ダンジョンにダイの代わりに爆死した兄弟子がいるのは間違っているだろうか(なおヒュンケルでもポップでもない)   作:規律式足

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 神の宴会場、アポロン・ファミリアのホームじゃなくて借りた会場でしたあああ。そのうち直します。
 今回も話は進みませんが、色々と好き放題に書いていきます。
 そして中華一番を知っている方(ミスター味っ子もだけど)知ってる方がいて嬉しいです。ちなみに改めて読むと中華一番ですが、かなりミスター味っ子の料理を参考にしてました。



第58話

 

『諸君、今日はよく足を運んでくれた!』

 

 ゼノンさんの作ってくれた舟盛りを皆でパクついていると高らかな声が響き渡ってきた。

 室内にいる全ての人達の目が向かう先、大広間の奥には一柱の男神様が姿を現している。日の光の色を放つブロンド髪は太陽の光が凝縮したかのように艶があり、口元に浮かぶ笑みも眩しい。その端麗な容貌は男の僕でも目を奪われてしまうほどだ。

 頭の上には緑葉を備える月桂樹の冠、神様から聞いた通りの外見、あの方がアポロン様なのだろう。

 

『今回は私の一存で趣向を変えてみたが気に入ってもらえただろうか?』

 

『うーまーいぞー!!』

 

『細胞が活性化するぜ!』

 

『生魚もイケルもんだな』

 

『そっちではないわっ!!

 日々可愛いがっている眷属達を着飾り、こうして我々の宴に連れ出すのもまた一興だろう!!』

 

 ゼノンさんの活造りに夢中な神様達が歓声を上げるけどアポロン様はすぐさまツッコむ。どうやらゼノンさんのアイデアらしい。

 そしてアポロン様のよく通る声で御本神案の企画について語り、乗りのいい他の神様達がヤンヤヤンヤと声を上げ、喝采を送っている。

 

『多くの同族、そして愛する子供達の顔を見れて、私自身喜ばしい限りだ。今宵は新しき関係を築く存在と出会うそんな予感がする』

 

 それから口上に耳を貸していると、不意に。常日頃から感じている、ジットリとした舐め回すような視線(犯人はフ◯イヤ)がアポロン様から向けられた気がする。

 

(・・・・・・?)

 

 僕が何かやらかしたのかな?自意識過剰かとも思い後ろを見ても、そこには丼の上に活造りをてんこ盛りにして勢いよくかっこむタケミカヅチ様と命さんの姿しかない。

 

『今日の夜は長い。上質な酒も、食も振る舞おう。ぜひ楽しんでいってくれ!』

 

 その言葉を最後にアポロン様は両手を広げた。同調するように『俺がガネーシャだっ!!』男神様達を中心地に歓声が上がる、今誰か叫ばなかった?

 

「神様・・・・・・えっと、どうしますか?」

 

「んー、アポロンとは話して色々訊きたいけど、眷属の娘のお母さんと呼んで発言とか。後の方が良いかな?主催者だから挨拶回りしてるしね」

 

 確かにアポロン様は次から次へと話しかけてくる神様達の応対をしているし、同一の制服に身を纏った眷属の皆さんも給仕で忙しそうだ。

 ゼノンさんは、

 

「これぞ、活造り!」

 

「なんと頭と胴体の骨と尾だけになった魚が水槽で泳いでいる!!」

 

「包丁の鋭さ、包丁技に死んだことにすら気づいていないとは!!」

 

「てかこれ新種のモンスターじゃね?」

 

 なんか・・・・・・満喫してるなあ。

 

「ゼノン君、料理がとっっっっっても好きだからね。異様に凝り性だし」

 

「・・・・・・邪魔しちゃ悪いですよね」

 

 ちょっと寂しいけど、バイト先の食堂でも普段の食事でもこんなことはできませんし。

 珍しい食材、新しい調理法で子供みたいにはしゃぐ人なんですよね。

 

「ま、せっかく来たんだし、パーティを楽しもうじゃないか。美味しい料理は、普段から食べ慣れてるけど、偶には他所の食事も良いもんだよ」

 

「あ、はい」

 

 神様に促され、ミアハ様達の輪に加わる(タケミカヅチ様と命さんは刺身目当てで離脱)。

 はい、とナァーザさんにグラスを手渡された僕は、しばらく色々な人達と歓談することにした。

 

「最近、景気が良さそうだねミアハ」

 

「君の眷属であるゼノン君のおかげでな。借金も大分返済、というかフレイヤ・ファミリアが立て替えようとしてくれるよ」

 

「それ、債務先が移るだけじゃない?」

 

 ポーション確保の為に抱え込もうとしているようにみえますね。

 

「ゼノンさんって何者?ポーション作りの手順を一度見ただけで私より手際よく作ってたけど、心折れそう」

 

「ゼノンさんですから(ドヤ顔)」

 

「あら可愛い」

 

「今日の宴もまた勝手が違うから、普段は来ないような神もいるみたいね。あとヘスティア、あのゼノンって眷属についてだけど」

 

「ああ、アポロンも面白い計らいをする」

 

「ゼノン君はなんでも出来る。

 それでもう良くない?本人は否定するけど」

 

 ヘファイストス様達の語らいをチラリと窺う。僕は少し躊躇った後、気になっていたことを尋ねてみた。

 

「すいません・・・・・・アポロン様って、どんな方なんですか?」

 

「ん、気になるのかい、ベル君?」

 

 僕の言葉に神様達はなんと答えたものかと悩みだし、そんな中でヘルメス様が口を開く。

 

「面白いヤツだよ。俺は天界から付き合いがあるけど、見ていて飽きない。他の神々からはよく笑い種にされている」

  

 面白いヤツ?

