僕らのヒーローアカデミア―One For Allを完遂せよ― 作:眼鏡熊@ヒロアカ完走
さて、とはいえだ。
「不定形まで崩壊させる。ってのはさすがに骨が折れるな」
「ハハ。だろ?勝ち目はねぇからパパっと崩れろ」
「断る……俺達は“勝たなきゃいけねぇ”」
赫灼熱拳
「スパイディ・バーン」
燈矢兄直伝の、赫灼がムチのように『手』に迫る。
「……ちっ」
それを『手』は避けながら掴んで消して行った……が
「熱ィな……火遊びはやめとけよコーコーセー」
「ダメージは通るみてぇだな」
瞬間、右の温度を下げ
「冷炎白刃」
「……なっ!!!」
バキバキと『手』の体が凍っていく。しかし
「チッ!」
氷を触って崩壊させる。
「(相性が悪い。俺が炎を崩壊できるのは炎が『プラズマ』だからだ)」
そう。プラズマ。気体液体固体に続く第四の形態。触れるように固まっているからどうにか崩壊できる。
俺の個性は単一にのみ有効……掌の中の気体そのものは原子ひとつを五指で触れられるわけが無いので“崩壊”の対象にならない。
そう。ならないだけだ。
「(そもそも本質的にはクソ不利なんだよ……!)黒霧!!!協力プレイすんぞ!!!」
「!はい!!死柄木弔!!!」
そのまま黒霧ともう一体の脳無と合流する。
「さぁ、3対2だ……!」
――――――――――――
「焦凍ォ!」
「ああ、人数不利だ。甘くねぇ」
「俺が近距離で行く。中遠は任せた」
瞬間、全身爆破で蒸気の脳無と相対する。
この数分で発覚したのは、あの蒸気ヤローは蒸気による『加速』、『攻撃』、『煙幕』を行える。
『超回復』は据え置き。ちゃんとしてやがんなクソが。
他にも蒸気を玉として発射しやがる。
「――――――――!!!」
脳無は身体の後ろにある翼のような触手から蒸気弾を撃ちまくる。
「なんだそのナメた迎撃は」
「バカにしてんじゃねぇぞ!!!」
焦凍のヘルスパイダーが蒸気弾の数を減らし、勝己の徹甲弾が少なくなった蒸気弾を撃ち漏らしなく消し去り、
「ゲームオーバーだ」
瞬間、目の前の『モヤ』から『手』が伸びてきた
「カッ!!!」
それを勝己は口の中から爆破を発して迎撃。胸側から爆ぜて上に逃げる。
「ぐあっ……!!!口から爆破した……!?馬鹿じゃねえのかあいつ」
「馬鹿な……どういう反射神経を持って……」
「出久の方が万倍はえぇんだよ!!!」
クラスター!!!
クラスターの爆発的加速で瞬時に脳無の後ろに飛ぶ。
「させません!「見えてんだよ」
『モヤ』で守ろうとしたところを避けてクラスターを叩き込む。
「赫灼熱拳……
指先から放たれた燕のような炎弾が複数脳無に飛来する。
「2度はない!!」
それも『モヤ』で避けられ勝己の背後に飛ぶが……
「オラァ!!!」
BOBOBOBOBOBOOOOOMB!!!!!
急加速によって振り切られ『モヤ』の無いところを爆破される。
「――――ア……」
瞬間、初めて
「……脳無が……」
「声を……?」
「アアアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛!!!!!」
「舐メルナ!!!クソガキドモ!!!!」
「まさか……暴走してる……?」
「おいおいふざけんなよドクター……!ガラクタ掴ませやがったか!?」
瞬間、今までと違う、赤い蒸気が全体から噴出した。
「殺ス!!!殺シテヤル!!!
「抑えろ!!脳無!!!」
そこに『手』が命令するが。
「黙レェ!!!」
「なっ……!?」
「おいおいおいおい……ガチで暴走してやがんじゃねえか」
「これは……マズイですね」
「ハッ!なら都合がいいじゃねえか」
「連携取れねえんなら。これ以上にやりやすいもんはねぇ」
「“勝つ”ぞ」
「ああ。“勝とう”」
BOBOBOMB!!!
FOOSH!!!
