オレサマメシアンマルカジリ   作:森の翁

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【大規模異界『大狼飢獣域』】前編

『ニオウ、ニオウゾ、ツミナキイノチノチデケガレタ、ウスギタナイメシアンノニオイダ』

 

「丸かじりニキ!今すぐ力を抑えてさっきまでの姿に戻れ!その姿はショタオジに止められていたはずだろう!?」

 

 巨大化した丸かじりニキの姿は、まさに神話の中の怪物といった様相を呈していた。

 

 そして、入り口に押し寄せていたメシアン穏健派が中庭に到達した。

 

「あなたたちが穏健派を名乗る方々ですね、この道南支部にいったいなに用ですか?」

 

「ここにいるはずの裏切り者佐倉杏子と終末の獣を引き渡してもらいたい」

 

「佐倉杏子という少女なら確かに保護していますが、終末の獣?そんなものはここにはいませんが」

 

「惚けるな、その後ろにいる醜悪な獣のことだ」

 

 メシアンは丸かじりニキを指差した。

 

「その化物、終末の獣は存在するだけで世界に終末を呼び込み、やがて全てを食らい尽くすだろう、それを止めるために我々は来た」

 

『メシアン風情ガヨク吠エル、貴様ラゴトキニ我ガ討テルトデモ?』

 

 そこで丸かじりニキが話に割って入り、さらに言葉を続けた。

 

『我ハ神食ライノ獣ニシテ神殺シノ獣、運命ニシテ月ノ獣、ヴィーザル無キ今...我ヲ討テルモのノ最早コノ世ニアラズ、我ハ宿命ノ獣ナリ』

 

 デビルシフターと化したことで、人としての名を失った丸かじりニキにとって、元より自認は悪魔寄りなのだ。

 

 故に、此度のメシアンによる狼藉と侮辱によって完全にキレた。

 

『ソレニ貴様ラ、穏健派等ト名乗ルワリニハ匂イタツホドノ死ト怨念ニ纏ワリツカレテイルデハナイカ、ヨホド多クノ無辜ノ民ヲ殺シテキタトミエル』

 

「カス子ネキ、今の丸かじりニキの言葉は本当か?」

 

「合ってるよ~、あいつらの周りは怨霊まみれでめっちゃドロッドロ、あれでよく穏健派なんて名乗れるねぇ」

 

 カス子ネキはイタコであるが故に魂を見る力がある。

 

 だからこそ、丸かじりニキが言及する前から、この集団が穏健派等ではないことに気がついていた。

 

「ほぉ、薄汚い人形使いと獣にしては鋭いな、我らは天上の使徒より天啓を授かりし戦士、我らによって貴様らは浄化され、天上の使徒によって聖母に生まれ変わるのだ!」

 

『本性ヲ現シタナ、ナラバ...最早遠慮ノ必要ハアルマイ?』

 

 丸かじりニキの体から凄まじい力の奔流が溢れだし、道南支部の中庭を満たし始めた。

 

「ちょっ、霊視ニキヤバい!丸かじりニキを中心に異界化が始まってる!」

 

「まずい!皆ここから離れろ!!!」

 

『神食ライノ獣タル我ノ真髄、今コソミセヨウ』

 

 

 

 

PM14:44 道南支部中庭にて大規模異界発生、付近の黒札は集合されたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...皆、無事か?」

 

「なんとかね、シオリッチは?」

 

「こっちもなんとか」

 

「私も無事です」

 

「あたしも」 

 

 

 

 

 招かれし客人は5名。

 

 霊視ニキ、カス子ネキ、邪視ネキ、魔人ネキ、杏子。

 

 招かれざる獲物が100名。

 

 【大規模異界『大狼飢獣域』顕現】

 

 

 

 

 異界の発生より1時間、巻き込まれた5人は、離ればなれにならないように固まって歩いていた。

 

「...これは」

 

「えっぐ」

 

