【書籍化決定】死にまくり女子高生の冥様は無自覚にゲームバランスを破壊する~運営さん、ただ死にたいだけなのにシステムが私の邪魔をしてくるんですがっ!!~ 作:ミポリオン
「あ、本当に実在したんだ……」
「でしょ?」
セーラが目を覚ました後、サクラがフレンドを送ってみることに。その結果、フレンド申請はきちんと認識できたみたい。
これでホッと一安心。
「よろしくお願いします……あっ、メッセージきた」
セーラがサクラが座っている場所に軽く頭を下げると、サクラがメッセージで返事をしたらしい。
メッセージ機能も問題ない。システム的には認識できるみたいだね。
「今日はどうするの?」
「いけるところは大体行ったよねぇ」
「多分」
はじまりの街周辺で死ねるような場所は大体巡ったと思う。
「それでは、アルヴヘイムに行ってみるのはどうじゃ?」
「「アルヴヘイム?」」
ニアの言葉に私たちは首を傾げる。私しかちゃんと見えてないと思うけど、サクラも同じだ。
「門番が言っておったであろう。エルフの国が呼んでおると」
「そういえば、そんなこと言ってたね」
「忘れてた」
どう考えてもイベントフラグだったやつ。それよりもやりたいことがあったから後回しにしてた。
「いつでもいいと言っておったから急ぐ必要はないが、他にやることがないのであれば、行ってみてもいいかと思っての」
「私は別に行ってもいいよ」
セーラはすぐに賛成する。
「ニア、一つ聞きたいことがある」
「なんじゃ?」
「アルヴヘイムに死ねる場所はあるの?」
結局、私にとって大切な部分はそこだ。
今の私の耐性を貫いて死ねる場所、もしくは耐性のないダメージを受けられる場所、それがアルヴヘイムにあるのかどうか。
ないのであれば、あまり興味がない。セーラに付き合うにしろ、ついでに死ねる場所があったのがいい。
「なんじゃと!? こやつは何を言っておるのじゃ!?」
ニアが驚いて立ち上がる。
「ニア、メイはこの世界で沢山死にたいんだって。ちょっと変わってるからもしれないけど、許してあげてね」
「全く、神々の加護があるからと言って何度も死にたいとはどういうことじゃ? ちょっと変わってるどころではなかろう。まぁ、だからこそ、ワシが今ここにおるのかもしれぬが」
ニアはソファにドシンと腰を下ろし、腕を組んで目を瞑る。
「それでどう? ある?」
「うーむ、そうじゃのう。アルヴヘイムの森には毒が溢れているが、お主は毒は効かなそうじゃしなぁ……おっ、そうじゃ、確か極寒のダンジョンがあったはず。それくらいかのう」
極寒ダンジョン……つまり、氷系統の魔法や凍結系の状態異常なんかで死ねるかな。それなら楽しそう。
「そのダンジョンに行きたい」
「招待されておるんじゃ。行くくらいどうにかなるじゃろ」
「それじゃあ、アルヴヘイムに行くってことで」
「「「おーっ」」」
私たちはアルブヘイムに行くことになった。
「それでニア、アルヴヘイムはどこにあるの? どうやって行くの?」
私たちはニアの先導ではじまりの森にやってきている。
「アルブヘイムはこことは異なる次元に隠蔽されておる。以前人間や他の種族といざこざが起こってな。それ以来、勝手に侵入できぬように別次元へと隔離したのじゃ。そんで、アルヴヘイムに行くためには、妖精たちが作るフェアリーリングを利用するのが一般的じゃ」
フェアリーリングは妖精が躍った後にできる痕跡で、芝生が円状に生い茂ったり、キノコが円状に生えたりする。
それがいろんな森の中にあるらしい。
「そんなに簡単に行けるの? そういう話は聞いたことないよ?」
「勿論、誰でも行き来できるわけではない。数人以上のエルフがいなければ、人を通すほどフェアリーリングの力を増幅できまい。お主たちのような異邦人の森人族ではなく、この世界固有のな。まぁ、お主達にはワシがおるゆえ問題あるまいて。弱体化したが、それくらいは可能じゃ」
「なるほどねぇ」
私たちはニアの説明を受けながらはじまりの森でフェアリーリングを探していく。
「これは?」
「それはただもさもさキノコが生えてるだけじゃな」
「こっちは?」
「綺麗に出来ておるが、たまたま出来たやつじゃ」
私とセーラがいくつか他とは違った箇所を怪しい場所をニアに確認してみるけど、即否定されてしまった。
『これはどうでしょうか?』
サクラも見つけたらしく、私とセーラにメッセージを送ってくる。
見に行くと、なんだか神秘的な雰囲気を放っていて一番それっぽい。
「おうっ、これこれ、これじゃ」
ニアに確認すると、案の定、フェアリーリングだった。
「それじゃあ、待っておれ……■■■■■■■■■■■■■■■」
ニアが先頭に立ち、浮かび上がって何やら聞きなれない言葉を唱えると、フェアリーリングの上に渦のようなものが出現。
その先にこことは違う景色が映っていた。
「あれが、アルヴヘイム。綺麗ね……」
その光景にセーラがウットリとした表情で見惚れている。
今まで見てきたゲーム内のどの景色よりも圧倒的な大自然を見下ろす眺望は、私の心を震わせた。
「ワシは、この世界のエルフではないが、一応こういっておこうかの、ようこそ、アルヴヘイムへ」
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