全ての幸は箱の中   作:眠り狐のK

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原作と同じようなところって書き方に悩むよね


13.風紀委員会

 次の日――

 

 

 

 アビドスでは次にやることについて会議が行われようとしていた。

 先日はブラックマーケットに調査に向かい、紆余曲折した結果、アビドスがこれまで返済していた借金のお金が闇銀行に流れており、その上そのお金がアビドスを襲撃していたカタカタヘルメット団に流されていたことが判明した。

 当然これは由々しき事態である。

 その理由は前述した通り、アビドスの返済金がそのままアビドスを襲撃するための資金として使われているのだから。

 理解ができなかった。

 そんなことになんの利益があるのか。その裏になんの意図があるのか。しかも、例のカイザーコーポレーションが絡んでいるときた。

 確かに、グレーゾーンなことを繰り返しているカイザーコーポレーションであればそういうことをしてもおかしくないとは考えられる。だが、カイザーほどの大企業がカタカタヘルメット団を、可能性の一つとして便利屋68を雇い、わざわざ資金援助までして廃校寸前のアビドスを襲撃する理由なんて分かるはずもなかった。

 どちらにせよ、このまま放置しておくわけにはいかない。何かしら、対策を考える必要はあるだろう。

 この会議はこれまでのことをまとめながらそれらを考える会議、そのための対策委員会だ。

 

「それでは、今日の会議を始めま――っ!?」

「な、なに? 爆発!?」

 

 今まさに会議が始まろうとしていたその時、遠くから爆発音が聞こえてきた。

 アヤネは即座に爆発音の位置を確認する。

 

 

 

 

 その場所は―――柴関ラーメンだ。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

「そんな……柴関ラーメンが……」

「酷い……一体誰がこんなこと……」

 

 早急に現場に向かって見れば、そこにあるのは爆発の跡と瓦礫の山だけ。

 みんなの記憶に刻まれた柴関ラーメンの姿はどこにもなかった。

 

「けほっ……けほ……一体何が……」

「さっすがアルちゃん! あんなに優しくしてくれた柴関ラーメン吹っ飛ばしちゃうなんて、これこそアウトローって感じだよね!」

「え? そ、そうよ! 冷酷かつ孤高、私達に温情なんていらないわ。お金の為ならどんな非情なことでもする、それこそ真のアウトローよ!」

 

 そんなわけないわよと心の中のアルが叫ぶ。

 それもそのはず、柴関ラーメンにはただただご飯を食べに来ていただけだったからだ。

 なんの作戦もなく、ただ意味もなく善良な市民を襲うなんて小悪党のすることじゃないか。

 しかし、そんなアルの本心が表に出ることはない。アウトローを目指すプライドがそれを許さない。

 そして、その結果は最悪の形で現れる。

 

「そういうことだったのね……絶対許せない!!」

 

 セリカの声が、怒りが響き渡る。

 びくりとアルの肩が震え、冷や汗がその頬を伝う。ここでアビドスと鉢合わせてしまうとは。だが、ここはアビドスの自治区、よく考えれば当然のことでもあった。

 

『こちらアヤネです。柴関ラーメンの大将を発見しました。幸い、命に別状はなさそうです』

 

 ほっと、安心したように胸をなで下ろす。

 柴関ラーメンは爆破されてしまったが、大将は無事のようだ。

 

「さて、あんたたち覚悟しなさい!」

「ん、許さない」

 

  静かな市街地にカチャリと銃を構える音が鳴る。それを見た便利屋も戦闘態勢に入る。

 最初に動いたのはシロコ。そのアサルトライフルから放たれた銃弾が便利屋に襲いかかる。

 便利屋は散り散りになりながらもその銃弾を避ける。反撃とばかりにカヨコの銃撃がシロコを襲う。シロコはそれを自らの銃を盾とし防ぐ。

 

「うぁぁぁぁ!! 死んでください!!」

「それはやだ!」

 

