僕らのヒーローアカデミア―One For Allを完遂せよ― 作:眼鏡熊@ヒロアカ完走
体育祭準備期間に入る、その2週間の初めの日、僕たちはとあるお願いを受けた。
「トレーニング?」
「ああ。無茶なのは承知の上だ。俺たちとトレーニングして欲しい」
僕と、焦凍くん。そしてかっちゃんに対してのA組メンバーのお願いだった。
「
「バクゴーと緑谷の発破に見事に焚き付けれられちまった。ケーベツしてくれて構わねえけど、追いつきてぇんだ。2週間じゃ足りねーのなんて百も承知だけどよ。頼む」
真剣な顔で八百万さんと上鳴君が続けた。
「……良いんじゃねえか?本気でやろうってんなら、付き合わない理由はねえ」
「俺にメリットは」
「
特にかっちゃんは
それに対してかっちゃんは暫し考えを飲み込んで咀嚼し、一言。
「真面目にやらねーなら付き合わねー」
「
切島くんが真っ直ぐかっちゃんを見つめて答えた。あ、かっちゃん好みの対応だ。
「……そうかよ」
笑みが怖いよかっちゃん。
「じゃあそれこそ先生たちにグラウンドとかの使用許可取らなきゃね。スケジュールはどうする?」
「2日やって1日休み。最後は3日やって一日休みにすりゃ良いんじゃねえか。今日すぐはできねぇけど、今日のうちにまとめられんだろ。出久なら」
「……なんのこと?」
「「ヒーローノート」」
「……モロバレかぁ」
「ヒーローノートって何だ……?」
「ヒーローのパーソナルデータと“個性”に対する考察をまとめた出久のクソナードノートだ」
「かっちゃん!!!!!」
言い方!!!
「俺や爆豪の分もあるからな。クラス分もある程度あんだろ」
「あるけど……」
「あるんや!!!」
「皆凄いからね。少しでも力にしないと」
え?なんでそんなみんなモニョったり照れくさそうにするの?
「……クソナード」
「かっちゃん?泣くよ?」
「勝手に泣けや!!」
「うわぁああああん!!!」
「おい。泣かすな爆豪。四川麻婆無しにするぞ」
「はァ!?お前前から思ってたけど出久に甘すぎんだろ!!」
「あの……?俺たちのこと忘れてね?」
はっ!!悪ふざけがすぎたな
「ごめんごめん。悪ふざけがすぎたね。トレーニングの時に細かいヒアリングはするけど、大体の考察でトレーニングメニュー纏めておくよ。そこら辺は僕がやった方が早いし」
「おれと爆豪はそこら辺向いてないからな」
「は!?やったるわクソが!!!」
「でも出久の方が上手いだろ」
「『今は』の話じゃ!!!いつか追い越す!!」
まぁまぁ。
「さて。そしたら一旦今日はお開きにして明日から訓練してこう。焦凍くん」
「おう。場所取ってくる」
そして、夜。
「……大体はできたかな」
思ったより時間かかっちゃったけど、割と何とかなったな。
よし、寝よう。
――――――――
翌日の放課後。
「さて。トレーニングするってなってもぶっちゃけ僕たち3人でこの人数に満遍なくって言うのは無理だから、ある程度分けていくよ」
「分けるって言うのは?」
「チーム。というか方針別に分ける感じかな。こんな感じで」
そこでコピーしておいたチーム分けをグループに送る。
実践チーム(僕とひたすら組手)
・尾白猿夫
・飯田天哉
・切島鋭児郎
・砂藤力道
・常闇踏陰
“個性”出力チーム(かっちゃんと焦凍くんからコツを聴きながら)
上記メンバー以外
「まぁ、ほぼ2チームなんだけど。個々別にメニュー振ってあるから出力伸ばす組は2人からコツを聴いたりしながらやって行ってね」
「はい!先生!!」
「先生?!」
「教わるわけやし……ええと、実践チームがあるのはなんで?皆出力伸ばすのはダメなん?」
「コホン……いい質問です麗日さん。それはね」
“個性”の出力に身体が関わるかどうかだよ。
「例えば尾白君はそもそも身体を使う前提で、飯田くんも言わずもがな。切島くんも身体に関係するわけで。常闇くんは出力側だけど、本人の戦闘能力がネックになりそうって判断した」
「それでいうなら俺も実践側じゃないのか?」
「障子くんは身体ができてるから最初に“個性”で出来ることを伸ばしてから身体の使い方を考えた方がいい気がしたんだよね」
「成程……」
「ひたすら緑谷と組手っつってたけどよ。順番はどうすんだ?」
「最初は全員僕が同時に相手するよ」
「1対“6”になるぞ。人数不利じゃないのか?」
「大丈夫。今の皆ならまだ全員相手できるから」
舐めてる訳じゃない。ただ、いまの5人……いや。黒影入れれば6人か。その6人に負ける気はしない。
「……すぐに1対2とか1にしてやるからな」
「待ってる」
うん。やっぱり皆ちゃんと向上心があるな。流石だ。
「じゃあ、訓練スタート!」
―――――――――
「仮設トイレ用意してもらったから青山はひたすらレーザー放射。葉隠は青山が出したレーザーを反射できるか試して見てくれ」
「ウィ!!」
「了解!!確かに……レーザーって光か。考えもしなかったや」
そして2人は所定の場所に向かった。
「芦戸は細かく細かくpH調整して自分の感覚と実数値のズレがないか。ズレてるならズレを極限まで減らしてくれ」
「りょーかい!!!」
「アホ面……上鳴は出す電圧電流の調整な。ミスったら全力放電してその後急速充電」
「鬼畜すぎねぇ!?」
「安心しろ。持ち回りでせんせーが様子見てくれるから危なくなったら何とかしてくれるってよ」
「危なくなる前提かよ!!!」
「麗日はひたすら浮かせてまずは持続時間の増加だな」
「はい!!」
「蛙水は……カエルっぽいことなら保護色出来るかもしれねぇらしいからそこをやって見てくれ」
「ケロ。多分できなくもないわ。やってみる」
「障子はひたすらクラスのヤツらの訓練状況見て状況把握。なんかしら記録すること。後でドローン映像と噛み合せて合ってるか確認する」
「了解した。たしかに大切だな。危なそうなことがあったら逐次報告しよう」
「おぉ。頼む」
「峰田はひたすら“もぎもぎ”をもげ」
「え」
「血が出てももげ」
「マジ?」
「?マジだ。緑谷曰く『これが一番地力向上に繋がる』らしい」
「……やってやろうじゃねえか!!!」
「んで、耳郎はイヤホンジャックをひたすら壁にさして強度増加。んで音で破砕出来るまで音を流す」
「了解……!!」
「口田は外から鳥呼んできて上巡回。お願いとかして状況把握に務めてくれ。後は……どこまで小さい『生き物』に作用するかも確かめて欲しい」
「……!!」
コクコクと頷いた。
「瀬呂はセロテ出しまくって酷使」
「端的ィ!!!」
「んで、八百万は……これ」
ドンッ!!!!!
