僕のヒーローアカデミアCCC 作:─────
合図と同時にオールマイトは正面から突入する。
すると、内側は先ほどまで訓練が行われていたビルとは違い、グリッド模様が広がる電子的な空間になっていた。
「……No. 1ヒーローが突入すると、そこは
「──っ!?そこ!」
気配もなく背後から響いた声にオールマイトは拳を振るう。
しかし
「無駄で〜す。私は現在映像中継してるので、ホログラムのみで参加してます。さて、この臨時
他人事のように、または煽るように手を振っていたBBの姿が掻き消えると同時に、いくつかの異形がオールマイトを取り囲む。
「これが攻勢プログラムかな?──だが、弱いッ!」
オールマイトの一撃で掻き消える攻勢プログラムたち。
オールマイトが立ち塞がる攻勢プログラムたちを一撃で消し去りながら進む様子に、モニタールームのクラスメイトたちも想像通りの展開になるだろうと佐倉に同情するような空気が流れる。
だが、第二階層へ達したその時、オールマイトが拳を振り抜いた隙を突くようにしてオールマイトの首へ、鉄特有の冷たい光の反射を伴った鋭い脚が迫る。
オールマイトは背後から迫るそれを前方に飛ぶことで避ける。
「あら、一撃くらいは避けるのね」
オールマイトが振り向くとそこには、両足に魔剣を携えた少女が嗜虐的な笑みを湛えて、白鳥のように佇んでいた。
……その衣装に、モニタールームで見ていたクラスメイトたちの一部にざわめきが広がった。
「私はメルトリリス。
「いや、大丈夫だ」
「なら、さっさと殺させてもらうわね。……半殺しまでだったかしら?」
途端に氷上を滑るような滑らかさで迫った彼女の脚をオールマイトはすんでのところで躱すと、反撃に力を込めた拳を繰り出す。
メルトリリスはその攻撃をものともせず、脚を床に突き刺すことで拳圧による暴風すら凌ぎ、息をつく暇もない連続攻撃を返す。
オールマイトはそれを時に弾き、時に避けて反撃の機を逃さず反撃を繰り出すが、メルトリリスにはその攻撃が一切効果がないように見える。
「虫ケラにしては粘るじゃない、もっと速く血飛沫が飛ぶと思っていたわ。…ふ、ふふふ──見直したわ、No. 1は飾りじゃないのね。楽しくなってきたわ」
彼女の脚から斬撃が
予想外の攻撃に後退したオールマイトへ、メルトリリスはさらにその攻撃を激しくする。
その時、オールマイトは違和感に気がついた。
メルトリリスは未だ一度も攻撃によるダメージがないにも関わらず、その攻撃は初めにあった繊細さを欠いている。
「ふ─ふふふふ──いいわ、いいわ!もっと激しく!」
メルトリリスは精細さや速度よりも力に比重を置いたような攻撃を繰り出し始めている。
オールマイトは、彼女の呼吸の激しさに気がついた。
それは息が切れているのではなく、荒げている。
まるで興奮状態のような荒い息のまま、彼女は背後へと飛び退いた。
「……楽しかったわ。でも、今の私の一番はあなたじゃないの。だから、そろそろご退場願おうかしら?」
明らかに切り札を切るような、そんな気迫と共に姿勢を低くしたメルトリリス。その周囲には水が湧き立ち、蠢いている。
しかし、その動きが途中でぴたりと止まる。
「……………そうね。一応は私たちの顔見せだもの、最後まで進むことを許してあげる。──あの子がヘマをした時は私が片付けるから、その時に会いましょう?」
メルトリリスは誰かと会話するような仕草を見せ、出会った時と同じような──諌められたことが些か不服そうな──表情を浮かべると、その姿が掻き消えた。
(……転移か)
オールマイトは警戒心を強めつつ、第三階層へと進む。