逃げ上手の転生記 〜かぶき町のちゃらんぽらん侍と〜   作:虹武者

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第五訓 軽犯罪は大抵繰り返す

 ある日、銀時達はお妙が務めているスナックにいた。

 

「おい、お妙。さすがに時行を連れて来るのはまずいだろ。いずれ将軍になる子供だよ。あっちが将軍になったらどうするの?こう見えて暴れん坊将軍かもしれないよ。」

「何の話ですか?」

 

 意味が分からず?を浮かべる時行。

 

「そんなので呼ぶわけないでしょ銀さん。時行君に紹介したい人がいるの。」

「それでなんで薙刀なんて持ち込んでんだ?時行斬るの?」

 

 銀時達はお妙の隣にある薙刀を見て戦慄する。

 

「これは違うの。後で使うの。」

「何に?粛清?」

「それより…」

 

 お妙が会わせたい人のことを言おうとした時、1人の少女が来た。銀時達がその少女を見る。高身長の和風美人だ。その少女を見た時行は涙した。

 

「若様!」

「亜矢子!」

 

 その少女の名前は望月亜矢子。嘗て時行や弧次郎と共に逃若党のメンバーだった少女だ。時行と亜矢子は喜びを分かち合うためお互いに抱き着いた。その瞬間、時行が吐血した。

 

「会えて嬉しいよ若様!」

「う、うん…私も嬉しいよ。」

「全然嬉しいって顔してませんよ。死にかけの顔してますよ。」

「も〜、若様〜。私の肋折るぐらい強く抱いてよ!」

「おいィィィ!いきない恐ろしいこと言ってるぞあの子!」

 

 銀時と新八が慌てて時行を引き離す。

 

「改めて紹介するわ。新しくうちで働くことになった…」

「望月亜矢子です!よろしくお願いします!」

「その前に時行君が別れることになりそうなんですけどォォォ!」

 

 銀時と新八で時行を蘇生させる。

 

「この前、ここの前で倒れていたのを私が発見して介抱したのよ。そしたら懐いちゃって。」

「妙のアネゴ〜!」

 

 亜矢子がお妙に寄り添っている。

 

「亜矢子ちゃんは凄いのよ。楽器、ダンス、接客なんでもちょっと教えたらすぐ自分のものに出来るし力持ちなのよ!」

「待つアル。」

 

 お妙が亜矢子を褒めていると神楽が反応した。亜矢子の顔面をアイアンクローした。

 

「私のキャラと被ってるアル。」

「痛い!凄く痛いよ!」

「あ〜…確かに女、怪力、アネゴ呼びが被ってるな。」

「今すぐキャラ変するアル。偏屈、ネガティブ、露出狂になるアル。」

「そんなヒロイン絶対人気出ねぇよ!」

 

 新八が神楽を亜矢子から離す。

 

「そうだ!私、亜矢子ちゃんに料理教えたのよ。」

「その亜矢子は無視かよ。」

 

 顔を抑える亜矢子。時行が心配して撫でる。

 

「私の得意な卵焼きを亜矢子ちゃんにも教えたのよ。」

 

 お妙の発見に銀時達が身構える。お妙がその卵焼きを見せる。綺麗で美味しそうな卵焼きだ。恐る恐る食べてみる。凄い美味かった。

 

「美味いぞ!なんでお妙の教え方でこんなに美味い卵焼きが出来るんだ!?」

「姉上がおかしいだけでこれが普通ですよね!?」

 

 お妙が銀時と新八を拳骨で鎮める。時行も美味しそうに食べている。それを見た亜矢子はウキウキしていた。

 

「あいつ、時行に惚れてるな。」

 

 銀時が時行を見る亜矢子の顔を見て確信する。

 

「おい、亜矢子ちゃん。時行のことが好きだろ。」

「うん!若様との子供が作りたいぐらい好き!」

「てめぇ!」

「えぇ!?」

 

 新八が時行の胸ぐらをつかんで叫ぶ。銀時は驚くも誂う相手を新八に変更した。

 

「いいじゃねぇか。英雄色を好むってね。既に出来てる幼馴染なんてジャンプらしいじゃねぇか。」

「僕にだって幼馴染がいればぁ!」

「惨敗アル新八。」

 

 神楽が新八をなぐさ…さらに誂う。新八が時行に詰め寄っている間に銀時がお妙に聞く。

 

「それで俺達を呼んだ本当の理由はなんだ?あいつの紹介だけじゃねぇんだろ。」

「その通りよ。」

 

