「ふ~ん……こっちに来るんだ」
水のネズミと視界を共有していた私は、これからのことを考える。
現在、ラヴィーネとフリーレン、フェルン、デンケン、ヴィアベルの五人で私のところに向かって歩いていた。
あと数分で、私のところに到着する。
今の私は二回も“魔力を無限にする魔法”を使って身体が疲労している。
“魔力を無限にする魔法”が使えるのは、あと一回だけ。
ここは慎重に、確実に勝つために逃げるのが一番。
身体を休ませて、明日に備えたほうがいい。
「だけどなんでだろう。……ここで逃げたくないんだよね」
ここで逃げて身体を休ませれば、明日は確実に受験者さんたち全員を捕まえることができる。
でも……ラヴィーネとの戦いから逃げたくない。
例え負けるかもしれなくても……私はラヴィーネと戦いたい。
「まったく……私はどうしようもなくラヴィーネのことが大好きみたいだね」
本当……どうしようもないバカだね。私は……」
「来るといいよ。私は逃げたりしない」
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森の中を歩いて数分後、ラヴィーネ達はカンネがいる場所に到着した。
カンネは石の上で座っており、杖を肩に掛けている。
「ようやく来たね。ラヴィーネ」
カンネはゆっくりと立ち上がり、ラヴィーネ達を見つめる。
彼女はオレンジ色の瞳を怪しく光らせて、不敵な笑みを浮かべた。
「カンネ……私達を待っていたのか?」
「うん。ラヴィーネと戦いたくてね」
「……戦えるのか?もう……“魔力を無限にする魔法”は使えないんじゃないのか?使えたとしてもあと一回……そうだろう?」
「……へぇ。よく分かったね。そうだよ。私は一日に“魔力を無限にする魔法”を使うことができるのは……三回だけ。それ以上は使うことはできず、動けなくなる」
「……なら、私達が勝つ可能性はある」
「勝たせると思う?」
カンネは杖を構え、魔法を唱える。
「“
彼女の身体からオレンジ色の粒子が発生した。
無限の魔力を宿したカンネは、さらに魔法を発動する。
「“
次の瞬間、カンネを中心に水の竜巻が発生。
水の竜巻が収まると、カンネは水のドレスを纏い、頭に水の王冠を乗せていた。
水の女王となった彼女は、告げる。
「さぁ……ラヴィーネ、そして他の受験者さんたち。私を倒せるものなら……倒してみて」
カンネは水の怪物達と水の分身達を生み出し、フリーレンたちに襲わせる。
フリーレンたちは魔法で迎撃し、ラヴィーネは剣を鞘から抜いて駆け出す。
冷気を纏わせた剣で水の怪物達と水の分身達を切り裂き、カンネに突撃する。
「カンネェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」
叫び声を上げながら、ラヴィーネは剣を振るう。
冷気を宿した剣撃を、カンネは杖で弾く。
そしてカンネは鋭い刺突を放った。
彼女の鋭い刺突を、ラヴィーネは剣で受け流す。
杖と剣が何度もぶつかり合い、金属音が鳴り響く。
冷気の剣撃を放つ魔法剣士と水の魔法と刺突で攻撃を繰り出す魔法使い。
二人は激しい戦闘をし、森の木や石を凍らせ、吹き飛ばす。
「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
舞うように剣を振るい、怒涛の連撃を放つラヴィーネ。
カンネは彼女の攻撃を防ぐことしかできず、反撃することができないでいた。
それが二十五分ぐらい続いた。
「くっ!」
額から汗を流しながら、顔を歪めるカンネ。
彼女の顔には焦りと疲労の色がうかがえた。
カンネは後ろに跳び、ラヴィーネとの距離を取る。
口からハァハァと荒い息を漏らし、彼女は顔に浮かんだ汗を拭う。
「カンネ。お前は強い。《水魔のカンネ》と呼ばれるのに相応しいぐらい……強い魔法使いだ。だけど」
ラヴィーネは剣の剣先をカンネに向けて、告げる。
「《魔剣のカンネ》の時のほうが……お前はすごかった」
「……」
「お前が《水魔のカンネ》でいるうちは、絶対に私には勝てない」
「……ふ~ん、言うね。ラヴィーネ」
カンネは呼吸を整え、鋭い目つきでラヴィーネを睨む。
「《水魔のカンネ》よりも《魔剣のカンネ》のほうがすごかった……か」
「ああ」
「そっかそっか……なら、望み通りにしてあげるよ」
カンネがそう言った時、彼女が纏っていた水のドレスや水の王冠がただの水へと変わる。
同時にフリーレンたちと戦っていた水の怪物達や水の分身達もただの水へと戻った。
全ての水魔法を解除したカンネはローブを脱ぎ捨て、口を動かす。
「水月……剣の型」
するとカンネが持っていた青い杖が、ガチャガチャと音を立てて変形を始めた。
杖が変形したのは、刃が湾曲した剣。
それを見て、ラヴィーネは目を見開く。
「ここからは魔法剣士として……《魔剣のカンネ》としてあんたを……倒す」
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遅くなって申し訳ありません。
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