僕らのヒーローアカデミア―One For Allを完遂せよ―   作:眼鏡熊@ヒロアカ完走

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僕のヒーローアカデミア―One For Allを完遂せよ―

――――諦めた方がいいね。

 

それが、最初の挫折だった。

 

僕は、“無個性”だった。

 

目指す先への導は全て消え去り。目指す資格すら失った。

 

――――ちょーかっこいい、ひーろーさ。

 

 

――――ぼくも、なれるかなぁ??

 

――――ごめんね出久……!ごめんねぇ……!!

 

 

それでも、だとしても。

 

 

夢の中に導を得た。

 

 

――――歩みを止めるな。進み続けろ。諦めるな。きみは

 

 

ヒーローになれるんだから。

 

 

その声だけを頼りに、身体を鍛えた。

 

 

 

「母さん。僕、強くなりたいんだ。」

 

 

その日から、道場に通った。

 

 

母と周りには、自衛のために。とうそをつき、心の中では夢の為に。

 

小枝のような細腕には、しなやかな筋肉が付き、貧弱な精神はより強く鍛え上げられた。

 

 

師匠はいつも僕にこう言った。

 

「バレてんぞ。ヒーロー、なりてえんだろ?俺は止めねえ。応援もしねえ。お前の憧れを否定する権利もなければ、実情を知るからこそ勧められもしねえ。ただ、俺はお前が自分の道を進めるようにケツぶっ叩くだけだ」

 

幼馴染は、繰り返すように言った。

 

お前(“無個性”のデク)にはなんも出来ねえ。ヒーローにはなれねえ」

 

わかってる。そう。わかってる。

 

でも、そうだとしても。それでも!!!

 

「――――(憧れを消し去ることなんて出来やしないんだ)」

 

拳を握れ。前を向け。強くなれ。進め。もっと、向こうへ。更に、向こうへ。

 

 

進め

 

 

1年の月日がたった。拳も、腕も、足も、全てが強くなった。

それでも、少しの“個性”に覆されるけど。

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

「酷いよかっちゃん!!!泣いてるだろ……?それ以上は……」

 

 

僕が許さないぞ!!!

 

 

木偶の坊(むこせー)の癖にヒーロー気取りか。デク」

 

BOMB!!

 

そうして、3人が“個性”を使用しながら殴りかかってきた。

 

 

だから――――

 

 

「ふん!!!」

 

両腕でツバサくんの脚を抱えてもう1人に叩きつけた

 

 

「ギャッ!」

「ふげっ!!」

 

 

「はっ、俺には勝てねえだろ!!デク!!!」

 

 

来る――――

 

 

()()()()()!!!

 

 

そのまま左腕でかっちゃんの右腕を弾いて腹パンを打ち込む

 

 

「がっ……!!」

 

 

そのまま左手でかっちゃんの右頬にパンチをぶち込む。

 

 

「ぎっ」

 

「だから……言っただろ!!!」

 

 

許さないって!!!!!

 

 

「――――んなっ、なぁ……!!!?」

 

 

驚いた顔してる。他のふたりも、他でもないかっちゃんも。

 

 

「むこ、せーの、癖に!!!」

 

泣いて怒ったような顔でかっちゃんは両手の爆破を向けた。

 

 

その両手を流して、膝を叩き込む。

 

 

「かっちゃんは……オールマイトに憧れてるんだろ!!!!」

 

 

僕と同じで、でも、僕とは違う憧れで。

 

 

「オールマイトは、自分より弱いやつを虐めるのかよ!!!」

 

「ッな訳、ねえだろ!!!」

 

「じゃあ、今、かっちゃんは」

 

 

――――――何を、してんだよ!!!!!!

 

 

本気のパンチが、かっちゃんの顔面を叩きつけた。

 

 

――――――――――――――――

 

 

「……おれは」

 

 

おれは、何をしているんだろう……

 

 

――――いいなぁかっちゃん!!こせいかっこいいもんなぁ

 

――――デクがどんな個性でも、俺には一生敵わねえーっつーの

 

 

どんな、個性、どころか!!!

 

 

“無個性”のアイツに、出来損ないの、デクに!!!

 

 

―――――大丈夫?

 

そう、そうだ。あの時だ。あの時、俺はあいつが―――――

 

 

怖かったんだ。

 

 

“無個性”なのに、俺のずっと後ろを走ってるはずなのに。

 

どうしてか、俺のずっと前を走ってるみたいだった。

 

 

いつも変だった。昔から夢の中で、オレンジ色の光が『弱さを認めろ。前を向け』と言ってくる。

 

前は分からなかった。俺は元から強いのに。でも、今わかった。

 

 

そうだ。そうなんだ。

 

 

俺はずっと―――――――

 

 

()()()()んだ。個性とか、そんなんじゃないんだ。

 

心で、ずっと負けてた。あいつの強さを、心身共に今日叩きつけられた。

 

今日の俺はクソみたいな(ヴィラン)で、今日のアイツはオールマイトみたいなヒーローだった。

 

 

俺は……俺は……

 

 

ヒーローには、なれないのか?

 

 

―――――――――――

 

「……君は、かっちゃんは、どんな時でも諦めなくて。どんな時でも、勝とうとしてた。そんな君は」

 

 

画面の向こうの英雄(オールマイト)より身近な、()()()()()なんだ。

 

 

「だから、こんな事しないでよ。こんな事しなくても君はすごい人で」

 

――――――――――――――――――

 

 

絶対にスゴイヒーローになれるんだから。

 

 

――――くそ、ちくしょう!!!勝手なこと言いやがって!!!!てめえでボコっといててめえで慰めてんじゃねぇ!!

 

 

でも、それでも。

 

 

輝きを見て、追い越したくなったやつに認められるのは、どうしようもなく嬉しくて。

 

 

追い付きたいから、認めよう。

 

 

「―――――デク、いや……()()。それにそこのやつも」

 

 

……ごめんな。

 

 

――――――――――――

 

 

「へっ?」

 

 

かっちゃんが、謝った……?

 

 

「わかってる。許されることじゃねえけど、よく、わかった。」

 

「……俺は、お前に負けてたんだ。手を伸ばされたあの日からずっと」

 

「だから、お前に追いつく為に。お前より強くなるために」

 

「……もっと強くなる」

 

……あの、かっちゃんが。凄い人が、僕を認めてくれたのが、どうしようもなく嬉しくて。

 

 

 

「僕も、もっと強くなるよ。無個性でも、君に追いつけるように」

 

 

「おぉ……」

 

「だから」

 

「そうだな」

 

 

 

 

 

 

「約束だ」

 

 

 

 

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