ダンジョンにダイの代わりに爆死した兄弟子がいるのは間違っているだろうか(なおヒュンケルでもポップでもない)   作:規律式足

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 二次創作で大人気な女キャラ【アミッド】と【椿】があまりゼノンと絡まない理由。
 ソロプレイ人生なゼノンは治癒呪文に長けていて、さらに鍛冶技術も高いから。
 技能被りで会うたびに勧誘か弟子入りになりそうだから出番が少なめ。
 見た目は作者的に刺さるのですが、ゼノンは例のアレも平気だからわざわざ口説きにいかないので。
 これから強くなるタイプのオリ主のパートナー役にはうってつけなのに、なんともゼノンとは噛み合わない感じですね。




第117話

 

 ベルが異端児である竜女ウィーネ(ベルによる名付けでこの世界の英雄譚から引用したものを縮めたらしい)を保護したその後のこと。

 風呂食事を済ませ後は寝るだけになった段階でウィーネがベルにしがみついて離れないまま寝てしまった問題が勃発。

 異端児、それも竜の力の前に無理やり引き剥がすこと(寝た娘を起こせないという気遣いもあるが)ができず、試しに解錠呪文アバカムを唱えてみたが効果なし。

 致し方なくベルが一緒に寝ることになったが、ヘスティアとリリルカが氷点下の眼差しで釘を刺していた。

 拘束された状態で手籠めにするのは難易度高いのでは?と俺は思ったが恋する乙女には関係がないのだろう。下手したら生後数日の異端児に大人気ないことだ。

 しょうがないのでリビングにマットレス(ベルは長椅子で寝ようとしたが不安定)を敷いてやりそこで寝かせる。

 そこで解散、となる筈だがヘスティアをはじめとした団員達も寝床の準備をしてリビングで集まって就寝するようだ(ダフネ、カサンドラ、バーチェは自室に戻った)。

 ベルは自分がそんなにウィーネに手を出すと思われているのかと涙目だが、それは当然あるがむしろモンスターであるウィーネを警戒してのことだろう(多分春姫は違うが)。

 ヴェルフは立膝の姿勢で太刀を抱え、リリルカはハンドボウガンを手放さず、命も側に雌雄一対の短剣を置いている。

 人食いの猛獣の側で寝るのだから当然の備えではある。元の世界でも似たような状況なら大半の連中は同じことをしただろう(クロコダインがいるにも関わらず普通に寝てた兵士達もいるが)。

 

(どうなるやら)

 

 善性の強いヘスティア・ファミリアでコレなのだ。異端児が地上に居ると知れたら周囲はどんな反応するか。

 

(ロクなことにはならんか)

 

 ベンガーナの港町。

 ダイを化け物と恐れた連中を思い出す。

 当時俺は、ホルキンスの仇討ちの為に竜騎将バランが次の標的に狙うであろう勇者ダイを探していた。

 そこで立ち寄ったその港町の住人。

 あの連中はドラゴンの群れから助けたダイの討伐を俺に依頼してきたのだ(本人には結局最後まで言えなかった、レオナ姫には伝えたが)。

 そんな目にベル達もあうのだろうか?

 そんな風に俺は考えてしまった。

 

(あと問題はアイズか)

 

 スキルになってしまう程にモンスターを憎むベルの想い人である付き合いのある少女を思い出す。

 彼女がウィーネを知ればやることは討伐一択のみ。ならばそうならぬように、ウィーネが地上にいるうちは此方に来ないよう手を打つべきか。

 

「適当な武器でもやればダンジョンに籠もるか?なら難易度の高いブーメラン系だな」

 

 投げたら手元に戻る投擲武器ブーメラン(相手に当たったら普通は戻らない)、それにアイズと相性の良いようにバギを込めて風属性をもたせるか。

 

「あー、でも唐突なプレゼントは後ろめたいことがあるとあっさりバレるんだよな」

 

