ダンジョンにダイの代わりに爆死した兄弟子がいるのは間違っているだろうか(なおヒュンケルでもポップでもない)   作:規律式足

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 ゼノンの今の行動理念ですが、
 ベル達の存在と面倒を見ていることから目立ちませんが、【ふかふかダンジョン攻略記】の【弓王ボーゲン】にかなり近いです。
 ベル達との出会いがなければ嫌な場所からはあっさり離れますし、敵対したモノは躊躇わず始末します。
 ただアバン先生による教育で、やり過ぎないように心掛けてる感じです。
 というか、アバン、マトリフ、ブロキーナってボーゲンみたいな暮らしなんですよね。人間社会に依存しない強者の生き方というか。



第118話

 

 ヘスティア・ファミリアによる情報収集が終わりホームに集合。

 それでわかったことは何もわからないという結果だけだった。

 現状として異端児の詳細を把握している者達はいない。小規模なファミリアであるタケミカヅチ・ファミリアとミアハ・ファミリアが知らないのは当然だが、生産系ファミリアを率いるヘファイストスが知らないのならば、大半の神々が知らないということだろう。

 ただ、リリルカが変身し『冒険者通り』の酒場を営む小規模なファミリア、闇派閥ギリギリのグレーな非合法の情報屋を探ったところ、ヘルメス・ファミリアの冒険者【泥犬】(かつてベルの入団を拒否したヤツ)が接触してきたそうだ。

 連中もまた『喋るモンスター』を探っていて、退店後には尾行されたそうだ(リリルカ付きシャドーが始末して良いかと確認してきたが止めた)。

 オラリオで中立を気取るヘルメス・ファミリアは実はギルドに雇われた子飼いのファミリアである。

 そのファミリアの団員がまだ【喋るモンスター】を探る段階。

 

(どんだけ秘密にしてんのかね?)

 

 と内心で思ってしまう。

 主神であるヘルメスが眷属に伏せているのか、ウラノスがヘルメスに伝えてないのか。

 ヘルメスがそれだけ信用が置けないという可能性もある。ギルドの主神ウラノスの真意が気になるところだな。

 しかしいくら異端児を抱え込んでいるとはいえ、あのマフィアのボスの情報収集能力は異常だ。異端児とウラノスについては保護した連中が聞いたのだろうが、それでも知りすぎている。

 裏に何かいるのか邪推してしまうが、裏切られたショックで用心深くなってるだけの可能性もあるんだよなあ。

 ・・・・・・・・・あまり考えるのはよそう、気分が悪くなるだけだし。

 

 さてそんな一日の報告が終わり、後は団欒の時間。一日共に過ごしたおかげかウィーネは春姫に妹だか娘のように懐いていた。

 その時にウィーネの鋭い爪がベルを傷つけてしまうという事故があった。

 ただ傷つけられたベルより、傷つけてしまったウィーネの方が泣き出してしまった。そんなつもりではなかった、ベルを痛い目に遭わせた自身に怯えてるようだった。

 だからこそベルはウィーネを受けいれられた。誰かの傷に痛みを感じるただの子供なんだと思ったのだ。

 その後、その鋭い爪はヴェルフによって丸みを帯びるように研ぎ、誰も傷つけぬように削った。

 そこで武器素材として名高い竜女の爪が勿体ない、なんて一欠片も思わないヴェルフも良いやつなんだろう。

 団欒の時間は続く。

 冒険者として真っ当な感性を持つダフネはあまり近寄らないが、排斥しようなどとは一切しない。

 カサンドラは予知夢による警告がないことはだいたいスルーするタイプなのでウィーネを気にしていない。

 バーチェに至っては幼少期のティオナみたい(胸以外)だと面倒を見てくれている。

 闘国のアマゾネスに比べたらウィーネは気にならないそうだ(その発言にヘスティア・ファミリア一同がドン引きした)。

 

「ベル・・・・・・痛くない?」

 

「うん、痛くないよ」

 

 触れても相手を傷つけない。

 それだけのことに涙を流しながら喜ぶ存在。

 そんなモノにいつまで警戒できるというのか。

 ウィーネを甘やかすベルに嫉妬して注意してしまうリリルカ。

 注意されたことでリリルカはベルが嫌いなのか尋ねるウィーネ。素直に好きだと言えないリリルカの反応を勘違いして寂しそうな表情になるウィーネを見た春姫が、ベルを好きだと叫びだし(多分真意的なアレはつたわってない)、そこからは皆でベルを好きだと言い出す始末。

 

「ゼノンは・・・・・・ベルが好き?」

 

「ああ、好きだよ。ここが、こうして皆で過ごせる場所が」

 

 ダイ達ともこんな時間を過ごしたかった。

 そんな余裕がないくらい戦いの連続だったから仕方ないが、今はそう後悔している。

 

「あったかい・・・・・・」

 

 ウィーネのそんな呟きに皆が微笑んでいた。

 

