【カオ転三次】ヘタレた黒札の奮闘記   作:skakira

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今回は残酷な描写は(多分)ないです

気がつけはお気に入りが五十人近くも。皆様ありがとうございます

星新一先生の金額の表現は天才的だと思います。金額は出なくてもだいたいの金額は計算できるうえ、それがある場所では問題なく通じる


折れた後は立ち上がるだけ

「…知らない天井だ」

 

「起きたみたいですね」

 

「ここは?」

 

「病室です。先生を呼んできますね」

 

理想像は清楚だがそのスタイルで清楚は無理がありそうとか言われてそうな見た目した看護婦が出ていく。言葉ではふざけれたが体がずっと小刻みに震えてる。ついさっきまで多分死んでたんだよな、俺。思い返したら恐怖がぶり返して来た。涙がボロボロと溢れ出す

 

「…怖かった…。殺されるのって、こんなに怖かったんだ…。俺…戦いを舐めてた…」

 

しばらく部屋に嗚咽が響く。それが一段落した頃

 

「気分は落ち着いたか?」

 

恐らく外で待ってくれていたのだろう、中の人まで重度のシスコンっぽい医者が現れて触診を始められた。さっきの看護婦も彼もきっと黒札なんだろう。唐突に医者の眼鏡が輝く

 

「ハイ・アナライズさせてもらった。そちらでは問題ないが、どこかおかしい部位はあるか?」

 

「…体は多分大丈夫です」

 

「なら体は大丈夫だろう。気分が落ち着いたら店長ネキと一緒に製造部に顔を出すといい。エドニキが気にしていたぞ」

 

「名誉店長ネキは無事に戻って来てたんですか?」

 

「彼女も同じように死んで回収されたよ。先に蘇生したからか既に起きて問診も終わっている。動けるようだし、今日から割り当てられた部屋に戻ること。わかったな」

 

「…わかった。…ええと…」

 

「ラバセンニキだ。しばらくはゆっくりしろ」

 

「ありがとうラバセンニキ」

 

「はい、替えの服に着替えて出てってくださいね」

 

さっきの看護婦さんに着替えを渡され(固まってたら後5分で服だけ脱がせて追い出すと宣告された)手早く着替えたら病室を追い出された。美人に着替えさせてもらえるならご褒美だが脱がされて蹴り出されるのは嫌がらせだからな

後で知ったがあの看護婦さんは過去に偶然名家相手に訪問看護をやってたが、セクハラ行為をし続ける奴らにキレて前世の記憶と共に覚醒し地元の霊能の名家?とか言うジジイ達の股間を潰して回ったらしい

同じタイミングでその家を潰しに来た黒札にスカウトされて連合入りしたとか。連合ではその見た目の為によく名前を間違えられるそうです

 

「ご迷惑おかけしました。豊川風香さん」

 

「違います。よく似てますが豊口風香です。コテハンは玉蹴りネキです」

 

「わかりました。玉蹴りネキと呼ばせていただきます」

 

「よろしい。待合室で待っているそうですよ」

 

「急ぎます」

 

まだその話を知らないのに名前だけで股間が冷える感覚を味わいながら逃げ出して律子を探す。目が死んでる。多分俺も似たような目になってるんだろうな

 

「名誉店長ネキ」

 

「お弁当ニキ。お互い死んだって聞いたわよ。やっぱり先達の話はきちんと聞いておくべきね。お互い反省しましょう」

 

露骨に空元気だな。とりあえず今は戦いの話は避けよう

 

「だな。エドニキが呼んでるそうだから反省会はその後にしよう」

 

「そうね。行きましょう」

 

 

 

「お、来たな二人とも。元気そうで何よりだ」

 

「体だけ元気なだけですけどね」

 

「初めて死んだ後はそんなもんだ。戦いを続けるなら慣れるしかないさ。疲れてるだろうからさっさと本題に入ろう。だがその前に…ほれ」

 

札束が渡される

 