 浮気している男は唐突にプレゼントを渡してきてご機嫌を取るような行動をとるらしい(そしてそれがきっかけでバレる)。

 なら適当な祝うネタが必要だ。

 そういえばアイズはロキ・ファミリアに贈ったキラーマシン2を修練場ごと撃退したらしい(祝福の杖でキラーマシン2は治った、修練場さんは治らなかった)。

 ならばそれを口実に贈れば問題ない。

 今後もキラーマシン2撃退者に装備を贈ることになりかねんが、それができそうなラウルもまだ先だから暫くは大丈夫だろう。

 

「じゃ、さっそく」

 

 朝までかかるかね?

 工房の防音対策は万全なので夜間作業で迷惑にはならんだろう。

 すぐに拵えて、アイズをオラリオから引き剥がしておこう。

 そうして俺は徹夜で【風のブーメラン】を鍛えあげるのであった。

 

 

 翌朝。

 

「ウィーネ君に関する情報が欲しい」

 

 大食堂の食卓、皆が一同に揃う朝食の席でヘスティアがそう切り出した。

 

「これからの方針を決めるにしても、この娘についてもっとよく知ってからだ。彼女のような存在が他にいるのか、今ダンジョンで何が起こっているのか・・・・・・それを知りたい」

 

 寝ぼけ眼のウィーネがまだベルにしがみついたままなので、ベルの食事は春姫が介助するように口元に運んでやっている。

 春姫は恥ずかしがりながらも楽しげで、リリルカはジト目で羨ましそうに見ていた。

 

「最近噂の武装するモンスター、知性がありそうな行動をしているな」

 

「その個体と接触できた冒険者には直に話を聞きたいけど、他人に余計な詮索を受ける真似は絶対に駄目だ。ボク達がウィーネ君を、モンスターを匿っていることは絶対に知られてはいけない」

 

 調教されてないモンスターが都市にいることは無用な混乱を招く。露見してはならないと、リリルカがベル達に語ったことをより強く厳命した。

 

「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」

 

 すると皆がカサンドラが食事(餌?)をやっている宝箱型モンスター【パンドラボックス】に視線を向ける。

 

「なあ、ゼノンの旦那?アレって本当に自動人形なのか?」

 

 あまりにも生物的にアグアグと魔物の餌にがっつくパンドラボックスの姿を見たヴェルフがそう訊いてきた。

 

「・・・・・・割とフィーリングで作ってるからなあ。進化したのもシルのせいだし」

 

 ぶっちゃけ暗黒闘気で拵えるモンスターは感覚的過ぎて説明できない。

 一度全自動でモンスターを創り出す絡繰に挑戦したが感覚的過ぎて不可能だった。

 

「でもウィーネが見られても大丈夫なように石像っぽく色を塗るか?そうすればぱっと見誤魔化せるだろ」

 

「旦那のやらかしでオラリオはうごくせきぞうが闊歩するようになったからなあ(基本的外見は頭部にパトランプを付けたガネーシャ)」

 

「そもそも見られないようにホームで待機です」

 

「まあ、ゼノン君のやらかしは置いとくとして。皆で情報収集だね。ベル君と春姫君と命君は信用できる人以外は接触しないで。バーチェ君は冒険者の付き合いがないだろうからいつも通りでいいよ。ゼノン君はやらかさないように」

 

「「「あ、はい・・・・・・」」」

 

 ベルと春姫と命は隠し事のできない嘘が下手な性格だから当然か。バーチェは闘国出身で付き合いはないから情報収集に向かない。というかベルと春姫はウィーネの面倒を見ているべきだな。

 そして俺の扱いよ。

 

「くれぐれも注意してくれよ。それじゃあ頼んだよ」

 

 ヘスティア・ファミリアの方針は決まった。

 監視がなければ俺が知っていることを伝えてもよかったがこの調子では無理か。

 それに、ヘスティア達が調べられる範囲でどこまでどの程度の情報が得られるか知るのも無駄ではない。

 

