ネットミーム・アーカイブ 作:一酒の過ち
『闇銀行ってだけあって警備も厳重だろうし・・・』
『失敗すればどうなるかなんて、火を見るよりも明らかだ!』
「ん、先生はついて来てくれるだけで良い。」
『ナアナアナアナア、ついてくるだけだって・・・』
『私はシャーレの先生だぞ!?生徒達を導く・・・模範となるべき存在だ!』
『そんな私に、犯罪の片棒を担げっていうのかい!?』
「ん、銀行を・・・襲う。」
『だから気に入った。』
あれから日を改めて、アビドスに送ってもらった私・・・
全く、昨日は酷い目に合った。
それでもまだ低層の・・・
「もうそれは聞き飽きたって言ってんだよ、馬鹿の一つ覚えみたいに使ってんじぇねえよナス!」
『え~?良くない?低層の貞操・・・ふふっww』
「マジでガキなんだなお前・・・もっかい高校生としてやり直した方が良いぞ?」
『先生やれてる内は頑張るよ、うん。』
「ったく・・・ほら、そろそろ来るぞ。用意しやがれハゲ!」
『はぁ・・・!?ハゲてないが???フサフサだって何度言えば・・・』
校庭に入って来た、やけに警備のしっかりとした車。
それは月に一度来る・・・集金用の現金輸送車。
このデジタルの時代にわざわざ現金のみの取引を強制するカイザー。
絶対に何か裏があるに決まっている!ヘイト企業カイザーは謝罪しろ!
何故かロボットがアビドスの皆から集金を行っている。
此処からでは会話は聞こえないが・・・何故ロボットが集金を?
んにゃぴ・・・これも何かのミームなのかな?*1
ブロロロロロローム・・・と現金輸送車がアビドスを出て何処かへ向かっていく。
本当は追うのが正解なんだろうけど・・・私はネットに強い先生だからな。
「お前が!ネットに強いわけじゃなくて、うちが優秀なだけだからな。」
『はいはい、助かってますよアロナちゃん♡』
「うっわ、きっも。さぶいぼ立ったわ。」
ベタな手だが、集金バックにはGPSを仕込んである。
そもそもアロナちゃんの手にかかれば、火の中だろうが水の中だろうがプライバシーなんてないようなもんだが。
人工衛星のハッキングすら可能なので・・・そんなのは流石に、ファイナル手段だけど。
そう言えば、ハッキングってシステムの穴を侵すって事だよね・・・つまり実質・・・セッ
「マジで頼むから一回死んでくれないか?」
『という訳で、ブラックマーケットの銀行に突っ込もうと思う。』
「分かったわ。(即答)」
『セリカはもう少し・・・人を疑うという事を覚えた方が良いと思うな?』
「分かったわ。(即答)」
『んん・・・これはもう駄目みたいですね。』
流石に人を信じやすすぎる・・・ガチで危機感持った方が良いと思う。
ゲルマニウムブレスレットとかダース単位で保有してそうなんだけど。
「ま・・・まあまあ。人を信じれるのはセリカちゃんの良い所でもあるからさ・・・」
「それで・・・良いよね?ユメ先輩。」
「えっ!?そこで私に振るんですか・・・?い・・・良いんじゃないですかね?」
「よし、ユメ先輩もこう言ってることだし!早速行ってみよう!」
「あっ、体の良い理由付けに使われました!?つ、辛い・・・失敗したら私のせいなんだ・・・」
「わぁ~!一度ブラックマーケットでショッピングしてみたかったんですよ~♧」
「買い物に行くわけじゃないんですけど・・・オペレートは任せてください!」
そんな訳で辿り着いた、治安の悪そうな商店街。
ここがブラックマーケットかぁ~
テーマパークに来たみたいだぜ、テンション上がるなぁ~
「あの・・・それでその日傘とサングラスは必要なんですか・・・?」
『そりゃあ、顔われたら拙いから変装の一つもするべきだよ。』
「で、でも・・・却って怪しいような・・・?」
『まさかそんな訳・・・』
「おい、てめぇ・・・!」
『は・・・はい!』
い、いきなり大きな声で話しかけないでほしい!
まさかこの私の完璧な擬態が怪しまれたというのか・・・!?
