転生狼、遥かなる旅路にて迷宮に惑う 作:葦名のチワワすこすこスコティッシュ
ふと思い立ったので書いてみました。
SEKIROとダンまちのクロスオーバー作品です。
隻狼の他に幾人かのキャラが登場します。
本作は原作開始の二十年前から始まります。
原作改変や独自解釈の要素が多く含まれるため、前述の要素が苦手な方はプラウザバックを推奨しております。
────為すべきことを、為す。
それは例えば、忍びの掟である。
一つ、親は絶対。逆らうことは許されぬ。
二つ、主は絶対。命を賭して守り、奪われたら必ず取り戻せ。
三つ、恐怖は絶対。一時の敗北はよい。だが手段は選ばず、必ず復讐せよ。
或いは、主の命である。
国から逃れたいと仰せならば、御意と答える。
不死断ちを為したいと仰せならば、御意と答える。
生きろと仰せならば、御意と答える。
若しくは、己が道行を妨げる敵を斬ることである。
組頭 山内重則に遭えば、これを斬り。
葦名弦一郎に遭えば、これを斬り。
侍大将 河原田直盛に遭えば、これを斬り。
赤鬼に遭えば、これを斬り。
侍大将 山内典膳に遭えば、これを斬り。
鬼庭刑部雅孝に遭えば、これを斬り。
忍び狩り 弥山院圓真に遭えば、これを斬り。
うわばみの重蔵に遭えば、これを斬り。
まぼろしお蝶に遭えば、これを斬り。
首無しに遭えば、これを斬り。
火牛に遭えば、これを斬り。
侍大将 松本内蔵佑に遭えば、これを斬り。
葦名流 佐瀬甚介に遭えば、これを斬り。
再び、葦名弦一郎に遭えば、これを斬り。
葦名七本槍 山内式部利勝に遭えば、これを斬り。
孤影衆 太刀足に遭えば、これを斬り。
七面武者に遭えば、これを斬り。
道順に遭えば、これを斬り。
甲冑武者に遭えば、これを崖下に蹴り落とし。
長手の百足 仙雲に遭えば、これを斬り。
見る猿、聞く猿、言う猿に遭えば、これを斬り。
蛇の目 シラフジに遭えば、これを斬り。
長手の百足 ジラフに遭えば、これを斬り。
獅子猿に遭えば、これを斬り。
再び、首無しに遭えば、これを斬り。
ぬしの白蛇に遭えば、これを斬り。
蛇の目 シラハギに遭えば、これを斬り。
獅子猿(首無し)に遭えば、これを斬り。
牛飲の徳次郎に遭えば、これを斬り。
霧ごもりの貴人に遭えば、これを斬り。
水生のお凛に遭えば、これを斬り。
破戒僧(幻影)に遭えば、これを斬り。
三度、首無しに遭えば、これを斬り。
再び、七面武者に遭えば、これを斬り。
再び、赤鬼に遭えば、これを斬り。
孤影衆 忌み手に遭えば、これを斬り。
大忍び 梟に遭えば、これを斬り。
孤影衆 槍足の正長に遭えば、これを斬り。
四度、首無しに遭えば、これを斬り。
再び、孤影衆 槍足の正長に遭えば、これを斬り。
再び、うわばみの重蔵に遭えば、これを斬り。
養父に遭えば、これを斬り。
破戒僧に遭えば、これを斬り。
宮の桜牛に遭えば、これを斬り。
淤加美の長 静に遭えば、これを斬り。
桜竜に遭えば、これを斬っては竜の涙を頂戴し。
ぬしの色鯉に遭えば、餌をやり。
五度、首無しに遭えば、これを斬り。
三度、七面武者に遭えば、これを斬り。
葦名七本槍 鬼庭主馬雅次に遭えば、これを斬り。
赤備えの重吉に遭えば、これを斬り。
葦名流 水生氏成に遭えば、これを斬り。
怨嗟の鬼に遭えば、これを斬り。
三度、葦名弦一郎に遭えば、これを斬り。
剣聖 葦名一心に遭えば、これを斬った。
斬って、斬って、斬って、斬り続けた果てには、何も無かった。
主を、御子様を、九郎様を命じられるがままに、望まれるがままに斬って不死断ちを果たしたはずの狼は、何故か再び荒れ寺にて目を覚ました。
葦名弦一郎に腕を斬られて、仏師殿から忍義手を譲り受け、エマ殿に協力を申しつけられ、守るべき主を奪われた無力な子犬以下の忍びには程遠い畜生に成り下がっていた。
