魔剣のカンネ   作:グレンリアスター

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《魔剣のカンネ》狩り3

「さぁ……ファイナルラウンドだよ。ラヴィーネ」

 

 禍々しい赤黒い鎧を纏ったオレンジ髪の魔法剣士少女―――カンネ。

 彼女が纏う鎧から稲妻が発生しており、地面を焦がす。

 

「“炎を付与する魔法(ファイアーエンチャント)”」

 

 カンネが唱えると、刀に炎が纏う。

 その炎を纏った刀に、彼女は稲妻をさらに纏わせる。

 光の剣と炎と雷を宿した剣を構え、カンネは告げた。

 

「行くよ」

「来い」

 

 ラヴィーネは冷気を纏わせた剣を構える。

 睨み合う《魔剣》と《氷剣》。

 二人は同時に地面を蹴り、剣を振るう。

 

「ハアアアアアアアアアアアア!!」

 

 光の剣と炎雷の剣を振るい、百連撃を放つカンネ。

 そんな彼女の連撃を、ラヴィーネは冷気を纏わせた剣で受け流す。

 連撃全てを受け流したラヴィーネは、舞うように剣を振るい一閃。

 冷気を宿した剣撃が光の剣を切り裂く。

 だがカンネは止まらない。

 彼女は剣を振るい続ける。

 

「勝つのは!」

「私だ!」

 

 カンネとラヴィーネは剣と剣をぶつけ合う。

 剣同士がぶつかり合う度に金属音が鳴り響く。

 周囲にある木や草や地面が焼けようが、凍ろうが二人は止まらない。

 二人の中にはただ一つ。

 

 最愛の人に勝つことのみ!

 

「これで決める!」

「なら私もだ!」

 

 カンネは上段に剣を構え、ラヴィーネは鞘に剣を収める。

 目の前の魔法剣士に勝つために、己の最強の必殺技を放つ。

 

「魔剣技―――天魔(てんま)!」

凍結剣(とうけつけん)!」

 

 カンネは力強く、そして素早く剣を振り下ろす。

 そしてラヴィーネは鞘から素早く剣を抜き、美しく…そして静かに振るった。

 炎と雷を纏った剣と冷気を纏った剣が激突した。

 直後、轟音が鳴り響き、嵐の如き衝撃波が発生。

 周囲にあった木や大きな石が吹き飛ぶ。

 離れていた所で見ていたフリーレンたちも吹き飛ばれそうになるのを、必死に耐える。

 やがて衝撃波は収まっていった。

 土煙が舞い上がっているせいで、カンネとラヴィーネの姿は見えなかった。

 

「ラヴィーネ……」

 

 土煙が消えていき、二人の姿が見えるようになった。

 

「そんな……」

 

 フリーレンたちの視界に映ったのは、片膝を地面に付けたラヴィーネの姿だった。

 そしてそんなラヴィーネに、カンネは剣を突きつけている。

 

「私の勝ちだね……ラヴィーネ」

「そう……みたいだな」

 

 ハァハァと荒い息を漏らすラヴィーネ。

 彼女の顔には大量の汗が流れていた。

 ラヴィーネが纏っていた氷の鎧は、いつのまにか消えている。

 

「クソ…勝てなかったか」

 

 悔しそうに唇を噛むラヴィーネ。

 そんな彼女にカンネは言う。

 

「そうだね。この勝負…私の勝ち。だけど……」

 

 カンネは剣を手から落とし、身体をフラつかせる。

 

「試験では……私の負けかな」

 

 カンネの身体を覆っていた禍々しい鎧は消え、彼女は地面に倒れる。

 そんな彼女をラヴィーネは両手で受け止めた。

 カンネからはもう魔力は感じず、疲れた表情を浮かべている。

 

「アハハ……もう動けないや」

「……カンネ」

「ん?」

「楽しかったか?」

「……うん。ラヴィーネと戦えて……とても楽しくて、幸せ」

「そうか」

 

 ラヴィーネはカンネを強く抱き締めながら、微笑みを浮かべる。

 

「私もだ」




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