「この辺で、キモイ鳥の鞄を背負った女を見なかったか!?」
『えっと・・・』
辺りを見回す・・・と、何故か向かいのビルの屋上にいる少女と目が合う。
どっちが悪いのか分からないけど・・・隠れてるって事はやましい事があるという事・・・!
「ブンブンブン!」
凄い、首を振っているのは分かるけど・・・
口に出して意味あるのか?それ。
なんか訳ありみたいだし、見なかったことにするか・・・
『み・・・見てないですよ。』
「そうか、教えてくれてありがとな!この辺は治安悪いから気をつけろよ、ガキンチョ!」
そう言って去って行く不良っぽい女の子。
何か妙に優しかったのは私を子供だと思ってたからってコト・・・?
『・・・ガ、ガキじゃないが・・・?先生なんだが?』
「あ・・・あの!ありがとうございます!」
そう言ってビルの屋上から軽やかに飛び降りて、目の前に着地した女の子。
「わ・・・私は阿慈谷ヒフミと言います・・・!普通の女の子です!」
お~!?は・・・初めて普通っぽい女の子に合った!
ん・・・?普通の女の子はわざわざ普通の女の子何て言うか・・・?
「それに背中に背負った竹刀入れは一体・・・?剣道部?」
「こっ・・・これは・・・水筒です!!!」
「そっか。(脳死)」
どう見ても竹刀入れだ・・・妙だな。
「私は普通の女の子です。いいですね?」
『アッハイ。』
彼女はジッサイ普通の女の子なんだろう。
こんな純真そうな子が嘘をつくわけがない!私は詳しいんだ!
「ん・・・その制服・・・トリニティ?」
「あはは・・・分かっちゃいますか。そうなんです、私トリニティの普通の女の子で・・・」
「うへ~それで、そんな普通の女の子がどうしてこんな所に来たのかな?」
「実は限定のペロロ様のグッズがあって。今は売ってないので・・・」
「ん・・・他の人に買ってきてもらうとかじゃダメ?」
「やっぱり、グッズは自分の足で集める方が好きなんですよね・・・」
「だから、普通な私がこんなリスクを取ったって訳です。」
「それじゃ、一緒にいこっか~流石にこんな危ない所に一人にするのもかわいそうだしねぇ。」
「えっ、ありがたいですけど・・・何で私にそこまでしてくれるんですか?初対面ですよね?」
「そりゃあ・・・一人で困ってる子を放っておけないでしょ?」
「あ・・・アビドスの皆さん・・・良い人なんですね・・・!」
「ここは庭みたいなものなので、道案内は任せてください!」
こんな普通の子すら、ブラックマーケットに詳しいなんてキヴォトスはマッポーめいている・・・
それにしても、私達アビドスだって名乗ったっけ・・・?名乗ったか。
「そいじゃ~いこうか~」
か、かっこいいたる~!あんな顔もできたんだなホシノちゃん。
アッツイ・・・アッツイ・・・と鳴きながら歩いていく彼女・・・
あっ!?溶けかけてる!?褒めたばっかりなのに!?
目的らしい、小物屋に辿り着いた彼女は・・・
「やりました!買えましたよ~!本当にありがとうございました!」
ホクホク顔で、お店から出てきた。
「皆さんが居なければ、ちょっと面倒な事になっていました・・・」
「それで、皆さんは何処に・・・?どうせなので私が案内しますよ?」
『実は・・・ブラックマーケットの銀行に用があって・・・』
「え”っ”!?何をしに行くんですか・・・?」
「ん、銀行を・・・襲う。」
「な・・・な・・・なんですって!?」
何かアルちゃんみたいな反応するじゃん。
いや、違うわ。普通ならそう言う反応にもなるわ。
少女説明中・・・
「な、成程?借金の現金輸送車がブラックマーケットの銀行に運ばれていくのを見たと。」
「そこで取引履歴を押収する事で動かぬ証拠にする・・・良い手だと思います。」
「十中八九、マネーロンダリング*2ですね。ここではよくある事です。」
はぇ~最近の女子高生は難しい言葉知ってるんだなぁ・・・
「銀行強盗するなら・・・私達も変装しましょうか♧」
そう言って取り出したのは、1~5と書かれた覆面。
は・・・初めから銀行襲う気満々じゃねえか!恥 を 知 れ !
