転生してから一年が経った。
新しく作り出した魔法をうまく扱えるよう毎日修行をしている。
筋トレや走り込み、剣の練習を欠かせていない。
そして森で魔物と戦い、戦闘技術も磨いている。
おかげで魔法の扱いがうまくなり、前より動けるようになった。
ただ一つだけ、問題があった。
それは剣の腕があまり上達していないということ。
魔法は才能があったからなんとか上達しているんだけど、剣はなかなか成長しない。
どうやら私にはあまり剣の才能がないみたい。
だけど諦めるつもりはない!
「でも……やっぱり教えてくれる人がいてくれたら」
そう思いながら、魔法と剣の修行をしていた。
<><><><>
ある日、街に冒険者がやってきた。
その冒険者は剣を極めるために旅をしているそうだ。
名前はソーラ。若い女性。
一ヶ月ぐらい街に滞在するらしい。
その話を母から聞いた私はチャンスと思い、急いで木の剣を持ってソーラさんのところに向かった。
「ソーラさん!」
「ん?なにかしら?」
ソーラさんはとても美人だった。
海のように蒼い髪に蒼い瞳。無駄な脂肪がない鍛え抜かれた身体。そして大きなお胸。
まさに巨乳美人。
私は将来おっぱい大きくなれないから残念……。
「剣を教えてください!」
「あなた……剣士になりたいの?」
「はい!魔法剣士になりたいんです!」
「魔法剣士?聞いたことないわね」
この世界では魔法使いか戦士しかいない。
その理由はどちらかを極めたほうが強いからということだ。
魔法剣士はいい意味では万能。だが悪い意味では中途半端。
どちらもやるよりも、片方を極めたほうが効率がいい。
分かっているよ、そんなこと。
でも私……諦められないの。
だって魔法剣士になりたいんだもん!
中途半端?片方を極めたほうが効率がいい?
知った事じゃない。
私は魔法剣士になりたいから、なりたいの!
「お願いします!剣を教えてください!」
私はソーラさんに頭を下げて、頼み込んだ。
「……ええ、いいわよ」
「!ありがとうございます!」
それから私とソーラ先生との剣の修行が始まった。
<><><><>
私はソーラ。
剣を極めるために旅をしている冒険者よ。
多くの魔物と戦い、時には別の戦士から剣を教わったりしている。
私は剣を愛している。
小さい頃からずっと。
だからこそ、私は今……驚いている。
初めてできた小さな弟子に。
「はぁ!…やぁ!」
「もっと踏み込んで」
「はい!」
私は今、幼い女の子―――カンネと剣の稽古をしていた。
木の剣で打ち合いを繰り返す。
このカンネは私に剣を教えてくれと頼み込んだので、私は了承し、剣の修行をしている。
彼女の剣を見て、分かったことが二つ。
一つは剣の腕は平凡だということ。
身体能力は毎日鍛錬しているからか、普通の子供よりは高い、
だが剣の扱いはうまくもなければ下手でもない。
そして二つ目がカンネの剣技が異常だということ。
今まで多くの剣技を見てきたけど、カンネの剣技は見たことない。
鋭く速い連続の刺突を放つかと思えば、身体を回転させ強力な一撃を放つ。
一つ一つの技が私の予想を超える。
誰に教わったのと聞くと、カンネは「物語に出てきたのをマネしました」と答えた。
まさか物語の出てくる技を再現するなんて思いもしなかった。
間違いない。
カンネは剣の才能はないけど、強い剣士になれる。
基本を教えれば、自分で勝手に成長するだろう。
将来が楽しみだわ。
<><><><>
ソーラ先生との剣の修行は最高だった。
前よりも剣の腕が成長したのが分かる。
おかげで前より強くなった。
だけど一ヶ月はあっという間に過ぎ、ソーラ先生は旅経つ日がやってきた。
「お別れだね、カンネ」
「はい。短い間でしたが、お世話になりました」
「ふふふ、私も楽しかったわ。そうだ……あなたにプレゼントがあるの」
ソーラ先生は鞄から二本の短剣を取り出し、私に渡した。
「ソーラ先生、これは?」
「これは私が昔使っていた短剣。今は長剣で戦っているけど、昔は短剣二本で戦っていたの。きっと役に立つわ」
「くれるんですか」
「ええ。かわいい弟子にプレゼントよ」
ソーラ先生は私の頭を優しく撫でる。
「じゃあね、カンネ。またどこかで」
「はい!ソーラ先生もお元気で!」
この日、ソーラ先生と別れた後、誓った。
いつか必ず、私の名前がソーラ先生の耳に聞こえるぐらい有名な魔法剣士になろう。
読んでくれてありがとうございます。
面白いと思ったら高評価をお願いします。