ネットミーム・アーカイブ 作:一酒の過ち
日々は過ぎ、遂に最後の試験の日を迎える。
トリニティの命運を分ける事になる、永い永い一日が。
『大丈夫!皆ならきっと合格できるよ!今回はテストも事前に確認させてもらったし、警備もつけてもらったから!』
「当たり前でしょ!?私エリートなんだから!」
「あぁ、全力を尽くして見せる。」
「えぇ、頑張りましょう!」
補習授業部のコンディションは上々だ、特別テストの問題が難しい訳では無かったし・・・問題なく合格できるだろう。ハナコ以外は。
『私はやらなくちゃいけない事があるけど、応援してるからね!』
そう、今日は私は別行動だ。
どうしても止むを得ない事情があって。
『ハナコも・・・後悔の少ない選択をしてね。』
「・・・はい。」
後の事は、ハナコ自身が決める事だ。
酷く静かで不気味な地下に入り、階段を降りる。
今日は補習授業部の試験があるらしい。つまり彼女は此処には来ない。
照明の付いていない廊下を駆ける。この時間の地下は暗く・・・近づかなければ人がいる事は誰か分かっても、誰かどうかは分からない。”
「あっ、ナギちゃんじゃん。暗殺されるかも~なんて言ってセーフハウスに引きこもったって聞いたけど?」
「・・・ミカさんですか。事態が変わりました、狙われているのは私ではなく―――セイアさんです。」
聖園ミカ・・・端的に言えばここで出会いたくない人間であった。
私にはやるべきことがある、だからこんな所で長話をしている暇なんてない。
「へぇ~そうなんだ。ところで随分と重装備だね、ナギちゃんらしくないよ?」
「問答をしている暇は無いんですよミカさん!セイアさんにもしもの事があれば私は・・・!」
「あちゃ〜そう来るかぁ。私・・・ちょっと痛い目にあって欲しいとは言ったけど、そこまでしろなんて言った覚えはないんだけどなぁ。」
聖園ミカは、短機関銃をゆっくりとこちらに向ける。
彼女が敵に回れば、勝つどころか逃げ切る事すら厳しいだろう・・・何とかしてこの場を切り抜けなければ。
「―――あなた、誰?ナギちゃんじゃないよね。」
「一体何の冗談を言ってるのですかミカさんっ!事は急を擁するので・・・」
何故・・・バレた?
変装の術もアリウスで学んだ、私の偽装は完璧だったはずなのに―――
「冥土の土産に教えてあげるよ。」
「ナギちゃんはね、二人っきりの時は私のこと
瞬きをする間もなく、天地がひっくり返る。
高速で接近する地面が、私が意識を失う前に見た最後の景色だった。
日が高くなってきた、今頃ヒフミ達は試験を受けているのだろう。
そんな中、私
「付き合わせてしまってすまない先生。だが、姫たちを守るためにも決着をつけなくてはならない。」
『気にしないで、そのマダムとか言う奴のしたことは許せることじゃないから。』
アリウスの自治区に繋がるという地下通路。
時間が経つと入り口が変わるという摩訶不思議な構造の通路だが、暫くの間ならサオリがそのスケジュールを抑えているためこうして侵入する事が出来る。
「このまま追手を追い払うことは出来るが、お世話になる先に迷惑をかけ続ける事になる。そんな事があってはいけない。」
『まあ、あの子達ならそんなに気にしないとは思うけど・・・』
「これは言ってしまえば・・・けじめのようなものなのかもしれないな。」
今もアリウスに残っている他の生徒達に思う所があるのだろう、本当は生徒にこんな事をさせたくは無かったが・・・私一人で何とか出来る事でもないし、彼女達がやりたいと言い出した事だ。私に出来るのは、そのサポートをすることくらいだろう。
「元アリウス大隊各員、我々はこれより作戦行動に移る。」
一糸乱れぬ進行は、生徒と言うより軍隊と言えるようなものだった。
恐らくはこういった事を教えられて育ってきたのだろう。
「ほ、報告ですッ!アリウススクワッド率いるアリウス大隊が自治区に侵攻を開始!このままではバシリカへ来るのも時間の問題かと!」
「それを何とかするのが貴方達の仕事でしょうが・・・!こうなっては仕方がありません、代替品で儀式を遂行します。誰もバシリカ内部に入れないように。」
本来ならロイヤルブラッドを取り込み、至高に至るつもりだったが・・・忌々しい犬め。飼い主の手を噛むなんて!だけど、賢い私は当然計画の二の矢・三の矢を用意してあります。
「お持ちしました・・・!」
「ご苦労、もう下がって良いですよ。」
大きな木箱に収められたのは、
ロイヤルブラッドそのものを取り込むより幾分か出力は落ちますが、この場を乗り切れれば如何様にでも出来る事・・・!