「杏子、見ちゃだめよ」

 

「シオリさんは杏子ちゃんは守ってください、私と師匠が前に出ます」

 

 先鋒を勤めるのは魔人ネキ、そこにカス子ネキと邪視ネキが続き、杏子は2人に挟まれるようにして守られ、しんがりを勤めるのは霊視ニキである。

 

 異界の中を歩く5人の視界に映るのは、まさに地獄のような光景であった。

 

 体が半ばから泣き別れになり、上半身だけで助けを求めて這いずる者。

 

 生きたまま腸を引き摺り出され、泣き叫びながら貪られる者。

 

 体を末端から少しずつ食いちぎられる者。

 

 そこらかしこからメシアンたちの悲鳴が響く。

 

 この異界において、メシアンは皆等しく獲物にすぎないのだ。

 

 この大規模異界『大狼飢獣域』は丸かじりニキのフェンリルとしての側面が強く出た結果の産物であり、内部には妖獣に属する悪魔たちがひしめいている。

 

「丸かじりニキはいったいどこに?」

 

「わかりませんが、転がっているメシアンたちの死体を見るにそう遠くはないかと」

 

 魔人ネキは地面を指差した。

 

「丸かじりニキの仕業だな、そこら中血溜まりだらけだ」

 

 死体がないにも関わらず、辺り一面に広がる血の海。

 

 おそらく丸かじりニキが全て食らい尽くしてしまったのだろう。

 

「これが丸かじりニキの戦い方かぁ、私よりえぐいじゃん」

 

「あぁ、元々は1人1人食い殺していたらしいが、途中から異界を作れるようになってからは、北欧でもこうやって自分の異界にメシアンを引き摺りこんでは食い殺していたらしい、だが日本に来てからはまた1人1人食い殺すスタイルに戻っていたはずなんだがな」

 

 辺りを見回すと、襲ってはこないがまるで道を教えているように整列し、異界の奥を見ている悪魔たちがいた。

 

「ガルムか、フェンリルと同一視されている悪魔だな」

 

「...」

 

「どうした邪視ネキ?」

 

「いえ、何が彼にここまでさせているのだろうかと思いまして」

 

 日本に来てから異界を出さなくなったという丸かじりニキが、再びその力を使った理由は何なのか。

 

 それは当然の疑問だろう、そして霊視ニキはそれに当たりをつけていた。

 

「多分だが、その子を引き渡せと言われたのにキレたんだろうな」   

   

 霊視ニキが指差した先にいたのは杏子であった。

 

「杏子?でも丸かじりニキとこの子に接点なくね?」

 

「おそらくその子のことがえらく気に入ったんだろう、自分の爪を切り落として送るくらいだしな」

 

 気に入った相手を害されそうになった。

 

 キレるにはじゅうぶん過ぎる理由だが、おそらくそれだけではないだろうと霊視ニキは踏んでいた。

 

「そろそろ最奥につく、いくら悪魔たちが敵対してこないとはいえ油断するなよ」

 

「師匠、丸かじりニキを見つけたらどうするのですか?」

 

「とりあえず殴ってでも連れ戻す」

 

 

 

 

 異界の最奥には後少し、丸かじりニキはそこで5人を待っている。




・メシアンのみなさん
 餌

・巻き込まれた5人
 丸かじりニキの作った異界にドン引きしてる

どうも皆さん、再びのアンケートです。今回のアンケートですが、この先の展開に大きく関わるものになります。内容ですが、私としてはこの先かなり暗い展開を想定しており、何人かオリキャラを死亡させる予定があったのですが、作者仲間と相談した結果、まず読者の皆様の意見を聞くべきというアドバイスを受けましたので今回のアンケートを取るに至りました。どうか皆様のご意見をお聞かせください。

  • 暗い展開(オリキャラ死亡あり)
  • 明るめの展開(オリキャラ死亡なし)
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