ダンジョンにダイの代わりに爆死した兄弟子がいるのは間違っているだろうか(なおヒュンケルでもポップでもない) 作:規律式足
ギャンブルで負けて、家すら奪われたのに駆け出し冒険者のベルが高い(味に比べたら安い?)と思う『豊穣の女主人』で食事する夫婦とは?
ひとまず落ち着ける場所だかららしいけど、ロキ・ファミリアの行きつけかつ、店員と料理目当てで上級冒険者ばかりのこの店で一般人が落ち着けるのだろうか?
一応、ギルドとガネーシャ・ファミリアに相談窓口はあるようですが都市にはこの手の相談が溢れているらしくすぐには取り合って貰えないそうです。
また娘が美少女だから歓楽街に売られると嘆きますが、アマゾネスという嬉々として男に飛びかかる種族がいるのに需要ってあるかな?
さらに、リューさんはこのやり口から元凶の予測ついたし繁華街で見かけたけど、裁く資格がないからと放置してたとか。
ツッコミどころ満載過ぎて作者も頭を抱えております。
「なんか頭が痛くなってきたな」
「アタシもだよ」
イシュタル・ファミリアホーム『女主の神娼殿』。イシュタルから頼みがあるからと呼び出されて訪れた先には、頭が痛くなる案件が待っていた。
きっかけは賭博で大負けして自慢の娘を攫われた後に家すら奪われて追い出された夫婦の嘆き。
それを聞いてなんとかしようと動きだした『豊穣の女主人』のウェイトレスであるリュー・リオン。
彼女は既にオラリオから去った、壊滅させられてしまった正義の派閥【アストレア・ファミリア】の名前をだされたことをきっかけにその娘(さらには奪われた家?)を取り返そうとしているらしい。
なんでそんな事を?
と、オラリオの過去の出来事を知らない俺は思うのだが。なんでも彼女はその【アストレア・ファミリア】に所属していて、闇派閥の謀略によりダンジョンで壊滅したパーティ唯一の生き残りらしい。
アストレアという神は送還こそされてはいないらしいが、オラリオを去って別の国にいるのだとか。
善神でイシュタルにしても嫌いな神ではないらしいが、本神は良くても彼女に惹きつけられ集まる者達とは反りが合わないことが多いので出来れば関わりたくないそうだ。
「なんつうか、どんな思考で助けようとしているのかよくわからねえな」
攫われた娘がかわいそう。
というのはまあ理解できなくはないが。
「アタシもだよ。歓楽街に売られるんじゃないか、とかその親はほざいたらしいが、ウチだって厄介事はゴメンだっての」
娼館が力なき女を食い物にして暴利を貪る悪党の巣窟である、という側面が、そういった組織があるのは否定しない。
だが、アマゾネスという種族的に性に奔放な種族と、そういったサービスを求める神や冒険者達、お客様の存在により女達の単なる労働の場でもあるのだ。
春姫、という似たような立場の例があるが、無理やり所属させられてると本人が認識していたら娼館内で孤立してしまうだろう(なおその春姫が友人認識しているレナというアマゾネスにしても姉貴分のアイシャに頼まれたから接していただけだとか、現実は無情である)。
「ま、自称テリー・セルバンティスことテッドはやり過ぎてはいる。それこそ治外法権であるにも関わらずギルドとガネーシャ・ファミリアが検挙しようと動きだしているくらいにはね」
「あ、流石に一般人を借金の形に攫ったり、家を追い出す取り立てはやり過ぎなのか」
「ならず者の冒険者を雇ってやらせたのがよくなかったね。ギルドは冒険者のイメージが悪くなる所業を許さないのさ」
相変わらず司法がどう機能しているのかよくわからない都市だが、とにかく既に各方面で問題視されるやらかしではあるそうだ。
「つまり、俺はやり過ぎてる『エルドラド・リゾート』の経営者にヤキを入れれば良いってことか?」
「まあそれで終われば良いんだけど、調べたらそれだけじゃ済まなくてね。その経営者・自称テリー・セルバンティスもといテッドとやらにヤキを入れた後、娯楽都市の本部に引き渡して欲しいのさ」
どうやらその経営者にはとんでもない秘密があったようだ。
不慮の事故だとかで亡くなった本物のテリー・セルバンティスに成り代わった輩が各方面に根回しして好き放題しているのだとか。
「馬鹿だろ」
「オラリオは本国から遠いからねえ」
イシュタルからしてもその大胆過ぎる犯行を知り遠い目をしていた。
まあぶっちゃけ、繁華街最大規模の娯楽施設の経営者というどうでも良すぎる存在などに関心を抱く者達などこのオラリオにはいなかっただけなのだが。
だがバレた以上は本部は面子にかけて処断しなければならないだろう。
なにせオラリオという組織最大の収入源のトップにすら成り代われる組織のガバガバさが広まってはたまらないのだから。
いったいどれだけピンハネして私腹を肥やされてきたのか、被害額は想像すらできないだろう。
