魔剣のカンネ   作:グレンリアスター

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《魔剣のカンネ》狩り2

「なに……これ」

 

 千年以上生きるエルフの魔法使い―――フリーレンは呆然としていた。

 今、彼女の瞳に映るのは剣と魔法で激しく戦う二人の人間の少女。

 

「ハァアアアアアアアアアアア!」

「ヤアアアアアアアアアアアア!」

 

 気合の雄叫びを上げながら、力強く…そして速い剣撃を放つオレンジ髪の少女—――カンネ。

 そんな彼女の攻撃を冷気を纏った剣で全て受け流し、舞うように剣を振るうねずみ色髪の少女—――ラヴィーネ。

 二人の剣同士がぶつかる度、嵐の如き衝撃波が発生する。

 割り込む隙がない。

 

(千年以上……生きてきたけど、剣と魔法を同時に使って戦うなんて見たことない。これが……魔法剣士)

 

 目でギリギリ追うことができるスピードで戦うカンネとラヴィーネ。

 ラヴィーネの強さはフリーレンも知っていた。

 だがカンネがここまで戦える魔法剣士だとは思ってもみなかった。

 一撃一撃が重く、速い。

 まさに化物。

 だがそんな化物と戦えるラヴィーネもまた、化物。

 そんな二人の少女の戦いを見ていたデンケンは、呟く。

 

「《魔剣のカンネ》……だったか」

「え?」

「《水魔のカンネ》という異名が広まる前……カンネには別の異名があった」

 

 デンケンは目を細めながら、語り出す。

 

「とある街に現れた魔族達と魔法と剣で倒した少女がいたと噂で聞いた。名は……《魔剣のカンネ》。カンネという名を聞いてもしやと思ったが……同一人物だったか」

「《魔剣のカンネ》」

 

 人間を超えた速度で剣を振るい、重い一撃を放つカンネ。

 そんな彼女は……笑っていた。

 そしてカンネと戦うラヴィーネも……頬を緩めている。

 

「どうやら二人の邪魔をするわけにはいかないみたいだね」

 

 フリーレンは見届けることにした。二人の魔法剣士の戦いを。

 

「さて……どっちが勝つかな」

 

<><><><>

 

 私―――カンネは……どうしようもなく昂っていた。

 今、私は魔法剣士として戦えている。

 剣を使い、魔法を使っている。

 そして相手は親友にして、愛する人であるラヴィーネ。

 

 ああ。楽しい!

 楽しい!楽しい!!楽しい!!!

 頭からアドレナリンが溢れ出す。

 心臓の音がうるさいぐらい聞こえる。

 

 最高だよ!ラヴィーネ!!

 

「魔剣技―――死天(してん)

 

 どんなものも破壊する鋭い刺突を、私は放った。

 だがラヴィーネは舞うように剣を振るい、私の刺突を受け流す。

 流石だね!なら!

 

「魔剣技―――闇嵐(やみあらし)

 

 今度は嵐の如き連続剣撃を繰り出す。

 高速にやってくる連撃をラヴィーネは全て剣で受け流す。

 そして私の懐に入り、一閃。

 ラヴィーネの剣撃が私の頬に傷を付ける。

 

 ああ!もう!興奮が止まらない!!

 勝つ!絶対に私が勝つ!!

 この戦いは絶対に私が勝つんだから!

 

 私はポケットから小さな杖を取り出し、魔法を唱える。

 

「“光の剣を作る魔法(ライトソード)”」

 

 小さな杖から光の刃を形成し、新たな剣を作り出す。

 

「ハアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 二本の剣を振るい、無数の斬撃を放った。

 ラヴィーネは「くっ!」と顔を歪めて、私の連撃を受け流す。

 だが全てを受け流すことはできず、ラヴィーネの身体のあちこちに傷がつく。

 

「終わりだよ」

 

 私が止めを誘おうとした時、ラヴィーネは唱える。

 

「“氷の鎧を纏う魔法(アイス・アーマー)”!!」

 

 次の瞬間、ラヴィーネを中心に冷気の竜巻が発生した。

 私は距離を取り、様子を見る。

 

「お前と戦うのは……やっぱり楽しいな。カンネ」

 

 竜巻が収まると、ラヴィーネは氷の鎧を纏っていた。

 その鎧はガラスの如く透き通っており、冷気を放っている。

 

「だが勝つのは……この私だ」

「言ってくれるね、ラヴィーネ。なら……私も本気を出す」

 

 私は目の前にいる魔法剣士に勝つために、最強の魔法を唱える。

 

「“狂戦士の鎧を纏う魔法(バーサーカー・アーマー)”」

 

 直後、私の身体が禍々しい赤黒い鎧に覆われ、稲妻が発生する。

 

「さぁ……ファイナルラウンドだよ。ラヴィーネ」




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