ネットミーム・アーカイブ 作:一酒の過ち
「・・・い。」
―――聞こえる。
私を呼ぶ声が何処かから聞こえる気がする。
「・・・ない。」
前後の記憶がぼやけていて曖昧だ。
まるで、このキヴォトスに来た時のように、もしくは今宵の月のように。
私はもしかしてまた・・・
「セクシーセイアですまない・・・」
・・・全然違ったわ。
なんだよセクシーセイアですまないって。
少しすると、辺りが鮮明に見えるようになってきた。
そして私はこの景色に見覚えがある。
ここはお昼にナギサとティータイムをした、あの部屋にそっくりだ。
ただ、何処か寂しさを覚えるのは・・・一体なぜなのだろう。
そしてそこにいたのは、金髪の髪とキツネ耳。
そしてとてつもない布面積の服を着ている女の子だった。
なんだこのキツネ、スケベすぎる・・・!
「おや、目が覚めたみたいだね。まあ混乱するのも無理は無いだろう、君は今、気を失う前とは似つかない場所で、知らない人間とこうして話しているのだから。だが、まずは話を―――」
『ここは誰?私はどこ・・・?』
「・・・どうやら、随分と事態は深刻らしい。」
『や、冗談だよ。私は胡桃沢アリサ、シャーレで先生をしているよ。』
「返答に困る冗談はやめたまえ・・・」
ウソでしょ・・・
返答に困る自己紹介をしてた子になんか言われてるんだけど。
とはいったものの、これからどうしようか。
おそらくここは―――現世では無い。
「心配する必要は無い。君は今、睡眠状態・・・それも明晰夢の中にいると言ってもいい。正確には此処は私の夢でもあり、君の夢でもあるのだが・・・まあ、その内に夢は覚めるだろう。」
『そうなんだ。セイアちゃん・・・だっけ?トリニティの生徒だよね?』
「その通りではあるものの、私の正体などこの場においては重要ではないとも言える。単に自己紹介が目的で君を招き入れた訳では無いのだからね。」
それにしてもなんかすごい迂遠な言い方をする娘だ。
頭ユニ先輩か?
「つまり、私がここに君を呼んだのにはとあるお願い事をしたいからなんだ。その理由を語るとなると、少しばかり時間が足りないから君の目で確かめてみて欲しい。」
もっと簡潔に用件を話してくれたら理由の方も説明できたと思うんですけど?
・・・なんて思っても口には出さない、私は出来る大人なので。
「と言うのも驚かれるかもしれないが・・・私には、未来が視えるんだ。」
なんだ・・・スピ系か。
そういうのは痛い目を見た事があるので、関わりたくは無いんだよな。
『や、そういうの間に合ってるんで。』
「まあまずは話を聞いてくれたまえ・・・」
『水晶もお札も間に合ってるんで・・・!』
「そう言う事じゃないと言っているだろう!?」
随分と必死だ、でも確かに何を頼みたいのかも分からないのに拒絶するのも失礼だよな。
「しまった、もう時間が来てしまったみたいだ・・・」
『波長の合う人と一緒にいると時間が早く感じるって言うよね。』
「もう、つっこまないからね。頼みと言うのもそう難しいモノではないし、最終的には自分で判断してもらいたいんだが・・・とある場所に行って欲しいんだ。その後どうするかは、君の目で判断してくれたまえ。」
やばい、視界が白み始めている。
もう残された時間は多くないのだろう、何処からか私を呼ぶ声が聞こえている気もするし。
声にもどこかノイズがかかって、上手く聞き取れない。
「君が―――たお陰で―――は、大きく――――。そのことに最大――――――」
何故か照れ臭そうに、何かを言っている狐耳の少女。
「それで、君に向かって欲しいのは――――――」
視界が開けていく、眩しさに少し目が眩む。
真っ白な天井が視界一面に広がっている・・・
『知らない天井だ。』
人生の内に一度は言ってみたかったんだよね。
「目が覚めたんですね。何処か痛い所はありませんか?急に体を起こすと、眩暈がしたりするので、起き上がるときはゆっくりにしてくださいね。」
『あれ、セリナちゃんだったよね?なんでここに・・・』
「先生が倒れたって聞いて飛んできました!」
『そっ、そう・・・ありがとね?』
窓から見える外の明るさからして、そこまで寝ていた時間は長くないだろう。
これからどういうスケジュールになるのかも伝えられてないし、とりあえず部室に戻らないと。
「あ、あの!本当にごめんなさい!」
そう思って、部屋に戻った私を待っていたのは謝罪だった。
根は優しい子なんだろう。
ただ私の身体がキヴォトス基準で、いや普通を基準にしてもよわよわだった。
それだけの事だ。
『本当に気にしてないから大丈夫だよ。』
「で、でも・・・」
何処か落ち着かない様子のコハル。
変な態度を取った私も悪いと思うんだけど。
『それなら、補習をしっかり受けてテストに合格してくれると先生としては嬉しいな。』
「う、うん・・・私ほどになれば満点だって取れちゃうんだから!」
頼もしい事だが、3日後に迫ったテストで満点が取れるならそもそも補修に引っかからないのでは?アリサは訝しんだ。
まぁ、本人にやる気があるのは良いことだし。話を続けるとしようか。
『プリントに書いてあるけど、一応読み上げるね?』
つらつらとプリントに書かれたテスト範囲やルールを読み上げていく。
その中で気になったのは、全員合格するまでは引き続き補修を受けることとの一文。
建前としては、補修を受けることで学習能力の向上が〜と校長先生の挨拶くらい長々と続いているが・・・恐らくは”見定める”云々の件だろう。
そして、3回のテスト全てで合格点を取れないと・・・
「留年ですか。思ったよりも甘いというか・・・いえ、なんでもないです。」
「全然甘くはないと思いますけど・・・」
そんなわけで、始まった補習授業。
ついに、遂にこのキヴォトスに来て初めてまともな授業をしている!
