転生エスパー少年の極秘レポート 作:ポケモンにてエスパーは最強
足の指の骨を折ったので仕事を休みました。
肉体労働系だから、この足で動き回るのは無理無理。
年末の忙しい時期なのに申し訳ねえ……!けど、働けないから仕方ないよな!
じゃけん、自宅でのんびりさせてもらいますね(炬燵ぬくぬく)
♡月☆日 シンオウ地方五日目
今日はヒカリとバトルをした。
昨日分のレポート作成をした上で、そのあとにヒカリの方から誘ってきた。
互いにポケモントレーナーを目指す身の上だ。
パルデア地方以外では、目と目が合ったらバトルなんて常識である。
要するに、我慢できなくなったらしい。
もちろん俺も快諾して、当然ながらマサゴタウンにバトルコートなんて無いので201番道路に出てバトルをする運びとなった。
ヒカリの手持ちはポッチャマだけなので、試合形式は自然とシングルバトルになる。
ルールは公式戦と同じで使用可能な技の数は四個まで、五個目の技を使った時点で反則負けとなる。
ナナカマド博士に審判をしてもらって、バトルスタンバイだ。
俺が出したポケモンはコンと迷ったが、今回はラルにした。
ラルの特性は『トレース』。ヒカリのポッチャマが通常特性の『げきりゅう』なので、それをコピーしてラルも『げきりゅう』になった。
レベルではラルが少しだけ優っているけれど、種族値はポッチャマの方が高い。
能力的には実力伯仲といって過言ではないだろう。
ナナカマド博士の合図によってバトルが始まる。
先制攻撃はポッチャマから。
ヒカリの指示を受けて小さな嘴から『みずでっぽう』を放つ。
本来はレベル的に覚えていないはずだが、事前にナナカマド博士が覚えさせていたのかもしれない。
威力は通常40のところタイプ一致のため60まで上がる。
しかし、どんな攻撃も当たらなければ意味はない。
俺は冷静に『かげぶんしん』を指示して、ラルは無数の残像を生み出しながら『みずでっぽう』を回避する。
相手の動揺を見逃さず、残像に紛れながら『かげうち』によってラルの影が伸びて、突然ポッチャマは背後から衝撃を受けて突き飛ばされた。
悲鳴を上げるヒカリを他所に更に『かげぶんしん』を重ねて身を潜めるアサシン戦法で攻め立てる。
俺の指示に気を取り直したのか、ヒカリは慌てるポッチャマに『ちょうおんぱ』を指示した。
敢えて特定方向ではなく無差別に振り撒く形でだ。
これによって本体のラルを暴こうという算段だったのだろうが、音技は音技で対処できる。
ラルは『チャームボイス』で自分に向かってくる超音波を蹴散らして、同時にポッチャマへの攻撃を重ねていく。
タイプ一致ということもあり、先程のダメージも含めて体力は半分以下まで削れただろう。
だが、代わりにラルの潜伏場所は割り出された。
また見失えば一方的にやられると判断したらしく、ラルのいた付近目掛けて『みずでっぽう』を使いながら首を振って残像を消し去る。
咄嗟にラルは『チャームボイス』で放射された水を弾き返したが、ポッチャマは構わず接近して『はたく』で攻撃。
迎撃に集中していたラルは避けられずに手痛い一撃を受けて吹き飛ばされる。
たった一発喰らっただけでラルは半分近くダメージを受けて、跳ね返された『みずでっぽう』によりポッチャマの体力が三割以下になった。
特性の『げきりゅう』が発動して、水タイプの技の威力が1.5倍に上がる。
ヒカリが畳み掛けようと『みずでっぽう』を指示するのと、俺が『アンコール』を指示したのは殆ど同時のタイミングだった。
ポッチャマが水を放出しようとして、何故か『はたく』を使用してしまい驚いて硬直する。
ギリギリでラルの『アンコール』が間に合ったのだ。
ヒカリも事態を理解できないらしく混乱しているところに、容赦のない『チャームボイス』からの『かげうち』によってポッチャマは戦闘不能になった。
バトル後に悔しがるヒカリと握手を交わして反省会を行う。
それにしても五歳とは思えない指示に驚かされた。
ラルの方が種族値が低くて生後半年のベイビーとはいえ、エスパータイプは比較的精神の成熟が早い。
しかも、レッド達とのバトルの経験がある俺と違ってヒカリはこのバトルが初めての経験である。
流石の才能と言わざるを得ない見事なバトルメイクに脱帽するしかなかった。
それから何度か回復を挟みながらバトルを繰り返して、結局は俺の全勝で今日を終えた。
基本スペックでラルは負けているため、あの手この手で『変化技』を駆使して辛勝という印象なのは末恐ろしいにもほどがある。
ヒカリの要望を受けてラルだけではなくコンでも対戦したが、残念ながら特性『ひでり』は水タイプの技が半減だ。
ラル以上に変幻自在な戦い方の前に、ヒカリは目を回してギブアップを告げた。
やっぱりポケモンバトルは楽しいな!
