自分なりに頑張っていきます。
三人称視点始まります。
きゃぁぁ!
うちの息子が少し目を離していた間に木のぼりをして、木から落ちてしまった。
「七海!大丈夫!!」
うち、兵藤春香は七海に声をかけるが、とても、痛そうに呻くだけだった。
七海の額から血が流れていた。
「うぅうぅぅぅ、あぁあぁぁぁ!!!」
この痛がり方は異常だ、もしかしたら脳に衝撃がいって、何か異常が!!
どうしよう!
「どうしたん!七海君、血ぃ出てるで!!」
「すごく、痛がっている!すぐ、救急車、呼んだるわ!」
近所の子供たちのお母さんたちが心配してやってきた。
手助けをしてくれて、うちは冷静になれた。
父ちゃんは仕事に行っていていない、この子の親はうちなんだから、うちがしっかりせなあかん。
「お願いします。あと、水道はどこですか?タオルを濡らしたいんですが。」
「近くに水道があるから、私が濡らしてくるわ、兵藤さんは七海君のそばにいてあげて。」
その気遣いの言葉に涙が出そうになったが、ぐっとこらえた。
「お願いします。」
「頭打ったら、あまり動かさないほうがいいって、親戚が言ってたから、あまり、ゆすらないでね。私の親戚が医者なの。」
私は呻いている七海にゆすりそうになる気持ちをじっとこらえた。
そして、救急車が来て七海に付き添い、病院に搬送された。
「ごめんなさい、うちがいながら七海に怪我させてもうた。」
「あんま、気にしすぎたらあかん、七海は元気になる。なんせ、丈夫なわしの息子やからな。」
主人である、兵藤一騎(かずき)が空元気をふるって励ましてくれた。
主人は漁師をしており、漁が終わって、陸に上がってから知らせを聞きすぐに病院へ来てくれた。
やさしい旦那で本当に良かったと思う。七海が出産のときも仕事を休んで立ち会ってくれて、うれしかったなぁ。
そやったら、うちがいつまでもしょげたらあかん。
七海が目を覚ましたら元気に迎えたらんと。
搬送されたのが昼頃で、もう、夜の21時なっていた。
「うぅん、ここどこ?」
七海は目を覚ましてくれた。
「ここは病院や、あんた、木から落ちて頭打ったんやで、覚えてる?」
うちは今の状況をかいつまんで説明した。
「ごめん、なさい。」
七海は涙をこぼしながら謝ってくれた。
「うちも目ぇ離してもうてごめんな。でも、もう、あんな危ないことしたらあかんで。」
うちは本当はもっと言いたいことがったのになんか言い出しにくくなった。
「母ちゃん、めっちゃ心配してたで、わしも心配したわ。」
父ちゃんが朗らかに笑いながら自分の気持ちをこぼした。
「うん、気ぃつける。」
そういって、涙を拭いて、にっこり笑いかけてくれた。
それから、検査等で2週間入院し、脳などに異常がなかったので退院した。
うちらは、助けてくれたご近所さんにお礼を伝え、お菓子の詰め合わせを贈った。
父ちゃんの漁師仲間の人たちにもお礼とお菓子の詰め合わせを贈った。
それから、七海が家に帰ってきたら、新聞や雑誌に目を通した。近くの、床屋に行ったとき漫画を読んだらびっくり仰天していた。そんなに漫画がすごかったんかなぁ。
それから、以前のようなわんぱくぶりがなりを潜め、大人みたいに知的になっていた。
「七海、最近、本をいっぱい読んでるけど面白い?」
「なぁ、母ちゃん、ドラゴ・ソボールって何?ドラ〇ンボールちゃうの?」
とても、不思議そうに七海が尋ねてきた。
「たしか、テレビでやってるのはドラゴ・ソボールやったで。」
「そうなんや・・・、じゃあウルトラマンは?」
突然、聞きなれない番組?を尋ねてきた。
「ウルトラマンって何?」
「あんな、宇宙から悪い異星人や怪獣を地球を守るため戦ってくれる、すごい、ヒーローやでテレビでやってないん?」
不思議そうに七海は訊いてきた。
「そんなに面白かったら、有名になっていると思うねんけどなぁ、聞いたことないな。」
うちは不思議に思ったが、七海の想像上のヒーローなのかなと思った。
また、日にちが立つと近所の子供たちとは遊ばず、一人でこもって何かしていることが多くなった。紙と筆記用具を欲しがり、何か数字を書いていたので気になって何をしているのか聞いてみた。
