ダンジョンにダイの代わりに爆死した兄弟子がいるのは間違っているだろうか(なおヒュンケルでもポップでもない)   作:規律式足

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 レナの治療ですが、ゼノンとリーネが行ったのでレナとリーネは恋敵だけど仲が良くなりました。
 なおその治療ですが、ボーボボみたいなワンシーンがありました、それがこれです。

「消毒液」「はい」
「メス」「はい」
「ピンセット」「はい」
「縫うと傷跡が残るからポーション」「はい」
「生命力が足りねえなベートのパンツ」「はい」

「何に使うねん!!そしてなぜリーネたんが持っとるんや」

「パンツを顔に被せて解呪呪文シャナクからの治癒呪文ベホマ」

「パンツ被せたら血色良くなるアマゾネス。そしてゼノンが使う呪文が気になるわ」

「あとはベートのシャツを着せれば治るだろ」
 
「アマゾネスの生態は不思議やわあ」

 
 と、こんなくだりがあったりします。
 本編にぶち込むには微妙でしたので前書きでやりました。



第107話

 

 闇派閥拠点でクノッソス進攻からのロキ・ファミリアと闇派閥の抗争。

 ロキ・ファミリアはクノッソスの攻略及び闇派閥殲滅は成らずともベート・ローガにより闇派閥幹部ヴァレッタを含んだ闇派閥構成員を討ち取った。

 闇派閥は幹部と構成員を失い、さらに取引相手であったイシュタル・ファミリアと決裂し歓楽街に存在した拠点と人員を失ったが、未だに本拠地と最大戦力を温存している状況。

 双方痛み分け、というにはギルド側であるロキ・ファミリアが優位な状況で決着となった。

 できることならばこの勢いのまま闇派閥と決着をつけたいロキ・ファミリアであったが、クノッソスの入口である最硬金属オリハルコン製の扉を開く鍵はベート・ローガがヴァレッタとの戦いで闇派閥構成員ごと焼き尽くしてしまい手詰まりとなってしまった。

 闇派閥の行動に備えつつ情報収集。

 それが当面のロキ・ファミリアの方針である。

 そしてロキ・ファミリアであるが、その派閥内で大きなニュースと変化が起きていた。

 

【凶狼】ベート・ローガ、レベル7にランクアップ。ロキ・ファミリア団長である【勇者】フィン・ディムナを筆頭としたレベル6達の中から一人昇格を果たしたのである。

 それはベート・ローガが異世界の英雄ゼノンから教導を受けアバン流牙殺法を体得したこと、闇派閥幹部であるレベル5の冒険者ヴァレッタを含んだ闇派閥構成員を大量に討ち取り経験値を得たこと、その戦いで過去を踏み越え精神的な成長を果たしたこと、などが複合的に作用した結果だろう。

 ランクアップしたことでその二つ名を変えるべきかとロキから提案をされたが当人にその気はなく、そのままとなった。

 そしてロキ・ファミリア内の変化だが、団員達のベート・ローガへの認識と接し方である。

 強者であることを威張り弱者を見下す存在として敬遠されていたベート・ローガであるが今回の一件でその過去が知られ、その言動は弱者への叱咤激励であり弱者を戦場から遠ざけようとするものであった。

 そんな真意が公にされたので敬遠から尊敬に変わるのは当然であろう。

 さらに、ロキ・ファミリアに彼を慕うアマゾネスの少女レナ・タリーが改宗したことも大きい。

 アマゾネスの本能に従い想い人の為に主神の宝物庫から貴重品を無断で持ち出した彼女。

 イシュタル・ファミリアと闇派閥の決別という大事のきっかけにもなってしまったその所業に主神であるイシュタルも何もしないわけにはいかず罰として派閥追放としたのだ。

 その彼女をロキが感謝半分面白半分で引き取ったのである(レベル2の呪術師という理由もあるが)。

 想い人であるベート・ローガと常に共に居られることに喜んだ彼女は同じ想いを抱くロキ・ファミリア団員であるリーネ・アルシェと共に毎日のように愛しの狼人に迫るのであった。