「ごめん・・・先生とヒフミの分の覆面は用意がない。」
「あの、ナチュラルに私の分があるのはどういう事なんですか・・・?」
「ヒフミちゃんはそうだなぁ・・・」
「あっ、私も行くのは確定なんですね・・・」
そういって何処かからか紙袋を取り出したホシノちゃん。
そこに、キュッキュと「6」と言う文字を書き加えている。
「裏世界の
「はい!?!?!?どうして私が・・・!」
『私は、自前のがあるから気にしなくていいよ。』
「では・・・覆面水着団・・・出撃といこうか♡」
まっ・・・それは不味い・・・!
この青春の物語が、異能力バトルモノに変わっちゃ^~う!
ブラックと言うにはあまりにも堂々とした様子の・・・高層ビルが立ち並んでいる。
ここがブラックマーケットの銀行かぁ・・・
「たわわに実った銀行・・・95点といった所かな♠」
「先生・・・ところでその覆面は・・・?」
頭部に輝くハロウィンのようなカボチャの被り物・・・銀行強盗と言えばやっぱこれだよね。
こんなこともあろうかと(魔法の言葉)用意しておいたのだ。
『私は先生ではない。私はマフティー・ナビーユ・エリン・・・マフティーと呼んでくれ。』
全身を覆う黒いタイツは流石に恥ずかしかったのでね、緑のジャケットだよ。
「そっか、でもマフティー・・・本当にこんな事に手を貸して良かったの・・・?貴方は・・・」
確かに、出来たばかりのシャーレが銀行強盗に加担していたとなると・・・
その正当性に疑問を抱く声も出てくるだろう。
『只の銀行強盗なら、私も許可を出すつもりは無かった・・・」
「だがここには意思が・・・確かなマフティー性がある。』
マフティー性ってなんだよ。分からない・・・私たちは雰囲気でマフティーをしている。
「・・・そっか。なら行こっか。」
5分で・・・1億!
大丈夫だって、安心しろよ~!ヘーキヘーキ!ヘーキだから!
「も・・・もうこうなればヤケです!ごめんなさいリーダー!」
「あ、ファウストちゃんがリーダーね。」
「なっ・・・なんでですか・・・!?私、普通の女の子なのに・・・!!!」
「ん、まずは電源を落とす。外部との連絡を取れなく出来るうえにカメラも無効化できる。」
「ここの銀行は警備がガバい上に警備は殆どロボット・・・EMPで大抵の警備は無力化できる。」
「シャッターの制御も握った。これで15分は、外部との連絡はおろか・・・外からは何が起こってるのかすらわからない。」
『詳しいんだね・・・』
それにしてもこれ・・・シロコ一人で良くない?
「ん・・・伊達にこれ一本で食ってない。」
道徳の授業をする必要がありそうだ・・・
私がここに呼ばれた意味、やっと分かった気がする!
そうだ、私先生になりに来たのに・・・一体何してるんだろう。
「ん、今電源を落とした。突入するから私に続いて。」
「そいじゃ、行ってみよ~!」
急に電源を落としちゃっ・・・たァ!
はい、銀行の電源を落としてしまったのですが!
凄い損失額になりそうだ・・・まあ非合法な銀行なんてどうでもいいか。
「ぎ・・・銀行強盗!?誰か応援を・・・!」
「無駄、外部との連絡は取れない。」
「イ、イヤーッ!銀行強盗よぉ!?」
悲鳴と混乱が五月蠅くて、交渉する所ではなくなってしまった。
こういう時は、こいつの出番だろう。
ホシノちゃんからもしもの為に渡されたハンドガンを、真上に発砲する。
人生で一度くらいは言って見たかったんだよね・・・!
『悲鳴を上げるな・・・神経が苛立つ!』
ホールはシンと静まり返る・・・静まり返るが・・・
『あっ、ファウスト・・・』
「どうしたんですか?マフティー・・・さん?」
『だっ・・・脱臼しちゃった・・・』
「えっ?ただの拳銃ですよ?」
『へへっ、いてて・・・』
えっ、私の身体・・・弱すぎ?
まともに外で動かない弊害が出たなぁ。
「そこのお前、このバッグにさっき到着した現金輸送車の・・・」
「はっ、ただ今詰めます!な、なので命だけは!」
シロコちゃんの方も順調そうだ、私達も撤退の準備をしよう。
『では諸君!サラダバー!』
「あっ・・・あいつ等を追え!生かして帰すなぁ!」
警備が追ってこようとした所、扉が大爆発を起こす・・・爆発ゥ!?
