オレサマメシアンマルカジリ   作:森の翁

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挨拶回り再び

記憶と名前を取り戻してから3日、丸かじりニキはイタコの里がある恐山に来ていた。

 

 そこで何をしているかというと。

 

「ふむ、ここのお茶は美味しいですね」

 

 何もやることがないので、縁側で茶を飲んでいた。

 

 そこに1人の少女が現れる。

 

「繋様、ここにいらしたのですね」

 

「ん、美味しいお茶貰ったから飲んでた」

 

 前回までのお話を知らない人に説明すると"繋"というのは丸かじりニキの本名で、ショタオジによって記憶の旅をしたことで思い出したのである。

 

 そんでもって丁度良い具合にデビルシフター能力を制御できるようになったため、今までは丸かじりニキの発する力の余波が危な過ぎて挨拶に行けなかったところに、霊視ニキと一瞬に挨拶回りをしているのである。

 

 ちなみにイタコたちには霊視ニキの身内ということで本名が伝えられている。

 

「繋様は、ずいぶんと渋い趣味をしているのですね」

 

「よく言われる、いや..."言われてた"かな」

 

 丸かじりニキに声をかけた少女はイタコ見習いの1人で、名を翠というらしい。

 

 挨拶に来てすぐに顔を合わせたのだが、年齢が近いということで、霊視ニキが挨拶を終えるまでの間、丸かじりニキの対応をまかされたのである。

 

「ところで、繋様はこの後どうされるのですか?」

 

「そうだね、挨拶が済んだらあの人が迎えにくるから、その後はまた本部に戻るかな」

 

「そうですか、では近いうちにまたお会いしましょうね」

 

「...?」

 

 意味深な言葉を残した翠に怪訝そうな顔をする丸かじりニキだったが、特に気にすることでもないかと思い、お茶に意識を戻した。

 

 なお、この時追及しておかなかったことを、丸かじりニキは後々後悔することになる。

 

 

 

 

「帰るぞ丸かじりニキ」

 

「遅かったね霊視ニキ、何か問題でもあった?」

 

 霊視ニキが中々戻って来ないので、丸かじりニキはお昼過ぎまで翠と喋りながらお茶を啜っていたのだ。

 

「いや、問題というわけではないんだが...そういけば丸かじりニキ、さっき一緒にいた翠って子どうだった?」

 

「どうって...そうですね、妹みたいだなあって思いました」

 

「こりゃ先は長いな」

 

「...?」

 

 なんだか今日は皆変だなと思った丸かじりニキであった。

 

 

 

 

「さて、改めて確認したいんだけど、ほんとにこれつけるの?」

 

「はい、いつまた抑えきれなくならないとも限らないので」

 

 ここはガイア連合本部、丸かじりニキは再びショタオジと会っていた。

 

「グレイプニルを参考にして作られた3重拘束にデビルシフター能力の封印機能、それにリミッター付与まで、流石にここまでやる必要はないんじゃないかな?」

 

「簡単に使えてしまうと、俺はまたあの力に頼ってしまいますから」

 

「君ほんとにしっかりしてるね、実年齢13歳とはとてもじゃないけど思えないよ」

 

 そう、記憶を取り戻したことで判明したのだが、なんと丸かじりニキはまだガチガチの未成年かつDCだったのである。

 

「これでも、前世では成人してましたから」

 

「それでも確か18歳くらいで死んだんでしょ?普通そこまで自分を律するのは難しいと思うんだけど」

 

「父さんと母さんが言ってたんです、自分のやることにはきちんと責任を持たなきゃいけないんだって、俺の力は強力です...その分俺は自分の力に責任を持たなければいけないと思うんです」

 

「そのために、力を封印すると?」

 

「この前の異界事件でさらにレベルが上がってしまいまして、前に提案を受けた時より力が強くなってしまっているんです...だから、妹との約束を守るためにも、少し力を抑えないといけない」

 

 丸かじりニキの現在のレベルはすでに100を越え、力だけであれば...ともすれば霊視ニキやショタオジに近いやもしれぬほどである。

 

 故に、少々力を封印した程度では、もはや大体の悪魔やメシアンは歯牙にもかけない、それほどまでに極まってしまったのだ。

 

「それに、デビルシフター能力の封印といっても完全に使えなくなるわけではなく異界の形成や他の悪魔を呼び出せなくなるだけで、肉体はあまり変わらないらしいですから」

 

「開発部に頼んで特注で作って貰ったからね、品質は保証するよ」

 

「では失礼して」

 

 ショタオジから貰った封印具を、壊さぬよう慎重に装着していく、流石特注品といったところだろうか。

 

 サイズもぴったりで不快感もない完璧な仕上がりだ。

 

「なんだか、いつもより少し思考がクリアになった感じがします」

 

「デビルシフターとしての力が抑えられて、より人間性が強まったことで、本能による支配が緩まったのかな?これは要検証だね」

 

「これで、急に力が漏れでそうになった時に暴走せずに済みそうですね」

 

「危なくなったらすぐに外すんだよ?鍵は霊視ニキに渡しておくから」

 

 しかし、なんというか。

 

「ところでショタオジ、開発部といえば最近やたら変な衣装を送ってくるんだけど」

 

「あぁ、開発部に丸かじりニキの写真渡したら皆張り切り出しちゃってさ『中性的ショタ最高!』とか叫びながら丸かじりニキの衣装まで作り始めちゃったんだよ」

 

「なんで女物の着物ばかりなんでしょうか」

 

 現在の丸かじりニキの服装は着物姿に草履を履いたクラシック日の本スタイルである。

 

「何か開発部の皆曰く『ものすごく可愛かったから』らしいよ」

 

「...そうですか、一応ですが開発部の皆さんには男物の衣装も作ってくれるようにお願いして貰っても良いですか?」

 

「可能な限りなんとかしてみるよ、でもあまり期待しないでね、彼らの熱意は僕でも止められないから」

 

 ショタオジでもとめられないほどの変態性ってなんなんだろうか。




・翠
丸かじりニキが恐山で出会ったイタコ見習いの少女、妹に似てるらしい。

・開発部の皆さん
変態、どのカオ転三次見ても大体変態なので今作でもそれにならって変態にした。

・丸かじりニキ
女物の着物を送られて若干困惑中、可愛い。

どうも皆さん、再びのアンケートです。今回のアンケートですが、この先の展開に大きく関わるものになります。内容ですが、私としてはこの先かなり暗い展開を想定しており、何人かオリキャラを死亡させる予定があったのですが、作者仲間と相談した結果、まず読者の皆様の意見を聞くべきというアドバイスを受けましたので今回のアンケートを取るに至りました。どうか皆様のご意見をお聞かせください。

  • 暗い展開(オリキャラ死亡あり)
  • 明るめの展開(オリキャラ死亡なし)
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