ダンジョンにダイの代わりに爆死した兄弟子がいるのは間違っているだろうか(なおヒュンケルでもポップでもない)   作:規律式足

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 なんかヒマだから書けました。
 ドラクエVIIでもやり直すかな?
 でもあの作品はダーマ神殿までが苦痛なんだよなあ。

 ミアハ・ファミリアイベントです。
 時系列は原作とは前後しています。

 本日二度目の投稿です。
 前話を見てない方はそちらから。



第28話

 

 ミアハ・ファミリア。

 タケミカヅチ・ファミリアと共に貧乏ということで悲しい連帯感のあるファミリアの一つ。

 なお両ファミリアの主神とその眷属達は俺が廃教会でテント暮らしをしてるのを見ると同情の眼差しを向け、たまにご飯をお裾分けしてくれる。

 テント暮らしは宿屋に泊まりたくないのと便利だからと趣味だからなんだが、何度言ってもヘスティアを庇ったり、ベルに気を遣ってるととられて、さらに優しくされる始末。

 アポロン・ファミリアの団長であるヒュアキントスなどは眷属にならなくてもホームの部屋を貸してやる、カサンドラは同じ部屋に住みませんかと提案してくるし、イシュタルからは改宗しないか誘われ、挙句の果てにはあのフレイヤ・ファミリアのオッタルが沈痛そうな表情で大金の詰まった革袋をそっと差出してきたので(突っ返したが)、いい加減テント暮らしを止めるべきなのだろうか。快適で気に入っているのだが。

 と、かなり話はそれたがその件のミアハ・ファミリアについてだ。

 主神一柱、眷属一人のヘスティア・ファミリアと大差ない規模のファミリアで、ポーションを取り扱う道具屋を営んでいる。ベルにとっては主神であるミアハから無料でポーションを貰ったりすることもあり、いわゆる行きつけの店というやつだ。

 俺も元の世界にはないポーションという回復薬には興味があり、製薬分野には手を出してないので学びたい気持ちはあるのだが、多忙であったこともあり店に行く機会はあまりない。

 ただ、まかない飯をお裾分けしに行った時、唯一の眷属であるナァーザという女の店員が申し訳なさそうにこちらを見ることが印象的ではあった。

 そんなある日、リリルカにミアハ・ファミリアのポーションを鑑定できないかと言われた、自分だけで判定するのもどうかと思ったそうだ。

 何か気がついたのか怒気をにじませた表情のリリルカから俺はポーションを受け取り、鑑定呪文インパスを使用する。

 

「ってなんですかその魔法!!」

 

 叫ぶリリルカは置いといて、なになに。

 

 ポーションは道具らしい、このドリンクを飲むと傷が治るぞ、本来のポーションより半分に薄められて効能も半分になっているが口当たりがよく調味料で味を整えられてるから美味しい、一回使ったらなくなってしまうらしい、もし店屋に売れば135ヴァリスになるだろう。

 

「だってよ」

  

 店に売ると135ヴァリスなら買うと200ヴァリスぐらいの値段かね?

 

「ポーションを半分に薄めることで口当たりが良くなってる!!」

 

「生搾りジュースも水で割ると美味いもんな」

 

 しかし薬なんて苦いもんだと思ってたが飲みやすいように工夫までしてるとは。

 

「いえ騙されてますからね。これを500ヴァリスでベル様は買わされてましたからね」

 

「マジか、ボッタクリじゃねえか」

 

 貧乏人が貧乏人にアコギな商売してんなあ。

 薬類は専門外だし、山でも元の世界の薬草を見かけないから頼り切りだったんだよな。

 こうなりゃ祝福の杖かゲントの杖でも創ってリリルカに渡しておくか。

 ミアハもナァーザも良いヤツだと思っていたが存外に強かだったみたいだ。

 昔なら襲撃かけて落とし前つけてたが、そこまでする気には付き合いもあってないし、リリルカの優秀さも知れたから距離を置く程度にするか。

 せっかくできた知り合いをなくすのは、些か残念な気分ではあるがな。

 

「ゼノン様、そんなに辛そうな顔をしないでください」

 

「してたかそんな顔」

 

「はい。ベル様の安全の為に追求はしますが理由次第ではなんとかしますから」

 

「リリ」

 

「それに無理がきく道具屋は確保しといた方がいいですからね(ムンッ)」

 

 胸を張るリリルカの姿に沈んだ気持ちが軽くなるようだ。

 

「ありがとな。金の問題ならアテはあるからこっちに回してくれ。多分だがミアハは馬鹿だから深く関わってないだろうから、ナァーザがやらかしてんだろう」

 

「ミアハ様の扱い」

 