火が、燃え上がる。
――――――――――
「――――――食らえぇ!!!!」
クラスターによる超加速で高速爆破する。
「馬鹿ガ!!!」
赤い蒸気が壁になって防御した。
「今だ!!」
黒霧が『モヤ』を展開して補助しようとする……が
「ジャマダァ!!!!!」
蒸気が2人を傷つけた
「ぐうッ……!」
「がっ……!オイマジで暴走してんじゃねえか……今のうちにあのガキ殺しに……」
「ニゲルナァ!!!」
「うおっ!」
「ぐっ!」
「どうやら逃がす気は無いようですね……!」
「なにやってんだよドクターも……!」
「調整しきれてない個体を回してもらったのです……子供ならこれで十分かと思いましたが……」
「チッ!思ったよか強えのが裏目ったか……」
マズイな……
「(ヒーロー側は私たちを守る理由など無い。こちらの潰し合いを待って私たちを削ればいいだけの……)」
「チッ……!最速でこの脳無シバくぞ!!!」
「ああ……むやみに被害は出させらんねえ」
「……は?なんでだよ……潰し合うのを待てばいいだけの話だろ……?」
「あ?バカかてめぇ……んなもん」
「お前らが相手してんのはヒーローだぞ?……少なくとも、俺が憧れた、
そう。だって
「「そこに助けを求める
そう。それだけでいい
「……訳、分かんねぇ……」
分かんねぇよ。せんせい
―――――――――――――
僕は脳無の相手をしていた。
先程から打撃を与えながら避けてヒットアンドアウェイを繰り返している。
先刻、強い
「スゥ……」
首元から出した“黒鞭”をマフラー、あるいはマントのように展開する。
両手両足にはバンテージ。バンテージと四肢にはラッシュを繰り返したことで“発勁”の赤い輝きが“黒鞭”の隙間から漏れ出ている。
「……オールマイト対策」
ああ。そうだ。そうだろうとも。
“ショック吸収”に“超回復”。そしてオールマイト並の
『弱体化』したオールマイト相手なら勝機を見るのも不思議じゃない。でも、オールマイトは
“平和の象徴”なのだから
「おおおおおおおお!!!!」
方針は決まった。結局は
脳無のラッシュをすり抜けながら。バンテージ越しに100%の力を込めていく。
ドドド……ドドドドドド……!!!
腕が軋む。血が吹き出る。限界を超過する皺寄せが確かに身体を苛んで行く。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
「ぁああああああああ!!!!」
それでも、限界の先へ。更に、向こうへ
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
“発勁”が強く赤く、熱く輝く。
「Plus ultra!!!!!!!」
心に強く、原点を
―――――――どんな困ってる人でも笑顔で助けちゃうんだよ?
燃え盛る瓦礫を乗り越え、命を救う彼に憧れた。
―――――――バレてんぞ。ヒーロー、なりてぇんだろ?
応援しない。なんて言いながらずっと近くで見ていた人。いつの間にか憧れていた師匠。
2つの原点が僕の背中を押してくれる。
「うぅうううううおおおおおあああああああ!!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
身を焼くほどの“憧れ”が、進む力をくれる。
―――――――――
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
「……ハハッ。負けらんねぇな。爆豪」
「ああ……“負け”らんねぇ」
「まずは蒸気を――――――」
「かっ飛ばす」
キュボッ!!!!
焦凍が高速で『蒸気』の脳無に近づく。
「――――膨冷熱波」
「ギィイイイイ!!」
衝撃波が『赤い蒸気』を吹き飛ばす。
「―――――ぉおおおおおおお!!!」
BOBOBOBOBOBOOOOOMB!!!!!
クラスターによって極大加速しながら、回転を加えて衝撃を叩き込む!!!!
「
その一撃は強かに『蒸気の脳無』を吹き飛ばし。
「――――――――大氷海嘯」
大氷塊が『蒸気の脳無』を閉じ込めた。
最早『蒸気』は出ていない。
「――――――“完全勝利”だ」
じゃあ、次はお前だよな。
出久――――――――
――――――――――――
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
ラッシュの中で拳打の感触の推移を実感する。
これなら―――――――
“発勁”解放
SMASH!!!!
拳が脳無をかち上げる。
“浮遊”!!
左足の“発勁”を解放して超速で飛び出し、
右足の“発勁”を解放!!!!!!
「カロライナ……」
スマッシュ!!!
そして地面に叩きつけて浮き上がらせる。
そして最後に、右腕の“発勁”を解放。みなぎる力がバンテージを浮き上がらせ、袖口のようになる。
師匠、オールマイト。二人の力、お借りします!!!
「
SCRAP FIST SMAAAAAAAASH!!!!!!!
巨大なエネルギーの拳が、脳無を遥か彼方にかっ飛ばした。
「―――“完全勝利”だ」
―――――――――
「……すげぇ」
“ショック吸収”も、“超回復”も。完全ガンメタの“個性”をパワーだけで押し潰しちまった。
少し奥には、大きな氷山がもう1人の『脳無』らしき
「……俺も。俺だって……」
アイツらみたいに……
心に炎が、静かに点火した。