ダンジョンにダイの代わりに爆死した兄弟子がいるのは間違っているだろうか(なおヒュンケルでもポップでもない)   作:規律式足

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 ダンまち本編とソードオラトリア。
 同時進行だから絡ませるの大変ですね。
 というか、どちらかのメインパーティいたら片方参加無理ですよコレ。
 そんな感じですが、ソードオラトリア六巻・メレン編です。
 


第47話

 

「欲しいのは魚で女じゃないんだけどな」

 

 飛びかかってくる薄着の褐色の肌の女達。それらを拳一発で撃退する。

 

「く、このっ」

 

 俺の後ろでそこらの屋台から剥がした木製の看板を即席の盾にして攻撃を防ぐ桜花。

 そんな偉丈夫に俺は助言をする。

 

「防ぐだけにしとけよ。負けたら捕まって絞り取られて、勝ったら惚れて嫁になるのがアマゾネスの生態らしいからな」

 

「負けても勝っても(人生の)墓場行きなのかよっ!!」

 

 エルフとは別の意味で面倒だよなアマゾネス。似た風習の民族は元の世界にも居たけど、風習ではなくそういった生態、生き物なのは驚きだよ。

 

「なあゼノン、どうしてこんな事になってんだ?」

 

 看板を振り回しながら桜花は問いかけ、俺はここまで到る流れを思い出しながら思考するが。

 

「シラネ」

 

 絶妙に情報の重要なピースが欠けている為、いくら考えようとわからない。

 わかっていることは、

 

「オラリオの海の玄関口・港街メレンでイシュタル・ファミリア以外の恩恵持ちアマゾネス集団が暴れている。ってことだけか」

 

 あー面倒だ。

 仕事ついでに久方ぶりに焼き網でこんがり炙った新鮮な魚介類を食べたかっただけなのになあ。熱々に焼けた貝に柑橘類かタケミカヅチ・ファミリアに分けてもらった醤油をかけてジュッとしたところでパクつきたかっただけなのに。

 

「やっぱ夜釣りは止めとくべきだったかね」

 

 夜しか釣れない魚、興味あったんだが。

 

「なんで魚じゃなくて、女釣ってんだ俺達」

 

 本当にな。

 襲い来るアマゾネス共を殴り飛ばして気絶させる。その際に後で迫られないよう幻霧呪文マヌーサで自分を倒した存在は、下半身は馬で、馬の首の部位から人間の上半身が生え、頭部はホイミスライム、という現実にはありえない生命体だったと記憶させる。下手に存在する者だと相手に迷惑がかかるからな。一瞬ヘルメスの顔を使おうか悩んだのは内緒だ。

 

「俺達の選択肢は二つ、事情を知ってるヤツを探すか、無視して釣りに行くか、だ」

 

「この状況で釣りを諦めないお前は凄いよ」

 

 そらお前、この街に来た目的だし。

 

「はあ、なんでこうなったんだか」

 

 オラリオ南西に位置する港街メレン。

 その狂騒はまだ始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

「目立つ料理ねえ」

 

 ベル達が中層に挑戦し、タケミカヅチ・ファミリアに怪物進呈され、辿り着いた18階層でアレコレと騒動があり地上に戻ってから数日。

 石像のお得意様であるアポロンから近いうちに神の宴を催すから、招待した神々が驚くような料理を作って欲しいと依頼された。

 お得意様だし、彫刻家ではなく料理人として依頼された俺は嬉しくなり二つ返事で引き受けた。なんだかんだで依頼で一番嬉しいのは料理だよな、石像も良いが、アバン先生から仕込まれた料理の腕を誉められるのが一番気分が良い。

 だから張り切って何を作るか考えた。

 目立つ料理、定番としては丸焼きとかだよな。テーブルにドンと鎮座してるのを切り分けるのは実に興奮する。けれどそれらは定番であるがゆえにありふれている、宴慣れした神々から目立つ料理ではないだろう。

 と、なれば、以前から興味があったアレに挑戦して見るか。

 タケミカヅチ・ファミリアと俺の親交が深い最大の理由が料理である。

 世界中には様々な文化と風習があり、その国と地方独自の料理が存在する。けれどその中でも極東は特に際立って異色である。

 島国という地理的な要因と他国との交流が少なかった点から独自の文化が成熟するほどに発展したのだ。

 どれだけ特徴的なのは語りだすとキリがないので、とにかく料理に絞ると魚の生食、サシミである。新鮮な食材が手に入る地方なら生食は珍しいことではない、だが生魚をあそこまで鋭い刃物で、包丁技法だけで一品の料理に仕立てあげるのは、おそらく極東ぐらいだろう。