感動的だな・・・アビドスでは道徳くらいしか出来なかったからね!
なんて、喜んでいるのも束の間の事だった。
重要な事を一つ失念していた。
「先生?このトリニティ第一回公会議ってどんなことしたんだっけ?いや、勿論エリートな私は知ってるけどね?先生が知ってるかなって試してあげてるって言うか?」
トリニティの・・・歴史?
このキヴォトス特有の地理や歴史なんて、私にわかる訳ないという事だった。
もしかしてこの教員免許、ゴミ同然か?
あんなに頑張って取ったのに・・・
「あはは・・・そういえば、先生はキヴォトスの外から来たんですもんね。知らないのも当然かもしれません。」
「分からないところは手取り足取り腰取り教えてあげますから、落ち込まないでください♡」
ハナコちゃんは口を開けば下ネタが飛び出る残念美人だった。
きっとミームに塗れてない平和な世界では、清楚系美少女としてやっていたに違いない。*1
それにしても教師の姿か?これが・・・
補習を教えるどころか、生徒に勉強を教わる始末。
この情けない姿は・・・まるで生き恥。
「イキる事に恥なんてありませんよ?」
『・・・私が悪かったからこの話はもうやめよっか?』
社会科系科目に問題はあったものの、それ以外は問題なく補修を進められている。
伊達に飛び級エリートではないのでね!
月日は流れて。
というわけでテスト当日ですけどもぉ・・・
第一回試験結果
ーーー合格ーーーー
阿慈谷ヒフミ 80点
ーーー不合格ーーー
白洲アズサ 33点
花江コハル 14点
浦和ハナコ 2点
合格者はヒフミただ一人でした・・・
一体何がダメだったんでしょうかね~
期間が足りんかったんかな・・・
ま、まあなんとなく察してはいたんだけどさ?
「そ、その・・・採点間違いとかでは無いんですよね!?」
『私の方でも確認したから間違いないよ、今からテスト用紙も返却するね。』
「惜しかった、後少しだったのに。」
『惜しい・・・惜しいか?』
コハルとアズサは地力の問題だろうが、2人とも飲み込み自体は悪くない。
時間があれば、合格事態は容易いだろう。
「あら、先っちょだけ足りませんでしたね♡」
「足りないというか、無いようなものじゃないですか!?」
ただ、ハナコが不合格だったというのは意外だったというか・・・
この点数と反応は・・・わざとだろうな。
そうする理由まではよく分からないけど、この補習授業は一筋縄では行かなさそうだ。
『プリントでも配ったけど、第一回テストで不合格者が出た場合は・・・』
「合宿を行う・・・ですよね?お泊りなんて久しぶりなので楽しみです♡」
『そこを覚えられてたなら、もう少しテストの点数も取れたんじゃないかな・・・』
「・・・運が悪かったんですよ♡」
そう言って誤魔化した、ハナコの横顔に若干の陰りがあったのを。
『・・・そっか。』
今日の私は、見なかったふりをした。
酷く寂れた廃墟のようなビル群で。
向かい合う、人影が―――二人。
「トリニティ側は依然警戒態勢・・・そういう事だな?」
一人は、ドクロに薔薇の校章のアームバンドをつけた長身の少女。
「ああ、その通りだサオリ。だからまだ攻め込むべきじゃない。」
もう一人は三角形に三つの環・・・トリニティの校章を身に着けた白髪の少女。
アリウスとトリニティ、相容れない筈の二人が何故人目のつかないここで相対しているのか。
その理由は、至極単純で。
「定時報告、ご苦労だった。
彼女こそが、トリニティの裏切り者
「先日、アビドスでヒヨリを発見した。」
「それは・・・良かった。」
少し前から行方が分からなくなっていたヒヨリが見つかったことは喜ばしい事だ。
だが、この場合の
「ヒヨリは優秀な狙撃手だ。これにより、”予言の大天使の暗殺”作戦の実施に十分な戦力は揃った・・・とマダムはお考えだ。」
ザッザッと統率の取れた足音が、廃ビルに鳴り響く。
廊下を埋め尽くすように現れたのは・・・アリウスの生徒。
中隊規模、下手したら大体規模だろう。
それだけの人数を動員させる理由なんて、一つしか思いつかない。
「計画は変更だ、お前も来いアズサ。」
「私は・・・」
つまり、作戦の決行日時が早まったという事だろう。
止めなければ、少しでも長く・・・そして少しでも多く。
短い間だったが補習授業や先生、それに他の皆も優しい人だった。
あの平和な世界を、血で汚すべきじゃないと・・・今ではそう思う。
だから、これが私の役目だ、トリニティの防衛が整うまで時間を稼ぐ。
「我々アリウス分隊はこれより―――」
今、トリニティとゲヘナ。
そしてアリウスが引き起こす大きな大きな争いが―――