「これは……?」
「サポート科から貰ってきたサポートアイテム仕様書。こいつを覚えてサポートアイテムを『創造』してもらう。八百万は手札があればある分つええからな」
「……わ、分かりましたわ!!!!」
すんげぇプリプリしてる。
「さて……」
「おう」
赫灼熱拳・燐
クラスター+全身爆破
「行くぞオラァ!!!!」
「来い!!!」
激突。
――――――――
「おらァ!!!」
切島君の“硬化”付きの鉄拳。左手をコロみたいにして流す。
「
『アイヨ!!!』
「デラウェア・スマッシュ三連!!!」
ボッボッボッ!!
と空気圧が放たれて黒影を牽制。
「はぁああああ!!」
飯田くんのエンジンの加速付きの蹴りを右腕で受けて、衝撃に耐えず、流して回転。
両手で着地してブレイクダンス気味にキック!!
「グッ!!!」
「はァ!!!」
尾空旋舞!!!
尻尾を掴んで地面に叩きつける。
「グッ!!!」
「うぅおおおおおおお!!!」
砂藤君のパンチを流す。
「黒鞭」
OFA瞬間45%。
足の出力を上げ速度上昇。
「まだだ!!!」
飯田くんはもちろん追いついてくる。
だから。
「甘いよ」
黒鞭で捕まえて。
セントルイス・スマッシュ
「ガッ……ァ…!!」
「さぁ、どうする?」
続けて45%スマッシュを切島くんに叩きつけ。
「……まだ、まだァ!!!!」
「……凄いよ切島君!!」
切島君はミシミシと硬化を破られかけながら捕まえてきた。
「常闇!!砂藤!!尾白ォ!!!」
「「「おう!!!」」」
3人は各々全力で一撃を加えに来た。だから
「おぉおおおお!!!!」
古くは中国拳法で寸勁とされる、密着状態での力の入れ方。
「……ッ!!!!!ァア゛!!!!」
それでも、彼は耐えた。
「……ホントに、凄いや」
だから。
右に迫る常闇君と尾白君を黒鞭で捕まえて衝突させ。
左から迫る砂藤君のパワーを。それを超えるパワーで上からぶん殴った。
「ガッ」
「グゥ……!」
「いっでぇえええええ!!!」
「もっ……ぱつ!!!」
SMASH!!!
やっと離れ―――――――
ズキン!!
危機感知!!!
振り返り気味に後ろに回し蹴り。
「……まだ、届かないか!!!」
「さすがに初日に越えられちゃ世話ないよ!!!」
「いいや……まだだ」
レシプロ、フルバースト!!!
うそ!?ここでレシプロ!?
「ぐっ!!」
浮遊!!!
そのまま体制を整えて着地。目の前に
飯田くんの、蹴り―――――
「っああ゛!!!」
反射で殴りつけた。
「グッ!!!」
そのまま掴んで!!!!
「おぉおおおお!!!」
叩きつけ
「ぐっ……」
いや強いな!?なんかエンジンの出力上がってないか……!?
「まだ……だ……!!!」
切島くんも諦めてない……ていうかいつもより硬化面積広くなってるな。
「
『アイヨ!』
常闇くんが黒影を纏った……!?
「まだだ……!」
砂藤君の目は死ぬどころかさらに輝いてる。
「まだだ……!!」
尾白君も勝ち筋を探して本気でかかってきてる。
「「「「「まだだ!!!!!!」」」」」
「……ははっ」
ホントにカッコイイな!!皆!!!!
そうして、この2週間はとてもハードに進んだ。
みんなみんな各々の課題に向けて邁進した。
そして、そして、
雄英体育祭、当日
「―――――久しぶりだな。出久」
「……高校生は犯罪ですよナガンさん」
「バカか後輩くん。あの子は弟とか息子みたいなもんだよ。あと、なにより恩人」
「……まぁ、聞いた話の限り“
気づけばこうなってた。