貴方のお陰で思い付いた話です
時は終末後。岩手県北上市の伊勢神社周りの工業地帯
終末後でも使える機械の部品生産工場の昼前
「ヨシ、これで発注分のメッキ前処理完了だ」
機械のベース部分の保護や性能アップを目的とした金メッキ等を行う前の作業。ここでは彼のアイデアでそこに低レベル悪魔素材を活用する事でオカルト相性を上げている(本作の独自設定)
「お疲れお弁当ニキ。終わった所で悪いんだが指名依頼が来てるぞ」
「何で俺?」
内容は大まかに予想がついてるので言いながらも手早く行く準備を整える
「指名依頼が来るのここだとお前だけだろ」
「ここで働いてる黒札をお前呼びしてるのは先輩くらいでしょう。しばらく留守になりますんで」
「おう、気を付けてな」
武器を担いで向かう俺は水瀬 冬舞(みなせ とうま)ロマサガ3の主人公の一人トーマス・ベントにそっくりな見た目と昼に弁当食ってた時に唐突に前世の記憶が蘇って来たことからこう名乗っている。覚醒は楽な修行だった為に後で泣きを見た
「やっほーマスター。呼び出しだって?何やらかしたの?」
「指名依頼だよ。内容は分からないが付いてくるか?」
「勿論。こういう時じゃないとマスターと一緒に仕事行けないからね。いつも生産工場で頑張ってるから一人仕事は寂しいよぉ」
「レベル上げの時にはいつも一緒だけどな」
声をかけてきたのは俺の式神の艦これの北上。胸は盛ってあるけど。近くの雑魚狩りをやってもらってる。最初は神社の遠征式神に混じって仕事してもらってたっけ
「お疲れ様です、名誉店長ネキ」
「お疲れ様お弁当ニキ。早速で悪いけど。これ依頼ね」
「…心折れたり自信なくした新人の中でも程度の軽いのを復帰させろ。と。権能関係か。メシアン同士を潰し合わせる為に穏健派を煽って死兵にしてこいってわけじゃないから良いか」
「そんなのやりたい?」
「ごめんなさい本当に必要な時以外やりたくありません」
「正直でよろしい」
「もっと優しく言って欲しいです」
「アンタが慣れた相手に対応して欲しいって山梨にいた頃から半ば専属だった私を岩手に異動する時に引き抜いたんだから文句言わないの」
「手間の割に実入りが少ないです。それに依頼の時間が受けて直ぐに出発しないと間に合わないは酷いと思います」
「ボヤかない。慢性的に人手不足なんだからまともに動いてくれる覚醒者は何人いても困る事は無いから。底上げは大事よ。…そんな顔するなら、終わったら一緒に飲みにでも行きましょう。愚痴なら付き合うわよ。だから行ってらっしゃい。応援してるわよ」
「はーい」
アイマスの秋月律子そっくりの黒札の事務員に応援されながら現場へ。覚醒した辺りからの付き合いだから本当に気安くてありがたいね。若干扱いが雑な気がするけど
トラポートして貰い現場へ。立ち上がらせて直ぐに低レベル異界に突撃させるからって入り口前とは恐れ入る
「依頼を受けて来ました。お弁当ニキです。こっちは式神の北上です」
「依頼人です。宜しくお願いします」
「人は揃ってますか?」
「ええ。纏めてお願いします」
「個別で話をして簡単に理解した方がより効率的にできますが」
「そこまでは大丈夫だと思います」
「了解。さあ、金の卵へ指導の時間だ」