「―――アリウスに反旗を翻す。」
「・・・・・・なんで?」
―――始まらない。
あれは、数日前の通信中の出来事だった。
「機は熟しました、無事作戦を遂行できれば行方不明になっていた彼女への罰もある程度は軽いものになるでしょう。」
「・・・マダム、少し疑問に思った事がある。」
「何ですか?特別に発言を許しましょう、サオリ。」
「マダム、確かに人殺しの術を学んだ私達を受け入れてくれるようなところは
「えぇ、だからこそ・・・!私しかいないのです。貴方達を理解してあげられるのは!」
「だが、マダム。咲いてほしくない花に水をやる人間はいない筈だ。」
「一体何の話を―――」
「シャーレの先生とアビドスの生徒は我々に水どころか
「・・・は?」
ヒヨリが帰って来たあの日・・・
<その代わり、このお金は誰かを幸せにするために使って欲しい。>
なんていう言伝と共に、持ってきたボストンバックに入っていた1億円もの大金。
まるで特定の誰かを指したような一言、間違いなく先生はこちらの事情を知っている。*2
「つまり私達の事を受け入れてくれるという事ではないか?」
「なっ、先生がアリウススクワッドに接触した何て言う情報は何処からも・・・!」
「ああ、その時は直接は会っていないが。ヒヨリを通じてだ。」
そしてそのヒヨリを通じて先生とやらの、人柄も聞いた。
マダムから教わったものとはかけ離れたそれを。
演技と一蹴するには、証拠があり過ぎる。
「マダム・・・確かに私達は教わって来た、”大人”とは我々を搾取する碌でも無い連中だと。」
「その通りです!特にシャーレの先生は弱者を搾取し食い物にする―――」
「だが、どう見ても胡桃沢アリサと名乗った先生は大人ではない。」
「なっ、そんなものは言葉の綾で・・・!そのように口応えして、ロイヤルブラッドがどうなっても良いというのですか!?」
結局、あの約束も守る気は毛頭無いらしいと裏付けも取れた。
もし、碌でもない大人の筆頭をあげるとしたら。
それは紛れもなくお前だ、マダム。
「私はアツコを・・・スクワッドを守る為なら、道化にだってなってみせる。」
「アズサ、お前も知っているだろう。全ては虚しいものだ・・・だから。」
「全てが虚しいというのなら、全てが終わる前に自分の好きにした方が”得”じゃないか?」
「さ、サオリ?」
「美味い物を食べ、娯楽に興じ好きな職に就けばいい。どの道全ては虚しい。どこまで行こうとも全ては虚しいものなのだから。ならば無理に今苦しむ必要なんてない。」
「ここに居る同志はその考えに賛同した、アリウスでも
「ちょっとリーダー、私はまだ認めてな・・・」
「お前だけは命令だ、ミサキ。一緒に来てもらう。」
「・・・・・・それが命令なら従うけど。」
はなしに ついて いけない
「混乱するのも無理はない、もし合流する気になったら私を訪ねろ。」
「あっ、ああ・・・」
「金の無い夜に、涙を流すのはもう終わりだ。」
「私達には金がある・・・!その事を思い知れ!」
「まずは山菜蕎麦でもどうでしょう?良い店を知ってるんですよ!」
「えへへ・・・嬉しいですね・・・おかわりもしていいんでしょうか?」
「ああ、たんと食え!おかわりも激安だぞ!」
「・・・第七班長、何故お前が地上の店を知っているのかはこの際不問としよう。とはいえ、全員で押し掛ける訳にもいかない。先に今日の宿泊先の確保だ、アリウス分隊移動はじめ!」
そう言って夜闇にかけていった、サオリ達を。
ᓀ‸ᓂ「ば・・・バニタス・・・」
何とも言えない表情で見つめる事しか出来なかった。
『くしゅん・・・風邪かな?』
「馬鹿は風邪ひかないって聞いたんだが・・・迷信だったらしいな。」
『喧嘩売ってるなら受けて立つけど?』
作中のミームってどこまで把握してますか・・・?
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0-19%そのままの君で居て欲しい
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20-39%一般人の範疇
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40-59%オタク君さぁ・・・
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60-79%マジで危機感持った方が良い
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80-100%キッショなんで分かるんだよ