 なんか舞台俳優みたいな立ち振舞からそんな風には見えないけど。

 

「とにかく色恋沙汰の話題が尽きないやつでね。眷属達みたいに【悲愛】なんて渾名をつけられるほどさ」

 

 悲愛、ファルス?何なんだそれ、駄目だ、全くどんな神様かわからない。

 

「恋愛に熱い神ってことさ、なぁ、ヘスティア?」

 

「うっさいよ、伝令にかこつけて噂話を流す軽薄男が。君なんて恋愛物語だと主人公を茶化すだけ茶化して一人ぼっちを邁進する同級生タイプだろ」

 

「・・・・・・・・・真実はいつだって本神を傷つけるんだぜ?そして主人公の友人ですらないのか」

 

 あ、ヘルメス様の瞼から一筋の雫が。

 でも周りの皆さんもウンウンと頷いている。知り合いからは一貫してそんな認識なんだなヘルメス様って。

 あと神様・ヘスティア様だけどゼノンさんの影響か、からかおうとする相手には辛辣なんだよね。普段はあんなことを言わないのに。

 

「後はそうだな、執念深い。気に入った子供を眷属にするためにオラリオ飛び出すとかしょっちゅうなんだよね。だから外でけっこう遭遇したりするんだよ」

 

 そういえば、僕がオラリオでファミリア探ししてる時もちょうど不在だったような?それも眷属勧誘の為だったのかな?

 まだよくわからないアポロン様の事を考えていると、ざわりと会場全体がどよめきだす。

 

「おっと・・・・・・大物が登場だ」

 

 音の出所を見つめてヘルメス様はおどけるように言う。僕もそちらに目を向けると、何が原因なのか直ぐに理解してしまった。

 衆目を集めているのは、銀髪の女神様と・・・・・・ウチのホームによく陣中見舞いだと菓子折りを渡しにくる巨身の猪人だった。

 

「あ、アレって、・・・・・・お菓子の人」

 

「そうフレイヤ様だよ。え、お菓子の人?ベル君も【フレイヤ・ファミリア】の名前は知っているだろう?」

 

 すいません反応しちゃって。でも僕もヘスティア様もバーチェさんもあの猪人さんがお菓子の人認識なんです(リリはそれを見て胃を押さえていた)。

【フレイヤ・ファミリア】、【ロキ・ファミリア】に並ぶオラリオ、即ち世界最強勢力の派閥。オラリオの頂点に君臨するこの二強派閥は迷宮都市の双頭と比喩されるほどだ。駆け出しの冒険者である僕ですら、その【ファミリア】の武名と名声は耳にしたことがある(個人情報とかは知らなかったけど)。

 視線の先の女神様はそんな【ファミリア】の主神で、あのお菓子の人はその眷属?

 フレイヤ様の登場に会場は一気に盛り上がる。それこそさっきのアポロン様の挨拶以上の騒ぎだ。

 それは彼女の美しさによるものだろう。オラリオに来てから美人美女美少女にしか会ってない気がするけど(某バケモノガエルとは未遭遇)、それでも彼女は今まであんな綺麗な神、初めて見た・・・・・・と見惚れてしまうほどだ。

 

「ぬっ?!」

 

 するとヘスティア様がそんな僕の様子を察してか、凄まじい勢いでこちらに来ると、彼女のツインテールが生き物みたいに動き出し僕の両目に襲いかかってきた。

 

「目が、目があっ!!」

  

 ツインテールの先端が両目にぶち当たったその衝撃(色んな意味で)と痛みで僕は目を押さえながら頭を振るう。

 

「フレイヤを見るんじゃない、ベル君!!」

 

「いや今のどうやったのヘスティア?」

 

「子供達が『美の神』を見つめると、たちまち虜になって『魅了』され、◯◯様バンザイとしか言えない身体にされてしまうんだ!!」

 

「それは偏見じゃない?大体あってるけど」

 

 うう痛いよお。

【美の神】、知識としては知っている。なんかやたらとお祖父ちゃんが面倒臭い拗らせ連中とか、知り合いなのかって感じで語っていたから。神も下界の者も、性別種族問わず尽く『魅了』してしまう、美そのものとも言える超越存在。

 基本的に美形しかいない神様達の中でも、存在そのものが美を体現しているんだ。

 

「珍しいわね、フレイヤが公の場に顔を出すなんて」

 

 ヘファイストス様はそんな一言を呟いていた。

 まだ痛む目を擦っていると、何やら声がこちらに向かってきていた。

 コツ、コツ、と音を立てて誰かがこちらに近づいてきているようだ。

 ようやく視界が効くようになって前を向いたら、そこには微笑む銀髪の女神様とお菓子の人、もとい従者の猪人が居た。

 