声をかけるべき奴らは15人位か。アナライズ眼鏡で確認すると皆一桁だ。顔を簡単に見るとギリギリな感じだが確かに目がまだ死んでない。切っ掛けがあればまだ戦えそうだ。なら俺みたいに後悔する前に背中を押してやらねば
「諸君!はじめまして!俺はお弁当ニキ。君たちと同じく覚醒して直ぐに戦いにトラウマを負った男だ。〜」
自分の失敗談から話は始まる。やはり同じ失敗をしてるから食いつきが良い
離れた所で
「自分の失敗談話してるだけみたいですが、大丈夫ですかね?」
「大丈夫。そういう所から話して黒札も人間だって理解させて話を飲み込み易くさせてるのよ。まあ見てなさい」
身振り手振りに話の調子を意識せずに変えて行く。それと共に彼等の目つき顔付きが変わっていく。そろそろ仕上げだ。こういう技術は自然にできるよう体に覚えさせるんじゃなくて、マニュアル化して文書で寄越して欲しかったよ。本霊め
「〜だから俺は君たち新人には後悔して欲しくないのだ!強くなれ!君たちならできる!」
テンションが上がりきっているのが口々に叫ぶ
「守るんだ!自分の大切な物を!」
「変えるんだ!今の馬鹿にされた状況を!」
「ありがとうお弁当ニキ!俺は戦う!」
煽り過ぎたか。若干死兵になりかけてる気がするがしょうがない
「生きて帰ってこい!生きれば何度でもやり直せる。応援してるぞ!行って来い!」
「オオォーッ!!!!!」
依頼人と一緒に武器を手に異界に飛び込んで行くのを見送る。これで表の仕事は終わりかな?とりあえず弓を構えておこう
「次は仲良くしたくない団体さんだね」
「お仕事だね」
北上が寄ってきて直ぐに怪しい集団が現れる。過激派と下級天使の集団レベル15が50程か。水、雷に耐性ある奴は居ないようだ
「低レベル覚醒者の集団がいると聞いてきたのですが黒札しかいないようですねぇ」
「彼等はやる事があるからそこに行かせた。お前等に用はない。さっさと還れ過激派」
「そうもいきませんよ。彼等には祝福が必要なのです。貴方にもね!」
お互いに戦闘態勢だ。言葉だけで消えてくれればいいのに。
「そんなもん俺の周りには要らねえ。消えろ。アローレイン」
弦からMAGの塊が矢の雨となって放たれる
「さあ、ギッタギタにしてやりましょうかね!」
北上も近くにいるのから釣瓶打ちを始めたようだ。敵の足が鈍る
「俺の事は考えるな!ただ蹴散らせ!」
「了解!」
「スコール《マハアクア》!」
MAGの雨だ。雨の次は
「サンダークラップ《マハジオンガ》!」
雷球を大量にばら撒く。投げる動きは一回だけだが範囲攻撃である
「ぬわー!!」
MAGに還ったのは三割程か。適度に集まってきたから派手に 吹き飛ばせ…
「弓が武器なら接近戦はできま…エ?」
とか思ってたら寄ってきたのがいたよ。弓が瞬く間に槍に変わる。残念。複数の姿を持つ武器式神のグリムちゃんです
「戦闘絡む黒札を舐めるな」
油断慢心しなければ問題ない。心臓を貫いて仕留めたのを相手に投げつけて距離をとる。指定時間が早すぎて前衛専門を連れてこれなかったのが地味に痛い
「だがやるしかない。スパイラルチャージ!」
天使達を蹴散らしながら敵集団の上へ。後ろは北上に任せる
「決めちゃって!マスター!雷撃発射ァ!」
「今だ!メイルシュトローム!《ラクカジャ+マハアクダイン》」
強大な海の大渦で敵が纏めてMAGに還ったが天使が少し残ってる。逃げようとしてるな。だがさせん!