 少なくとも元の世界ではなかった、貝類は生で食べたりしたが、魚は酢漬けが基本だったからな。

 だから俺は、今回のアポロン・ファミリアの宴で馬鹿でかい魚をその場で解体してサシミ、あるいは鉄板で焼いて提供しようと決めたのだ。

 そうアポロンに提案したらあっさり了承され、メレンに行く許可も貰えた。そして手伝いとして極東料理に詳しい桜花に協力を要請したのだ。人手はいるし、タケミカヅチ・ファミリアは前回の件で装備が破損してダンジョンに潜ることもできなかったからな。

 ヘスティア達にもそう伝え、いざメレンへと向かったわけだ。

 メレンに到着してからは良かった。

 冒険者である俺と桜花に警戒していた漁師達だったが魚目的だと伝えると、色々とおすすめの魚を教えてくれたりしたからな。

 ここを仕切る神、ニョルズにも会った。実際に少しばかり料理してみせたら料理人だと認めてくれて、特別に漁をする許可までくれたからな。

 そうして、桜花に教わった褌をつけて銛を片手に素潜りを開始した。

 ちなみにその途中で、なんか花みたいなモンスターに襲われたから両断してヒャダインで凍らせて海上に浮かべておいた。後で漁師達に注意を促さないといけないしな、知ってるかもしれんから後にするが。

 どの世界も海での漁は命懸け、か。

 元の世界だと人魚やら海竜の類と盟約を結んで大地の恵みと引き換えに漁をしてきたもんだが、こっちではそうじゃないのかもな。

 

「ゼノンさん?」

 

 そんな時、俺は水着姿のアイズ・ヴァレンシュタインと遭遇したのであった。

 あかん、ベルにバレたら怒られる。

 想い人の水着姿を見る機会を逃す。

 これは恋する少年にとってはとてもショックな出来事だろう。

 

 

 

「ところでゼノン、なんでベル達を連れてこなかったんだ?」

 

「ああそれはな、アポロン・ファミリアにカサンドラって予知夢を見るヤツがいるんだが」

 

「予知とか本当かよ」

 

 俺も占い師のメルルと関わらなかったら信じなかっただろうな。

 

「港街でウサギが飢えた獣達に踊り食いされる夢を見たんだそうだ」

 

 だからベルを連れてこなかった。

 そんな予知夢ならウサギ=ベルを連れていかなければ大丈夫だと予想して。

 

「ウサギ=ベルなのか、そしてそんな夢の場所に俺を連れてきたのかお前」

 

「どうせタケミカヅチ・ファミリアの誰かは必要だったしな。なら頑丈なお前かなって」

 

「まあ、報酬と魚介類を貰えるから良いか」

 

 新鮮な魚介を食べたい。

 それはその味を知る誰もが焦がれる想いなのである。

 





 ソードオラトリアとゼノンの絡みです。
 ゼノンがベル達がアポロンイベント開始までの期間ですね。
 アイズとベルのダンスを考えるとあまり時間は取れないのでそんなに長くはないです。
 イシュタル・ファミリアの暗躍も当作品では既にやらかした分を除いたら控えめなので。

 アマゾネスの生態はイシュタル・ファミリアで聞いてる為対処しました。
 なお見せた幻覚ですが、読んだ神話と実在のモンスターを適当に組み合わた(ゼノン認識では)オリジナルモンスターです。
 この世界に競走馬のケンタウルスホイミは存在しません。一部アマゾネスは必死に探すことになりますが。

 ダイの大冒険の漁事情、多分ダンまちと大差ないかと。ダイの乗った大型船も聖水を巻きながら航海するぐらいでしたし。人魚や海竜はオリジナル設定です、でも海戦騎ボラホーンとかはそんな立ち位置してそうですね。

 このメレン編はなるべくさっくり終わらせてアポロン編に入りたいです。
 ソードオラトリアにはなるべく関わらせないと救える人が減るのが悩みですね。
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