「なんか、僕の体の中にようわからへんけどパワーがあって、それを操作しようと鍛錬と研究してんねん。」
「どこで、研究とか鍛錬とか難しい言葉覚えたん?」
さらにうちは尋ねてみた。
「あんな、僕がいうこと信じてくれる?」
七海は不安そうな顔でうちにもじもじと尋ねてくる。
いつもと雰囲気が違う感じがしたので、真剣に聞こうと思った。
「うちは七海の母ちゃんやで、信じるで。」
それから、七海から驚くべきことを聞いた。
なんと、七海には前世があって、その記憶が木から落ちた事故の時に思い出したとのこと。
前世では70歳を超えたおじいちゃんで家族もいたとのこと、他にも電話を持ち運べ、調べ物がすぐにできるパソコンやスマートフォンといったものが在ったことも教えてくれた。
以前、話してくれたウルトラマンは前世で放送していた特撮ドラマシリーズとのことだった。
また、テレビで放送しているドラグ・ソボールに似た漫画ドラ〇ンボールという漫画があったこと、さらに、パソコンやスマートフォンといった機械を使えばだれでも小説を書くことができ、たくさんの人が生まれ変わりをテーマにした小説、七海が言うに異世界転生ものがとても流行って、現在の七海がその状況にきわめて近い状態なこと、それと、前世では自分は理系の研究者だったことも教えてくれた。
そして、その小説では魔法といった不思議パワーがあるから、自分にもあるんじゃないかと調べていたとのことだった。
「そんなことがあったんか、ごめんなぁ、なんか様子がおかしいと思ったときに聞いておけばよかった。」
七海はこんな大事なこと勇気をもって話してくれて、うれしい反面、同時に申し訳がないと思った。
「信じてくれるん?」
不安そうに顔を上げる七海。
「当たり前や。うちは七海のお母さんやで、うちらが信じずに誰が信じんねん、それに、七海が言う魔法みたいな不思議パワーに関して詳しい人知ってんねん。」
うちは笑って答えた。
そうやったら父ちゃんにも相談せなあかんな、それと、不思議パワーがあるなら、あの姫島さんにも相談する必要があるな、これは、忙しくなるわ。
そうして、父ちゃんにも相談し、姫島さんの神社に連絡して、お邪魔することになった。
相変わらずきれいな人やなぁと思った。
「この子には神器は宿っていないねぇ、でも、超能力があるみたい。私の家がそういった異能に詳しいの。」
「神器ってなんですの?超能力って、テレビでやっているスプーン曲げとかですか?あぁ、すいません!敬語、慣れてなくて。」
慌てて父ちゃんが私と同じ疑問を聞いてくれた。
「いいですよ、神器というのは正式名称セイクリッドギアと呼び、聖書の神が人々に厄災をもたらすドラゴン等の怪物の力を封じ込めて、人間が扱えるようにした異能力のことよ。」
説明によれば、天使・堕天使・悪魔の三大勢力が存在し、天使陣営にいる神様が人に施した奇跡、生まれつきに宿る贈り物のことを言うらしい。
七海にはその神器がない代わりにものを動かしたり、鍛えればテレビの漫画のようなことができるようになるらしい。
そして、七海からまた大きな情報を話してくれた。なんでも、この世界は【ハイスクールD×D】という小説の世界であまり、七海も知らないらしいが、主人公の名前が兵藤一誠といって、堕天使に殺されて、悪魔であるリアス・グレモリーに蘇らせてもらい、悪魔として戦うという物語らしい。その小説の中で姫島朱乃と呼ばれる少女も登場するとのことで、姫島さんも大層驚いた。
さらなる情報として、その一誠なる少年が持つ神器は赤龍帝の籠手と呼ばれる、神様さえ殺せる力を持つロンギヌスと呼ばれる特別なものらしい。
場は騒然とした、確か、今の兵藤の一族。親戚の中で一誠という子はいない。おそらく、未来の話だろうと推察される。
姫島さんがおっしゃるには、このことは絶対秘密にしないと最悪、私たちが殺されるだけでなく、七海が奴隷のように扱われると言われたため、絶対に周囲に漏らさないことを父ちゃんとともに誓った。その一誠も兵器として使いつぶされると聞いた。
七海はそれを聞いて、幼いながらも覚悟を決めた顔つきをして姫島さんにお願いした。