「ベル達はウィーネの世話してやれ。

 多分3〜5歳児くらいの扱いが妥当だ。

 俺は納品も兼ねて情報収集してくるわ。  

 ・・・・・・・・・やらかさない程度にな」

 

「もうっ、神さまが言ったのは言葉の綾ですって。ゼノンさんが僕達の為にしてくれてるのはわかってますから」

 

「そうですよ!!お気になさらず」

 

「・・・・・・元気だして?」

 

「ベル達の言葉に癒やされる。帰ったら良い装備を作ってやるからな」

 

「そういうトコだぞ旦那」

 

「それがやらかしなんですゼノン様」

 

「甘やかすの駄目だろゼノン」

 

「え〜〜と子育ての際には」 

 

「こちらの本では厳しくしても駄目とあるが」

 

 癒やされた俺にヴェルフ達がツッコミ、カサンドラとバーチェは【子育て指南書】を開きながらベル達と俺を見ていた。その本は今のウィーネの面倒みるベル達に必要だから貸してやれ。

 そうしてヘスティア・ファミリアはそれぞれ行動を開始した。

 ばらけるのは良い案。

 これで監視の目が複数あるのか確認もできる。

 窓からこちらを覗きこむ梟の姿を確認。

 アレが何羽もいるのか把握は必須だ。

 

 

 オラリオ市街。

 いくつかの納品を終えてからじゃが丸君屋台を巡る。直接ロキ・ファミリアに行ってもよかったが、策謀に長けた主神ロキは鼻がきくし、団長であるフィンの勘もまた鋭い、僅かな情報から異端児に辿り着く可能性は充分にある。

 ならば接触しない方が良い、幸いなことに今はロキ・ファミリアに行く予定もない。

 いくつかの店を巡り、そろそろ呪文で探すかねと思っていたところでリヴェリアに注意されながらもじゃが丸君を買うアイズを発見した。

 

「よう、アイズ」

 

「あ、ゼノンさん。

 ベートさんに教えたアバン流に(ガスッ)、痛いリヴェリア」

 

「すまん、ゼノン。そちらには世話になっているのに度々厚かましい真似をして」

 

 アイズに声をかけたらすかさずアバン流について訊ねようとしてきて、それをリヴェリアが拳で制止していた。

 ヴェルフやリリルカが注意してきた、俺がロキ・ファミリアに力を貸しすぎていることを当人達も気にしているようだ。

 

「気にすんな、俺の為にしていることだ。

 アバン流は指導する時間がねえから無理だがな」

 

「・・・・・・・・・でもベートさん「アイズ」はい」

 

 なんか母娘みたいな関係だなと二人のやり取りを見ていると思ってしまう。

 

「なにアバン流指導は無理だが、武器はやる。

 これも試しに作ったもんだから、テスターみたいなもんだがな」

 

「これは?」

 

「ブーメラン、だったか?何やら魔力を感じるが」

 

 青く光る風を宿した3枚羽の投擲武器【風のブーメラン】、冒険者としての経験の長い二人はその性能を感じ取れるようだ。

 

「結構自信作だったキラーマシン2を撃退したんだってな。その景品ってトコで」

 

「いいの!?」

 

「流石に貰うわけには・・・・・・いやしかしアイズは武器のローンに修練場修繕費用、私が立て替えるのは駄目だとフィンから釘を刺されているし」

 

「他の連中も撃退できたら拵えてやるよ。

 こちとら武器職人をやる気はなく趣味で作りたいだけだからな」

 

 手に取り喜ぶアイズと悩みだすリヴェリア。

 俺が適正価格で武器販売したら鍛冶系ファミリアと揉めかねない、けど武器は作りたい。

 譲る機会が欲しかったと表向きの理由を告げる。

 