「来ていたのね、ヘスティア。それにヘファイストスも。神会以来かしら?」

 

「っ・・・・・・やあフレイヤ、何しに来たんだい?」

 

「あんなツインテール芸を見たら気になって来るんじゃないかな?」

 

「黙ってヘルメス」

 

 それはそう。

 

「別に挨拶に来ただけよ?ウチのオッタルなんかしょっちゅう顔を出してるじゃない?ミアハからはハーフポーションを買っているのだし」

 

「あ、お菓子の人だ。この間のシュークリームも美味しかったよありがとう」

 

「フレイヤよ、あまり他所の派閥に口を出すべきではないが、ハーフポーションを消費し過ぎではないか?こちらとしては助かるが、君の子供達は大丈夫なのか?」

 

 意外と付き合いがある女神様なんだなあ。

 ヘファイストス様は最高位冒険者の武器を作ることが多いから付き合いは元からあるらしいけど。

 スッと頭を下げるお菓オッタルさんと、蠱惑的な流し目を送るフレイヤ様。

 その銀の視線は僕の顔に止まり、吸い込まれそうな瞳が僕を閉じ込めるように捉えると、自然な動作ですっと手を差し伸べ僕の頬を撫でて、艷やかな唇が詩のような言葉を紡ぐ。

 

「今夜、私に夢を見させてくれないかしら?」

 

「見させるかァ!!」

 

 フレイヤ様の僕の頬に伸ばした手をツインテールで弾きながらヘスティア様は吠える。

 

「ベル君もなに顔を赤らめているんだい!!ゼノン君みたいに女性からの接触には無反応を貫きなさい!!」

 

「ごっ、ごめんなさいぃっ!!でもゼノンさんのようにバーチェさんに抱きつかれても無反応になんてなれませんよおっ!!」

 

「ゼノン君に出来て君に出来ないわけがないだろう!!(無茶振り)。いいかい、この女神は男を見れば手当たり次第にぺろりと食べてた時期もある困った娘なんだ。君みたいに女慣れしてない純情ボーイはウチの晩御飯みたく平らげられちゃうぞ」

 

「なんでウチの食卓はウサギ料理ばっかりなんですかっ!!」

 

「いやね、頼んでるアイテム(ウサ耳のアレ)の素材でつい」

 

 ヘスティア様はフレイヤ様がとても危険であると力説する。

 

「あら、残念」

 

 一方で、フレイヤ様はおかしそうに微笑んでいた。いや僕達のやり取りが面白かったらしく周りで見ている方々も皆笑っているけど。

 一頻り楽しんだのか、フレイヤ様はあっさりと身を翻す。

 

「ヘスティアの機嫌を損なったようだし、もう行くわ。それじゃあ。オッタル「ハッ」」

 

 側に控えていたお菓…オッタルさん、二メドルを超す筋肉隆々の猪人に一瞥されてドキリとしつつ、僕はその銀の女神様の後ろ姿を目で追った。

 彼女は再び、人の群れに囲まれながら、ゆっくりと遠ざかっていった。

 

「早速、あの色惚けにちょっかいだされたなあ」

 

 嵐が過ぎ去ったような間を置き、誰もが口を開かないでいた時、今度は別の方向から声がかかる。

 驚きながら振り向くと、

 

「なんだロキか」

 

 声の主を確認したヘスティア様がつまらないものを見た時のように、へっと息を吐いた。

 

「いや、その反応・・・・・・・・・泣くで?」

 

「オラリオ二強だけどあくまでファミリアの実力で、美貌じゃまるで比べ物にならないよね。」

 

「前の時といい、塩対応過ぎやろドチビィィ!」

 

 ロキ様の叫びが会場に響いたそうな。

 というか、ヘスティア様に限らず他の神様達も、なんだロキか、って反応なんですよね。

 

 あ、アイズさんどうもです。

 やほーベル。

 





 アポロンのスピーチからロキ登場まで。
 話がすすまない、いや本当に。

 魚の活造り。
 元ネタは『包丁人味平』、三枚おろしにされた鯛が水槽で泳ぐ包丁技の奥義。主人公味平の父の得意料理。生きてるだけならともかく、ともかく?泳げる理屈は謎。

 ヘルメス評。
 とにかく口の軽い軽薄男ポジ。本神も自覚あるから泣いた。

 オッタルの認識。
 お菓子の人。ヘスティアとベルとリリルカとバーチェは遭遇済み。戦いを申し込みに行ったらいつも忙しそうだから菓子折りを持参してた。

 ヘスティアのツインテール芸。
 そのうち某少女漫画のツインテールみたく蛇みたいになるかもしれない。作品は王子系鼻血少女と小悪魔系猫かぶり男子のアレ。

 ヘスティアのロキの扱い。
 バギーを見つけたルフィみたいな感じ。
 割と他の神々もそんな感じ。
 ロキはなんか友神付き合いも無さそうで眷属を構い倒してるイメージが作者にはあります。 
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