「ん、時限爆弾が起動した。ルートはこっち。」
せ・・・生徒の起こした過ちは・・・マフティーが粛清しないと・・・
『シロコ・・・最後のは流石に・・・めっ。やりすぎだよ?』
「ん・・・巻き込まないようにはしてるけど・・・気を付ける。」
あっ、先生らしい事してる気がする。
銀行襲っといて今更か。
一切、追手の気配を感じずにアビドス高校へ帰って来た・・・帰ってきてしまった私達。
こ、こんなに上手く行くもん?銀行強盗って。
まるでグラセフみたいだぁ(直喩)
しかも、違法な取引をしている闇銀行だから・・・
おそらく銀行側は泣き寝入りをするしかないだろう。
「よし、これが目的の書類・・・と一億円。」
指名手配度も上がらないとか、ヌルゲーか?
こんなんじゃ俺、働きたくなくなっちまうよ・・・
まあ、金が欲しくて先生になりたい訳ではないのだが。
・・・ん?お金?
『何で現金持ってきちゃったの!?』
「ん、勝手に詰めてくれた。」
マジで5分で1億・・・!?うっそだろお前!?
どうする、どうするよ・・・?
「シロコちゃん・・・」
「ん、分かってる。このお金は・・・使わない。」
「どっ・・・どうしてよ!?もともとは私達のお金だし・・・」
「一億もあればFXで直ぐに10倍に・・・!」
「はぁ・・・(呆れ)」
この子、本当に痛い目に合う前に私が止めてあげないと・・・
「このお金を使うと・・・私達の守ろうとしたアビドスは・・・きっと汚れてしまう。」
「それは・・・私達の望むところじゃない。そうですよね、ユメ先輩?」
「えっ、使えば良いんじゃないですか・・・?お金に罪はありませんし・・・」
「うん、ユメ先輩の言う通り・・・このお金は何処かへ寄付してこよう。」
「あっ、そうですよね・・・辛いです、苦しいです・・・」
でも、捨てるにはちょっと勿体ないよなぁ・・・一般人では早々みられない額な訳だし。
「でっ・・・でも!この一億円があれば皆で美味しいもの一杯食べれますね・・・!」
『皆はこのお金・・・寄付しようと考えてたんだよね。』
「そりゃそうだけど・・・」
『それじゃ、ユメちゃんに預けようか。』
『その代わり、このお金は誰かを幸せにするために使って欲しい。』
なんか訳ありっぽいし、これでいいだろう。
「えっ、良いんですか・・・?責任重大ですけど・・・分かりました・・・」
「か・・・」
『か・・・?』
「感動しました、私!こんな崇高な精神を持った人がまだキヴォトスにいたんですね・・・!」
『ひっ・・・ヒフミちゃん?』
急に耳元ででかい声を出すんじゃあない!ビックリするだろうが!
耳は弱いんだよ!(耳以外が強いとは言っていない)
「私も皆さんのお力になりたいです・・・どうすればいいでしょうか・・・?」
「ヒフミちゃんの気持ちは有難いけど・・・一介の生徒に何とかできる問題じゃないからさ。」
「あっ!?そ・・・そうですよね?出過ぎた真似をしました。」
「いやいや、気持ちだけは有難いから受け取っておくよ~ありがとね?」
資料を確認したところ・・・どうやら・・・
「私達から受け取った代金を・・・そのままヘルメット団への資金提供に使っていますね・・・」
「カイザーの目的は私達を潰すこと・・・?一体何のために・・・」
『何にせよこれは・・・』
「気に入りませんね・・・カイザーグループですか・・・」
「あっ、こんな時間ですか・・・今日はありがとうございました、皆さん!」
そう言って帰っていく普通の少女ことヒフミちゃん。
そのカワイイお顔で普通は無理があるだろ(てのひらドリル)・・・ライザかよ。
「今度は普通に遊びに来てもいいからねぇ~歓迎するよ。」
「は・・・はい!また来ます!」
よし、脅は・・・交渉の材料はそろった。
後は、まな板の上の鯉を調理するだけだ。
赤子の手をひねるよりも楽な作業よ。
次回、アビドス編・・・完!(予定)
君はついてこれるだろうか
―――このネタの消化スピードに。