【書籍化決定】死にまくり女子高生の冥様は無自覚にゲームバランスを破壊する~運営さん、ただ死にたいだけなのにシステムが私の邪魔をしてくるんですがっ!!~   作:ミポリオン

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第047話 おいでませ、PKさん

「討伐部位を確認しました。お疲れさまでした」

 

 私たちは街に戻り、冒険者ギルドに報告を済ませた。

 

「今日はそろそろ落ちよっかな」

 

 セーラは今日が初めてのログイン。

 

 沢山毒死したり、クエストをこなしたり、隠しエリアに行ったり、PKに遭遇したり。本当に盛りだくさんの一日だった。

 

 精神的に疲れていてもおかしくない。

 

「分かった」

「それじゃあ、また明日学校で」

「了解」

 

 私はセーラがログアウトするのを見送った。

 

 私もそろそろ落ちるつもりだけど、その前にやることがある。それは運営に怨念メッセージを送りつけること。

 

 ITOのNPCはまるで人間のように行動する。その上、持っている力によってはプレイヤーに強制的に何かを強いることさえ可能だ。

 

 しかし、今回の件は流石に横暴が過ぎる。

 

 私はアラームがなるまでひたすらに怨念を書き綴った。

 

 

 

 

 

「おはよ」

「おはよ、昨日は楽しかったね」

「うん」

 

 翌日、晴愛と昨日のことを思い出しながら話をする。

 

 装備を強制的に別物にされたこと以外はおおむね楽しかった。でも、やっぱり死ねなかったことが一番の不満だ。

 

 せめて一日一回は死をキメたい。

 

「今日は何しよっか」

「毒系のアイテムが欲しい」

「何するの?」

「毒料理を作る」

 

 だから、いつでも死ねるアイテムがほしい。

 

 今の私が一番簡単に死ねるのは毒。特に私の血を混ぜた料理なら間違いなく死ねる。そのために料理を沢山ストックしておきたい。

 

「へぇ~、面白そう。今日は私が付き合うよ」

「いいの?」

「うん、毒料理も食べてみたいし」

 

 最悪今日は別行動でも仕方ないと思っていたけど、晴愛も手伝ってくれるならとても助かる。

 

「ありがと」

「いいって。私と冥の仲じゃない」

 

 感謝を告げると、晴愛はウインクで応えた。

 

 

 

 

 

「お待たせ」

 

 私とセーラは昨日と同じようにポータルの前で合流。

 

「ううん、待ってないよ。このままいくの?」

「冒険者ギルドでクエスト受けてこ」

「いいの?」

 

 毒アイテムを採集するついでにクエストをやるくらいそんなに手間じゃない。むしろ効率を考えれば、受けた方が良い。

 

「ついでだし」

「分かった」

 

 私たちは冒険者ギルドへと向かう。

 

「ねぇねぇ、聞いた?」

「何を?」

「最近、PKが流行ってるらしいよ」

「マジで?」

 

 冒険者ギルドに入ると、一つの噂でもちきりになっていた。

 

 それはとある場所でPKが多発していること。なんでも、セーラのような第二陣の新規プレイヤーを標的にしてアイテムロストさせて弄んでいるらしい。

 

 胸糞悪いプレイヤーたちの噂話を聞きながら、私たちは依頼掲示板の前にやってきた。

 

「セーラ、これ受けよ」

 

 目を付けた依頼は、ダイス渓谷に出現するモンスターの討伐。

 

「はぁ……だと思った」

 

 その依頼を見たセーラが呆れた顔をする。

 

 それもそのはず。

 

 ダイス渓谷こそ、今回噂になっているPKが潜んでいる場所だから。

 

「ダメ?」

「いいよ」

「ありがと」

「気にしないで。私もちょうどPKをどうにかしたいと思っていたからね」

 

 流石ママ。私の事を分かってる。

 

 それと、セーラは面倒見がいいことから分かるように少し正義感が強い面もある。PK自体は否定しないけど、今回のPKのやり口は許せないみたい。

 

 私としては、ひとまず私を殺せるか試させてもらって、ダメならもっとPKを呼び集めるために殺《や》っちゃえばいいと思ってる。

 

 ダイス渓谷にも森とは違う毒系のアイテムが結構ある。だから、その採集のついでにモンスターを討伐する依頼を受けるのは何も問題ない。

 

 クエストを受けた私たちは渓谷へ。

 

 私はポータルでもいけなくないけど、セーラはダイス渓谷のポータルを登録していないので今回は歩きだ。

 

「へぇ~、ここがダイス渓谷なんだ」

「綺麗でしょ」

「そうだね、まるで日本みたい」

「分かる」

 

 数時間後、ダイス渓谷に着くと、セーラが私と似たような感想を呟く。流石腐れ縁。昔から一緒にいるせいか、感性も似ているところがある。

 

 早速ダイス渓谷に出現するモンスターをセーラが片っ端から討伐していく。

 

 ミストルティンには確実に命中するという『必中』スキルもついていて、攻撃を外すこともない。

 

「へっへっへっ」

「はっはっはっ」

「ふっふっふっ」

 

 しばらく採集しながらモンスターを倒していると、前回同様柄の悪そうなプレイヤーと出くわした。

 

 頭の上にドクロマークもあるし、この人たちが噂になっているPKだろう。

 

「あんたたち、ここで俺たちと会うなんてついてねぇなぁ」

「そう? ついてると思うけど」

「お前らデスペナ受けるんだぞ? アイテム無くすぞ?」

「いいよ。元々殺してもらいに来たんだし」

「何を馬鹿なことを。お前ら、やるぞ」

「「「おうっ」」」

 

 私の言葉が鼻についたのか、PKさんたちが私たちに襲い掛かってきた。

 

「何かした?」

「バカな……お前、何もんだ?」

 

 でも、前回のPK同様私にダメージを与えられない。全く拍子抜けだ。

 

「知らなくてもいいよ、すぐ死ぬから」

「あっ?」

 

 私が返事してすぐPKさんの一人がセーラに眉間を打ち抜かれた死んだ。

 

「てめぇら、よくも!!」

「死ねぇ!!」

「逃げられると思うなよ!!」

 

 他の仲間たちも一斉に私たちに襲い掛かってくる。でも、全て私が足止めしている間にセーラが眉間を打ち抜いてあっさりと全滅。

 

 私たちはダイス渓谷に居座り、PKさんたちが現れなくなるまでPKさんを殺し続けた。





いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

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