いや、全てが元通りではなく。戦いの記憶は色褪せず狼の中にあり、集めた数珠玉や忍具もまた失ってはいない。
けれど、主は居らず。斬るべき敵も変わらず、再び狼の前へと立ちはだかった。
しかし、それらを再び狼は斬り伏せた。
ただの一つも例外なく、斬って、斬って、斬って…………その果てに狼は異なる選択をした。
主ではなく、主を縛る己を斬ることで不死断ちを為した。
そのはず、だった。
三度、狼は荒れ寺にて目を覚ました。
葦名弦一郎に腕を斬られて、仏師殿から忍義手を譲り受け、エマ殿に協力を申しつけられ、守るべき主を奪われた無力な子犬以下の忍びには程遠い畜生に成り下がっていた。
いや、全てが元通りではなく。戦いの記憶は色褪せず狼の中にあり、集めた数珠玉や忍具もまた失ってはいない。
けれど、主は居らず。斬るべき敵も変わらず、再び狼の前へと立ちはだかった。
しかし、それらを再び狼は斬り伏せた。
ただの一つも例外なく、斬って、斬って、斬って…………斬りすぎた末に修羅へと堕ちた。
柔剣 エマを斬り、葦名一心を斬り、養父 梟を斬った狼は、忍びの掟も、守るべき主も、為すべきことも、全てを忘れて血に酔い、血に飢えて、血に狂う、修羅と成った。
全てを燃やし尽くす、鬼と化したのだ。
そうして、葦名の国を、侵略してきた内府の軍を、己すらも怨嗟に焚べて消し炭となった。
四度、狼は荒れ寺にて目を覚ました。
そして、狼は漸くもって不死断ちは為らぬと悟った。為しては為らぬと理解した。
己が真に為すべきは不死断ちに非ず、と。
故に、異なる解を探った。五度、六度、七度、八度と繰り返し、遂に仙峯上人の元へと辿り着いた。
偽りの竜胤である変若の御子殿を揺籠とすることで、竜胤をあるべき場所へと、遥か遠く西の地へとお返しするという不死断ちとは異なる選択肢。
これだと直感した狼は、変若の御子殿の協力を得て、蛇の生柿と干し柿を集めて、揺籠となって頂いた。
無論、強いてはいない。打診し、覚悟を問い、その上で変若の御子殿は苦悩に苦悩を重ねた果てに決断して下さったのだ。
再び、この地には戻っては来れないという覚悟の末に。
竜の帰郷にあたって、狼は人を集めた。
幾度も繰り返すうちに多くの人と縁を深めた故に、その縁を辿って遥かなる旅路への同行者を募った。
優しき覚悟を胸に秘めた剣士にして、稀代の薬師の弟子を。
元賊の飽くなき向上心を持つ商売人を。
独りぼっちの太郎兵を。
儚くも美しき旋律に誘われた侍を。
亡き息子を悼む黒傘の抜け忍を。
他にも誘った者は居たが、蟲に憑かれた死なずの侍には介錯を頼まれてしまい、元供養衆の情報屋には断られた。
そして、怨嗟に焼かれて鬼となった仏師殿を介錯し、宿敵と剣聖を斬り伏せた狼は、九郎様を宿した変若の御子様を送り届けるため、幾人かの同行者と共に遥か西の大陸へと旅立った。
◆◇◆
そして、海を超えて大陸を渡り。
山を、河を、砂漠を、荒野を、森林を超えた先で。
狼たちはかつて無い危機に追い詰められて、足止めを余儀なくされていた。
その危機とは、要するに、そう……路銀が尽きたのだ。
何を大袈裟なと思うかもしれないが、見知らぬ土地で路銀が尽きるというのは大変なことである。
植生が違えば、食糧となる生き物も異なる。泥水を啜る訳にもいかなければ、当然飲み水にも困るだろう。そも生水を変若の御子様に飲ませるなど以ての外だ。
御子様の生み出せるお米にも限りがあり、最悪死なない狼が毒味を試みようとすれば猛反対に遭ってしまった。
さて、どうしようかと頭を突き合わせて悩む御子様一行だったが、そこで宿の女将が親切心を発揮してくれた。
