ダンジョンにダイの代わりに爆死した兄弟子がいるのは間違っているだろうか(なおヒュンケルでもポップでもない) 作:規律式足
いつの日かデジモン1200種以上全て出現するゲームがでて欲しいですね。
・・・・・・出る頃にはさらに増えてそうですが。
ミアハ・ファミリアの団長にして唯一の団員であるナァーザから意外と普通に売ってた薬(なんでも五感の鋭い獣人にとって需要があるらしい。掃除の時に嗅覚を鈍らせたり、寝る時に聴覚を鈍らせたりなど)を購入。
その後さらに何箇所か回って必要な物を用意した。途中でお菓子の人ことフレイヤ・ファミリア団長にして都市最強の冒険者オッタルに(修行)仲間に入れて欲しそうに見つめられたが面倒だからスルーした(そしてオッタルは悲しげに立ち去っていった)。
ベート・ローガへの修行、一応秘密なのだがオラリオ内で広まっているのだろうか?
ベート・ローガの不在はロキ・ファミリアと抗争真っ最中の闇派閥に知られては不味い情報なのだが(ロキ・ファミリア幹部にして何気に探索役及び追撃役として優秀)。
まごまごしていてアイズに見つかったらひと騒動起きそうなので準備を終えたらすぐに修行場所に戻る。
さてベートはどこまでやれたか。
思いの外時間がかかり夕日が山々を照らす中で辿り着いた先には滝を斬りフレイムとブリザードと交戦しているベートの姿があった。
フレイムとブリザード。
ベート・ローガがまともにやれば苦戦すらしない程度のモンスター。
だが使える技がアバン流『海』の技のみに限定されてしまえば手間どってしまうようだ。
あれからどれだけ戦っていたかは知らないが、フレイムとブリザードはまだ半数は残っていてベート・ローガは半身は焼け半身は凍るという大魔王六軍団長が一人『氷炎将軍フレイザード』のような姿になっていた(フレイザードには遭遇せずに終わったのであくまで聞いた限りだが)。
「大分やれるようになっているな」
いくら適性があるとはいえ半日で習得し実戦で使えるレベルになっているのは素直に驚いた。
「まだ完全じゃねえよ」
称賛されたベートは照れくさそうにそっぽを向く。だがその向上心の高さから本人が納得できてないようだ。
「完全にモノにしねえと意味がねえ」
今の出来では流体を斬れてるだけ。
今のフレイザード状態になるようでは不十分だと言う。
そこには集団戦を重んじるロキ・ファミリアらしい意識が見て取れた。
斬り裂いた炎が後衛に届かぬように、そう自然と考えているのだろう。
「じゃあ完璧になるまでもう一日だな」
『海』の技は一日で充分だと予測していたがもう一日追加すべきか。
明日は海衝拳を完璧に仕上げ、あとはベート・ローガ向けの呪文契約と闘気放出訓練をするとしよう。
フレイムとブリザードを追加で創り出してから俺は予定を組み替えた。
(・・・・・・足りっかな?)
一週間でアバン流牙殺法習得。
元から無理のある予定だったが、『空』の技習得までできるか少し不安になってきた。
既に修行前よりは強くなっているからベート・ローガの望みは叶えたわけだが、中途半端に終わりそうだと俺は感じていた。
(かといってこれ以上時間取れねえし)。
闇派閥と抗争中のベートは当然として俺も普通に忙しい。
どうしたもんかと悩むことになるのであった。
ベート・ローガ修行四日目。
四日目はフレイムとブリザードを海衝拳のみで無傷で殲滅できるまでひたすら戦い倒し、その後疲労で倒れ伏す状態で呪文契約。
本人は頑なにルーラを覚えたがっていたが残念なことに適性はなかった。
呪文適性が一切ない存在の方が圧倒的に多い中ルーラ以外の呪文を契約できるだけ凄いことなのだが、本人は無念そうに呻いていた。
大魔王との決戦で呪文の使い手は多々いたが、あの場に居た者達は世界中から集った精鋭中の精鋭だっただけなのだ。
とりあえず俺が覚えていても意味はないがベート・ローガにはうってつけの呪文を契約する。
いくつか低位呪文も契約しようか尋ねたが回復呪文であるホイミ系も無理だったので後は不要だと本人に断られた。
神の恩恵で発現した魔法もあり、さらにアバン流まで習得しつつある状態でこれ以上の手札は無駄に選択肢が増えて動きが鈍るとのこと。
無尽蔵の手札を自在に操る者は強い。
だがそれは使いこなせる頭と器用さが必須。
一瞬のタイミングが生死を分ける戦いで僅かな時間でも選択肢に悩むというのは命取りになり得るのだ。
ダイやヒュンケル、こちらではオッタルの強さに通じるその理論に俺は納得した。
まあ無尽蔵の手札を持つ俺やアバン先生、後は大魔王バーンにしても決戦時に使う技は厳選した数手のみ、厳選する手間を考えたら最初から覚えないのは賢い選択なのだろう。
呪文契約後は闘気について教える。
闘気、魔力とは異なる純生命エネルギーと言えるその力は魔法使いとは異なる才能がいる。