「お前等が狩ったのの素材の換金な。二人で狩った分は等分してある。成果にはきちんと報酬は渡さないとな。んで、最初に言っておく。実は二人とも異界に入る前から監視だけされてた。…」

 

当然のこととして死ぬまでの流れは注意された後この動きは良かった悪かったといった講評までされる

 

「死んだ時の体はそのまま残してある。専用式神にはマスターとの繋がりや式神の能力アップの為に本人の体を材料にする必要があるからな。修羅勢なら首から下を材料にする為に複数回首切って回復とかする奴もいるけどな。二人の場合それは無理だろ?数日待つからその間にどんな式神にするかまで考えておきな」

 

「そういえば希望とった時に探索終わってからもう一度確認するって言ってましたね」

 

「心折れてやっぱりやめとくって言うのそれなりにいる。ま、とりあえず美味いもの食べてゆっくり休め。ジャンニキの料理は五臓六腑に染み渡るほど美味いぞ」

 

「…そうします」

 

 

 

去っていく俺達を見送って

 

「あの二人は未成年だっけ?」

 

「たしかそうだな」

 

「二人ともマジメそうだから、酒飲んで忘れろとか言って酒渡すのは無しだな」

 

「酒の代わりに一時的に色々酩酊するけどその分精神的にスッキリするもの入れた飲み物でも渡しておこう」

 

 

 

食堂にてガイアカレー他周りからオススメされた料理を二人で平らげる。皆がオススメするだけあって全部絶品だった。あまりの美味さに自然と泣けて来た。危うくこの味を知らずにあの世に行くところだったんだな

料金は近くにいた黒札3人が払ってくれた。異界で死んだ俺を回収してくれたメンバーだったらしい。名誉店長ネキの部屋で反省会する事になったら飲み物他の代金まで出してくれた。戦い以外で何かお礼をしたいところだ。その時に製造部から預かった飲み物を紛れ込まされててもな。まさか飲み物の半分以上がそれだとか思わんよ

 

「…途中で別れたから良くわかったけど、1人じゃやれる事に限界がありすぎたわね」

 

「周囲の警戒にアイテムの使用、手数も。戦いは数とはよく言ったものだ」

 

「本当にね。使うものでダメージの通りが全然違う感覚もあったわよね」

 

「そして「殺し合いは本当に怖かった」」

 

「バラバラ死体と生きたまま腹の中喰い荒らされた死体とか、もう一度武器を取る気には慣れないわ」

 

「…これからどうしようか…」

 

「連合への所属はこのまましていいらしけど…」

 

つらつらとぼやきがお互いに出てくる

…あれ?気がついたら距離が近いしなんだか彼女が普段より色っぽく見える。なんでだろう?

 

…今回は俺が食われました 

 

昼過ぎから拗れた結果夕方に力尽きて夜中に一度目が覚めた

子守歌が聞こえる…

 

気がついたら早朝だったのでお互いに拗れた事は秘密として空き瓶を持って出ていく。俺みたいなのとそんなことしたなんて彼女にとって自慢にはならんしな

 

 

ゴミ捨て場にて

 

「おはようお弁当ニキ。よくねむれたか?」

 

「ラバセンニキ。おはようございます。まあそれなりに」

 

「…その瓶ジュースだけじゃなくて低レベル覚醒者向けの酩酊物質も入ってたな」

 

「…マジで?」

 

「本当だ。…それも手伝ったとは言え死線をくぐり抜けた後は男女ではそうなりやすい。あと、酔った勢いでも避妊はするんだぞ。ではな」

 

バレテーラ

 

今日はこのまま人と会わずに過ごす事にした

そういえば、貰った額は車の免許にかかる費用を払ったうえで岩手から山梨まで複数回高めの宿に泊まりながら往復出来るだけの額だ。それが俺の今の命の値段か

 

(出来ることを出来る形で、か)

 

結論が何も出ずに翌日の夜になってしまった。

 

食堂まで行ったら名誉店長ネキとばったり。目に光が戻ってる。何か決心したな?