 フィン・ディムナを巡るレベル6アマゾネスとレベル5アマゾネスの拳交えホーム破壊すら厭わないラブコメとは異なる恋騒動に、恋愛沙汰に飢えたロキ・ファミリア女性陣は満たされてゆく。

 

 

 さて、

 そんな穏やかな日常(一部除く)営むオラリオであるが、とある報せが齎された。

 

 ラキア王国軍、出兵。

 

『軍神アレス』が統べし最大規模の国家系ファミリアが恩恵受けし三万の兵士を動員し、『世界の中心』とまで言われし迷宮都市オラリオを我が物にせんと侵攻してきたのである。

 迫りくる何万もの軍靴の音。重厚な鎧に身を包んだ豪傑のエンブレム、紅の軍旗がはためく。

 西進を続け押し寄せてくる大軍がオラリオ周辺地域で観測されるまで到達したが、侵攻目標である迷宮都市オラリオは、

 

「さぁ安いよー!巨大魚がなんとこの値段!」

 

「武器の整備、専用装備作成、何でもどうぞ!」

 

「誰かオレの派閥に入ってええええ、特に美少女!美少年でも可!!」

 

「じゃが丸君はいりませんかー!!」

 

 何も変わらなかった。

 遥か西方から迫りくる軍勢の存在を知りつつも、うららかな日差しを浴びる都市の住民達は動じたりはしない。

 そして、皆が思うのだ。

 

『『『『『『あぁ、またか』』』』』』

 

 と。

 

 アレス軍三万。

 されどその兵士はほぼ【レベル1】。数人の部隊長がかろうじて【レベル2】である。

 技と駆け引き、戦術でレベル差を覆せるのはゼノンのような例外のみ。

 現代、俗に『神時代』と称される今は戦力とは『量より質』なのである。

 たった一人の豪傑が千の軍勢を薙ぎ払う。そんな英雄譚のような出来事が当たり前に出来る時代なのである。

 もっとも、ゼノンに関しては元の世界で神の恩恵なくとも万を超える魔物の軍勢を薙ぎ払っていたのであるが。

 そんな理不尽が当たり前な戦争。

 ラキア王国軍を蹴散らすはオラリオ最大派閥であるロキ・ファミリア。

 そして蹴散らされた兵士達はオラリオの住民達に治療やら装備修理やら身代金やら身体やらを搾り取られることになる。

 

 ラキア王国侵攻。

 それはオラリオの臨時収入祭とも言える、ラキア王国の上層部にとってはその被害額に涙を流すばかりの茶番なのである。

 

 

 

 

「主神に逆らえないのも哀れなもんだな」

 

 そんな戦争(笑)の姿に、元の世界で大魔王軍による侵攻に立ち向かったゼノンはそうコメントするのであった。

 もっとも魔軍司令ハドラー率いる大魔王軍6軍団による地上侵略も、大魔王バーンにとっては単なる余興(竜の騎士である竜騎将バランに真の目的を隠すブラフ)に過ぎなかったわけではあるが。

 戦争特需に乗っかる気のない彼は今はその日常を謳歌するのであった。

 





 補足、説明。
 
 今話は前話その後と原作本編短編集のプロローグとなります。
 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8巻は、ラキア王国侵攻の傍らにそれぞれの日常を描く短編連作です。
 そこにゼノンが介入したり放置したりする予定です。

 
 ベート・ローガ、レベル7。
 都市唯一のレベル7になりました。
 ロキ・ファミリアでは最高レベルですが団長になる気はありません。
 ランクアップはゼノンの助力もあるとロキ・ファミリア団員が押しかけてきますが次話で対処します。

 レナ、ロキ・ファミリアへ。
 流石にやらかしたことがやらかしたことなので(笑)。
 それなりに騒ぎになりますが、フィンの方よりレベル差でかなりマシです。

 ラキア王国。
 茶番に等しい戦争。
 なおオラリオの冒険者とは違い、ゼノンが参加したら普通に皆殺しにします。
 茶番ではありますが、散ったラキア兵が近隣の村々を襲うのはあるらしいので。

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