祭壇にて、儀式の準備は揃った。
十字架に贄を捧げ、今空が朱く―――
なると同時に閃光が走り、強烈な爆風が身体を襲う。
「がっ・・・何事ですかっ・・・!?」
唐突な事に、理解が追い付かない。爆発した?何が・・・?
だがそれでも、十字架が音を立ててメラメラと燃えていることは確かだ。
それはつまり儀式の失敗を示していた。
そしてこちらに歩いてくる人影が一つ。
「なにもの・・・ッ」
「ベアトリーチェさぁ、ひどいよ~」
何故この場所にいるのか、アリウスでも先生でもないお前が。
私のミューズであるはずのお前が・・・!
「何で私に嘘ついちゃうの?悲しいじゃんね。」
「聖園ミカ・・・ッ!何故あなたが・・・」
「そんなこと、少し考えれば分かるくない?」
身体中が痛い、だがしかしこの場を乗り切ってしまえばどうとでもなる。
所詮生徒だ、私の事を―――
「セイアちゃんとナギちゃんに大人しくしてもらったら、アリウスを
そんな覚悟なんてある訳が・・・無いと、思っていた。
「なのに なんであんな真似すんの?嘘つかれたら・・・あなた達のこと助けてあげられないよ。」
「この魔女がぁ・・・!」
「もう―――殺すしかなくなっちゃったじゃんね☆」
後日談
あの後、アリウスは無事制圧が終わったものの・・・肝心のベアトリーチェの姿はどこにも見当たらなかった。何故かその場に居合わせたミカによると「逃げられちゃった☆」との事だったが、そもそも何で居合わせたんだ?
残った生徒たちの処遇は、トリニティとシャーレの主導で何とかしていくつもりだが・・・想像よりも洗脳のような教育が根強い。だが、ゆっくりと地道に頑張っていくしかないだろう。
だが、私が暗い顔をしている訳にはいかない。何と言っても今日は・・・
『いざ、部長として挨拶をお願いしますよヒフミ様!』
「えっ、私ですか!?そ、それでは補習授業部の全員合格を祝って・・・」
『「乾杯~!」』
無事に補習授業部全員がテストを合格出来たお祝いの日なのだから。
今日の経費はティーパーティのナギサ持ちだ、なんでも「私の偽物がご迷惑をおかけしたお詫びです。どうぞ皆さまでお楽しみください。」との事だったが・・・それを理由にヒフミにご飯を奢りたかっただけのようにも思える。
「こ、こんな豪華な所だなんて聞いてなかったんですが・・・」
「フィリウス分派はお金だけはありますからねぇ・・・」
如何にも高そうなビュッフェ形式のお店だが、その上で個室席に案内されたのはやはり権力を感じる。
「ヒフミ・・・行こう!もしかしたら料理が売り切れてしまうかもしれない!」
「アズサちゃん!?売りきれたりはしないと思いますよ~!?」
そう言って向かっていってしまったアズサと、それ追って行ってしまったヒフミ。
『コハルも行ってきていいよ?荷物とかは私が見ておくからさ。』
「そう、じゃあハナコと先生の飲み物だけ一緒に持ってきてあげる!」
「はい、いってらっしゃい♡」
荷物は見ておくと言ったのに、ハナコは料理を取りに行かないあたり何か話したい事でもあるのだろうか?もしかして信頼されてない?そっ、そんなことある・・・?
