【完結】俺が通う高校は人外魔境だった   作:はるゆめ

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ep.65 二日目 十八時五十ニ分まで

 昭和のいつか。どこかにある街。季節は冬。

 

 ◼️十六時五分

 

 向日葵(ひまわり)人間は街の人たちの魂を抜いて手駒にして、破壊活動をさせている。

 それなら何もできない状況を作ればいい。

 

 どうやって集めたらいいんだ。 

 あ!

 警察のお偉いさん方に俺は説明をした。

 

「町ごとに避難所へ集まってもらうようにすればいいんです。公会堂なり学校の体育館、グランドに。テロ対策だって。それに加わらないのは怪しいやつらだけだと思うんです」

 

 しばらく話し合った後、お偉いさんがゴーサインを出した。

 

 一斉避難が告知され、街の人たちはそれぞれ指定された場所に集まり始めた。

 色々と苦情が出たようだが『テロリストから身を躱すため』という説明に渋々従うしかなかった。

 

 あれだけ爆発騒ぎがあったんだ。誰だって危機感は覚える。

 

 アンネさんはまだ気を失ったままで、トーマスさんがずっと付き添っている。

 瑛子が手を当てて『もう大丈夫』と言った。

 

 パトカーや消防車、市役所の車があちこちを回り、まだ避難していない人を促していく。従わないのはすぐに拘束だ。

 

 

 ◼️十七時十五分

 俺たちは人気(ひとけ)のなくなった家々を瞬間移動で巡る。

 夕闇が迫る街。

 

「いた!」

 

 中年の男が人間とは思えないスピードで走り出す。俺たちを見るやすぐに逃げ出すのは奴ら、向日葵(ひまわり)人間だ。

 

 みさえさんの姿が消えたかと思うと、次の瞬間には男を地面にねじ伏せている。

 みさえさんの腕がブレて男の首が胴体から離れて飛んでいく。

 転がった首はすぐに醜悪な向日葵(ひまわり)のような顔に変化して、朽ち果てる。

 

「監視衛星で引っかかる動きをする人を全て追跡しています。怪しい動きをしたら麻酔弾を撃ち込んで無力化しますね」

「柚木、それで頼む」

 

「こいつらってエレボスの眷属ってことだよな」

「うん。人の遺伝子から情報を読み取って作り出した分身みたいなもの」

 

 エレボスが君臨し、向日葵(ひまわり)人間がそれを崇める光景を想像してしまった。

 

 その時、大きな音とともに空を飛ぶパトカーを見た。

 

「なんだ?!」

 

 道路の真ん中に大きな影。

 またあれだ。

 地下で見たやつ。

 

 阿修羅像みたいに顔が三つ。

 触手の腕が……六本。

 今度は向日葵(ひまわり)人間がベースになってるからか、二回り大きく、禍々しさが増している。

 

「瑛子、柚木、下がってくれ」

「◯◯君に怪我させないよ〜」

 

 デアソードを構える。

 

「これで終わりにしてくれよな」

 

 重く大きな音。

 みさえさんが吹き飛ぶが、すぐ回転して、ブロック塀を足場に上へ跳ぶ。

 

 こっちに伸びてくる触手を弾く。

 本体に比べたら手が痺れないだけマシだ。

 

 阿修羅野郎が姿勢を崩す。

 アスファルトを削りながら急停止する人影。

 飯田だ!

 手が槍のようになってる。

 

 次に触手が二本、瑛子と柚木の方へ向かうがみさおさんが切断。

 

 また姿勢を崩す阿修羅野郎。

 王戸ちゃんだ!

 やつの足、アキレス腱あたりが切れている。

 

 その隙に近づく。

 狙うは頭。

 よろめきながら後ろへ退がる阿修羅野郎。

 バランスが上手くとれないようだ。

 

 俺に向かう触手は飯田と佐藤優子が掴み、みさえさんが別の触手を押さえつける。

 

 走る。

 あと二メートル。

 

「くらえっ」

 

 フルスイング。

 バットより軽いのでずっと速く振れる!

 

 顔が三つの首は地面へ落ちたらすぐに、黒い粉となって霧散した。

 

 これで終わってくれ!

 

 

 ◼️十八時五十ニ分

 

 見回りを交代制にして、俺たちは瑛子の謎家にて夕食をとることになった。

 疲れた。

 あの阿修羅野郎が奴らの最後の悪あがきだと思いたい。

 

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