「・・・・・・・・・・・・わかった、フィンにもそう伝えよう。正直ロキ・ファミリアの懐事情はよろしくない状況なんだ」

 

「オラリオ二大派閥なんだよな?」

 

 あまり知りたくない経済状況。

 

「闇派閥への対応は大手ファミリアの義務。

 ギルドから払われる報酬は最低限で消耗品の補充だけで赤字。幸いなことにまだ死者はいないが、ダンジョンに潜れなければ収入もない。

 ガネーシャ・ファミリアのような警備の代金や生産系ファミリアのような稼ぎもないんだ」

 

 ダンジョンに潜るだけが収入源な組織に無理を強いるなよギルド。

 善意搾取状態か!?

 

「・・・・・・・・・俺への支払いは気にしなくて良いから」

 

「そういうわけにはいかんのだ」

 

 二大派閥の面子は大変だ。

 

「ねえねえリヴェリア。ダンジョンで試そう、すぐに行こう!!」

 

「ああ、そうだな行こうか。

 そして稼ごう(必死)。

 ではゼノン、また」 

 

 はしゃぐアイズと引っ張られるリヴェリア。そのハイエルフの姿に家計を支える母を見た。

 

「・・・・・・狙いどおりだが、なんか申し訳ない気分だ」

 

 ロキ・ファミリアには周りから何を言われてももう少し優しくしても良い気がしてきた。

 二大派閥のもう片方であるフレイヤ・ファミリアは、ギルドの要請を突っぱねていることと、オラリオ最高の美貌を誇るフレイヤにオラリオ内外から熱狂的なファン達が貢ぎ物を献上するので金には困らないらしい。

 ロキに同じことは無理だよなあ。

 世知辛い現実を知り、目的を果たした俺は帰路についた。

 

 





 補足・説明。

 実は書きたい女キャラなアミッドと椿。
 ただ専門家タイプなので出しにくいのです。彼女らの出番はゼノンがやってしまいますし。
 今話はろくに話が進みません。
 ウィーネ就寝からの情報収集までです。
 ただアイズが原作より親しいのでホーム突貫対策が必須になりました。
 ゼノンは【風のブーメラン】を渡すことに。

 パンドラボックス。
 ヘスティア・ファミリアではもう犬扱いです。
 食べてる魔物の餌は、モンスターズ3をイメージしてます。後に異端児にも大人気になるとか。

 パトランプ付き動くガネーシャ像。 
 パトランプは神々からの提案。
 文化を齎したなどの情報からやりそうかなと。
 事件発生時は光るし鳴ります。

 ロキ・ファミリアの経済状況。
 考えてみたら心配になりました。
 高収入ですが出費の多い冒険者。
 武器防具の整備代、ポーションなどの消耗品代、怪我をしたら治療費、さらにそこから一部をファミリアに渡す感じになるのかなと。
 ティオネ達がポーション代を値切ろうとするのも納得ですね。
 またロキ・ファミリアホームは現在頻繁に壊れますし。
 原作、アニメ、ではオラリオ内でファングッズとか販売してましたっけ?
 ちょっとそういった収入がないと厳しそうな経済状況です。


 ベンガーナ、デパートのある港町。
 ダイ達がキルバーンに嵌められ、ダイに一生もののトラウマ。人間達の弱さからくる醜さを直面させた場所。
 ここがきっかけでダイは精神的に急激な成長、無理を強いられるようになったのかなと。
 ゼノンは事件後すぐに立ち寄っており、港町の住人は高名な【光翼の勇者】にダイの討伐を依頼しました。
 この時にゼノンは知り合いを二人(アバンとホルキンス)を亡くしていたので、ガチで人類を見限るか悩んでました。キルバーンはそれも狙っていて、実はバラン討伐にも協力して勧誘する気でした。
 ポップは本当に命懸けで人類救ってます。
 合流後しばらくしてからレオナ姫にその件を伝え、一般人との接触について上層部で悩むことになります。
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