「零細なのに無料でポーション配るとか善意でも商法でも馬鹿そのものだから」

 

 コストかかってんだぞあの阿呆。

 サンプルとして渡して稼ぐ商法かもしれんが、客が来てねえから無意味だろうが。

 借金かねえ。

 主神がんなことしてりゃな。

 ナァーザもベルは良い子だと知っているのに騙してることからそれだけ切羽詰まってんだろ。

 

「ところでアテとは?」

 

「ああ、この薄めたポーションでも効果はあんだろ?だから大口取引先を紹介してやれば良いかなって」

 

「大口取引先?」

 

「イシュタル・ファミリアとフレイヤ・ファミリアだな」

 

「オラリオ大手ファミリアぁ!?」

 

 イシュタル・ファミリアは娼館経営してるのだが、アレで怪我するのはしょっちゅうある。だがいちいち冒険者用のポーション使うのは高いから勿体ない。フレイヤ・ファミリアの場合は訓練で眷属達の生傷が絶えんから、とりあえず傷が治ればなんでも良いんだと。軽傷に使えるポーションは値段相応なら需要はあるんだ。

 

「ゼノン様の人脈にびっくりです」

 

 俺もびっくりしてるぞ。

 

「ではリリにお任せくださいゼノン様」

 

「頼んだよ」

 

 良い感じになるといいんだが。

 

 

 

「なんとかなりました」

 

 しばらく後、リリルカがげっそりした表情で報告してくれた。

 ミアハ・ファミリアの今までの経緯をざっくりと説明される。 

 ベルを騙した理由。

 ミアハ・ファミリアの現状の経緯とディアンケヒト・ファミリアから借金の訳。 

 迫る返済。

 それを解決する起死回生の一手があり、ベル達はその新薬の二重性回復薬の開発に協力。

 セオロの密林での採取は達成でき、新薬の開発も成功した。 

 その新薬をディアンケヒト・ファミリアに売り込むことで今月の支払いはなんとかなったらしい。

 

「フッ・・・・・・・・・今月分かい」

 

「はい。問題はなにも解決していません」

 

「イシュタルとフレイヤ・ファミリアには話をつけとくからミアハとナァーザには頼むな」

 

「不眠不休で働かせます」

 

 神ならなんとかなんだろ。

 

 こうしてミアハ・ファミリアの騒動は解決した。ベルの人の良さというかちょろさと、リリルカの目の確かさがわかり、さらにはミアハ・ファミリアもこれからはきちんとしたポーションを作るのだから結果として良い出来事だったのだろう。

 単価は安くとも半ポーションの大量注文にミアハ・ファミリアの帳簿は黒字になりつつある。忙しくなったので、ミアハの馬鹿はポーションをタダで配り歩くことも女を誑し込む時間もとれなくなったそうだ。

 後日ナァーザは俺に頭を下げにきた。

 大事な息子を騙してごめんなさいと。

 息子じゃねえよ、俺はまだ19だ。

 昔ならば処断してたであろうナァーザという女。なんで手心を加えたのか。

 

「誰かの為に尽くすヤツは嫌いじゃないんでな」

 

 手段を選ばないくらい尽くす。

 その献身ぶりは、大魔王バーンとの戦いで相対してきた連中を思い出させたのかもしれない。

 

「あの、ウチに泊まりにきてもいいから」 

 

「テント暮らしは趣味なのよ」

 

 誤解はなかなかとけないな。





 アンチはしたくないので付き合いがあるから甘やかす感じにしました。
 
 テント暮らし。
 ダイダロス通りじゃないのに都市内でテント暮らしは結構目立つ。それ以上に石像に目を向けよう。
 貧乏ファミリアはその暮らしぶりにかなり気をかけてくれる。

 鑑定呪文インパス。
 ドラクエⅥの感じでやりました。買い取りがこの値段なら売り値は200くらいかなと適当に設定。
 ダンまち世界ではあると便利過ぎる呪文。

 祝福の杖、ゲントの杖。
 使うと回復呪文が発動する杖。創れるけど杖はかさばるから創ってなかった。ディアンケヒト・ファミリアに知られたら面倒な品(というかディアンケヒト・ファミリアはゼノンを探している)。

 大口取引先。
 娼館と蠱毒。回復薬の需要はめっちゃあるが、ギルドやディアンケヒト・ファミリアはオラリオ全体にポーションを行き渡らせるため購入制限をかけてそうだから手がでなかった。
 ゆえに薄めたポーションでも適正価格なら大量注文する。

 ミアハの扱い。
 善神でもこれはない。現在忙殺中。
 ゼノンには微妙に合わない神。
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