ある旅の男は言った。
剣と魔法を使い、魔族達を倒した少女がいると。
ある魔法使いの女は語る。
無限の魔力を持ち、赤黒い鎧を纏って戦う剣の魔法使いがいると。
ある吟遊詩人は歌う。
少女の魔法の剣はどんな化物も切り裂くと。
剣の魔法使いの少女。名は……カンネ。
人は彼女を……《魔剣のカンネ》と呼ぶ。
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魔族達と戦いから一ヶ月。
私は刀で素振りをしていた。
汗を流しながら、何度も何度も剣を振るう。
「九千九百九十八……九千九百九十九……一万!」
一万回、剣を振るった私は剣を地面に突き刺し、はぁはぁと息を漏らした。
そんな時、白いタオルが飛んできた。
私はタオルを受け止め、飛んできた方向に視線を向ける。
「ラヴィーネ」
タオルを投げてきたのは私の友達―――ラヴィーネだった。
「いつからいたの?」
「三十分ぐらいからかな」
「全然気づかなかったな」
私はタオルで顔に浮かんだ汗を拭く。
「ずいぶん集中していたな」
「まぁ……ね」
「一応言っておくが……あれはお前のせいじゃないぞ」
「……うん。分かってる。でも……やっぱり考えちゃうんだ。もっと強かったらって」
あの時……街が魔族に襲われている時、私がもっと早く動けていれば……もっと強ければ早く倒せた。
そうすれば街の人達も死なずに済んだ。
どうしても……そう考えてしまう。
「お前のおかげであれぐらいの被害で済んだんだ。だから気にするな」
「うん……ありがとう。心配してくれて。私は大丈夫だから」
私はもう一度剣を構え、再び素振りを再開した。
今よりももっと強くならないといけない。
今よりも…もっと……もっと強く。
「絶対に強くなる」
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それから私は新たな技―――魔剣技を生み出した。
アニメ知識を使って作ったオリジナル剣技。
それを実戦で試すことにした。
「今日はとんでもない魔物が現れたね」
森深くまでやってきた私はある魔物と出会った。
その魔物はとてつもなく大きく、三つの頭を持つ犬型魔物。
ケルベロスだ。
「さて……新しい剣技はどんな感じかな」
私は鞘に収まっている刀を握り締め、構える。
「「「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」
ケルベロスは耳を塞ぎたくなるような雄叫びを上げながら、爪を振り下ろした。
強烈な爪撃を受ける直前に、私は素早く…鞘から刀を抜く。
「魔剣技―――
私の居合切りはケルベロスの爪を片足ごと切断。
一本の足を奪われたケルベロスは充血した目で私を睨み、噛みつこうとした。
だがそれよりも早く、鋭い突きを放つ。
「魔剣技―――
鋭い剣の突きはケルベロスの右の頭を破壊した。
頭を一つ失ったケルベロスは危険を感じ、距離を取ろうとする。
だがそれよりも私は剣を振るう。
「魔剣技―――
嵐如き連続剣撃はケルベロスの左の頭を細切れにする。
二つの頭を失ったケルベロスは逃げようとする。
だけどそんなことはさせない。
私は剣を上段に構え、
「魔剣技―――
素早く、そして力強く振り下ろした。
速く、そして重い剣撃はケルベロスの身体を真っ二つにする。
私の攻撃で死んだケルベロスは黒い塵と化して消滅していく。
魔物を倒した私は刀を鞘に納め、その場を去る。
「強くなる……もっと……強くなってみせる」