 シルに向かい放たれるハルカの散弾、乱射される広範囲の弾丸の嵐をシルはハルカの懐に入ることで避ける。そして、そのままの勢いで体当たりを入れる。

 アビドスの中でトップで小柄な体格をしているホシノよりもさらに小柄なシル。その関係上どうしても殴打や蹴りの威力は大柄な人間と比べて劣ってしまう。

 しかし、幾らそれ程に小柄であったとしても、その全体重が乗った体当たりはハルカの身体を突き飛ばすには充分な威力を発揮していた。

 そんなシルに向かいムツキが銃を向けるもその銃撃はセリカの銃弾によって妨害される。

 セリカの銃撃から逃げながらも爆弾を取り出そうとするムツキだったが、それをもノノミから展開される弾幕に阻まれ、多少被弾しながらもムツキは近くの障害物に身を隠す。

 それを確認したハルカに追撃を加えようとするもそれはシロコによって阻まれる。

 シルを抱きかかえその場を離れたシロコ。瞬間、シルがいた地点で爆発が起こる。アルからの攻撃だ。

 戦力としては第一回の襲撃と比べ、便利屋側は傭兵がおらず四人、アビドス側はホシノがおらず五人、そこに先生が加わっている。

 前回と比べて便利屋側は数の利がなく、アビドスにはホシノがいない代わりに最初からシルがいる。何より、先生がアビドスを指揮しているという時点で戦況の天秤がどちらに傾いているかなんて考えるまでもない。

 そして再び便利屋68とアビドスが衝突しようとした、その瞬間――

 

 

 

 

 

 

 

――すぐ近くで大きな爆発が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ……! 今度は一体何!?」

「あれは……」

 

 爆撃が飛んできたであろう方向に目を向けると、複数の生徒が銃を構えながらこちらを見ていた。

 

「っ……! 社長、ムツキ、ハルカ、逃げるよ! 風紀委員会のやつらが来た!」

 

 カヨコが撤退を呼びかけたその瞬間、二回目の爆撃が飛んでくる。

 

「危ない!!」

「「シルちゃん!?」」

 

 反射的に、シルの身体が動き出す。

 飛び込んだシルの身体はカヨコを抱きしめながら押し出し、倒れ込む。その数秒後、カヨコのいた地点で爆発が起こった。

 

「……どうして私を助けたの?」

「助けたかったから!」

「あ、ありがとう……」

 

 カヨコは照れくさそうに顔を逸らす。

 カヨコには理解出来なかった。どうしてシルが自分を助けたのか。

 アビドスと便利屋68は現状は敵対関係にある。

 確かに、便利屋としては柴関ラーメンで奢ってくれたことだったり、ムツキが個人的にアビドスの眼鏡の子を気に入っていたりと、仕事が絡まなければ友好的に関われる相手ではある。

 しかし、アビドスから見ればそうではないだろう。

 高校を襲撃し、今ではこうやって柴関ラーメンを爆破させてしまっている。

 ここまでのことをしておきながら友好的に接して貰えるとは流石に思っていない。

 だからこそ理解できないでいるのだが、シルのその純粋で真っ直ぐな眼差しは、シルの言った『助けたかった』という言葉が嘘ではないのだと思わせてくる。

 

「一体なんなのよ、あいつら……」

『ゲヘナの風紀委員会……便利屋の反応からして便利屋を捕まえに来たということでいいのでしょう。でも、私達には友好的というわけではなさそうです』

「邪魔をするなら追い払うまで」

「待ってください、シロコちゃん。ここで争っては駄目です。相手はゲヘナの風紀委員会、今回は政治的紛争にもつながる可能性があります」

『……いえ、そうするしかないのかもしれません』

「アヤネちゃん!?」

 

 銃を構え突っ込もうとするシロコをノノミが止めるが、アヤネがシロコの意見を肯定したことにノノミは驚く。

 

『便利屋を捕まえに来たというのは理解できます。しかし、ここはアビドス自治区、他の自治区に無断でここまでやるということは既に政治的紛争は起こっていると考えたほうがいいかもしれません』

