ヒロインが怖いので逃げまくろうと思います   作:石油爆発

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オデ、感想、ウレシイ


#2

「いやぁ、相当面白いなこのゲーム。」

 

かれこれ始めて早1週間。

彼は順調にレベルを上げつつ、NWOの世界観を満喫していた。

 

今は部屋でNWOの情報を携帯で探っているところだった。

すると、携帯の上側に通知バーが顔を出す。

 

ピロン!

 

「ん?楓からだ。なんの用だろ。」

 

『お兄ちゃん、もうゲーム届いた?約束忘れてたりしないよね?』

 

「…………。」

 

………。

 

「詰んだか?」

 

到着したゲームを前に興奮した彼は

楓との約束を完全に忘れ思いっきりプレイしてた。

 

彼が詰んだという理由は

今どきのゲームのセーブデータは端末ではなく

ゲームの運営が管理するため

自分で消すことはできないからである。

 

故に

「ごめ〜ん!届いてたけどまだしてなかった♪今からやろーよ!」

「もぉ、しょうがないなぁお兄ちゃんは♪」

なんていう免罪符が使えないのだ。

クズである。否、ゴミである。

 

「遺書でも書いとくかなぁ。さーて紙とロープと……。」

 

「なんの準備?」

 

「ん〜?殺される前に首括っとこうかなぁっ、て……。うわぁああ!!」

 

「やだ!お兄ちゃんが自殺するくらいなら私が殺してあげる!!」

 

まさかの2話連続でドッキリ登場である。

 

「そこ食いつくのかよ!つかなんで毎度毎度急に出てくるんだよ忍者か!」

 

「まぁ屋根裏に住んでるし。それより楓に謝っといたら?」

 

「どっから聞いてたんだよ。でもやっぱそうだよなぁ。」

 

「楓は優しいからちゃんと謝ったら許してくれるって!」

 

「ん〜、まぁ隠しようがないから覚悟決めるかぁ。」

 

「ん!頑張りたまえ!」

 

「で、なんか用か、理沙。」

 

「え?あぁ、お兄ちゃんが大学で仲良さそうに話してた女とどういう関係なのかなって。」

 

「」

 

「なんで黙るの?もしかしてお兄ちゃん浮気してる?そんなの許さないからね?絶対。お兄ちゃんには私だけでいいの。他の女と話す必要無いんだよ?お兄ちゃんの目に映るのは私だけでいいの。」

 

理沙が彼の目と鼻の先に顔を近づける。

座っていた彼の膝の上に跨り、向き合い、首の後ろへ腕を回す。

 

「私の事だけ考えて。私だけを見て。私のそばにいて。大好き。愛してる。私だけのお兄ちゃん。」

 

 

 

 

 

 

 

「………屋根裏?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ、理沙怖すぎない?」

 

あの手この手を使いなんとか理沙から逃げた彼は

しばらくしてゲームを始めていた。

 

「まぁ、済んだことは忘れてレベリングしますか!」

 

この男。実に、いや本当にバカである。

今しがた思い出し、楓に謝ると決めた矢先にこの始末である。

そう、また忘れているのである。

ここまで来るといよいよ本当のカス人間である。

 

「今日はっ♪なっにを♪狩ろっかな〜♪」

 

狩られてしまえ。

 

 

 

 

 

 

 

数分後。

 

「ああああああああぁぁぁ!!!!」

 

「コロス、コロス……。」

 

「スライムが喋ったぁぁ!?つかなんなんだよこいつら!打撃効かないんですけど!?無理無理無理!!!」

 

「カカッタ……。」

 

「え?」

 

追い回された先。

そこには断崖絶壁。

崖のちょっとした段差からスライムの仲間らしきモンスターが顔を覗かせている。

 

「コロス」

 

ざまぁ

 

「ん〜、敵しかおらん。」

 

【HPが0になりました。リスポーンします。】

 

「あっちゃ〜、死んじゃったかぁ。」

 

リスポーン地点。

噴水の前で目を覚ました彼は仰向けになって寝転んでいた。

 

「俺の弱点だよなぁ。打撃しかないってのは。どうしたもんかねぇ。」

 

目を閉じて唸る。

どう考えてもレベルアップだけじゃ難しいような気がする。

しかし、彼は脳筋。

攻撃が通じなかったのは、威力、角度、属性などと

訳の分からない考察を始めている。

 

「あの〜……。」

 

そこに話しかける物好きな少女が1人。

 

「え?」

 

目を開いて確認するとそこには黒い鎧をまとい、

大盾を背負う知り合いによく似たプレイヤーがいた。

 

「お兄ちゃん?」

 

「人違いでは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無理無理無理ぃぃ!!死ぬ死ぬ死ぬぅぅぅ!!」

 

「大丈夫だよ〜!ちょっとヒリっとするぐらいだよ!だから止まってよ〜!」

 

「嘘つけ!知ってんだぞ!第1回イベントでその毒竜で圧倒してただろうが!俺は耐性も無ければ防御に振ってもないの!」

 

「元はと言えば私との約束を忘れたお兄ちゃんが悪いんだよ!大人しくお縄につけ〜!」

 

「へっ、メイプルの遅さで捕まるかよ!じゃあなっ!」

 

「うぅっ、逃がさないよっ!【毒竜】!」

 

「えっ?ちょっ!うぎゃァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかの本日二度目のリスポーン。」

 

「えへへ、まさか倒しちゃうとは思わなかったよ。」

 

「いやでもごめんよ。」

 

「ホントだよ!私との約束は最優先なの!」

 

「マジ気をつけるわ。また毒浴びるなんてもう勘弁だし。」

 

「むぅ、反省してる?」

 

「してるしてる。してるから剣構えないで。」

 

ほっぺを膨らました彼女は

短刀を彼に向けて疑いの目を向ける。

一見、あっさり流しているように見える彼だが

実際のところは冷や汗ダラダラである。

背中なんてナイル川である。

 

「ギャグ滑ってますよ。」

 

黙れクソが!!

 

「何と喋ってるの?」

 

「いやいやこっちの話。気にしないで。ていうかその装備すごいよな。どこで手に入れたのさ。」

 

「ヒドラの洞窟だよ!倒したらゲットしちゃった!」

 

「なんか特別なアイテムでも使ったのか?」

 

「なっ!失礼だな!ちゃんと食べて倒したよ!!」

 

「へぇ。楓も案外ゲーム上手いんだな。初期の武器でよく倒せた………ん?なんて?」

 

「え?ちゃんと食べて倒したよって。」

 

「?????」

 

 

 

 

続く




次回、ヒロイン増えます。

ナレーター喋りすぎでは?
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