熟練の戦士ならば半ば無意識に操っていたが意図して放てる存在は英雄レベルの実力者のみ。
その素養が充分に持ち得るベート・ローガならば使える可能性はあった。
というか『空』の技はそもそも闘気放出という達人レベルの技術が必須。
ダイが最初から出来ていたのは意識を無くすとはいえ竜闘気の開放を経験していたからだろう(そうでなければアバンストラッシュアローは放てない)。
動けないベートにアバン先生がやって見せてくれたように突き立てた剣から闘気を放ち岩に十字の痕を見せ。とりあえず闘気を感じ取れと伝える。
疲労困憊の中で身体が動かせない。
だからこそ身体を巡るエネルギーを感じ取りやすくなるのだ。
普通ならばそれでできるものではないが、ベートの魔法を考えれば不可能ではないだろう。
さらに吸魔力呪文マホトラでベートから魔力を絞りとればより万全だ。
「・・・・・・鬼・・・・・・か、テ、テメェ・・・・・・」
極限の疲労に加えて魔力も枯渇寸前(マインドダウンで意識を落とさぬよう加減はしてる)、地面に大の字に転がるベート・ローガは見事に虫の息だった。
大丈夫、まだ死なない。
生命維持本能も合わさり高まるエネルギー。
そう、この生命の輝きが闘気なのだ。
「・・・・・・つうか、その魔法。・・・・・・魔導師共の天敵だろうが・・・・・・」
マジックポーション飲めば解決するからこの世界だと天敵ってほどではないだろ。お腹タプタプにはできるけどさ。
薄っすらと消える寸前の蝋燭のような輝きを放つベートを見守りながら俺は『空』の技修行準備をする。
ベート・ローガ修行五日目。
なんとベートは昨日の修行で闘気を纏えるようになりました。
闘気の作用で高まった身体能力。
それを実感したベートは確かめる為か俺に殴りかかってきた。
まだ途中だから修行成果を実感したくなったのだろう。闘気を纏った組手もまた必要な修行。
暫し相手をしてやり実力の確認後・・・・・・ボコリ倒して地に沈めた。
「畜生・・・・・・」
今の組手で闘気法は充分(というか極めようとしたらキリがない技法)と判断。今の状態でもアバンストラッシュ(未完成)を打てるだけの実力はある。
「じゃあ最後の仕上げ。
アバン流最難関の『空』の技だ」
これが出来ると出来ないでアバンストラッシュの威力が別物レベルとなる。
それだけ重要な技なのだ。
「どんな技だ?」
「固体、流体、と続いて『気』。即ち神から授かった生命以外の邪悪な生命を断つ技だ」
まあこの世界だと『神から授かった生命』は微妙な気もするがな。だが外様の天界から降りてきた神々以外の超越存在が生命誕生に関与した可能性は高い。
そしてオラリオにあるダンジョン。
そこから生まれでた魔石を核としたモンスター達が不自然な生命体なのも、あながち間違いでもないだろう。
なにせこの世界に溢れるモンスターはダンジョンに蓋をされるまでに世界中に散ったというのだし。
まあダンジョン考察は今はいい。
冒険者が冒険しているうちはまだ俺がダンジョンに真剣に対処する必要はないのだから。
「・・・・・・・・・もっとわかりやすく説明してくれ」
わかんねえと表情にだすベートにこの世界で伝わりやすく言い直す。
「極めればモンスターの魔石をピンポイントで破壊できる技だ」
「最強かよ」
アバン先生も予想していなかった使い道。
この世界の魔石を核とするモンスターへの文字通りの必殺技。
意思無き本能のみのモンスターならば一撃で屠れるようになるだろう。
「いいじゃねえか、是非教えてくれ」
「はいよー」
やる気がさらに増したベート、俺はそんな彼をこれから地獄に叩き落とす。
ベート・ローガ修行七日目(最終日)。
七日間の修行を終えたベート。
しかし彼は、アバン流牙殺法を全て習得することができなかった。
「いけると思ったんだけどな」
闘気放出まで覚えたのだから後は核を見極められるようになるだけ。
そのだけ、がどれだけ神業なのかは言うまでもないのだが。
訓練方式はシンプル。
視覚、嗅覚、聴覚、を封じた状態で襲いかかる魔石(オラリオ帰還時に入手)を埋め込んだ特別製強化シャドー(既にシャドーではなくヘルゴーストと言って良い存在)を撃退するだけだ。
核である魔石を破壊しなければただの闘気で倒せないシャドー。
ベートはその修行で何度も俺がベホマを使わざるを得ないほどの重体となった。
五日目は一方的に嬲られ、六日目はなんとか反応でき反撃もできたが空迅拳を当てることは叶わなかった。
「クソがあああっ!!」
自らのいたらなさに吠える狼。
まあ無理もない。
『空』の技はそれだけの難易度なのだから。
というか普通は覚えられない。
「時間切れだ」
これ以上の修行はお互いに無理。
切り上げるしかないだろう。
