魔剣のカンネ   作:グレンリアスター

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《水魔のカンネ》狩り1

 森の中、第十三パーティーの三人の魔法使いはシュティレを探していた。

 先頭を歩く髭を生やした老人―――デンケンは足を止める。

 

「どうしたの?」

 

 髪をお団子にしている少女—――ラオフェンはデンケンに尋ねた。

 

「誰か……いるな」

 

 その言葉を聞いた背の高い三十代ぐらいの男性—――リヒターは地面に手を当てる。

 

「待って。こちらに敵対の意思はないよ」

 

 そう言って木の影から銀色の髪を伸ばしたエルフの女性が現れる。

 彼女は両手を挙げていた。

 

「《葬送のフリーレン》か……」

「私のことを知っているんだ」

「儂らの世代でその名を知らぬ魔法使いなどいない。直接この目で見るのは初めてだが……一目見て確信した。お前は勇者一行の魔法使いフリーレンだ。それで……そんなやつがわしらになんの用だ?」

「交渉をしに来た」

「交渉?」

 

 フリーレンは頷いて、「出てきて」と呟いた。

 すると木の影から腰に剣を差した少女とカゴを持った少女が現れる。

 少女が持つカゴには小さな鳥―――シュティレが四羽が入っていた。

 

「私たちはシュティレを四羽を持っている。そのうち一羽をそっちにあげるから……私達と手を組んでほしい」

「……なぜだ?」

「《水魔のカンネ》。あれはやばい。遥かに私よりも強いし、このままじゃあ試験を受けた人が全員、カンネに捕まって失格になる。さっき膨大な魔力を感じなかった?」

「ああ……とてつもない魔力を感じた。思わず肝を冷やしたわい」

「その魔力の正体はカンネだよ」

「!!」

「私達はこの試験を合格するために、他のパーティーと手を組むことにしたの。だから協力してほしい」

 

 デンケンは自分の髭を触りながら、考えた。

 

「いいだろう。儂らは手を組む」

「交渉成立だね」

 

 フリーレンとデンケンは握手した。

 その時、

 

「その話……俺らも加わらせてくれよ」

 

 男の声が聞こえた。

 フリーレンとデンケンは素早く杖を召喚し、構える。

 彼らの視線の先にいたのは大きな石の上に座った白髪の男。

 白いロングコートを羽織っており、彼の目は刃の如く鋭い。

 石の上には茶色の髪を伸ばした少女と若い黒髪の男がいた。

 全員、服がボロボロになっており、先ほどまで戦闘をしていたのが分かる。

 

「君たちは?」

「第八パーティーのヴィアベル。こっちの女がエーレで、こっちの男はシャルフだ」

「俺らも加わらせてくれって話だけど……その様子だとカンネにやられたみたいだね」

「ああ……正直、死ぬかと思った。なんとか捕まらずに逃げられたが……あれはやばい。明日まで捕まらずに済む自身がねぇ」

「……いいよ。一緒に試験をクリアしよう」

「おう」

 

 フリーレンたちはシュティレを第十三パーティーと第八パーティーに渡した。

 

「これ九人の魔法使いが集まった。あとは……もう一つのパーティーと手を組めれば」

 

 フリーレンがそう思っていた時、

 

「フリーレン様?」

 

 少女の声が聞こえた。

 声が聞こえた方向に視線を向けると、そこには紫髪の少女—――フェルンがいた。

 フェルンの後ろには眼鏡を掛けた少年と緑髪をサイドテールにした少女の姿がいる。

 

「フェルン……ちょうどいいタイミングだね」

「なにを言っているのです?」

「実はね……」

 

 フリーレンはフェルンに事情を説明した。

 

「というわけなんだ」

「なるほど……分かりました。私達も協力します。お二人もよろしいですか?」

 

 フェルンが同じパーティーである眼鏡少年—――ラントと緑髪少女—――ユーベルに尋ねた。

 

「まぁ……合格するためだからね。僕は良いよ」

「私もいいよ~」

 

 了承した二人にフェルンは「ありがとうございます」と感謝を述べた。

 

「じゃあ、フェルン達にもシュティレを渡すね」

 

 フリーレンはシュティレの一羽をフェルン達に渡した。

 

「さて……次は作戦を考えよう。どうやってカンネを倒す?」

 

 フリーレンの言葉を聞いて、他のみんなは考えた。

 相手は一級魔法使い。

 数で圧倒しているからと言って、楽に倒せる相手ではない。

 みんなが考えていると、ラヴィーネが手を挙げた。

 

「カンネを倒す方法……一つあるぞ?」

 

 みんなの視線がラヴィーネに向く。

 

「教えて。ラヴィーネ」

「あいつは魔力を無限にする魔法が使える。だが魔力を無限にできるのは一分だけ……それからは動けなくなる」

「つまり一分間だけ耐えれば」

「ああ。勝てる。ただ……その一分間はアイツはほぼ無敵状態だ」

「それでもみんなで協力すれば勝てるよ」

 

 フリーレンとラヴィーネが話し合っている時、

 

「ふぅ~ん……他のパーティーと協力して私を倒そうとするんだ。いい考えだね」

 

 空から少女の声が聞こえた。

 魔法使い全員、杖を構え、空を見上げる。

 彼らの上には、自分達を見下ろすオレンジ髪の少女が浮かんでいた。

 

「カンネ!」

 

 ラヴィーネは鞘から剣を抜く。

 

「バカな……空には魔物がいたはず」

 

 デンケンが驚いていると、カンネは大したことが無かったように答える。

 

「ああ……邪魔だったから全部、倒したよ。そ・れ・と……一ついいことを教えてあげる」

「いいことだと?」

「あなたたち以外の魔法使いは……全員、私が捕まえて失格しちゃった」

 

 カンネの言葉を聞いて、フリーレンたちは驚愕する。

 

「私を倒して合格するか、それとも私に捕まって不合格になるか……どっちだろうね」

 

 カンネは瞳を怪しく光らせて、杖を構える。

 

「さぁ……受験者さんたち。戦おうか」




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