ラヴィーネは目を大きく見開いていた。
今、彼女の青い瞳に映るのは……剣を持った幼馴染の姿。
「カンネ……お前、剣を」
「そうだよ。私の杖―――水月は剣に変形できる特別な杖なの。まぁ浪漫だね」
「浪漫って……剣で戦うのか?」
「うん。きっとゼーリエ様は今の状況を見ているだろうし、あとで私は怒られる。剣は使うなと言われていたから仕方ないね。でも……今は」
カンネは真っすぐな瞳で、ラヴィーネを見つめる。
「魔法剣士として……《魔剣のカンネ》としてラヴィーネと戦いたくなったんだ」
カンネはゆっくり剣を構え、瞳を怪しく輝かせる。
「行くよ、ラヴィーネ。……“
無数の魔法で己を強化したカンネは足に力を込め、強く蹴った。
超高速に突撃してくるカンネに、ラヴィーネは焦る。
「ふっ!」
カンネは力強く剣を振り下ろす。
襲い掛かる剣撃を、慌ててラヴィーネは剣で受け流す。
しかし完璧に受け流すことができず、重い衝撃がラヴィーネの両手に伝わる。
ビリビリと両手は痺れ、ラヴィーネは額から汗を流す。
(なんつー重い一撃!?)
ラヴィーネが驚いていると、カンネは剣を引き、素早く鋭い刺突を放つ。
「魔剣技―――
迫りくる刺突をラヴィーネは剣で防ぐ。
しかしあまりにも重い一撃に耐えきれず、ラヴィーネは後ろに吹き飛んだ。
「ぐああああああああああああああああああああああっ!」
ラヴィーネは高速に後ろに吹き飛び、木に激突。
口から強制的に全ての空気が吐き出され、ラヴィーネの背中に強烈な痛みが走る。
「ラヴィーネ!」
フリーレンたちはラヴィーネを助けようとした。
だがその時、鋭い目つきでカンネはフリーレンたちを睨む。
「邪魔しないで」
普通の人なら気絶するほどの強い殺意が宿った静かな声。
その声を聞いたフリーレンたちは一歩も動けず、冷や汗を流す。
「今、私の相手はラヴィーネなの。邪魔したら……試験とか関係なしに殺すよ?」
冗談で言っていない。
誰もがそう理解した。
「ゲホゲホ……予想以上にすごい剣撃だな。流石は《魔剣のカンネ》。鈍っちゃいないみたいだな」
咳をしながら、ゆっくりと立ち上がるラヴィーネ。
彼女は口から血をプッと吐き、剣を構える。
カンネは強い。
自分とは圧倒的な差がある。
それを理解していながら……ラヴィーネは剣を投げ捨てなかった。
「カンネ。私は今……すっごい嬉しい。お前がまた剣を持っていることに。そして……お前と戦えることに」
「……私もだよ」
お互い剣を構え、睨み合う二人の魔法剣士。
彼女達は笑みを浮かべた。
「「さぁ戦おう。全力で!」」
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