「・・・・・・・・・・・・繁華街最大規模の娯楽施設を運営できる実務能力あるなら真っ当に働けば成功したんじゃないかその馬鹿」
「間違いなく大手ファミリアの会計係を任せることのできる能力はあるんだよねえ」
探索者であり戦闘者である冒険者達は、ファミリア運営の為に会計実務すら求められている。
だが、オッタルという生粋の武人を見ればわかるように、そんななんでもできる存在など、ロキ・ファミリアの『勇者』くらいなものだろう。
強ければ脳筋だし。
賢ければ軟弱だ。
全てに秀でてる存在などそうはいないのだ。
だから一部のファミリアでは商会から人員をスカウトして会計係を任せているくらいなのだ(あるいは専属商会に丸投げしている)。
「ザボエラもそうだったけど、頭良いやつは自分の戦う戦場を見誤る悪癖が備わってんのか?」
あるいは自身の能力が活かせる場を理解する感性に欠けているのだろう。
ザボエラもそうだったが、正しく評価される場所で活躍すればいくらでも栄華を得ることができただろう。
「ま、そうだとしてももう後の祭りさ」
テッドとやらの末路は、ガネーシャ・ファミリアに捕まり生涯を牢獄で過ごす方がマシだと思うものになると確定してしまったのだから。
「とにかく話はわかった。
俺はカジノで貴賓室に招かれるぐらいに大勝ちしてその馬鹿を捕らえれば良いんだな」
「なんかもう、さっさと攫って本部に引き渡した方が早いんだけど、娯楽都市の本部連中はテッドのお仲間やご友人、さらには手駒の用心棒の身柄も欲しいらしくてね」
「そらまた、気分の悪いことになりそうだ」
「裏社会なんてそんなもんだよ」
オラリオに何故闇派閥というモノが存在したのか、できたのか。
それは闇派閥に需要があり、世界には闇派閥の顧客が溢れているからだ。
正義という光がなぜああも眩く見えるのか。
それは、この世界が光が目立つほどの闇であるからこそなのかもしれない。
「そんでこのきっかけの夫婦はどうするよ」
「好きにしておくれ。アタシは下手になにかしてあの『疾風』に目をつけられたくないよ」
なにせあの復讐者は以前ウチの関係者にまで手を出したからね、とイシュタルは呟いた。
リュー・リオンにより救う対象として認定された夫婦とその娘をどうするかは俺に任すとのことだ。
娘を質に入れた父親か。
おそらく借金の証文はイシュタル預かりになるから、その時にどうするか問えばよいな。
少しばかり、この家族がどうするのか気になるしな。
しかし、父親か。
家族にとってどんな存在なのかイマイチ理解できないな。なにせスラム出身の俺には最初から記憶にないし、ヘスティア・ファミリアの連中もそんな感じだからな、
ベル→祖父はいたが両親不明。
リリルカ→ソーマに夢中で育児放棄の上に金を毟り取りダンジョンで死亡。
ヴェルフ→魔剣を作り、国に献上し家を盛りたてろと未だに連絡してくる。
カサンドラ・ダフネ→アポロンに強引に勧誘された時に手助けしてくれず絶縁。
バーチェ→アマゾネス国家出身の為、おそらく拉致られた被害者。
「命の親代わりのタケミカヅチだけが唯一マトモだったな」
その命とて口減らしされた孤児の為、実父のことは当人も記憶にないのだろう。
「立派な父親って中々いないもんだな」
というかヘスティア・ファミリアメンバーの父親運が無さすぎなだけかもしれない。
俺は冷や汗をかきながら、『エルドラド・リゾート』に行く準備を整えるのであった。
ちなみに同行者はアイシャである。
イシュタルの使いならばフリュネかなと思ったが、彼女は体型的にカジノの椅子に座ることができないからだとか。
今話は、ゼノンとイシュタルの話でした。
感想でのご意見、大変参考になりました。
いや本当にツッコミどころ満載な夫婦とリューさんの行動ですね(笑)。
とりあえず素性バレしたテッドの末路は、ブラックラグーン的なことになります。
実務能力を考えたら勿体ないてすが、まあ面子が大事なのが裏社会ですから。
復讐者リューさんが、イシュタル関係者に手を出したのはオリジナル設定ですが、有り得そうではあるかなと。
だからイシュタルはリューさんにも関わりたくありません。
夫婦については、ゼノンもとい娘さんの決断しだいになるかなと。
とはいえ今話でどうするかは殆ど書いてしまいましたが。
動く前にどうするか決めるのが話し合いですし。
キャラの正論論破は作者が苦手なのでリューさん相手にやらないかなと。というか作者は論破なんかで人が変わることに期待できないので。
カジノに嵌められた夫婦の娘を助ける話。
書いてみたら厄介だなと感じました。
ただ、これは正義をかかげる存在より、ルパン三世みたいな愉快な悪党がすれば、もっと気持ち良い話だったのかなと思います。
いや原作もリューさんの過去を絡めた良い話でしたけどね。父親改心して優しいエルフに感謝して親子仲良く暮らせましたし。