 

「ご飯食べてから話があるけど良いかしら?」

 

「わかった」

 

どんな結論が出ても同期として背中を押そう

 

流石に食堂でする話ではない為外へ

 

「私、決めたわ。戦闘員辞めて事務員になる」

 

「そっか」

 

「千川さん…ちひろネキが昨日の夕方来てね。私が事務の資格持ってるの聞きつけてスカウトされたわ。事務員として俺達を支えてみたらどうか?って。事務員なら資格も使えるし、式神も巻き込めるかなって思ってさ」

 

「良いと思う。できない事を嘆くよりも出来ることをやろう。だね」

 

彼女の横顔に見惚れそうになった時、自分がどこの高校に行っているのかを思い出す

 

「…ネキが事務員なら、俺は製造部に行くよ。これでも前世も工業高校だったんだ。知識も役に立つかもしれない」

 

「良い考えね。これから所属はバラバラになるけどお互い力が必要な時は声を掛け合いましょう」

 

「決まったら善は急げだ。エドニキに報告に行こう!」

 

立ち上がると同時に周囲から拍手が聞こえる。よく見たらこの間の3人にラバセンニキと玉蹴りネキもいる。あとエドニキも

 

「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとさん」「めでたいなあ」「クエッ(おめでとう)」「「おめでとう」」

 

「「あ、ありがとう」」

 

…エヴァかよ。あとおめでとうの人数足りてない気がするし。応援してくれるのは分かるから突っ込まないぞ

 

ひとしきり皆に楽しまれたあとはエドニキに式神の希望を伝えて解散となった。明日から仕事である




玉蹴りネキ
前世はキックボクサーを目指していたが、プロテスト前に義父からのセクハラにキレて股間を蹴り潰してしまい、それが理由で夢を潰され失意のまま死んでいった女性。玉蹴りの玉は勿論サッカーボールとかでは無い
仕事が激務でストレスが酷いため、時々浅層でストレス発散を兼ねて雑魚狩りを行っている
レベル10の壁は越えていないが彼女の本気の蹴りはレベル20近くなっても油断したらそれなりに大きいダメージを受けるほど速く、鋭く、重い。クリティカル関係のスキルを持っている
エロジジイが心底嫌いで子供好き。その為ショタ型の式神が家で待機しており、彼女の癒しになっている。式神は仕事のサポートも含め2体。2体目は彼女に蹴り上げられるのをご褒美と言い切る俺達が資金を出した。理由にドン引きして思わずそいつらを蹴り上げたら恍惚の顔になっていたので更にドン引きした
外見はアイマスシリーズの元看護師のアイドル豊川風香

ラバセンニキ
外見はアイマスシリーズの元医者でアイドルの桜庭薫
元ネタ同様に年の離れた姉を難病で亡くしている。医者になり、激務と治療法の調査の為に無茶をして体を壊して覚醒。休んでる時にデータを纏めていたらオカルト分野なら行ける可能性を見つけ例のスレに到達し合流する
式神はアナライズ眼鏡のふりをしているが人間態にもなれる。人間態は姉が元気だった頃がモデル(資料の写真は肌身離さず常に持ち歩いている姉の写真)だがそれがどこからどう見てもアイマスの神崎蘭子だった為、中の人ネタを知っている製造部の俺達を驚愕させた(桜庭薫の演者さんと神崎蘭子の演者さんは姉弟でブラコンシスコンで有名)自衛隊ニキの例のビデオの購入者の1人で学術的興味(TSしたての人間の肉体的変化と精神面の変化の差異が気になったと)で見たのにそのクオリティの高さから危うく新しい扉を開くところだった。幼少期に自身と姉の違いで他人から嫌な扱いを受け続けていたので式神の人間態は他人の目に触れさせて無かったが、自衛隊ニキの活躍で生涯に渡って隠し続ける事になった。なお、例のビデオを見るまでは式神に甘えるだけで満足してたのが性的に手を出す切っ掛けになってしまったのも墓場まで持って行く秘密である
前世はオタクではあったがアイマスシリーズは知らなかった
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