 お妙が薙刀を持つ。

 

「また…また現れたのよあの変態仮面!」

 

 お妙が薙刀を振り下ろす。銀時は避けるも服を掠めた。そこからパンツが落ちる。

 

「銀さん?」

「これは…降ってきたのを拾っただけだ。」

「それ、私の下着ー!」

 

 お妙が銀時をアッパーで殴り飛ばす。

 

「もしかして姉上。またフンドシ仮面ですか?」

「そうよ。」

「何ですかそれ?」

「女性の下着を盗み男にばら撒く変態よ。」

 

 お妙からドス黒いオーラが溢れる。それにビビる時行。

 

「どうやって捕まえるのでしょうか?」

「そこは俺に任せるッス若!」

「あなた、どこから出ているのよ。」

 

 突然、床を開けて弧次郎が出て来た。その弧次郎の顔を踏むお妙。

 

「いやッスなぁ〜。近藤局長が教えてくれた抜け穴ッスよ。」

「おいィィィ!あのストーカー、なんてもん作ってんだ!」

 

 お妙がすぐに抜け穴を塞ぐ。弧次郎は久しぶりに会えた亜矢子と再会を喜ぶ。また、肋が折れ吐血する弧次郎。慌てて介抱する銀時と時行。

 

「だから、みんなを呼んだのよ。」

「何?俺達もその変態を再び捕まえろと?」

「そういうことよ。」

 

 お妙は自宅に銀時達を連れて行く。時行達は初めて志村家に入ることになる。道場になっているとは聞いていたが思ってより大きいのに驚いていた。

 

「凄いッスね。」

「でしょ!中も広いんだよ!」

「もしかして亜矢子ちゃんって既に入ったの?僕、全然知らないんだけど?」

「新ちゃん、最近は万事屋で寝てるからね。」

 

 お妙が扉を開ける。そこには何故か近藤がいた。

 

「聞きましたよお妙さん。また変態に悩まされているって。この近藤勲。あなたのため参上仕りました。」

「何勝手に入って来てんだゴリラァァァ!」

 

 お妙が近藤を蹴り飛ばす。亜矢子がお妙に踏まれる近藤を指差す。

 

「あの人誰?」

「俺が今入っている真選組の党首、近藤勲局長ッス!かっこよくて海野殿と同じぐらい強いッスよ!」

「そして、変態のストーカーだ。」

 

 銀時が弧次郎の説明に追加する。その近藤の懐からパンツが落ちる。それを見た時行と亜矢子が真顔になる。

 

「やっぱり持ってましたか、モテない男の勲章。」

「新八。お前の懐からも見えてるネ勲章。」

 

 神楽がジト目で新八の懐からチラッと見えているパンティを見て言う。お妙は神楽と亜矢子と協力してパンツを仕掛け隠れる。

 

「そう言えばそのフンドシ仮面ってどんな人なのですか?」

「真っ赤な褌を頭に被りブリーフ1丁で闇を駆けキレーな娘の下着ばかりをかっさらいそれをモテない男達にバラまく鼠小僧の変態バージョンだ。」

「海パン刑事が相手しそうな人ですね。」

「何その変態刑事?」

「その変態仮面がなんで今更また出て来たんだ?お前ら捕まえただろ。」

 

 銀時が聞く。

 

「2年前の虚が起こしたアルタナ…龍脈の暴走により奴を拘留していた留置場が崩壊。その際に多くの犯罪者が脱走した。」

「インペルダウンかよ。」

「その1人がフンドシ仮面というわけッスね。」

「そうだ。」

 

 近藤が説明してあるとお妙達が籠を持ってきた。中にはトゲが生えた緑色のボールが大量に入っている。

 

「お妙、なんだそれ?」

「モヤッとボールよ。」

「なんでそんなにあるの!?」

「前回はゴリラが地雷仕掛けて大変なことになったから今度はこれで仕留めようと思うの。」

 

 お妙が屋根を指差す。そこには神楽がパネルを設置していた。

 

「あそこに伊東四朗のパネルを設置したから今からモヤッとボールを亜矢子ちゃんに投げてもらうわよ。」

「なんでIQサプリィィィ!?もう何年前の番組だよ!?」

 

 亜矢子がモヤッとボールを持つ。伊東四朗をよ~く狙って投げた。モヤッとボールは見事伊東四朗に命中し顔を吹き飛ばした。

 