 

 そう、ここはアビドス自治区。

 風紀委員会としては別の学校の自治区ということになる。

 ノノミは風紀委員会と争うことでアビドスとゲヘナ間での政治的な紛争に繋がってしまうことを危惧していた。

 しかし、違うのだ。風紀委員会が無断でアビドスの自治区でここまでの騒ぎを起こしているということは既に政治的紛争は巻き起こっていると言ってもいい。

 このままアビドスが引いたとしても風紀委員会は便利屋を捕まえるまで同じように攻撃を続けるだろう。

 便利屋が大人しく投降すると考えるのは流石に都合が良すぎるし、そもそもアビドスの自治区で問題を起こしているのだからその処分もアビドスでやるべきなのだ。

 つまりこの状況、政治的紛争とみなして対応する他ないのである。

 

「アルちゃん、アビドスの子たち、風紀委員会の奴らとやり合うみたいだよ? 今なら逃げられるんじゃない?」

「逃げる? 何を言ってるのかしら。このまま風紀委員にやられっぱなしで尻尾を巻いて逃げるわけないじゃない!」

「さっすがアルちゃん!」

「……アビドスが協力するとは思えないけ「よし、便利屋は裏から回り込んで!」えぇ……」

 

 セリカから飛んできた指示にカヨコは呆気に取られる。

 この状況、アビドスが協力してくれる可能性は万に一つもなく、最悪風紀委員会とアビドスの両方を相手しないといけないなんてカヨコは考えていたが、アビドス側はそうでもなかったらしい。

 そして、先生の指揮下に便利屋が加わり、風紀委員との戦いが繰り広げられる。

 先生の指揮のもと繰り広げられた戦闘は便利屋も感心していた。

 敵の動きを予測し、ダメージは最小限に、攻撃は最適なタイミングで、それによって風紀委員を薙ぎ倒していく。

 

「……はぁ、先生がそちらにいると分かった時点で後退しておくべきでしたね」

「そうでもないよ」

 

 風紀委員や傭兵を潜り抜けた先、風紀委員の一人の火宮チナツが小さくため息をつきながら呟く。

 チナツは、先生がキヴォトスに来た際にシャーレ奪還に協力した一人、それ故に先生との関わりがあり、その指揮能力もその身を以て知っていた。

 

『こちらアビドス対策委員会のアヤネです。この状況の説明を求めます』

「それは……」

『――それは私からご説明させて頂きます』

 

 その声と共に一つのホログラムが映し出される。

 

「アコちゃん……」

『イオリ、反省文のテンプレートの場所はわかりますね?』

「な!? 私は命令通りに動いただけなんだけど!?」

『私の命令に[まずは無差別に発砲しろ]なんて言葉がありましたか? ましてやここは他の自治区付近、慎重に動くのは当然でしょう? ……ともあれ、この状況について説明致しますね』

 

 現れたのは風紀委員会の行政官である天雨アコ。

 そして、アコからこの状況についての説明が始まる。

 簡潔に言えば、便利屋を捕まえるため、それが表向きの理由。

 しかし、その理由に裏があることをカヨコが看破した。

 カヨコはずっと不思議に思っていたのだ。

 便利屋を捕まえる、ただそれだけの為にここまでやることに疑問を抱いていた。

 本当に便利屋を捕まえるだけならここまでの兵力を集める必要はない。本当に便利屋を捕まえるだけてあれば、別の自治区にまで来て戦闘行為を行うなんてリスクのあることをするはずがないと。

 そこで行き着いた本当の理由、それは『シャーレの先生』の存在であった。

 シャーレの先生の指揮能力を考えれば、ここまでの兵力を用意することにも納得がいく。

 

『そう言えば便利屋にはカヨコさんがいたのでしたね。ですが、この状況を想定していたとはいえ、狙っていたわけではないというのは信じていただきたいのですが……厳しそうですね』

 

 そうして、アコは話を続けた。

 