明日もやろうぜ、と誘おうとしたらナナカマド博士からストップを掛けられた。
どうやら腰を据えて互いの研究内容について話したいらしい。
そう言えば、確かに雑談の中で幾つか話した記憶はあるが、詳細な内容については触れていなかった気がする。
お世話になってるし、家主の意向は無視できないなぁ。
というわけで、ヒカリとのバトルは明々後日に決まった。
俺がカントー地方に帰る当日の早朝だな。
フェリーは昼の便を予約してあるし、早起きすれば何回かバトルもできるという判断である。
ナナカマド博士にはどのポケモンについて話そうかな?
学会では、突然変異した超能力によって直接目にしたポケモンの特性を理解できる、ってことにしてあるんだけど。
実際に嘘でもないから、設定に則るとシンオウ地方に来てから出会ったポケモンしか言えないか。
恐らくカントー地方に戻ったら論文にしろって言われるんだろうな。
面倒だけど、自業自得なので仕方ない。
ちなみに、この世界はゲームではないため、バトルに敗北してもレベルは上がる。
もちろん勝利した方が得られる経験値は多い。
まあ、ハッキリとレベルという概念を把握しているのは俺のような転生者か、強力な超能力者や特殊能力の保有者くらいだろう。
ゲーム知識がなければ余り意味はない感覚だと思うけどな。
♡月♡日 シンオウ地方六日目
今更ながら、博士になったことを後悔している。
ナナカマド博士めっちゃ詰めてくるじゃん!
微に入り細を穿つような勢いで追求してくるのやめてもろて!
強面なの自覚してくれませんかねえ!?
こちとら子供だぞっ、パワハラで訴えてもええんか!
ムカついたから腹いせにへそくりしてた御当地名物の怒り饅頭を半分くらい貪ってやったぜ!
ざまあみやがれっ、甘党爺さん!
なんて、流石にやるわけないけどね。
ナナカマド博士が大人気なかったにしても、隠してた菓子を無断で貪りまくるのは許されないわ。
まだ肉体的に子供なのは事実だし、精神的に退行してるのは間違いないけど、前世で培った最低限のモラルはあるつもりだ。
悪質過ぎる行いをするほど分別を失ってはいない。
精々ナナカマド博士が眠っている間に自慢のお髭を片方少しだけちょん切ったくらいである。
髭なんてまた生えてくるんだからセーフセーフ。
もしこの日記を見る人がいたとして、やり過ぎだと言うだろうか。
でも、朝飯食べてから十二時間ノンストップでトイレに行かせてさえもらえずに話を強請られ続けたのだ。
阿呆かよ、膀胱炎になるかと思ったわ。
今まで提出してきた論文についても根掘り葉掘り聞かれまくって、ヒカリがブチ切れるまでナナカマド博士による尋問は止まらなかった。
俺まで怒られたのは理不尽だけど、お陰で助かったのも確かなので文句は言えない。
昼飯も食べれなかったから、もっと早く止めてくれたら良かったのにと思わなくもないが言わないでおこう。
本当に研究職の人間というのは、ヒートアップすると手に負えない人種で困る。
集中力と根気が必要とする職業なだけあり、多かれ少なかれ寝食を忘れて研究に没頭するような人間性の人物に適性がある。
ナナカマド博士は良識ある人物なので他人にまで無休憩を強要するような碌でなしではないはずだけど、俺の出した情報の何がそんな琴線に触れたのだろうか。
腹が減り過ぎた所為で途中から記憶が曖昧なんだよなぁ。
取り敢えず、201番道路と202番道路で見たポケモンの特性は全部伝えてある。
これは敢えて隠す理由がないし、何よりナナカマド博士に恩を売るのは将来的にメリットしかないと考えてのことだ。
いつか旅でシンオウ地方に訪れた際には、率先して色々と便宜を図ってくれることだろう。
研究成果を殆ど無償で開示してるんだから当然だよなぁ?