「皆死ね矢《マハムドダイン》!」
再度弓に変化したグリムリーパーの必殺の攻撃だ。俺の見た目と名前の組み合わせから中々のスキルが生えたよ
「敵は全滅したか?」
「とりあえず北上さまの索敵には反応は無いよ」
「なら素材を回収して異界入り口に戻ろう。少ししたら戻って来るだろうし何も無かった顔で出迎えよう」
「了解」
入り口に戻ったがまだ出て来てない。と思ったら出てきた
「皆お帰り」
皆相当暴れたらしい。軒並みレベルが上がっている。上がって無くてもスッキリした顔をしてるからこれで大丈夫だな
「皆、無事に帰って来て何よりだ。もう心折れたものはここには居ない!居るのは伸びしろしかない戦士だ!強くなれ!理想を得る為に力をつけろ。そして生き残れ!生き残れれば何度でも立ち上がれる!皆のこれからに期待しているぞ!!!以上だ!」
「「「「「「御指導ありがとうございます!!!!」」」」」」
「では、解散!今日は休め!」
依頼人の言葉で解散していく
「これで彼等はまた戦えます。ありがとうございます」
「仕事ですから。うまく行ったらこちらにも利益はありますし」
「報酬に色をつけてもらえるよう言っておきます」
「では岩手支部に仕事の発注をお願いします」
「了解です。ではこれで依頼完了です」
依頼書にサインされたのを受け取る
「ありがとうございました。縁がありましたらまた。…よし、北上、帰るぞ」
「はーい」
俺たちを見送って
「…大したこと言ってないけど引き込まれて行く話術か。あれで演説とか嫌いって信じられんな。あれで敵を味方に付けるのも可能ときた。…メシアン殲滅の為に過激派に潜入して過激派の一部を死兵にして反乱を起こさせデカい拠点を潰したっていうのは嘘じゃ無さそうだな」
帰還後。飲み屋で絡まれるのを避けて宅飲み。ちなみにお隣さんです
「今日もお疲れ様。乾杯」
「あー、酒が上手い。しっかし、今日もしんどかった」
「でもまだマシでしょ?英語とかできないのにヒアリングと喋れるからって、アメリカに帯同したときもあったんじゃ無かったっけ?」
「ああ言うのもな。過激派狩れるからってホイホイ行ったら通訳やらされたのも大変だった」
「本人の人間性とその辺の特性が合ってないのも大変ね」
「そうだよ~。今回の依頼だって一人一人と話をできればもっと良い形で彼等を導けるのに過激派共のお陰でそんな時間が取れなかったのが面白くないよ。…」
気がつけは俺だけ寝てしまう
「…グー、スー」
「仕事を選り好みするように嫌嫌言ってるのに任されればきっちり熟すし、生産と二足の草鞋で十分に貢献してるわよ。もっと自信を持ちなさい。…色々素面で言えたら私も…」
「マスター。お弁当さん寝てしまったので迎えを呼びますか?」
「そうして頂戴」
彼女は私の式神の音無小鳥。直接戦う事を諦めて事務として戦う事を決めた私と一緒に事務仕事も行う頼れる式神
「迎えに来たよ。と言ってもお隣さんだけど」
「彼の事宜しくね」
「言われなくてもね。早くくっついちゃいなよ。あんたとマスターの子供を育てるの楽しみにしてるんだから」
「それは…」
しどろもどろになったところに助けが
「二人とも奥手すぎて困りますね。酔った勢いでしたのは1回や2回じゃ無いのに」
入らない。式神達によるマスターいじりだ
「好きあってるヘタレ同士頑張って。んじゃまたね」
「…」
「さ、マスターも休みましょう。明日も朝からお仕事ですよ」
「分かってるわよ。私も勇気が欲しいな…」
そうして、明日も日々は続いていく
人物紹介
お弁当ニキ レベル50
本作の主人公。見た目はロマサガ3のトーマス・ベント
岩手県民。覚醒後に一度心折れて製造チームに所属したがある事件を切っ掛けに再度武器をとる
ロマサガシリーズの大ファン
本霊はフォルネウス。本人の認識と外見の影響もあってお弁当ニキ関係はほぼそれになっている。ちぐはぐな能力は勿論フォルネウス由来のものである
使用属性 水、電撃
弱点 炎 土
式神 北上
外見ベースは艦これの北上。精神面にそれが影響を与えており、子供好きでどうせなら沢山いる方が良いと思っており、自身の子供も欲しいが主と仲の良い相手との間にも子供ができれば良いと思っている
製造班に所属してた辺りに作られ、一人で式神遠征をしていた
武器式神 グリムリーパー
復帰後に製作された。格闘用、槍、弓と他にも幾つかの形態を持っている。人型にもなれるが、それを知られると遠征に回されかねないと思っている為隠している。喋れない訳では無いが基本念話
名前の影響で呪殺のスキルが生えた
名誉店長ネキ レベル5
アイマスの秋月律子そっくりの転生者。お弁当ニキとは同じタイミングで覚醒してからの付き合い。殴り合いは諦めて数字で戦う事にした事務員。お弁当ニキとはくっついてないだけで周りからはそういう関係だと思われている。事務員としては珍しい覚醒済み。式神を女性型にしたのはどこにでも連れて行けるから
式神 音無小鳥
外見ベースはアイマスの歌える事務員。戦わないので一緒に事務員をやっている。主の子を育てるのを楽しみにしている。護衛も兼ねているためレベル10位の戦闘力はある
駄文にお付き合いありがとうございます