『最初は、トリニティがシャーレの先生についての情報を手にしているという報告を得た時でした。突如として現れたシャーレという大きな存在。これから私達とトリニティの間で条約が交わされていくという中でシャーレという存在は大きな不安定要素となります。条約が無事に交わされるまで出来る限りこのような不安定要素は排除したい。ですので、先生には条約が無事締結されるまで私達の庇護下に入って頂きたいのです』

「駄目! 先生はシル達の!」

「ん、先生は私の」

「シロコ先輩の言い方誤解を生むからやめて!? ……とは言っても先生を渡せって言われてはいそうですかって渡すわけもないけどね!」

 

 風紀委員会の目的が先生であると分かった時点でアビドスの回答は決まっていた。

 

『そうですか。出来れば穏便に場を収めたかったのですが、仕方ありません。しかし、便利屋まで協力するのは流石に想定外でした。貴方達、先程まで争っていたのでは?』

 

 そう、便利屋もアビドスに力を貸すと先生を守るようにアビドスの隣に並んでいる。

 アビドスに対するその姿は先程まで敵同士だったとは思えない。

 

「うちの社員を助けて貰ったんだもの、恩はきっちり返すわ。それに、真のアウトローはやられっぱなしで終わらないのよ」

「……後者はともかく、そういうことだから」

 

 アビドスと便利屋は確かに敵同士だった。

 それでも、便利屋はカヨコをシルに助けられた。アビドスはそのシルが便利屋と協力する気満々である。

 それだけの理由があれば、お互いがお互いに背中を預けるには充分な理由となる。

 決して、柴関ラーメンが爆破されたことを許したわけではない。しかし、先生を狙ってこれだけの兵を動かして来ているのだ、利用できるものは利用する。

 

『はぁ……、これだけの兵を前に物怖じしないとは、これも先生がいるからですかね?』

 

 アコはため息をつきながら先生に目を向ける。そして、手を挙げ合図を出すと傭兵が一斉に武器を構える。それに合わせてこちら側も銃を構える。

 そして、再び風紀委員会とアビドス&便利屋68の戦いが始まった。

 戦況は変わらずアビドス側の優勢だった。しかし、何重にも用意された大量の傭兵を前に、ひたすら消耗が続いていった。

 一陣が終われば次が、視界で見て分かるほどに数が減ったかと思えばさらなる増援が来る。

 

「一体どれだけいるのよ!!」

「これは……少し不味いかもしれません」

 

 先生の指示もあり10人にも満たない人数でも3桁にも及ぶ傭兵の数相手に問題なく戦えている。

 しかし、次々と投入されてくる傭兵を前にアビドスにも疲労の色が見え始めていた。

 いくら先生の指揮能力が高いとしても、いくらアビドスや便利屋の個々の能力が高かったとしても、長時間戦闘を続けていけばそこに疲労が出てくる。疲労が出てくれば判断能力や精度、多くのパフォーマンスが落ちていく。そして、パフォーマンスが落ちてくればそこを突かれ、陣形が崩される可能性も高まっていく。

 これ以上の耐久戦は避けたかった。

 

『……正直、これだけの傭兵を用意してここまで食らいついて来るのは予想外でした。ですが、それもどこまで続くでしょうか?』

 

 それは、アコも理解していることだった。

 寧ろ、それがアコの狙いなのかもしれない。

 もしアコが先生の指揮能力を知っているのだとしたら、話だけでも聞いていたのだとしたら、こうして持久戦に持ち込むことも視野に入れていてもおかしくない。

 寧ろそうでなければこれだけの傭兵を用意する理由がない。

 カチャリと、新たな増援の銃を構える音が鳴る。

 その瞬間――

 

『アコ』

 

 誰かが通信に乱入してきた。

 

『え……え、ヒナ委員長!?』

 

 アコは驚きながらも通信に答える。

 どうやら、風紀委員会の委員長からの通信のようだ。その声を聞いたアコの様子は焦っているようにも見える。

 

