ダンジョンにダイの代わりに爆死した兄弟子がいるのは間違っているだろうか(なおヒュンケルでもポップでもない)   作:規律式足

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 ふと考えるとアバンの使徒で、ヒュンケルが秀才努力型という恐怖。
 幼少期の復讐イベント後にミストバーンに回収され、それ以降はミストヒュンケルになる為のボディとして英才教育を施されていたと考えると、アバンの使徒で一番修行していたのは彼かもしれない。ただその時期からアバンを大魔王はマークしていたかと思うと怖いですね。慎重な大魔王バーンもですが、警戒されていた勇者アバン自体が。
 まあソレはソレとして、ヒュンケルはサイヤ人かってくらい不死身でビビリますけど(笑)。



第12話

 

「ベル君が浮気したあああああ」

 

「そもそも付き合「シャラップ!!」」

 

 ヘスティア・ファミリアが構成員にして団長であるベル・クラネルがギルド受付嬢であるエイナ・チュールとデートから数日がたった。

 朝チュンを期待していた俺の思いは裏切られ、見事にその日のうちに帰ってきたベル。

 ヘタレめと呆れた眼差しを向けたが、当の本人は贈られた装備を嬉しそうに抱きしめていた。

 

(しかし、ずいぶんと世話焼きなことだ)

 

 エイナ・チュールというギルド受付嬢はよほどベルを気に入っているらしい。働いてる食堂の常連客である冒険者なんて、いくら誘ってもデートしてくれない、と泣いていたものだが。

 

「いいかい、ゼノン君。ボクとベル君は相思相愛なんだ」

 

「今、昼だけど」

 

「寝ぼけてないよっ!!」

 

 いやだって、ベルにはアイズ・ヴァレンシュタインという美少女相手に成長アップスキル生えたし、チュール嬢相手に大好きと叫ぶし(常連客情報)。

 

「僕達は、あの怪物祭で手を取り合って苦難を乗り越え、お互い背伸びしあって頼り合い、心通わしあったんだ。これを相思相愛と言わずになんと言う」

 

「仲間意識?」

 

 ダイとポップもそんな感じだったよな。

 

「そんなボクらには深く結ばれた熱い絆があるのさっ!!」

 

「絆はあっても、愛かどうかは別だろ」

 

「ゼノン君って、割とボクとベル君に脈が無いように言うよね?なんで?」

 

 いや、俺がっつうか。

 ベルも結構、神って存在を別生命体として、分けて意識している気がすんだよな。

 敬ってはいるが、敬っているからこそ、性愛の対象に見てないような?

 

「傍から見たら母と子だからなあ」

 

 ま、正直には言えんわな。確証もねえし。

 

「君は父親の座を断ったクセにぃ!!」

 

 19歳が15歳の父親であってたまるか、どんな家庭だ。あとヘスティアが妻はちょっと。

 

「で、チュール嬢とのデートがそんなに問題なのか?防具を買いにいっただけだろ、むしろこっちから謝礼を渡しにいかなきゃいけないだろ」

 

「仕事扱いされたら彼女も怒ると思うよ」

 

 乙女心を理解できないのかテメェとヘスティアに睨まれる。

 だって勤務時間外の仕事じゃん。

 

「防具だったらゼノン君が作ればいいじゃないか」

 

 防具。

 防具かあ。

 

「それに関しては正解がないから、俺よかギルド職員の見立ての方が良いと思うぞ」

 

 防具に正解はない。

 なぜなら武器より遥かに環境に影響を受ける装備品だからだ。

 都市を守る騎士は全身鎧を着る。

 都市外を駆け回る冒険者が革鎧を着る。

 暑ければ軽装で、寒ければ重装。

 戦闘での役割、自身の戦闘スタイルによってもまた異なる。

 ましてやダンジョンは階層によって別世界と言えるほどに環境が違うのだ。

 ダンジョンを知らない俺が、性能高い防具を作って渡しても意味はないだろう。

 唯一の例外が鎧の魔剣だ。

 普段は少々嵩張る派手な鞘の剣だが、戦闘時のみに装着すれば良いので、移動時の負担はかなり軽減される。

 もっとも、ベルは戦闘スタイル的に全身鎧は合わないし、アレを創るにはきちんとした施設と素材が必要なんだよな。

 

「ううう、さらにそれだけじゃないんだよ」

 

「他にも女できたのか?ベルもやるなあ」

 

「そうだよっ!!サポーターとして女の子を雇ってたんだよっ」

 

 あー、そんなことを言ってたなあ。

 トラブルにしかならんから止めとけとは言ったんだが。持ち運ぶのに支障が出るってことはとりすぎってことだ。他人の手を借りなきゃならん身の丈に合わんことはすべきではない。

 

「うわーん、これからのベル君の冒険は女の子と二人きりだよおー!!ねえ、ゼノン君!!サポーターが必要なくなるアイテムをなんかだしてよお!!」

 