あと、カントー地方ではまだフィールドワークに連れて行ってもらっていないが、オーキド研究所には凄い数のポケモンがいたので研究(笑)は捗っている。
既に論文で発表した特性が判明したポケモンの総数は百匹に及んだ。
それぞれの特性ごとの詳細については暈していたけれど、とある取引をしてナナカマド博士には教えた。
帰ってからオーキド博士にも取引を受けてくれるなら教えるつもりでいる。
普段からお世話になってることを差し引けば、全部の情報を開示することも検討中だ。
今回のフィールドワーク体験会を経て、特にエースの仕上がりは悪くないことが分かった。
格上を一方的に撃退できたのは大きな自信に繋がった。
地面タイプが相手でもなければ、極端にレベル差がない限りは戦いになると思う。
例外的にナナカマド博士と元エリートトレーナーが付き添うことで許された体験会だったが、正式にフィールドワークを行うには両親からの許可が必要になる。
まだ未成年だから当たり前のことだけどな。
実力的に、俺は及第点をもらっている。
父のエルレイドとフーディンから身を守れるならば、野生のポケモンから逃げることくらいできる。
エースも及第点をもらえるところまで来たと思う。
まだラルとコン、新参のムックルは実力不足ではあるが、もう半年ほどトレーニングをすれば問題ない域まで鍛えられるはず。
対応力という点では、うちのベイビー達もそれなりのものだ。
ぶっちゃけフィールドワークにはそんなに興味がなかったけれど、旅の予行練習として考えるならこれ以上のものはないだろう。
一年半後には旅に出るのだからと後回しにしていたが、その判断は間違いだったな。
取り敢えず、ナナカマド博士には
余り急かしても仕方ないし、気長に待つとしよう。
なんだかんだ、いい取引だったな。
やっぱり博士になって正解だったかもしれない。
♡月♪日 シンオウ地方七日目
もう明日帰るのかと思えば早いものだ。
たった一週間、されど一週間って言えばいいのかな。
唐突なお誘いだったけど、ナナカマド博士との交友を深められたのは大きな収穫だ。
ポケモン博士の中でも年長者ということもあり、流石の人脈の広さだったので互いに満足のいく取引が行えた。
今の年齢だと長期間シンオウ地方に留まることは難しいため、あっさり承諾してくれて助かった。
あと、髭に関しては速攻でバレてお叱りを受けた。
正確には無言で圧を掛けられ続けたけど、全く俺が怯まないから拳骨一発だけで許された。
ヒカリとは仲良くなって連絡先も交換した。
五歳にしてポケモントレーナーとして才気煥発の少女だ。
尊敬する母親がポケモンコーディネーターだったらしく、将来的にはコンテストも気になっていると話してくれた。
じゃあ、両方でトップ目指してみようぜ、なんて無責任なことを言ったらその気になっていた。
私だけじゃ不公平だからヤマトもねって返されてしまったので、今後はコーディネーターとしての練習もしないといけないか。
ナナミさんに頼んで鍛えてもらおうかなぁ。
新しくムックルをゲットできたのは僥倖だった。
ラル達とは違って個体として極まった能力はないけれど、圧倒的な強敵に挑めるメンタリティは流れを変える一手になるだろう。
いつかあの親分ムクホークより強くするって約束したし、期待には応えてやらないとな。
前から思ってたけど、反動技って上手く反動を抑えるか、逃すことができればノーリスクハイリターンの技に…………一考の余地はありそうだから試してみよう。
そう言えば、今日はヒカリも交えて雑談を楽しんだんだけど、気になることを言ってたんだよな。
ラルはサーナイトとエルレイドのどちらに進化させるつもりなのか聞かれたあと、ロコンも三回目の進化は無いのかって言われてふと思った。
ロコンとキュウコンは間違いなく妖狐と九尾の狐をモデルにして設計されたキャラだった。
だが、狐の伝承には妖狐以外にも天狐や仙狐と呼ばれる存在もいる。
これらをモデルにしたポケモンがいた記憶はない、というところまで考えて流石にあり得ないと妄想を否定したけどな。
けれど、もしそんなことがあれば見てみたい。
ただでさえ美しいキュウコンが進化なんてしたらと考えると、少し想像するのが怖いとも思ったけど。
