魔剣のカンネ   作:グレンリアスター

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ダンジョン攻略1

 零落の王墓に入ったフリーレンたちは、宝物庫に向かって歩いていた。

 小鳥に案内されながら先を進む受験者たち。

 そんな彼らは自然と二人の少女達に視線を向けていた。

 

「それでこんなことがあってな~」

「そうなんだ~アハハ」

 

 ラヴィーネとカンネだ。

 二人は恋人つなぎをしており、楽しそうに会話をしている。

 それを見ていた魔法使いたちを思った。

 

 こんなところでイチャイチャするなと。

 

「まったく……あんな楽しそうなラヴィーネ……初めて見た」

「そうですね」

 

 カンネと楽しそうに話すラヴィーネは、どこか幸せそうだった。

 それを見てフリーレンとフェルンは呆れる。

 

「でもよかったよ。好きな人と話すことができて」

 

 そう呟いたフリーレンは、一人の勇者のことを思い出す。

 優しそうな水色の目に水色の髪の男。

 

「ヒンメル……」

 

 かつて共に旅をした仲間の一人、ヒンメル。

 彼を思い出したフリーレンは、胸が少し苦しくなるのを感じた。

 

「フリーレン様?どうしました?」

「いや……なんでだろう。ラヴィーネとカンネを見ていると、なぜかヒンメルのことを思い出して……胸が苦しくなるのを感じた」

「それって……」

「なぜか……とても寂しくて、ヒンメルにすごく会いたい」

 

 無表情でそう言うフリーレン。

 だがフェルンは気付いていた。

 フリーレンの瞳が僅かに潤んでいることを。

 

「……」

 

 フェルンはなにも言わず……ただ、フリーレンの手を握る。

 

「フェルン?」

「一人じゃあ……ないですよ」

 

 フェルンの言葉を聞いて、フリーレンは目を細める。

 

「うん」

 

<><><><>

 

 ダンジョンの中を進んで数十分、小動物達がララのところに集まってきた。

 

「ピピピ」

「チュチュチュ」

 

 小動物達が鳴いていた。

 ララは「うん、ありがとう。教えてくれ」とお礼を言い、ポケットから木の実やパンを取り出し、小動物たちに与える。

 

「どうやらいくつもの宝箱を見つけたようです」

 

 それを聞いたフリーレンはララに早足で近づき、顔を近づける。

 

「それどこ?」

「え?でも……先を急いだ方がいいんじゃあ」

「どこ?」

「えっと……この先の右の部屋にあります」

 

 フリーレンは早足で部屋に向かった。

 そんな彼女の跡を、フェルンは追いかける。

 

「待ってください。フリーレン様。ミミックですよ、絶対」

「いや、そんなことはない。絶対に魔導書が入ってる」

 

 他の魔法使いたちを置いて、部屋に向かうフリーレンたち。

 そんな彼女達を見て、他の魔法使いたちは呆然としていた。

 

「どうするの、ラヴィーネ?」

 

 カンネが問い掛けると、ラヴィーネは頭をガリガリと掻きながら呟く。

 

「仕方ない。行ってみるか」

 

<><><><>

 

 数分後。

 

「暗いよ~!怖いよ~!」

 

 フリーレンは宝箱の魔物―――ミミックに食べられていた。

 上半身が食べられており、足をジタバタと動かしている。

 そんな彼女を見て、他の魔法使いたちは呆れていた。

 その中で私―――カンネは、

 

「プ……アハハハ!」

 

 腹を抱えながら笑った。

 

「カンネ?」

「いや~……やっぱりフリーレンなんだなって、思って」

 

 本当にアニメと同じだ。

 宝箱だと分かった瞬間、ミミックかどうか疑わずに開けようとする。

 そこが面白くて、好きなキャラクターだな~。

 

「本当……転生してから色々あったな~」

 

 私は心からそう思った。

 気が付いたら『葬送のフリーレン』に登場するカンネに転生して。

 魔法剣士になるのを夢見て、鍛錬して。

 ラヴィーネと出会って。

 ラヴィーネ友達になって

 魔族と戦って。

 ラヴィーネを失いそうになって、初めて好きだと気づいて。

 剣を捨てて、魔法使いとして生きて。

 ラヴィーネと離れ離れになって寂しくて。

 ラヴィーネと再会して。

 ラヴィーネと戦って。

 ラヴィーネと……ラヴィーネと……。

 

「やっぱりそうなんだね」

 

 私の頭の中はラヴィーネでいっぱいだった。

 魔法剣士として生きるのと同じぐらい……いや、それ以上にラヴィーネが大切。

 かけがえのない存在。

 自然とラヴィーネの手を握る手が、強くなる。

 

「カンネ?」

 

 私はラヴィーネの肩に頭を乗せ、静かな声で呟いた。

 

「ラヴィーネ……」

 

 

 

 

 

「好きだよ」




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