お楽しみにください。
???「はぁ、餓鬼のお守りは面倒だわ・・・。」
まったく、女神様も面倒な時代に送ってくれたなぁ、なんで、メインヒロインが生まれる前に転送してんだよ、こっちは早くヒロインたちとキャッキャウフフな展開を楽しみたいんだよ、餓鬼なんて面倒くせぇ。
???「まぁ、普通の人間ならアトムでもサクッと殺せるでしょ。」
そうして、傍観を決め込んでいたら、突然、アトムに襲われている人間が眼前に何かアイテムを近づけると、黒いスーツが一瞬で装着された。
???「黒いウルトラセブン、なぁるほど、原作にない展開だな、こいつらを消さないと未来に影響が出てくるな・・。」
そうつぶやくと、戦いの状況を観察し、隙があれば、俺が出ようと思っていたが、まさしく、つけ入る隙がなくて、イラついてくる。
(女神は敵性転生者とだけ言っていたが、いったい何者だ、ただの中坊にしか見えねぇ。)
そして、何か会話をしており、その会話でアトムが絆されたようだった。
(おいおい、アトムちゃんよう、お使いもできないのかよ、これを見越してあいつ、俺を監視役にしたな、これじゃあ、貧乏くじだぜ。)
まぁ、隙ができたからいいか、そんじゃあ、殺りますか、とアトム諸共斬ろうとしたら、
「いつまで、覗き見している、さっさと出てこい。」なんと、戦闘中に俺のことに気づいていたみたいだ。
「いつからだ?」
「最初からだよ、こういう風に隙が無ければ作ってやると引っかかるかもとは思ったが、とんだ、間抜けが釣れたな。」
煽るように俺を挑発し、アトムを背にかばい、戦闘態勢を取る。
「挑発して、俺の狙いをアトムからテメーにけるための努力か、正義のヒーローはつらいねぇ。」
「いえ、真面目な私の感想です、ずいぶんお強いようですが、隠形が雑すぎます、師範なら0点を付けます。」
「呂布!お前がどうしてここに!!」
アトムは俺の存在に気づかなかったみたいだ。
「そんなの、お前がお使いを果たせなかったときの保険に決まっているだろう?」
ニタリと笑い獲物である、槍や斧が混じったような武器方天画戟を構える。
「喜びな、俺の名は呂布・奉先、三国時代最強の武人だぜ、少しは楽しませろよ、似非ウルトラセブン!!」
叫びながら、とてつもないスピードで向かってきた。
「アトムは下がっていて。」
両こぶしを握り、半身になりファイティングポーズをとる。
「おらぁ!!」
上から武器を力任せに振り下ろし私を殺そうする、速度も速い、しかし、殺気が大きすぎるので、読みやすく、単純な力任せなので受けながしやすかった。
「テァ!」
「効くかよぉ!!」
私は受け流して無防備な腹部に拳をあてた、しかし、効いている様子がなく、再度、私に突きを食らわせようとするが、攻撃を見切り、左右へと体を動かし回避する。
途中、呂布は薙ぎ払いをするが、タイミングは読めているので、頭をかがめて、ダッキングして接近しながら回避し、今度は、腹部に掌底をあててから、顎にも掌底を食らわせた。
「うおっ、ととっ、テメェ、やってくれたなぁ!」
「それが、全開か?もっと、本気を出してくれ。」
ビキっ!
「安心しなぁ、今のはせいぜい30%だ、今度は50%で行くぜぃ!!」
今度は戦法を変えて、武器で突きの弾幕を張った。
「ほらっ、ほらっ、ほぅらよっ!」
「言ったはずだ・・・、本気を出せと。」
突き一つでもかすっただけで、消し飛びそうな威力をしているが、それをまるで水が上から下に落ちるように、軽やかにセブンは避けて、距離を詰めていった。
「舐めた口きいてんじゃねぇ!」
ドォン!
攻撃を突きから、上から下への振り下ろしに変更し、コンクリートをまるで麩菓子のように粉々に砕き、セブンに追撃しようとするが、粉塵が舞った隙にセブンは、呂布の背後にまわり、頭部へ右回転の回し蹴りをくらわし、追撃にこめかみにひざ蹴りを食らわせた後、後頭部にドロップキックを食らわせ、コンクリート壁に激突させた。
ドガァン!!