「…伊東四朗ォォォ!なんだあの威力!?伊東四朗が吹き飛びましたよ!」

「これをぶつけてスッキリさせるわ。」

「全然スッキリしねぇよ!あんた、伊東四朗に何の…」

「合体漢字が分からねぇ!」

「はなわムカつく!」

「あんたらもモヤッとボール投げなくていいから!」

 

 近藤と銀時もモヤッとボールを伊東四朗に投げる。

 

「そもそも亜矢子ちゃんその見た目で凄いスピードで投げてまそたよ!」

「でしょ〜!私、基本刀でも薙刀でも人間でも武器にするから力がないとダメなんだ!」

「おいィィィ!人間も武器にするって言いましたよこの子!」

 

 新八がびっくりして叫ぶ。もうすぐ夜になる。銀時と時行は屋根、弧次郎と新八と神楽は部屋の中、近藤、お妙、亜矢子は庭で待機している。

 

「本当に来るのでしょうか?」

「変態の名にかけて絶対来る。前回は屋根から来た。だから今回もここから来るはずだ。」

 

 銀時と時行が待っている。その時、アハハという笑い声が聞こえた。

 

「パンツのゴムに導かれ今宵も駆けよう漢•浪漫道!怪盗フンドシ仮面再•見参!」

「どこだ!」

「屋根には居ませんよ!」

 

 声は屋敷から聞こえる。どこだと捜していると屋根裏から開けて登場した。

 

「あんたどこから登場してんだぁ!」

「見つけたぁ!」

 

 弧次郎が飛びつくもフンドシ仮面は避けてパンツへと駆ける。そこにお妙と亜矢子がモヤッとボールを投げる。それを避けるフンドシ仮面。2人が投げたモヤッとボールは新八と弧次郎の顔面に命中する。

 

「ぎゃあ!」

「目がぁ!」

 

 2人は顔を抑えて悶える。次は神楽がモヤッとボールを投げる。フンドシ仮面が避けると近藤の股間に命中した。近藤は声にならない叫びと共に悶えた。

 

「おいィィィ!次々と同士討ちになってるだろぉ!」

「その程度で俺が止められると!舐められたものだなぁ!」

 

 フンドシ仮面が屋根に上がる。そこに銀時と時行がモヤッとボールを持って構えた。

 

「行くぞ時行ィィィ!」

「はいィィィ!」

 

 時行がモヤッとボールを投げる。それは隣にいる銀時の顔に命中した。

 

「なんでだァァァ!?」

「おいィィィ!どんな軌道で俺に来た!?」

「すみません。」

 

 なんとか戻ってきた新八がツッコミながら叫ぶ。銀時が顔を擦りながら立ち上がる。

 

「今度こそ!」

 

 亜矢子がモヤッとボールを投げる。フンドシ仮面が避けると銀時の股間に命中した。銀時は股間を抑えて悶える。そこから金色の玉が転がり落ちる。

 

「取ってぇ!俺のゴールデンボール取ってェェェ!」

「えぇ!」

 

 時行が取ろうとするも銀時の玉が屋根から落ちる。そこに目を抑えながら来た弧次郎が銀時の玉を掴む。

 

「行くッスよ!」

「待って!それモヤッとボールじゃない!銀さんのゴールデンボール!」

 

 弧次郎が投げる。しかし、全然違う方向に飛んで行った。

 

「どこ投げてんだァァァ!?」

「私に任せて!」

「何を!?」

 

 亜矢子がジャンプして銀時の玉を取ろうとする。しかし、握力が強すぎて握った瞬間、銀時の玉が潰れた。それを見た銀時は真っ白になり倒れる。

 

「銀さ〜ん!?」

「俺、来週から銀子として生きていくから…」

「大丈夫です!…多分、来週には治っています!」

「残念だったなぁ!」

 

 フンドシ仮面が高らかに笑いながらジャンプする。そこに亜矢子が悶絶中の近藤の足を掴み近藤でフンドシ仮面を殴り飛ばした。

 

「本当に人間を武器にしたァァァ!」

 

 新八が近藤さ〜んと叫ぶ。倒れるフンドシ仮面。そこに籠一杯のモヤッとボールを持ったお妙と神楽が来る。

 

「何度も何度も…乙女のパンツ盗んでるんじゃないわよー!」

 

 2人でモヤッとボールをフンドシ仮面に浴びせる。モヤッとボールに埋もれ動かなくなるフンドシ仮面。2人は汗を拭き取り清々しい顔をした。

 

「ふぅ…スッキリした!」

「いや、してねぇだろォォォ!」

 

 悶絶する銀時や近藤、弧次郎を見て新八が叫ぶのだった。

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