逃げ上手の転生記 〜かぶき町のちゃらんぽらん侍と〜 作:虹武者
ある日、銀時は時行を連れてある場所に来た。大きな門の横には“真選組屯所”と書かれている。
「真選組?」
「ヤクザ警官の集まりだ。」
「どんな警官なのですか?」
銀時が入る。その後ろをついて行くように時行も入った。中は静かだ。誰も居ないのか?そう思っていたら声が聞こえた。話声というより呼吸する時の声のようだ。それと同時に何かを振る音も聞こえる。
「なんでしょうか?」
気になった時行が声がする方向に行く。そのには2人の男がいた。2人とも木刀で素振りをしている。時行はそのうちの1人を見て目を輝かせていた。時行と同世代の幼い少年だ。その少年の名前を時行が叫ぶ。
「弧次郎!」
「ん?…若!」
振り向いた少年の名前は根津弧次郎。嘗て時行と共に逃若党として戦ってくれた頼もしい仲間だ。時行も弧次郎もお互い駆け寄る。
「弧次郎ー!」
「若ー!」
「弧次郎ーー!」
「若ーー!」
「弧次郎ー…なんで全裸なの!?」
時行がツッコむ。それもそのはず弧次郎は腹巻だけを着けている以外は何も着ていない。つまり全裸だ。時行が不思議に思うも弧次郎は首を傾げていた。
「何言ってるんすか若?ここでは全裸で素振りが普通ッスよ。」
「おいィィィ!完全にゴリラに洗脳されてるじゃねぇかァァァ!」
「洗脳だなんて随分な言い方だな万事屋。俺はいつも通りを見せただけだぞ。」
「お前のいつも通りは常識を捨ててるんだよ!」
銀時に話しかけたゴリラみたいに毛深く顔に傷のある男。彼が真選組局長近藤勲である。まさにゴリラ。
ちなみに、近藤も全裸である。2つのモザイクが銀時の目に写る。
「とにかくお前ら服を着ろ!」
「それよりお前はなんでここに来たんだ?」
「呼ばれたんだよ。」
「誰に?」
「俺でさぁ。」
襖を開けて出て来た男。栗色の髪をしたベビーフェイスの男。男の名前は沖田総悟。真選組1番隊隊長を務める凄腕剣士だ。ちなみに、凄いドS。
沖田は時行をジーと見る。時行が嫌な予感がすると銀時の後ろへ逃げた。
「なるほど。そいつが例の万事屋の新メンバーですかい旦那?」
「なんでお前が知ってんだよ。」
「ちょいと噂で聞いたんでさぁ。万事屋に似合わない美少年が加入したって。それを確かめたくて呼んだ次第ですよ。」
「それでどうだ?噂は本当だろ。」
「ええ。万事屋には似合いませんぜ旦那。」
「そこかよ!」
銀時がツッコむ。
「そもそもなんでこいつの知り合いがこんなところにいるんだ!?」
「それは…」
「俺が説明してあげますよ。」
弧次郎がここに来た経緯を沖田が話し始めた。
真選組剣風帳
「おいィィィ!別の小説が始まったよ!?」
銀魂が終わっても真選組は終わらない!真選組の新たな戦いが始まる!
「銀魂も終わってないから!まだ二次創作で延々と続くから!」
真選組を待ち受ける新たな敵!
沖田達の前にオバQみたい全身白タイツの男が現れる。
「原作で見たよ!何回出れば気が済むんだよこいつ!ってかこの小説の初登場がこれでいいのかよ!?」
また108体に増える山崎ロボコップ!
