ダンジョンにダイの代わりに爆死した兄弟子がいるのは間違っているだろうか(なおヒュンケルでもポップでもない) 作:規律式足
繋ぎ回です。
こういったゼノン視点外の話は書くか毎回悩んでおります。二次創作である以上、読者の皆様は作者以上に原作知識ある方が居られるでしょうし、不要ではないかと思ったりしますので。
「ゼノンがおるんかい」
湖面をダッシュしてカナヅチ克服訓練から逃亡したアイズが帰還したことでロキ・ファミリアの湖水浴はお開きとなった。
アイズが引っ張ってきた両断後に凍り付けになった食人花についてロキが尋ねると、それを為したのがロキ・ファミリアにとって現在進行形で頭を悩ませる存在・ゼノンによるものだと判明した。
ヘスティア・ファミリア所属、ダンジョンに潜らないレベル1の冒険者ゼノンとロキ・ファミリアの関わりはここ一月とそこらのこと。
豊穣の女主人、怪物祭、ソーマ・ファミリア案件、18階層での治療と、現在借りの方が大きい付き合いとなっている。
またロキ・ファミリアにとって愛娘的存在であるアイズがゼノンを慕っていて、押しかけては迷惑をかけているだろうことを、主神であるロキと親代わりである三首領は察していた。
下手に追求して他の団員(特にレフィーヤ)に知られると向こうに迷惑がかかると想像できたので今まではゼノン側からの接触がない限りは関わらないようにしてきたが、いい加減そういうわけにはいかないだろうと考えだしていた。
「そんでアイズたん、ゼノンは何をしにわざわざメレンまで来たんや?」
今までのゼノンとの関わり、ヘスティアの眷属であることから闇派閥との関係などはないと確信しているが目的を確認しないわけにはいかない。
訪れるタイミングがちょうど重なったのだから尚の事だ。
「宴会で提供する料理の材料を探しにきた、そうです」
「そういえば料理人やったなアイツ」
前に調べた時に食堂の雇われ料理人であると判明したことをロキは思い出す。
ベート・ローガの無力化、怪物祭での動き、18階層での解毒、などしか知らない者達からすればなんであれだけの実力があるのに、と首を傾げてしまう。
尤も、ロキからしたらだからこそだろうなとゼノンの事情を知らずとも納得できる。彼のオラリオでの過ごし方、超常の力を振るって好き放題せずにあえて不便に生活する姿は、力を封じて下界におりてきた神々に通じるものがあるからだ。
(神、ではない。どこぞの英雄でも紛れ込んできたんかなあ)
神が下界に降りてこれるのならば、神話に記された英雄が降りてきてもおかしくはない。
全知全能を司る神ではないロキにはその未知の要因、原因を知っている範囲の知識から推察するしかないのである。
(ま、今は関係ないわな)
近いうちに怨敵(ロリ爆乳)であるヘスティアに問い詰めると決め、この街に来た目的を優先するべきだとロキは判断した。
「じゃ、ティオナとティオネは海底の調査を頼むわ」
アマゾネスの姉妹は『潜水』の発展アビリティを持つ。大海原で活動するポセイドン・ファミリアの団員には必須とされる発展アビリティだが、オラリオでこれを持つ者は少ない。
レベル2になることが前提とされる中層の段階でダンジョン内に大規模な、泳ぎが必要なエリアが無く、レベル2という比較的に取得しやすい機会に『潜水』が発現する機会がないからである。
ヒリュテ姉妹が発現したのは、オラリオに辿り着くまでに漁村や島国で食い扶持を稼ぐ為に怪魚討伐を引き受けていたからである。
とはいえ最初から上手くできたわけではなく、ムキになりやすい直情的な性格であるがゆえに討伐できるまで挑戦し続けたからと、姉妹間で討伐数を競いあったからだろう。
そういった一風変わった経緯が、オラリオで珍しい『潜水』スキルの発現に至り、彼女らをロキ・ファミリアの水場での戦闘の要としたのだ。