他にも、バトルやコンテストは進化を前提に技などを練習するべきなのか。
技の構成はタイプや特性によるメリットを全面に押し出すべきか、ある程度の遊びを作るべきか。
直接攻撃以外の『変化技』の重要性と戦略性についてなど。
ポケモンだけでなく、何処の甘味が美味いとか、あの会社のデザインする服はセンスがいいだのと。
三人で様々な話をしたけど、楽しかったなぁ。
(このあとも一週間の思い出が書き連ねられている)
♡月★日 さらば、シンオウ。また会う日まで
カントー地方に帰ってきた。
両親とオーキド博士が迎えてくれたので、今日のところは実家に帰ることになった。
八歳の子供が別の地方に一週間行って無事に帰ってきたんだから、そりゃそうなるのは当然だよな。
オーキド博士に取引を持ち掛けるのは後日にしよう。
それはそうと、今朝は約束通りにヒカリと対戦した。
結果は前回と変わらず俺の全勝。
立ち回りを工夫しようとして空回りしていた印象はあったが、五年後にはどうなっていることやら。
ヒカリが旅立つ時には一緒に旅をしようと誘われたし、その時になって情けない姿を見せないように俺も頑張らないとな。
ついでに、ナナカマド博士にも一戦頼んでみた。
まさかのOKがもらえたので、厚かましくもカビゴンとのバトルを望んだら応えてくれた。
ナナカマド博士側はカビゴン一匹に対して、こちらは大事を取ったムックルを除いた三匹まで使用可能というハンデ戦である。
どう頑張っても勝てる実力差ではなかったが、エースを軸にラルとコンで撹乱して残り体力が一割になるまでは削れた。
ラルの『みちづれ』は不発したけど、コンの『パワースワップ』からの『ニトロチャージ』が急所に入って、最後に『おきみやげ』が決まったお陰だな。
このバトルのMVPは間違いなくコンだった。
ベイビー達に危うく負けそうになったナナカマド博士は流石に驚いてたなぁ。
コンは個体値のAがVだけど、流石に『はらだいこ』で最大まで上昇した能力変化を奪えば火力を出せる。
ラルの『かなしばり』とコンの『つぶらなひとみ』もいいアシストになった。
まあ、ねむねごは封印してくれてたみたいだし、結局はカビゴンの圧倒的なスペックによる『ヘビーボンバー』や『ギガインパクト』で正面突破されたわけだけど。
攻撃が三段階下がってるのにも関わらず、エースが気合いで耐えなかったら一撃ノックアウトだったのは流石というしかない。
そんな感じでナナカマド博士とヒカリとは別れを済ませた。
たった一週間だったけど、本当に充実した楽しい時間を過ごせたのは彼等のお陰だろう。
シンオウ地方を旅するのはカントー、ジョウト、ホウエンの順で回って、その次に行くつもりなので五年後のことになる。
俺にとってはヒカリも数少ない友達の一人になったので連絡は取り合うにしても、本格的にオーキド博士の助手としてフィールドワークなども行うようになったら時間は取れない可能性が高かった。
だから、再会は五年後の楽しみに取っておこう。
さらばシンオウ。また会う日まで。
俺達は強くなって、必ずここに戻ってくるからな!
また続きが書けたら投稿します。
ラル/ラルトス(♂)Lv.8→Lv.11
コン/ロコン(♀)Lv.8→Lv.12
エース/ピカチュウ(♂)25→26
ムックル(♀)10
【おまけ】
ナナカマド博士の髭を切って不揃いにするという悪行をしたヤマトくん八歳(特性『いたずらごころ』)
他にもオーキド博士の太眉を勝手にカットしたり、父の夕食にこっそりタバスコを入れたり、サイコキネシスで母やイエローの髪を獣耳みたいにして遊んだりしてる。
基本的に本人は大人ぶっているが、実態はただのクソガキ。
【おまけ2】
特性が分かるのは突然変異の超能力によるものという設定で、両親やオーキド博士、学者達に説明しています。
どうやって八歳でこんな数を研究したの?っていう至極当然の疑問に対する返答として、予めヤマトが考えていた悪魔の証明的な理由付けですね。
誰も嘘か本当か分かりようがありませんが、博士達も各々で確認してるため真偽の程は気にしてません。
やろうと思えば超能力で同じことはできるので、嘘ってわけでもないですけどね。
取り敢えず疑問に思ってた方もいるかと思いますが、ヤマトの研究はこんな方便で通しています。