逃げ上手の転生記 〜かぶき町のちゃらんぽらん侍と〜   作:虹武者

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第七訓 似た者同士は集まる

 ある日、時行、孤次郎、亜矢子の3人が万事屋にいた。掃除を怠けていた銀時に代わり新八や神楽と一緒に掃除していたのだ。

 

「ありがとうございます。おかげで助かりました。」

「そうネ。あのグータラ、汚いままどっかに行ってしまったネ。銀ちゃんの椅子に吐いてやるネ。」

「待って神楽ちゃん!また汚くするの止めて!」

 

 新八が神楽を止める。すると、そこに誰か来た。

 

「すみませ~ん!お願いしたいことがあるんですが~!」

「はい~!」

 

 新八が出る。男は小包を新八に手渡した。

 

「これをここに届けてほしいんです。」

 

 男が地図を出して教える。

 

「そこ!?遠いなぁ。僕はこれからお通ちゃんのライブに行かないと。」

「私は定春と散歩ネ。」

 

 2人が悩んでいる。すると、時行達が挙手した。

 

「では、私達がその依頼、受けましょうか?」

「いいんですか?」

「はい!厄介になるだけでは失礼ですので私も何かお手伝いがしたいです!」

「いいアルな!あのボンクラと全然違うネ!」

「じゃあ、お願いしようかな?」

「任せてください!」

 

 時行は孤次郎と亜矢子を連れて向かって行った。久しぶりの3人。新しい世界を観光しながら地図に書いてある場所へと向かう。3人が到着した場所は戌威党と書いてある建物だった。

 

「なんすかこれ?」

「戌…威…党?逃若党みたいな感じかな?」

 

 3人が立ち止まって見ていると犬の顔をした天人が現れた。

 

「おいこら。何の用だ?」

「あ、あの!私達はこちらを届けに来ました!」

「はぁ?」

 

 時行が小包を出す。しかし、天人は受け取ろうとしない。

 

「そんなもんが届くなんて聞いてねぇぞ。」

「あれ?」

「おかしいッスね?確かにここを印しているッスよ?」

「ほら!ちゃんと確かめて!」

「要らねぇ!」

 

 天人が小包を弾き飛ばす。それが建物に当たった瞬間、爆発した。それを見て唖然とする時行達。ヤバいと直感し逃げるも天人が孤次郎の手を掴んだ。その孤次郎が時行の手を掴み時行が亜矢子の手を掴む。

 

「孤次郎ー!?待って!?」

「俺だけ捕まるのは嫌ッスよ若!」

「お願い孤次郎!ここはあの時みたいにかっこ良くここは俺に任せて早く行けって言って!」

「ここは私に任せて早く逝って孤次郎!」

「うるせー!亜矢子!お前だけでも道連れッスよ!」

 

 郎党が関係なくなってしまっている3人。天人の応援も来る。その時、突然天人が全員倒れた。今だと逃げる3人。しかし、どこに逃げればいいか分からない。すると、3人の前にロン毛の男が現れた。

 

「ついてこい。」

 

 警戒する3人に男はそう言って走る。仕方なく3人もその男の後ろをついて行く。それを見ている狐面の男がいた。3人はロン毛の男と一緒に廃ビルの中に入る。

 

「ここは?」

「我ら攘夷志士の隠れ家だ。」

「攘夷志士?」

 

 時行達は首を傾げていた。一方、万事屋に帰った銀時が1人でテレビを点けているとニュースが流れた。

 

『こちら、戌威党事務所前です!先程事務所に向かって爆発物を投げ込むというテロが発生しました!』

「いつの時代もヅラみたいな奴はいるもんだな。」

 

 銀時がポテチを食べながらテレビを見ていると監視カメラに映っている時行達が出てきた。

 

『こちらが爆発物を投げ込んだと思われる容疑者です!現在、3人とも逃走…』

「え?あれ?あれ、時行じゃね?ってかこれあれじゃね?ヅラと出会った時の…」

 

 銀時は目を丸くしていた。そこに新八と神楽が帰ってきた。

 

「銀さん!テレビ見ましたか!?」

「新八!神楽!すぐ行くぞ!」

「行くってどこに!?」

「決まってるだろ。ヅラのところだ。」

 

 

「あの…あなたは?」

「俺は桂小太郎。攘夷党首領にて元攘夷四天王の1人。狂乱の貴公子及び逃げの小太郎と呼ばれている。」

「「「…」」」

 

