魔剣のカンネ   作:グレンリアスター

14 / 60
新しい剣技

 ある旅の男は言った。

 剣と魔法を使い、魔族達を倒した少女がいると。

 

 ある魔法使いの女は語る。

 無限の魔力を持ち、赤黒い鎧を纏って戦う剣の魔法使いがいると。

 

 ある吟遊詩人は歌う。

 少女の魔法の剣はどんな化物も切り裂くと。

 

 剣の魔法使いの少女。名は……カンネ。

 

 

 

 

 人は彼女を……《魔剣のカンネ》と呼ぶ。

 

<><><><>

 

 魔族達と戦いから一ヶ月。

 私は刀で素振りをしていた。

 汗を流しながら、何度も何度も剣を振るう。

 

「九千九百九十八……九千九百九十九……一万!」

 

 一万回、剣を振るった私は剣を地面に突き刺し、はぁはぁと息を漏らした。

 そんな時、白いタオルが飛んできた。

 私はタオルを受け止め、飛んできた方向に視線を向ける。

 

「ラヴィーネ」

 

 タオルを投げてきたのは私の友達―――ラヴィーネだった。

 

「いつからいたの?」

「三十分ぐらいからかな」

「全然気づかなかったな」

 

 私はタオルで顔に浮かんだ汗を拭く。

 

「ずいぶん集中していたな」

「まぁ……ね」

「一応言っておくが……あれはお前のせいじゃないぞ」

「……うん。分かってる。でも……やっぱり考えちゃうんだ。もっと強かったらって」

 

 あの時……街が魔族に襲われている時、私がもっと早く動けていれば……もっと強ければ早く倒せた。

 そうすれば街の人達も死なずに済んだ。

 どうしても……そう考えてしまう。

 

「お前のおかげであれぐらいの被害で済んだんだ。だから気にするな」

「うん……ありがとう。心配してくれて。私は大丈夫だから」

 

 私はもう一度剣を構え、再び素振りを再開した。

 今よりももっと強くならないといけない。

 今よりも…もっと……もっと強く。

 

「絶対に強くなる」  

 

 

<><><><>

 

 それから私は新たな技―――魔剣技を生み出した。

 アニメ知識を使って作ったオリジナル剣技。

 それを実戦で試すことにした。

 

「今日はとんでもない魔物が現れたね」

 

 森深くまでやってきた私はある魔物と出会った。

 その魔物はとてつもなく大きく、三つの頭を持つ犬型魔物。

 ケルベロスだ。

 

「さて……新しい剣技はどんな感じかな」

 

 私は鞘に収まっている刀を握り締め、構える。

 

「「「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」

 

 ケルベロスは耳を塞ぎたくなるような雄叫びを上げながら、爪を振り下ろした。

 強烈な爪撃を受ける直前に、私は素早く…鞘から刀を抜く。

 

「魔剣技―――月光(げっこう)

 

 私の居合切りはケルベロスの爪を片足ごと切断。

 一本の足を奪われたケルベロスは充血した目で私を睨み、噛みつこうとした。

 だがそれよりも早く、鋭い突きを放つ。

 

「魔剣技―――死天(してん)

 

 鋭い剣の突きはケルベロスの右の頭を破壊した。

 頭を一つ失ったケルベロスは危険を感じ、距離を取ろうとする。

 だがそれよりも私は剣を振るう。

 

「魔剣技―――闇嵐(やみあらし)

 

 嵐如き連続剣撃はケルベロスの左の頭を細切れにする。

 二つの頭を失ったケルベロスは逃げようとする。

 だけどそんなことはさせない。

 私は剣を上段に構え、

 

「魔剣技―――天魔(てんま)

 

 素早く、そして力強く振り下ろした。

 速く、そして重い剣撃はケルベロスの身体を真っ二つにする。

 私の攻撃で死んだケルベロスは黒い塵と化して消滅していく。

 魔物を倒した私は刀を鞘に納め、その場を去る。

 

「強くなる……もっと……強くなってみせる」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。