「まだ増えるんかよ!」
そんな時、1人の少年と出会った真選組。
弧次郎に手を伸ばす近藤。そこから弧次郎は真選組の1員として共に過ごす。修行し、戦い、みんなと笑っている。そんなある日、弧次郎と沖田はお墓の前で手を合わせていた。
「この人が…」
「ええ。真選組元副長、土方十四郎でさぁ。」
2人の前には土方十四郎と書かれたお墓があった。
「どんな方だったんすか沖田副長?」
「ムカつく奴でさぁ。…でもムカつく奴ほど居なくなると寂しいもんですぜ。」
「そうッスね…俺も会いたかったッス土方元副長。」
2人はお墓に拝んでいた。
「何勝手に殺してんだぁ!」
そのお墓からV字前髪の男が飛び出て2人の顔をアイアンクローした。この男が真選組副長、土方十四郎である。ちゃんと生きている。
「毎度毎度俺を殺してんじゃねぇ!っというか近藤さんがこいつに手を伸ばした時に俺もいただろ!何勝手に改竄してんだてめえ!」
土方は沖田の胸倉を掴み振り回す。
「お前もちゃんと俺が生きてること知ってるだろうが!」
「すみません土方元副長。」
「現副長だ!」
「沖田隊長が土方副長はロボコップになったと言ってましたので…」
「何山崎と同じにしてんだてめえ!」
土方が沖田を睨む。
「俺はロボコップなんて一言も言ってませんぜ。俺は土方さんはマヨコップになったって言ったんでさぁ。」
「それもう
突然現れ沖田と弧次郎にツッコむ土方を時行は不思議そうに見ていた。
「誰ですかあの人。」
「マヨコップ。」
「土方十四郎だ!」
「マヨネーズ刑事ですね!」
「特殊過ぎるだろうが!どの世界にそんな特殊な刑事がいるんだ!」
土方が時行にもツッコむ。
「お前にこいつの教育係を任せたのが間違いだった!」
「何言ってんすか土方さん。俺はちゃんと教育してますよ。なぁ、弧次郎。」
「はい!沖田隊長のおかげで土方副長の死体を数えるとすぐ寝れるようになったッス!」
「何を教えてんだてめえ!」
土方が沖田を投げる。
「剣術や局中法度を教えろ!」
「土方さん、弧次郎は既に実戦形式の剣術はかなりのもんですぜ。何なら旦那より強いかもしれませんぜ。」
「ああ?」
沖田の挑発に銀時が乗った。
「おいおい沖田君?俺がこんなチビに負けるかもしれないってぇ?冗談キツいぜ。」
「弧次郎は凄く強いですよ!私が頼りにするほどです!」
沖田に続いて時行が弧次郎の強さを褒める。弧次郎は時行に褒められ照れている。
「じゃあどっちが強いか白黒着けようじゃねぇか!」
銀時が木刀を構える。弧次郎はやる気がないようだ。
「やるんすか?」
「旦那も戦争経験のある猛者でさぁ。いい経験になるぜ。」
「…沖田隊長が言うならやってみるッス。」
弧次郎も木刀を持って銀時の前に立つ。
「っけ。こんなガキに負けるほど銀さんは衰えてねぇよ。」
「うるせぇもじゃもじゃ頭のおっさん!」
「てめぇ!天パをイジるのは止めろぉ!」
「その頭、屯所の便所にぶちまけてやらぁ!」
「それは俺が嫌だから止めて!」
お互い木刀を構えて準備は出来たみたいだ。仕方ないと土方が審判をする。
「お前ら!後悔はないな。」
「ねぇよ。」
「ないッス!」
「その前に…お前は服着ろ!」
やっと土方が弧次郎の全裸にツッコんだ。弧次郎は真選組の隊服を着て再び構えた。
「カッコいい弧次郎!頑張って弧次郎!」
「まったく…いつも過剰に期待するんすから。応えねぇと男が廃るッス!」
「来いよガキ!ジャンプで15年も長期連載した漫画の主人公の強さ見せてやる!」
「万事屋。さすがに大人気ないぞ。」
「近藤さんも服着てください。」
銀時対弧次郎の模擬戦が始まる。ルールは簡単。降参と言った方が負けだ。双方準備は出来ている。
「…始め!」
土方が模擬戦開始の合図をした。その瞬間、弧次郎が飛び出した。鋭い一撃を繰り出すも銀時は軽く受け流す。弧次郎はそこからも連撃するが銀時は受け流し続けた。
「どうしたッスかぁ!?口だけになってるッスよ!」
「凄いよ弧次郎!」
「万事屋の奴、敢えて剣術だけでやる気か。」
時行が弧次郎を応援しているとやっと服を着た近藤の言葉が耳に入った。
「それは…」
「旦那の戦い方は剣術に体術を合わせた独自のものでさぁ。使えるものならなんでも使うのが旦那の戦い方ですぜ。」
「剣術だけで圧倒してプライドを完膚なきまでに潰すつもりだろ。」