 桂の自己紹介を聞いた3人は黙っていた。

 

「な、長い。」

「じゃあ、長いのでヅラで!」

「ヅラじゃない!桂だ!」

 

 亜矢子に向かって言い直す桂。

 

「逃げの小太郎って俺や若と被ってるじゃないですか!」

「そうだよ!逃げは若様の十八番だよ!」

「そうッスよ!脱兎の如く逃げ…」

「面倒な習い事からも逃げ…」

「「へっぴり腰で逃げる。」」

「「それが若様だよ!」ッス!」

「褒めてないよね!?」

 

 時行が顔を真っ赤にする。

 

「そもそも小太郎も俺の名前、弧次郎と被ってるッスよ!」

「そんなこと知るか!」

 

 弧次郎と小太郎で言い合いしているとガラッと障子が開き着ぐるみを被った奇妙な生物が現れた。それを見て警戒する時行達。

 

『桂さん。お客様が来られましたよ』

「おぉ!そうかエリザベス!」

「エリザベス?」

「俺の相棒だ!」

『初めまして』

 

 エリザベスと呼ばれた生物はプラカードで桂と会話した。桂が誰が来たのか確かめようと出て行った瞬間、銀時が桂を蹴り飛ばした。

 

「銀さん!」

「おいこらヅラ。何うちの(もん)を勝手にテロに巻き込んでんだ?」

「ヅラじゃない!桂だ!」

 

 桂が起き上がる。銀時と桂が知り合いだと分かり聞いてみる。

 

「あの、この人はどんな人なのですか?」

「え、テロリスト。」

「テロリスト?」

「テロリストではない。攘夷志士だ。松陽先生の件の後、卑しくも再びこの国を乗っ取ろうとする天人どもを排除するため再び立ち上がったのだ。」

 

 桂が話す。

 

「一度、ドナルド・ヅランプとして旧きを壊し新政権を樹立。新時代の土台を作りそよ姫に渡したがそれでも天人どもはこの国を狙っている。それを排除するまで俺は死ぬことは許されない。」

 

 しっかりとした考えを持っている桂に時行達は驚いている。

 

「それで、こいつらを誑かした張本人はどこだ?」

 

 銀時が聞く。時行達も思い出す。事の発端である男が居ない。探そうとした時、その男が入って来た。怒り心頭で怒鳴る弧太郎達。

 

「てめぇ!どの面下げて来やがった!」

「そうだよ!あんたのせいで大変な目にあったんだから!」

「おいおい。あの時も今も声は変えてねぇぜ。」

 

 男がニヤリと笑う。時行達は聞き覚えのある声に驚嘆する。まさかと思った瞬間、男は変装を解き狐面の忍になった。

 

「「「玄蕃!」」」

「久しぶりだなぁ(ぼん)。」

 

 玄蕃と呼ばれた男。嘗て時行達と共に逃若党として活動していた忍者だ。何よりも金を優先するスケベ。

 

「何?こいつもお前らの仲間?」

「はい!」

「守銭奴だけどな。」

「変態だけどね!」

「合ってるが言い過ぎだろ!」

 

 玄蕃がツッコむ。

 

「桂さん。どうやって彼と知り合ったんですか?」

「よくぞ聞いてくれた。あれは激しい死闘だった。」

「ああ。お互い血塗れになってたよなぁ。」

 

 2人は初めて出会った時を思い出す。2人の後ろにそのイメージが浮かび上がる。夜のサファリパークですき焼きを食べていた。周りにはライオンやチーター、ハイエナなど猛獣が囲んでいる。

 

「待ってください。これ、死闘の相手ライオンですよね?血塗れって原因ライオンですよね?」

「やっぱりケチらずに豚肉を牛肉にするべきだったぜ。」

「だったぜじゃねぇよ!あんたら、どんな状況で出会ったんですか!?」

 

 新八がツッコむ。その時、下からパトカーのサイレンの音が聞こえてきた。銀時達が下を見るとパトカーがこのビルの手前で停まりそこから近藤達真選組が出て来て突入してきた。

 

「真選組です!」

「何故だ!?何故ここがバレた!?」

「はい。15階ッス。」

 

 桂が振り向く。電話している弧次郎がいた。

 

「貴様~!」

「何してんだてめぇ!」

「だって今の俺、真選組ッスよ!」

 

 玄蕃と弧次郎が言い争いをする。それよりも逃げだと桂は準備を始めた。

 

