僕らのヒーローアカデミア―One For Allを完遂せよ― 作:眼鏡熊@ヒロアカ完走
あの日私は―――――――
最高のヒーローに出会った。
あの日も私は『普通』であろうとして、それとなく1日をすごした。
そんなありふれた1日のことだった。
「甘いっ!!!」
「ぐえっ……!」
海浜公園で私くらいの子と大人が打ち合いをしていたのです。
拳を受けた少年のからだから血が溢れて……
理性が、吹き飛んだ。
―――――
「ねっ、ねっ!血、血、チウチウさせてくれませんか?」
師匠との稽古中に、急に女の子が現れた。
「血?」
「そう、血です!チウチウしたいです!!」
「個性の関連なの?」
「そうなのです!!……っあ、また、私……」
「どうしたの……?」
「やっぱり、いいのです」
その子は、諦めたような笑顔でそう笑った。
その顔はまるで、助けを求めているようで。
「……いいよ。吸う?」
そうして、血のにじむ手を差し出した。
「何で……?」
「だって君が……」
助けを求める顔してたから
「……うんっ」
そのままその子は手に口付けして
「おいしい……おいしいね……」
と、泣き笑いを浮かべた。
話を聞くに、彼女の個性は、血を吸って対象に変身するもの。
その影響で血に興味があるらしい。
「ね、その個性って血まで相手と同じになるのかな」
「……多分?調べてないので分からないのです」
「もしそうなら凄いよ!!!この超常社会において、血液型は凄い数になったんだ、基本のA、B、AB、Oに加えて、特殊なRH以外の血液型も増えたんだ!それがキミがいればどんなに希少な血でも分け与えることが出来る!!!」
――――――――――
――――――人の役に立てる立派な個性だよ!!!!
その日、私の絶望は、私の虚無感は、疎外感は、消え去った。
まとわりつく亡霊が焼き尽くされるように。
曇天の空に太陽がさすように。
あなたは私の全てを救ってくれた。
その日から、私は頑張れた。
あの日の言葉が、あの日の思いが、あの日の血が。
私の今を作っている。
カウンセリングにも通った。色んな人に話を聞いて、色んな個性の使い方を学んだ。
あの日のあの子に見合うような人になれるように。
私のヒーローに、近づけるように。
だから、だから私は。私も。
最高のヒーローになる。
その日から色々頑張りました。
いっぱい勉強して、いっぱい鍛えて。
より強く、より美しくなれるようにめざしました。
だから、また会えた時には、貴方に見合うようなヒーローになります。ちゃんとした『人間』になって、あなたと笑い合えるようになりますから。
待っててね。出久君。
感想頂けると励みになります(揉み手すりすり)