セブンは油断なく、即座にファイティングポーズをとる。
ダメージを受けた様子もなく、呂布はコンクリート壁から抜け出す。
ガシャン!!
「くくくっ、なるほど、強いなぁ、じゃあ、これが全開だーーー!!!」
ボウッ!!!
先程とは比べ物にならないほどの爆発的なオーラが発生し、一瞬で距離を詰め、武器で薙ぎ払ってきた。
(あの距離を一瞬で詰めてきた!回避、間に合わない、ブロック!!)
ガキィン!
武器の刃を咄嗟に頭部から取り出したアイスラッガーを両手で構え、鍔ぜり合い、火花が散る。
ギッキキッ!
(この力っ!呂布を名乗るだけはあるな・・、一瞬でも緩めると、全部向こうに持っていかれる。)
「ほら、ほら、どうした、さっきまでの威勢はよぉ!!」
だんだんと呂布の武器がセブンの首元へ近づき、首をはねようとした。
(焦るな!もうひと踏ん張りだ!もうじき、戻ってくる!!)
ザシュ!
「っ!!な・・・、なんで、あ、アイスラッガーが2つもあるんだよ・・・。」
驚愕した表情で呂布は後ろを振り向くと、背後の心臓部には深々とアイスラッガー突き刺さり、目に見えて、致命傷を負っていた。
ブシュゥ!
夥しい量の血液が呂布から流れ出していく。
「一体・・・、はぁはぁ、いつから・・・、はぁ、アイスラッガーは1本だと勘違いしていた・・・。」
(いやあ、念のためアイスラッガーにステルス機能もつけておいて正解だった、タイマン勝負なら、スーツのタイムリミットがある私に不利でしたからね。)
「いつの間に・・・、アイスラッガーを投げていた?」
「ふぅ、あんたが打ち下ろしした時、粉塵が舞った瞬間にもう投げていた。」
セブンが息を整えながら答えた。
「あの一瞬でかよ、そう・・か、戻ってくる方向を・・・計算して、俺を・・・誘導しやがったな?」
「あんたが自分の力が自慢なのは、話していて分かった、なら、それを利用しようと思っただけだ。」
こともなげに、セブンは答えた。
「餓鬼の・・・癖に・・、人殺しとは・・・大したもん・・・だ・・ぜ。」
どすっ。
重い音を立てて倒れた、まだ、微かに息はあるが、この出血量ではつからないだろう。
「なぜ、こんな簡単に人殺しができる、初めての人殺しだが、最悪だ、血の匂いも肉が刺さる音も、なぜ、アトムごと殺そうとした、子供だろうに!答えろ!」
セブンはうつむきながら叫び、尋ねる。
「おれ・・、達は・・・、仲良し・・グループじゃないん・・だよ、ただ、利害の・・一致で・・・つるんでいるだけだ、そ・・れに、餓鬼だろうが・・戦場では関係ねぇ・・だろ。」
息も絶え絶えに呂布は答えた。
「ち・・ちきしょう・・め、また、死ぬのかよ・・?じゃあ・・先・・に地獄で・・待っ・・ているぜ。」
心底悔しそうに呂布はつぶやいて、息を引き取った。
「覚悟なら、もうできているよ。」
そうつぶやき、周囲に追手がいないことを確認し、スーツを解除した。
デュン!
「せ、セブン!大丈夫!?」
慌てて駆け寄るアトムに結界を解くように言った。
「今はスーツを着ていないから、兵藤七海と呼んでくれ。」
安心させるような口調でアトムに答えた。
ゴンッ。
そして、ポケットに入っているスマートフォンを取り出そうとするが手が震えて、うまく取り出せず、ポケットから落としてしまった。
カチっ、カチッ。
歯が鳴り、ようやく自分が人を殺したことを実感し、叫び出しそうな心を、何とか抑え、アライアンスのみんなに連絡をする。
「すまない・・・、襲撃があった・・・。」