「土管を探せ!」

「そんなもんがあるわけ…」

「ありました!」

「あるの!?」

 

 銀時が見ると緑色の土管があった。完全にマ○オである。

 

「おいィィィ!完全にマ○オじゃねぇか!なに!?このままクッパ城に行っちゃうの!?」

「2-1に逃げるぞ!」

「ほとんど進んでねぇ!」

 

 土管に入る攘夷党のメンバー達。時行達も入ろうとするが玄蕃は入らない。

 

「玄蕃!?」

「俺はここに残る。後から行くぜ。」

「そんな…」

「そんな顔するなよ坊。簡単には死なねぇよ。」

 

 時行も残ろうとするもエリザベスに弧太郎と一緒に抱えられ土管に入って行った。真選組がもうすぐその部屋に辿り着く。

 

「御用改めである!真選組だぁ!」

 

 土方が扉を開ける。そこには玄蕃が立ちふさいでいた。玄蕃は土方達を見て笑っている。

 

「どの時代も武士ってのは堅いねぇ~。」

「てめぇも桂一派か。」

「俺はあんたらみたいなのをおちょくるのが好きな盗人だよ。」

 

 玄蕃は煙玉で土方達の視界をふさいだ。煙が晴れると土方が2人いた。それに驚く近藤達。

 

「トシが2人!?」

「近藤さん!俺が本物です!」

「騙されないでください!俺が本物です!」

 

 必死にアピールする2人の土方。すると、片方の土方がもう1人の土方の頭に狐の耳が生えているのに気付いた。

 

「近藤さん!こいつの頭見てください!本物には絶対ない耳が着いてます!こいつこそ偽者です!」

「近藤さん!これは萌えどころです!それが分からないこいつこそが偽者です!」

「ふざけるなぁ!」

 

 土方と土方が争う。

 

「トシ!昨日の昼何食べた?」

「「土方スペシャル。」」

「3日前のパフェに何をかけた?」

「「低脂肪マヨネーズ。」」

「くそ!見分けがつかねぇ!」

「俺の見分け方それだけぇ!?」

 

 土方がツッコむ。そこに沖田が出て来た。バズーカを持っている。

 

「安心してくだせぇ近藤さん。副長の見分け方なんて簡単ですよ。」

 

 沖田はそう言ってバズーカをダブル土方に向けた。

 

「死ねぇ!土方ァ!」

「「見分ける気ねぇだろうがぁ!」」

 

 爆発するダブル土方。

 

「近藤さん。これで生き残った方が偽者ですぜ。」

「いや、本物殺さないで!」

「「何しやがんだてめぇ!」」

 

 アフロヘアーになったダブル土方が文句を言っている。

 

「あっ。両方生き残ってる。じゃあ、両方偽者だから死ねぇ!」

「「さっきと一緒ォォォ!」」

 

 爆発音が逃げている銀時のところまで聞こえてくる。

 

「大丈夫でしょうか?」

「大丈夫ッスよ。玄蕃、意外としぶといから。」

「それよりよく私達の居場所が分かったよね?」

 

 神楽と一緒に定春に乗っている亜矢子が銀時に聞く。

 

「テレビ見て以前ヅラが俺達を嵌めた時と同じだったから定春に時行の匂いを追ってもらった。」

「凄いね!」

 

 亜矢子が定春を褒め撫でる。

 

「玄蕃…」

「俺を呼んだか坊。」

 

 時行が玄蕃を心配しているとその玄蕃がやってきた。真っ黒焦げでアフロヘアーになっている。

 

「良かった!生きててくれたんだ!」

「当たり前だぜ!なんせ、お前の郎党だからな!」

 

 嬉しそうにしている時行。そんな時行を見た桂は微笑み銀時を見た。

 

「いい仲間を見つけたな銀時。」

「偶然だ。」

「いずれそれが仲間から友へと変わる時を楽しみにしているぞ!」

 

 桂達が方向を変え銀時達から離れて行く。玄蕃も桂につくようで時行達に別れを言った。

 

「またな!どうせ、すぐ会えるだろうよ!」

「うん!」

 

 玄蕃が去って行く。その後ろ姿を見て時行は嬉しそうだ。

 

「嬉しそうッスね若。」

「うん!嬉しい!こうやってまた会えたのだから!」

 

 時行は笑う。また、懐かしい仲間に会えたこと。これからも楽しくなること。まだ会えていない仲間に会える楽しみが出来たと笑いながら銀時達と一緒に逃げるのであった。

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