「さぁ……受験者さんたち。戦おうか」
その言葉を告げたカンネは魔法を発動する。
「“
次の瞬間、彼女の身体からオレンジ色の粒子が発生した。
膨大な魔力を感じ取った魔法使いたちは、冷や汗を流す。
「全員、攻撃開始!」
デンケンの言葉を合図に魔法使いたちは魔法で攻撃を開始した。
石や炎の球、白い光線などの魔法攻撃が一斉にカンネを襲う。
しかしカンネに焦りはなかった。
むしろ余裕の表情を浮かべている。
「“
カンネは静かな声で魔法名を告げた。
直後、彼女を中心に大きな水の竜巻が発生。
水の竜巻は襲い掛かる魔法攻撃全てを消し飛ばす。
「なんじゃと!?」
デンケンは驚愕した。
そして彼だけでなく、他の魔法使いたちも驚く。
まさか全ての攻撃を無効化されるとは誰も思わなかったから。
やがて水の竜巻が収まると、そこにいたのは水のドレスを着た一人の少女。
頭に水の王冠を乗せており、彼女の周りには水の球がいくつも浮かんでいた。
まさにその姿は水の女王。
カンネから放たれる存在感に誰もが息を呑む。
「ラヴィーネ。他のパーティーと組めば私に勝てると思ってた?数で押せば勝てると思ってた?フフ、フフフフフフフ、アハハハハハハハハハハハハハ!!」
顔に手を当てて笑い声を上げるカンネ。
彼女の笑い声を聞いていた魔法使いたちは、嫌な予感を感じた。
やがてカンネの笑い声はピタリと止まり、無表情で……冷たい目で受験者たちを見下ろす。
「舐めないでよ。私を」
そう言ってカンネが杖を振るった。
するとなにもないところから巨大な水の塊がいくつも出現。
その水の塊は巨大な虎や狼、竜などへと形を変える。
五体の水の化物が現れ、魔法使いたちは目を大きく見開く。
「“
カンネは別の魔法を発動。
空中にいくつもの水の塊が現れ、その水の塊はカンネの姿へと変わる。
その数……百人。
「嘘でしょ」
フリーレンは首筋から汗を垂らす。
圧倒的な敵の数に……彼女は言葉を失う。
千年以上も生きてきたフリーレンは、カンネのような
(これが……《水魔のカンネ》。とんでもないね)
フリーレンは頬を引き攣った。
「行って」
カンネは静かにそう命令した直後、水の怪物と水のカンネたちは魔法使いたちに襲い掛かった。
魔法使いたちは魔法攻撃で迎撃する。
しかし、魔法攻撃を受けた水の怪物と水の分身達はすぐに再生し、襲い掛かる。
「クソ!」
「くっ!」
「きゃあ!」
魔法使いたちは水の怪物と水の分身達と激しい戦闘を繰り広げる。
爆発音、切り裂く音、打撃音……激しい戦闘音が森に響き渡った。
そんな中でラヴィーネは冷気を纏った剣で水の分身達を凍らせ、切り裂く。
「やっぱり……私の天敵はあんただね。ラヴィーネ」
カンネはラヴィーネの目の前にゆっくりと着地し、オレンジ色の瞳を怪しく光らせる。
「カンネ」
「ラヴィーネ……あんたは私が倒すよ」
「やってみろ」
冷気を纏った剣を構えるラヴィーネ。
空中に無数の水の槍を生み出し、杖を構えるカンネ。
二人の少女は睨み合い……そして動き出す。
「はぁ!」
ラヴィーネは地面を強く蹴り、カンネに突撃した。
迫りくるラヴィーネを倒すために、カンネは無数の水の槍を飛ばす。
ジグザグに高速に飛びながら、ラヴィーネに襲い掛かる無数の水の槍。
それを氷の魔法剣士は冷気を纏った剣で切り裂く。
「甘いよ!」
カンネは杖の先から圧縮された水のレーザーを放ち、素早く振るう。
いくつもの木を切り裂きながらラヴィーネに襲い掛かるウォータージェット。
それを跳躍して躱し、ラヴィーネはカンネに向かって剣を振り下ろす。
「やぁ!」
ラヴィーネの鋭い剣撃。
カンネは水の盾を生み出し、剣撃を防ぐ。
「次はこっちの番!」
カンネは杖で鋭い刺突を放った。
だがそれをラヴィーネは剣で受け流す。
激しい攻防を繰り広げるラヴィーネとカンネ。
彼女達は激しい戦いを繰り広げた。
(……残り数秒!)
ラヴィーネはカンネが“魔力を無限にする魔法”を発動してから、時間を数えていた。
カンネは一分を過ぎれば、自動的に“魔力を無限にする魔法”の効果が切れることを知っているから。
「よし!一分過ぎた!」
ラヴィーネは笑みを浮かべる。
他の魔法使いたちも勝利を確信した。
一分は過ぎた。これで勝てる。
誰もがそう思った。
しかし、カンネからまだ無限の魔力を感じていた。
「なっ!?」
「甘いよ、ラヴィーネ。あんたが成長しているように……私も成長したんだよ」
「なにを…言って……」
「私はゼーリエ様の弟子になってから“魔力を無限にする魔法”を改良し、さらに使いこなせるよう鍛錬した。その結果、私は……“魔力を無限にする魔法”を一分から三十分にまで使えるようになったの」
「な……なんだと!」
カンネの言葉を聞いて、誰もが驚愕した。
しかもまだそれだけじゃない。
「そして……三十分経っても、私は動けるし……魔力を一瞬で完全に回復させることができるの」
「!!」
ラヴィーネはただ……呆然とした。
三十分もの間、無限に魔力を使えるだけじゃなく、魔力を一瞬で回復させる。
もはや化物の中の化物。
「さぁ…ラヴィーネ。あんたが私を倒すか、それとも私があんたを倒すか……どっちだろうね?」
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