試験が始まってから一時間後、私は森の中に入った。
さて……今日は試験官として魔法使いたちを捕まえないといけないね。
だけどただ探すだけじゃあ、時間が掛かる。
なので……少しズルをすることにした。
「“
私は魔法を発動し、地面に蒼い魔法陣を展開。
その魔法陣から水でできたネズミが五十匹ほど現れる。
「お願いね」
私の言葉を合図に、水のネズミたちは動き出した。
探索型水系魔法、“水の動物を生み出す魔法”。
水の動物を生み出し、周囲を探索させる私オリジナル魔法。
水動物たちが見たものを私は見ることができる。
分かりやすく言うとドローンみたいな役割を持つ。
「見つけた」
私の視界に魔法使いたち三人の姿が映る。
どうやら水ネズミの一匹が魔法使いを見つけたみたい。
「“
私は魔法を発動し、背中と足の裏から水を噴射。
噴射の反動で森の中を拘束に移動する。
木を避けながら高速移動すること数十秒。
男魔法使い三人を私は自分の目で見つけた。
まだ魔法使いたちは私に気付いていない。
「“
私は三本の長い水の縄を生み出し、魔法使い三人に目掛けて飛ばした。
水の縄は魔法使い三人の身体に巻き付き、身動きを封じる。
「なっ、これは!」
「はい、あなたたちは失格ね」
そう言って私はその場から去った。
「次は……あっちか」
別の水ネズミが見つけた魔法使いたちのところに私は向かう。
次の魔法使いパーティーは女二人とおじさんが一人……か。
見た感じ熟練者に見えるけど……私の敵じゃない。
「あれか」
魔法使いたちを自分の目で確認した私は、杖を構えて突撃する。
「!来たぞ」
魔法使いのおじさんが私に気付き、杖を構えた。
そして風の刃を放つ。
迫りくる風の刃を私は紙一重で躱し、おじさんに接近する。
「遅いよ」
私は杖でおじさんの足を払い、地面に転ばせる。
驚愕する女性の魔法使い二人。
二人が驚いている間に、私は魔法を素早く発動する。
「“
三人の魔法使い足元に青い魔法陣が出現。
その魔法陣から水の檻が現れ、彼らを閉じ込める。
「これが一級魔法使い!?」
「こんなの無理よ!」
魔法使いたちが悔しそうに顔を歪める。
ごめんね。これも試験だから。
「これで二つのパーティーを失格することに成功。さて次は……」
私の視界に、水ネズミが見ている映像が流れ込んできた。
「へぇ……思ったより早く見つけちゃった」
私は杖を強く握り締めた。
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第二パーティーであるフリーレンとラヴィーネ、ララは森の中を一時間ぐらい歩いていた。
「さてシュティレをどうやって捕まえよう」
「普通に捕まえればいいんじゃないか?」
「いや、シュティレはとても頑丈で音速を越えた速度で飛ぶんだよ」
「なんだよそれ。誰が捕まえれんだよ」
フリーレンとラヴィーネがどうやってシュティレを捕まえるか話し合っていると、
「あ、あの!シュティレを捕まえるの……私にならできます」
ララが少し恥ずかしそうにそう言った。
彼女の言葉にフリーレンとラヴィーネは「え?」と目を丸くする。
「どうやって?」
「ええっと……ちょっと待ってください」
ララが杖を天に掲げると、彼女の足元に茶色の魔法陣が出現する。
「おいで」
優しい声でララが呟いた。
するとオレンジ色の小さな小鳥―――シュティレが四羽が現れ、ララの肩と頭に乗った。
「少しの間だけ……この中に入って」
ララの言葉が通じたのか、彼女が持っていたカゴの中にシュティレたちが自分から入った。
「おお……すっげぇ」
「こんな魔法があるんだ」
ラヴィーネとフリーレンはパチパチと拍手する。
「えへへ。“動物にお願いできる魔法”……です。四羽ぐらいシュティレが入りましたが、三羽は逃がしますか?」
「そうだね。そのほうが……!ララ、その場から離れて!」
フリーレンが叫んだ次の瞬間、背中と足の裏から水を噴射して高速接近するオレンジ髪の魔法使い―――カンネが現れた。
カンネの手がララに触れようとした。
その時、
「させるか!」
ラヴィーネはララとカンネの間に氷の壁を生み出した。
カンネは素早く距離を取り、ラヴィーネを見つめる。
「へぇ~……魔法の腕、随分上がったね。ラヴィーネ」
「まぁな」
ラヴィーネは剣を鞘から抜き、構える。
「見逃してくれないか?カンネ」
「ダ~メ。今の私は試験官。手加減するわけにはいかないんだよね」
カンネは杖を構え、オレンジ色の瞳を怪しく輝かせる。
「さぁ……久しぶりにどっちが強いか戦おうか」
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