どうやら現在狼たちが立ち寄った村から馬車で三日ほどの距離には、迷宮都市オラリオという、旅の中で何度か耳にした有名な都市があるのだという。
腕に覚えがあるならば、神様から恩恵を授かって冒険者となり迷宮に潜れば一攫千金も夢ではない、と。
狼たちは一攫千金に興味は…………いや一部を除いて*1興味はないが、腕に覚えのある者たちは一様にピクリと反応した。
路銀にしたって、何も突然消えてなくなった訳ではない。少しずつ底が見えてきて、節約に節約を重ねて、徐々に食事の量が減っていき、満腹まで食べられたのは一体いつのことか。
普段は剣を握ることに消極的な薬師や斜に構えた黒傘の抜け忍も例外ではなく。一攫千金とは言わずとも、楽に金を稼ぐ手段が目の前にあるならば、今の一行には道理を外れない限り手段を選んでいるような余裕は、悲しいことになかった。
「……狼殿。路銀に関しては、死活問題です」
「フンッ……男共は道草でもどうにでもなりゃあ。けどな、娘っ子はそうもいかないんじゃねえか?」
「みな、腹減っちまってる。ずっとだ」
「うむ。一時、客将として身を置かせて頂ければ良いのではないか? 腹が空けば戦は出来ぬ、と。忍び殿も存じてござろう?」
「旦那、旦那! そう難しく考えることはねえんですよ! 気がつけば、葦名よりずうっと西まで来やした。ですが、西と言いやしても、目的の場所は何処だか分からず仕舞い。このまま無闇に探し続けても、時間の無駄ってもんでさ! ……そこでっ! 遥か東方まで名を轟かす
「竜の忍び。急いては事を仕損じる、です。旅路の中で、私も学びました。回り道のように見える行動が、時に近道となることもありましょう。…………それに、永い旅路です。今暫く、羽を休めるのも良いのではないでしょうか?」
頼もしい同行者たちは、そう口々に言った。
元々自己主張の少ない狼。旅は道連れとは云うが、まさか本当に道連れにしてしまう訳にもいかない。
何より変若の御子からも言われてしまえば、狼に選択肢など無いも同然なのであった。
「……御意のままに」
こうして、一行は次なる目的地をオラリオに定めた。
迷宮都市、地上に降臨した神々、恩恵を受けた冒険者、凶悪なモンスター蔓延るダンジョン。
その末路は喜劇か、悲劇か。はたまた、英雄譚か。
仏頂面の割に人情深く、忍びの癖に抜けていて、狼と呼ぶには愛嬌がある。
これは、冷静で寡黙な忍びの物語。
狼は、迷宮都市オラリオで何を見て、何を得るのか。
そして、無事に旅路を終えて、竜胤をあるべき場所へとお返しすることが叶うのだろうか。
狼はただ、為すべきことを、為すのみ。
今も昔も変わらない、狼の信条。
その結末は────如何に。
見切り発車なので、もしかしたら続かないかも?
その際は許してくださいm(._.)m
※SEKIROの登場人物について
オリ主の
他の人物は一切登場しないため、ご安心ください。
転生狼は恩恵なしでもLv.4程度の身体能力とします。
攻め力はMAXの99なので攻撃力はLv.5最上位とLv.6下位の間くらい、及び戦闘技能は神域に足を踏み入れている感じですね。
実際に戦えばレベルが二つ上程度なら、時間を掛けて体幹を崩せば余裕を持って殺せます。流石に三つ上だと攻撃が殆ど通らないので、バフ全開ならギリギリなんとかというイメージ。四つ上は無理です。死ぬが良い。
余談ですが、転生狼のアイテム所持数とラインナップは途轍もないことになってます。
周回した際に一つ前の回で取ったアイテムは
商人達も同じアイテムを売っています。現実ですがご都合的にアイテムは周回ごとに引き継がれたことにしてあります。
つまり、周回分の瓢箪の種や曲がり瓢箪、念珠などがあるわけですね。
極僅かな唯一の代物は、狼の愛刀・楔丸と忍義手くらいですね。忍具は無意味に何個もあります。不死斬りも。