『今どこ? 何をしているの?』

『え、えっと……ゲヘナ地区周辺のパトロールを……』

「思いっきり嘘じゃない!!!」

 

 やはり、アコの独断での行動だったかと悟る。

 風紀委員会のトップとあろう者が軽率にこんなことをするとは思えなかった。

 更には現状の相手の代表としているのは行政官であるアコ、委員長ではない。

 可能性としては、行政官の独断での行動である可能性の方が高かった。

 

『えと、報告は後でもよろしいでしょうか? 今少し立て込んでおりまして……』

『立て込む? 何があったの?』

『その、少しトラブルが……』

『トラブル? 直ぐに通信を切らないといけないような緊急事態なら私への報告はいると思うけど――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――これだけの傭兵を動かすようなことなら尚更、ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『え…………えぇぇぇぇぇ!?』

 

 足音と共に現れたのは空崎ヒナ。

 先程アコと通信で話していた風紀委員長その人である。

 

「アコ、詳しい事は後で話すから、通信を切って謹慎してて」

『あの……えと、はい……』

 

 アコは項垂れた様子で通信を切る。

 

「あれが……ゲヘナの風紀委員長?」

「……まずいです。ゲヘナの風紀委員長といえば、ゲヘナでもトップクラスの実力者と聞きます。消耗している今の状態で彼女を相手するのは……」

 

 アビドスと便利屋はここまででかなり消耗している。

 アビドスと便利屋の衝突から始まり、途中から乱入してきた風紀委員会と数多くの傭兵との戦闘の繰り返し、そこからゲヘナトップクラスの実力者を相手にできる余力も資源も残っているはずがなかった。

 しかし、そこに再び新しい足音が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うへ、なんか凄いことになってるじゃ〜ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホシノ先輩!?」

「あ、ホシノちゃん!!」

 

 小鳥遊ホシノだった。

 

「ホシノ先輩一体今まで何処にいたの!?」

「いやぁ~、昼寝してたらこんな時間になっちゃって〜」

「昼寝ってこっちは大変だったんだよ!?」

 

 いつも通りの雰囲気なホシノにセリカからツッコミが入る。

 

「……ホシノって、小鳥遊ホシノ?」

「およ、風紀委員長ちゃん、もしかして私のこと知ってる感じ?」

「えぇ、一年生の時は情報部にいたから、各校の要注意人物は把握してる。最も、貴方のことはもっと攻撃的な性格だと聞いていたのだけれど」

 

 ヒナが情報部にいた頃から約二年の月日が流れている。その間に何かがあって性格や雰囲気が多少変わっていても不思議はない。

 しかし、ホシノのその雰囲気はヒナの聞いていた情報とは真反対と言える。流石にそこまでの変化は予想していなかった。

 

「ま、色々あってね〜。ここにいるのは便利屋を捕まえに来たのかな〜? って、それだけでもなさそうだね」

 

 数多くの傭兵を見渡してホシノは察する。

 少なくとも、便利屋を捕まえるためだけに用意するような数ではない。そして、アビドスの様子をみれば先程まで風紀委員会とアビドスで戦闘が行われていたことは容易に想像できる。

 肝心の便利屋の姿は見えないが、逃げてしまったのだろうか。

 

「さ、こっちは全員揃ったわけだけど、やり合ってみる?」

「……いや、大丈夫。戦うことは目的じゃないから」

 

 ヒナはそのまま先生の前まで歩いてくる。そして、先生のすぐ近くまで来ると、そのまま先生に頭を下げた。

 

「「「!?」」」

 

 ずっと警戒を見せていたアビドス組は、先程まで戦っていた筈の風紀委員会、そのトップの唐突な行動に驚いていた。

 

「まだなんとなくだけど状況は察してる。他校の自治区での兵力運用及び他校の生徒との衝突、風紀委員会委員長の私から正式に謝罪する」

 

 その言葉を告げた後、風紀委員会はその場を後にしていった。




筆の遅さを早くしたい一心
土日休みに仕事もあったりで中々進まないことがあるんですよね(言い訳)
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