパンを見て時行が呆れていた。その時行に不二子が近付く。キスしようとジャンプしたが避けられたルパンが札束に突っ込む。
「どう?」
「酷い人ですね。」
「私はこういう女よ。お金のためならどんな手段でも使うのよ。」
「あなたにとってルパンさんってなんなのですか?」
時行の質問に不二子はクスッと笑い答えた。
「愛し愛され裏切り裏切られる関係よ。時にはパートナー、時にはライバル。婚約者だった時もあったわね。」
「それでよく関係が保てましたね。」
「大人の関係は簡単には切れないわ。あなたも大人になれば分かるんじゃない?」
不二子はウインクして去って行く。時行がその後ろ姿を見ているとルパンが札束を入れた袋を抱えてやってきた。
「時行、帰るぞ。」
「結局、盗むのですね。」
「泥棒だから。」
ルパンはニヒヒと笑うと時行を連れて屋敷から出て行った。既に不二子はバイクに乗って去っている。
「北条時行…五エ門とは違った武士の少年。面白いじゃない。」
不二子は時行を思い出し笑いながらパリの街へと消えて行った。