「あと少し、あと少しなんだ」
「駄目だ」
これ以上追い込んでも無駄。
実力は上がったのだから納得してもらう他ないだろう。
「チッ、わかったよ」
実力向上の実感と闇派閥の件もあり不承不承頷くベート。
だがそれでも諦めきれないのかこちらに問いかけてくる。
「おい、どうやってダイってヤツは使えるようになったんだ?」
ベートが知っているのはロモス編までだったか?しかしダイがアバン流を極めたことは確信しているようだ。
「いいのか?ネタバレになるぞ」
フレイザードとの戦いにはまだ先で、空裂斬習得はその決戦のキモなんだが。
「俺はバカゾネスじゃねえんだ。
話せるなら教えてくれ」
少しばかり残念そうだが、それよりも『空』の技習得が大事らしい。
「六軍団長が一人、氷炎将軍フレイザードとの戦いの最中に仲間に視覚を塞がれ、心の目を開眼して会得した」
「極限状態過ぎるだろ」
ダイの空裂斬ができたのが自分よりも酷い状況だったと知りベートは唖然とする。
つってもダイの戦いって全部こんなんだし。
格上との戦いばかりの大冒険。
小さな勇者ダイはこの世界のどの冒険者達よりも試練を乗り越えて強くなったのだ。
その小さな背中に人々の平和を背負いながら。
「背負うもんが違い過ぎるな」
本当にそうとしか言えない。
俺が同じ時期にやりあってた豪魔軍師ガルヴァスとその他大勢に比べたらどれだけの窮地だったのやら。
「ちなみにテメェはどうやって覚えた」
「普通に修行したらできた。
見切りは得意なんだ」
核を見切る。
要するに敵の弱点をつく。
相手の嫌なことをする。
それができなきゃ生まれ故郷のスラムで生き延びる事ができなかった。
戦闘だけじゃない。
口にするモノの判定や値の張るモノの見極めは重要な技術だった。
それらが合わさった結果、あっさり覚えることができたわけだ。
・・・・・・正義のエネルギーを放てたのは今でも不思議で仕方ないが。
「とんでもねえな」
力尽きたかのようにベートは寝転がる。
これで終わり。それが惜しいと言わんばかりに。
「なあゼノンよ」
「なんだ?」
「俺がテメェほど強ければ、俺がルーラを使えたら、俺は失わずにすんだのか?」
訊いたところで何も変わらない。
それを承知の上で、それでも言わずにはいられない失い続けた男の本音。
「さあな」
それに俺は応えることができなかった。
「!?」
ベートは俺の表情を見て硬直した。
「強くっても、ルーラ使えても。
俺はダチを、ホルキンスの野郎を失った」
人類最強の騎士。
カール王国騎士団長ホルキンス。
こと剣の腕ならば世界最強。
相手が竜騎将バランでなければ負けはなかっただろう英傑。
俺だって剣以外の総合力でなんとか勝っていた人物。
そして、
しつこく俺に正道を説いて引っ張ろうとしたおせっかいな男。
でろりん達が悪友だとしたら、ホルキンスは対等なダチ。
意外と安い給金ゆえにカール王国士官は蹴ったが、アイツは決闘してまで俺を騎士団に引き入れようとしたっけな。
大魔王との戦いで失った大切な存在の一つ。
それがアイツなんだろう。
「・・・・・・テメェもかよ」
ベート・ローガはその寂しげな横顔を見て、なぜゼノンが自身を気にかけていたのかを理解するのであった。
「んで報酬はどんだけ欲しい?」
「明日の飲み代だけで充分だ。
今回お前の依頼を受けたのはベルに教える時の為の練習も兼ねてだしな」
「いくつか止めといた方がいいやり方があんぞ」
自身が受けた七日間を思い出し、ベート・ローガは震えながらそう言った。
補足・説明。
ベート・ローガ、スペシャルハードコース達成ならず。『空』の技の壁は高いのです。
フレイザードベート。
フレイムとブリザードがお互いの攻撃が被らないように狙った結果半身焼けて半身凍った。
ベートに契約させた呪文。
ドラクエ呪文ではなく作者オリジナルです。
ラナ系の呪文となります。
闘気習得法。
極限疲労時に魔力を限界まで吸収、残ったエネルギーが闘気です。なおロキがパニクるぐらい生命の危機でした。
殴りかかるベート。
流石にキレた、だが返り討ち。
空迅拳修行。
視覚、嗅覚、聴覚、封じた状態で強化シャドーと戦う。某竜の子が闘仙術念体を会得する並の難易度(こっちもとんでも技だが)。
何度か死にかけたのでベホマした。
勇者ダイ。
でもダイの方が状況としてはキツイ。
ゼノンが習得できた理由。
戦闘方面以外でも感覚が鋭いから、後才能。
ホルキンス。
原作より盛られた強さ。
タイマン剣技のみなら世界最強。
ゼノンを騎士団に引き入れようと頑張っていた。
そこには友情だけではなく先達のロカとアバンの関係に憧れていたのもある。
なおゼノンがカール王国に士官していたら、ホルキンスとゼノンの二人がかりでバランと相討ちし世界は滅んでいた。