 シャドーを憑けているから二人きりではないんだが、今の所は報告ないから問題はないだろうに。

 しかしサポーターが要らなくなるアイテムねえ、そんな便利アイテム・・・・・・・・・。

 

「まったく、人をアバン先生だと勘違いしてねえかお前は」

 

「あのね、そのアバン先生も何者なのかな?」

 

「ほら『魔法の筒』」

 

「あるのかいっ!!」

 

 キレのある突っ込みが俺を襲う。

 いやまあそらあるよ。

 

「筒の先を向けてキーワードを唱えたら吸い込んでくれる便利な物だ。ただ欠点として、一度収納したらさらに追加することは出来ず、一度出してから収納しなおさなきゃならない」

 

 元の世界でも貴重品で滅多に手に入らない、収納するのも生物限定かと思ったらそうでもなかった。

 

「なんでベル君に貸してあげなかったのさ」

 

 不満そうにヘスティアは言うが。

 

「流通どころか存在知られたら色々使用出来すぎてアウトな代物だしな。俺も繰り返し使えるヤツはまだ作れない。それにコレを使うほどモンスターを狩るのはやり過ぎだろうよ」

 

 猟師だって獲物の狩りすぎには注意してるってのに。まあ獲物が尽きないにしても悪目立ちは良くないだろう。この街の冒険者はダンジョンに潜らない俺から見ても、偽勇者や詐欺まがいに火事場泥棒をやってたでろりん達よりモラルが低そうな連中が多い。

 実力がつかないうちは目をつけられる行動は避けるべき、いやもう遅いか?

 そもそもサポーターがベルに雇われることがおかしい。サポーターにしても稼げる相手に雇われたい筈、なのにソロ冒険者で純朴な少年そのものなベルに自ら雇って欲しいと言いにきた。裏があるのは間違いねえ。

 こりゃ予想以上に面倒なのに目をつけられたかな、ベルのヤツ。社会勉強と言ってしまえばそれまでだが、手を打つ必要があるか。

 ただなあ。

 

「アバン先生やダイみてえなお人好しのベルがそのサポーターに絆されないといいが」

 

「なにか言った?ゼノン君」

 

「いや」

 

 手を打つより調べることが先か、調査なら石像を注文してくる神に頼むって手段もあるか。

 ・・・・・・・・・なんかそれで明後日の方向で良い感じに解決しそうな気がするな。

 ベルの尻が代償になりそうな予感もあるが。

 まあ、それは最終手段でまずは正攻法のシャドー達による人海戦術でするか。

 

「しかし、サポーターねえ。

 そんなにヘスティアが嫌なら、適当にモンスター拵えてサポーターをやらせるか?うごくせきぞうとかなら人形兵で押し切れるだろ。3、4体くらい引き連れさせてよ」

 

「・・・・・・・・・・・・それは別の物語が始まりそうだから駄目かな。なんか色々ひっかかりそうなヤバいやつ」

 

 別の物語?

 良い案だと思ったが。

 

「とにかく、そのサポーター君については女として以外も心配だから確認だけはしておいて。うう、ごめんよ、ゼノン君も忙しいのに頼ってばかりで」

 

「ダンジョンに行けと言わないから良いさ。心配だからついて行こうかと悩んではいるが、神の恩恵・ステイタスシステムを考えたら俺が一緒だとベルは成長できないだろうしな」

 

「それもあったかー」

 

 手助けしまくったら、多分ステイタス上がらんだろうよ。

 

「まあ色々と手は打つさ。

 転けないように横について支えてやるより、転けた時の怪我を治す薬を用意してやる方が、かえって本人の為になったりするしな」

 

 尤も、ベルの命が無事ならば、という限りであればだがな。

 ベルの成長よりも、ベルの命の方が大切なのだから。それをベル本人が拒否しようと力尽くで助けるさ。この世は弱肉強食、手助けを跳ね除ける力がない方が悪い。

 





 防具について
 割と闘気を纏えば良いじゃん認識があります。元の世界でも動きやすさ優先の軽装だった上、戦う相手が防具が意味をなさない連中ばかりでしたので。
 鎧の魔剣は役に立ってたけど、それ以外はヒュンケル戦ぐらいしか意味なかったし。

 魔法の筒
 便利アイテム過ぎて知られることすら危険。これ一つで誘拐すらし放題。同じ物は再現できず、せいぜい収納したら壊さないと取り出せない物を創るのが限度。充分過ぎるくらい便利。

 サポーターについて 
 ベルがカモにされてるのは察知。見抜けない方が悪いと思うので現段階では放置。

 アポ◯ン・ファミリアもとい石像注文主。
 主神の性格的にソーマ・ファミリアの現状を知ったら義憤に駆られそう。ただし報酬としてベルを美味しく頂く。

 シャドー大量作成人海戦術
 やってることが魔王の所業である自覚なし。

 モンスターをサポーターにしたベルの物語。
 ドラゴンクエストモンスターズ ベルと不思議なダンジョン。
 
 ダンジョンに一緒にいかない訳
 英雄付き添いで成長できるわけがない。
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