さらにロキは『ウンディーネ・クロス』、『精霊の護符』の一種であり、中層攻略には必須とされる『サラマンダー・ウール』と同系統の水着と、迷宮珊瑚と怪海象の牙を素材として鍛えたククリナイフのような水中用武器を手渡した。
装備した二人は海底のダンジョンからモンスターが湧き出ていた『穴』を塞ぐ蓋『海竜の封印』への調査へと向かった。
地上に現れた第一級冒険者達の手を焼かせたモンスター『食人花』、それらが海中の穴から出現しているのか調べるためである。
アマゾネス姉妹の調査は空振りに終わった。
ゼウス、ヘラ・ファミリアに討伐された『海の覇王』の遺骸から創り出された封印に綻びはなく、屍となりさらに加工されたにも関わらず放たれる威は海中を泳ぎ回るモンスターを寄せ付けることはなかった。
問題なのはその後のこと。
ヒリュテ姉妹が発見し仕損じた食人花が憤怒をぶつけるかのごとく湖峡から入ってきたガレオン船に襲いかかり、その船から現れた人物に返り討ちにされたのだ。
オラリオの上級冒険者でも手こずる食人花を瞬殺する存在など、レベルを上げにくい外ではごく限られている。
そう、
「久しいのう」
女戦士の国。
『テルスキュラ』、赤い髪にいたいけな少女の年格好。骸骨を繋ぎ合わせた首飾りと牙を生やす仮面を付けた女神『カーリー』が君臨するファミリアのようなごく例外のみである。
久しい、それは神であるロキへの言葉ではない。かつて自らの国で生まれ育ち巣立った、ヒリュテ姉妹へと向けたものであった。
「何しに来たんジブン?」
ロキがカーリーへと問いかける。
「観光」
返答は簡潔。
この予定外の遭遇だが、カーリーにとっては都合の良い状況に内心ではほくそ笑んでいたが、それを表にだしたりはしない。
普段のロキならば身長をネタに挑発し、胸をネタに返り討ちされるお約束のパターンになるところであったが、近くで漁に励む『アマゾネスの大ご馳走』の存在が頭を冷静にさせていた。
生まれによる因縁、故郷を飛び出したきっかけを思い出し激情にかられているティオネはカーリーを鋭い眼差しで睨みつけていた。
「しばらくこの街で過ごす。そなた達もいるのならば、また会おうぞ」
「ふざけんなっ・・・・・・」
「随分嫌われたものじゃ。そんなに妾達が憎いか?」
「二度とその面、見たくなかったわよ」
カーリーと、その背後にいるアマゾネス達に向かって、ティオネはそう吐き捨てた。
「妾は会いたくてしょうがなかったぞ。愛するムスメ達よ」
カーリーは去り際にその言葉を残して港を後にした。オラリオ外部より現れた、オラリオ内でも上位に入るだろう戦力を誇るファミリアの来訪。
それはこれから起こる騒動のきっかけ、直接の原因となる。
過去はいくら遠ざけ逃げようとも必ず追いついてくる。ヒリュテ姉妹もまた例外ではなく、生まれ故郷『テルスキュラ』から繋がる因果と再会を果たすことになる。
これは『超凡人』ラウル・ノールドが、ケンタウルスホイミに跨りメレンの夜を駆ける少しばかり前の出来事である。
「なんでこうなったんすか」
(モシャスって想像した存在にも成れるのな)
ロキはゼノンが天界の英雄が地上に降りてきた存在なのではないかと推測しています。
好んで不便さに生きる姿が神に近しいので。
天界に英雄が存在するかは不明ですが、元は人間の神は幾らでもいるのでありえるかなと。まあゼノンは違いますが。
繋ぎ回でまた話は進まないですが、キリが良いトコまで書くようにしています。
平日に2話とかは無理ですね(笑)。書き溜めなども存在しませんし。
ラウルとケンタウルスホイミ。
なんでこうなったかは近いうちに、いちいちマヌーサ使うのが面倒になっただけの可能性が高いです。
そういえばダンまちにケンタウルスは亜人として存在しましたっけ?でもケンタウルスが亜人認定なら人魚もモンスター認定されませんよね?魔石の有無はありそうですが。