魔剣のカンネ   作:グレンリアスター

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《魔剣のカンネ》狩り1

 ラヴィーネは目を大きく見開いていた。

 今、彼女の青い瞳に映るのは……剣を持った幼馴染の姿。

 

「カンネ……お前、剣を」

「そうだよ。私の杖―――水月は剣に変形できる特別な杖なの。まぁ浪漫だね」

「浪漫って……剣で戦うのか?」

「うん。きっとゼーリエ様は今の状況を見ているだろうし、あとで私は怒られる。剣は使うなと言われていたから仕方ないね。でも……今は」

 

 カンネは真っすぐな瞳で、ラヴィーネを見つめる。

 

「魔法剣士として……《魔剣のカンネ》としてラヴィーネと戦いたくなったんだ」

 

 カンネはゆっくり剣を構え、瞳を怪しく輝かせる。

 

「行くよ、ラヴィーネ。……“器用にする魔法(デクステリティ)”“集中力を強化する魔法(コンセントレート)”“速く動く魔法(アクセル)”“筋力を強化する魔法(マッスル)”“斬撃を強化する魔法(スラッシュ)”“攻撃力を上げる魔法(クリティカル)”“剣術を強化する魔法(ソードマスター)”」

 

 無数の魔法で己を強化したカンネは足に力を込め、強く蹴った。

 超高速に突撃してくるカンネに、ラヴィーネは焦る。

 

「ふっ!」

 

 カンネは力強く剣を振り下ろす。

 襲い掛かる剣撃を、慌ててラヴィーネは剣で受け流す。

 しかし完璧に受け流すことができず、重い衝撃がラヴィーネの両手に伝わる。

 ビリビリと両手は痺れ、ラヴィーネは額から汗を流す。

 

(なんつー重い一撃!?)

 

 ラヴィーネが驚いていると、カンネは剣を引き、素早く鋭い刺突を放つ。

 

「魔剣技―――死天(してん)

 

 迫りくる刺突をラヴィーネは剣で防ぐ。

 しかしあまりにも重い一撃に耐えきれず、ラヴィーネは後ろに吹き飛んだ。

 

「ぐああああああああああああああああああああああっ!」

 

 ラヴィーネは高速に後ろに吹き飛び、木に激突。

 口から強制的に全ての空気が吐き出され、ラヴィーネの背中に強烈な痛みが走る。

 

「ラヴィーネ!」

 

 フリーレンたちはラヴィーネを助けようとした。

 だがその時、鋭い目つきでカンネはフリーレンたちを睨む。

 

「邪魔しないで」

 

 普通の人なら気絶するほどの強い殺意が宿った静かな声。

 その声を聞いたフリーレンたちは一歩も動けず、冷や汗を流す。

 

「今、私の相手はラヴィーネなの。邪魔したら……試験とか関係なしに殺すよ?」

 

 冗談で言っていない。

 誰もがそう理解した。

 

「ゲホゲホ……予想以上にすごい剣撃だな。流石は《魔剣のカンネ》。鈍っちゃいないみたいだな」

 

 咳をしながら、ゆっくりと立ち上がるラヴィーネ。

 彼女は口から血をプッと吐き、剣を構える。

 カンネは強い。

 自分とは圧倒的な差がある。

 それを理解していながら……ラヴィーネは剣を投げ捨てなかった。

 

「カンネ。私は今……すっごい嬉しい。お前がまた剣を持っていることに。そして……お前と戦えることに」

「……私もだよ」

 

 お互い剣を構え、睨み合う二人の魔法剣士。

 彼女達は笑みを浮かべた。

 

「「さぁ戦おう。全力で!」」




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