近藤に続いて沖田と土方も2人の戦いを見て銀時の考えを考察した。そこに次々と真選組の隊士達がやってきた。全員、銀時と弧次郎の模擬戦に興味を持っているようだ。
「万事屋の旦那と弧次郎の一騎打ちか。」
「銀さんに挑むとか無謀じゃねぇか?」
隊士達が銀時の勝利に賭ける中、時行だけは必死に弧次郎を応援していた。隊士達も時行に気付く。
「沖田先輩、あの子は誰ですか?」
「旦那がスカウトした万事屋の新メンバー。」
隊士達が驚く。時行はそれに気付かず弧次郎を応援している。弧次郎はずっと攻めているが一向に銀時に当てることが出来ない。このままつまらない試合になると判断した沖田が銀時に喋りかける。
「旦那ぁ!そいつも戦争経験のある実力者ですぜ!そろそろ本気出さないと作者がダラダラ書き続けることになりますぜ!」
「どこに気を配ってんだぁ!」
銀時が動き出す。弧次郎が構えると銀時は木刀を地面に刺した。そのまま引き摺り思いっきり振り上げる。その時に土が舞い上がり弧次郎の顔にかかった。一瞬、目を閉じる。その隙に銀時は弧次郎に蹴りを食らわせた。弧次郎は咄嗟に木刀で防御するも吹き飛ばされる。
「やっと本気ッスか?」
「じゃねぇと4000字超えそうなんでな。」
「?」
意味が分からず首を傾げる弧次郎。銀時が攻める。木刀だけではない。蹴りや拳も交えた戦い方に弧次郎は苦戦した。今まで戦った相手にこんな戦い方をする奴はいなかった。その戦い方をする銀時に時行がワナワナしていた。
「弧次郎…」
「坊主。これが旦那ですぜ。旦那には流派がない。臨機応変になんでも使うのが旦那の戦い方でさぁ。」
(亜矢子みたいだ…)
「あと大人気ない。」
「うるせぇ!」
時行は弧次郎を心配する。銀時は木刀を振り回す。今度は弧次郎が受け流す番だ。しかし、力の差は歴然。だんだん追い込まれていく。そして、一瞬の隙をつき銀時が弧次郎の木刀を蹴り上げた。弧次郎が舞い上がった木刀を見上げる。そこに銀時が木刀を振り下ろした。
「!?」
木刀が弧次郎に当たる直前、銀時は木刀を寸止めした。
「1本。万事屋の勝ちだ。」
「まだッス!まだ…」
「負けを認めるのも成長だ。生きていれば何度でも挑戦出来る。」
「そういうことだ弧次郎君〜。銀さんは何度でも受けて立つよ〜。」
勝ったことで調子に乗った銀時の挑発にイラッとした弧次郎は銀時の股間にアッパーした。そのまま銀時は股間を抑え悶絶する。
「ま、参りました。」
「降参しましたね旦那。」
「これでいいのか?」
弧次郎は悔しがっている。銀時に手も足も出ないまま負けてしまった。このままじゃこの世界で時行を守り抜くことが出来ない。そう思ってしまった。
「どうすれば…」
「強くなればいい。誰しも最初から強いわけじゃねぇ。己の道を見極めまっすぐ進み肉体と精神を鍛えれば自ずと強くなれる。」
迷う弧次郎に近藤がアドバイスした。そこに時行が来て弧次郎に抱き着いた。
「カッコよかったよ弧次郎!さすが私の郎党だ!」
「は、恥ずかしいッスから離れてください若。」
弧次郎が顔を赤くして背ける。すると、お腹が鳴った。さらに、顔を赤くさせる。
「メシにするぞ。」
「ッス!」
「私も一緒にいいですか!?」
「いいんじゃねぇか?」
「銀さん!行きましょう!」
「あいつも連れて行くんかい!」
「あ〜、玉も棒もあって良かった〜。」
時行に連れられ食堂に向かう銀時。みんなで食事しようと席に座る。時行がいただきますした瞬間、隣の弧次郎が丼ご飯にマヨネーズをご飯が見えなくなるまでかけていた。時行は目を丸くして弧次郎を見る。
「弧次郎…何それ?」
「何って。マヨネーズッスよ。そうだ!若にもかけてあげるッス!」
そう言って時行のご飯にも溢れるぐらいマヨネーズをかけた。それを見た土方が注意する。
「おい弧次郎。まだマヨネーズが足りねぇじゃねぇか。仕方ねぇ。俺のマヨネーズもやるよ。」
「ありがとうございまッス!」
「…じゃねぇだろォォォ!」
銀時が弧次郎と土方をマヨネーズに沈める。
「目がぁ!目がぁー!」
「何すんだてめぇ!」
「こいつ、完全にてめぇらに毒されてるじゃねぇか!見ろ!時行が信じられないものを見た目をしてるぞ!」
「弧次郎…」
たっぷりマヨネーズを見て困惑する時行。マヨネーズまみれの弧次郎を見る。完全に真選組に染まっていた。新しい世界で久しぶりに郎党に会うことが出来た喜びとその郎党が変人達に染められていたことに対する不安が時行の中を巡るのであった。