やっぱり試験の日にいなかったから?あの日調子に乗りすぎた?どうしよう心当たりしかない。
「何で一人で百面相してるんですか?」
『ううん、なんでもないよ!』
「やっぱり先生って変な人ですね・・・」
信頼されてないわけでは無くて良かった。流石に生徒の手荷物を勝手に漁ったりはしないよ、うん。
「私・・・学校を辞めようと思ってたんです。」
『うん。』
そうなんだろうなとは思ってたはいた。
まるで思い出を作るかのような行動と、テストや留年などどうでも良いというような態度。
「どちらを選んでも、きっと私は後悔する事になるのかもしれません。」
学園に残る選択をする以上、少なからず人付き合いは避けられないだろう。
「でも、今は少しだけ・・・もう少しだけここに居たいなって思ったんです。」
『そっか、それは・・・良かった。』
「だから、皆さんには―――」
「戻ったぞ、荷物は私が見ているから先生とハナコも取ってくると・・・何か話の邪魔をしてしまっただろうか。」
プレートに山盛りの料理を料理を載せて帰ってきたアズサ。
並んでる料理も無くなったら補充されるから、そんなに一度に持ってくる必要ないのに・・・
「―――年下の女の子に甘えるというのも趣がありますよねという言うお話です♡それじゃ私達も行きましよっか、先生。」
咄嗟に誤魔化すハナコだが、やはり恥ずかし・・・待って?これ否定しないと私の立場が不味いのでは?まぁ仕方ないか、これもコラテラルダメージだ。
『美味しそうなもの沢山ありそうで迷っちゃうよねぇ、ハナコは目をつけてるのある?』
「そうですねぇ・・・美味しそうなバームクーヘンがあったのですが、先生もお一つどうですか?」
『いきなりデザート!?さっすが女の子だねぇ。私も一つ貰おうかな。』
「えぇ、是非そうしましょうか♡」
今私達が歩いている此処は砂に覆われた街、アビドス。
空き家だらけで住む場所には困らないという好立地だ。
そして丁度、生徒が居なくて困っている学校が都合よくあるらしい。
「うへ~!?バスジャックしようと思ってたくらい生徒は欲しかったんだけど・・・何処からこの子達を連れてきたのさ先生!?」
『ホシノはよく分かってるんじゃない?それに事情は説明したよね?』
「うっ、うぐっ・・・黙ってたのは悪かったけど何処に所属してるかとかは知らなかったんだってば・・・」
まさかあの時預けた一億円が作った縁が、巡り巡って生徒として戻ってくるなんて思ってもいなかったのだろう。私もこんな事になるとは思ってなかったし。
『でも本当に大丈夫?彼女達の抱える問題は聞いたとは思うけど・・・』
「まあ、不安ではあるねぇ。根は悪い子達じゃないとは思うけど、受けてきた傷はあまりにも深い。こことは違う常識で育ってきた子達だ。」
正直、全員という訳では無いもののかなりの人数が全校生徒5人のアビドスに転入するのだ。アビドス側のキャパシティを考えても上手く行く可能性の方が低いのかもしれない。
「―――だけど、あれ見てよ先生。」
視線の先には、顔合わせを始めているアビドスとアリウスのメンバー。
「おっ・・・お久しぶりです皆さん!」
「あっ、ユメ・・・じゃなくてヒヨリちゃんって言うんですよね~?その節はホシノ先輩が本当に・・・」
「ヒヨリが世話になったと聞いている、今日からアビドス所属の錠前サオリだ。よろしく頼む。*2」
「はぁ・・・帰りたい・・・」
「えっと、まだ来てから五分も経ってませんよね・・・?」
「ん、このデッキを貴方に授ける。退屈を紛らわすにはカードしかない。」
「シロコ先輩!?そんな訳ないでしょうが・・・!」
( ・罒・ )「面白い人たちだね、サオリ。」
「姫ちゃんってそんな風に笑うんですね・・・」*3
「外の世界の雑誌に載ってた、こういう笑顔が今どきのナウいヤングにバカ受けらしい。」
「いや、全く流行ってないわよ!?」
「・・・・・・そういう事もある。」
顔合わせは無事に済んだらしい。何を伝えたかったのかは何となくわかった。
例え境遇が違っても、常識が違ったとしても・・・こうして笑い会えている。
「誰かさんみたいにちょっと楽観的過ぎるけどさ、きっと大丈夫だと思わない?」
『それも・・・そうかもね。』
頬を撫でるような風が吹く。
砂に塗れたアビドスにも、新たな風が吹き始めていた。
ちょっと今後のプロットを描けないのと、他作業の観点からここで一旦休止か更新遅くなると思います。書けそうだったらボチボチ書いていきますがあまり期待しないで待っててください〜
読んでくれたあなたに特大のかんしゃぁ〜を
作中のミームってどこまで把握してますか・・・?
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0-19%そのままの君で居て欲しい
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20-39%一般人の範疇
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40-59%オタク君さぁ・・・
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60-79%マジで危機感持った方が良い
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80-100%キッショなんで分かるんだよ