 

 

「・・・・・・ゼノン様はどうお考えですか?」

 

 ウィーネが眠そうに頭を揺らしだしたので就寝の時間だと解散した。

 そんな中、リビングに残っていたリリルカが俺にそう訊ねてきた。

 この場にいるのは、あとは道具を片付けているヴェルフだけだ。

 俺とヴェルフとリリルカ。

 その3人による内密な話。

 

「ヘスティア様は・・・・・・神様達は、やはりダンジョンについて何か知っています」

 

「みたいだな」

 

 ダンジョン。

 元の世界にも破邪の洞窟というよく似た場所はあったが、アレは人の神が破邪の力を授ける為の試練を与える場所だった。

 それに比べてもあまりにも異質だ。

 

「あの黒いゴライアスが出てきた時もそうでした。ダンジョンにまつわる事、あるいは何らかの正体を知っていながら、下界の者達に隠し事をしている」

 

「だろうな」

 

「そして知った上で、あのモンスターの存在に狼狽えています」

 

 パンドラボックスに座りながら足をぶらぶら揺らすリリルカと背を向けたまま相槌を打つヴェルフ。

 

「神様達にとってもイレギュラーの塊。リリ達は非常に厄介な問題を抱えているに違いありません」

 

 警戒を促すようにリリルカは言う。

 

「お前も連れ帰る時に納得した筈だろう。今更蒸し返すのか?」

 

「納得は、していません。諦めただけです。・・・・・・ベル様は、盗っ人小人族を見捨てられないくらい底抜けにお人好しですから」

 

 本当ならウィーネと関わりたくはなかったんだろう(ダフネは明言している)、でもベルの優しさに救われたリリルカは否定できなかった、したくなかったのだ。

 

「もし、彼女の存在が【ファミリア】に危険を齎すとしたら・・・・・・その時は」

 

「あいつを放りだして、見捨てるっていうのか?」

 

「・・・・・・必要なら」

 

 泣き出しそうな顔でリリルカはそう言った。

 派閥の行く末を懸念し、憎まれ役になろうとも守ろうとする少女。

 

「一度鏡を見てこい。ちっとも納得してなそうな顔をしているぞ」

 

 ヴェルフはそんなリリルカを案じて言う。

 

「・・・・・・ゼノン様はどうお考えなんですか?ウィーネ様をどうすべきだと思っているのですか?」

 

 顔を歪ませて床を見下ろすリリルカは喉から声を絞り出すように口を開き、俺の考えを訊ねてきた。

 

「ベルのしたいようにさせる」

 

「・・・・・・・・・それではっ!?」

 

 何の解決にもならないとリリルカが問い詰めようとするが、俺の凪いだ瞳を見て動きが止まる。

 

「テメェを押し殺すなリリルカ。

 やりたくないことをする必要なんてない」

 

 リリルカの懸念はオラリオ全てがヘスティア・ファミリアの敵となること。

 人類の敵としてこの場所を追われることだろう。

 だが、

 

「今日の、あの温かい家族の団欒をオラリオが否定するなら、

 俺がオラリオを潰す」

 

 別にそう難しいことじゃないしな。

 そう手をヒラヒラと振りながら告げる。

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

 そんな俺に二人は唖然となっていた。

 

「どうとでも出来んだよ俺は。

 お前らが望んだままのことをしてやれる。

 だからこそ、ベルは考え抜いて決断しなきゃいけないんだ。

 自分がどうすべきなのかを」

 

 その選んだ決断がベル達を傷つけるならその障害を俺は払う。

 

「頼もしいな旦那は」

 

「リリとしてはゼノン様が主導して欲しいですが」

 

「お前らが選んだ答えが俺にとって最善で最優先なんだよ」

 

 この冒険は、ベルの物語なのだから。

 

 




 
 補足・説明。

 今話は繋ぎ回のようなもので作者も書くか悩みました。飛ばして一気に次の展開にも思いますが、なんか接続が甘くなる気がして。
 出来れば毎度ギャグをぶちこみたいけど、異端児編は難しいですよね。
 原作ではここでウィーネとヘスティア・ファミリアメンバーの距離が縮まり、モンスターだからという見え方を外しだします。
 けれどファミリアそのものを大事にするリリルカはそうなっては危ういと考えています。
 村八分ならぬ都市八分からの襲撃、それを警戒している感じです。
 ただ、そうなったらゼノンがオラリオを潰しますが。

 作者によくわからないのはオラリオの住人と神です。
 そんなにモンスターやら闇派閥が恐ろしいならなぜ神の恩恵を貰ったり、授けたりしないのか?
 恩恵さえあれば、建物崩壊程度では死ななくなりそうですし。
 冒険者の都市なら住人全員が冒険者で良いのでは?と思うのです。

 なんか今話はつまらないなあ。
 たまにあるんですよね、こんな書いてて嫌な繋ぎ回。
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