「好きだよ」
カンネに告白されたラヴィーネは目を見開いた。
「カンネ……今、なんて?」
「あんたが好きだよって言ったの……何度も言わせないで」
頬を赤く染めながら視線を逸らすカンネ。
「本当は……ラヴィーネが私をゼーリエ様から取り返してくれた時に言おうと思ってたんだけど……我慢できなかった」
「カンネ……」
「好き。大好き……どうしようもないぐらい好き。私は……あんたのものになりたい。あんたの隣にずっといたい」
「……」
ラヴィーネは黙って、カンネの言葉を聞いていた。
「告白したのは……我慢できなかったっていうのもあるけど、きっと心のどこかでラヴィーネと離れ離れになっちゃうんじゃないかって思っていたんだ」
「なんでそう思った?」
「ゼーリエ様と戦って、もしラヴィーネが負けたらって想像しちゃったんだと思う。実はね……ラヴィーネに会うために、ゼーリエ様に何度も決闘したんだ。結果は全敗。勝てなかった。あの人は大魔法使いという言葉に相応しいぐらい強い。だから……ラヴィーネが負けちゃう可能性が高い」
「……」
「だから……会えなくなる前に、伝えたかったの。私の……気持ちを」
カンネは潤ませた瞳で、ラヴィーネの目を見つめる。
そして告げる。心に宿っている想いを。
「愛してる……ラヴィーネ。世界一……誰よりも大好きだよ」
カンネの愛の告白。
彼女の想いが籠った言葉を聞いたラヴィーネは、
「ふざけるな」
カンネの顔を両手で包み、そして……彼女の唇に自分の唇を重ねた。
突然のキスに、カンネは目を見開く。
ラヴィーネは喰いつくように、荒々しく口付けをする。
カンネの唇を噛み、舌と舌を絡め合う。
「んっ……んんっ!」
乱暴なキスをされるカンネは、ラヴィーネから離れようとした。
だがラヴィーネは離さない。
ディープキスされているカンネは力が抜けていくのを感じながら、目をとろけさせる。
やがてキスは終わり、カンネとラヴィーネの唇は離れる。
混ざり合った唾液が橋を作る。
「ラヴィー……ネ?」
「お前は私のだ。絶対にゼーリエからお前を取り戻す。私がお前を取り戻した時にもう一度、お前の気持ちを聞かせてくれ」
真剣な表情で言うラヴィーネ。
彼女の言葉には強い意志が宿っていた。
そんなラヴィーネを見て、カンネは胸が高鳴るのを感じる。
「だから……信じて待ってろ」
彼女は本気だった。
本気で大魔法使いであるゼーリエに勝ち、カンネを取り戻すつもりでいるのだ。
カンネは顔を歪めて涙を流した。
だがすぐに笑顔を浮かべて、指で涙を拭う。
「うん」
カンネは信じて待つことにした。
愛する親友が迎えに来るのを。
「ゴホンゴホン」
ゼンゼはわざとらしく咳をした。
「あ~その、なんだ。話すのはいいが……いちゃつくのはやめてくれ。今は試験中だ」
ゼンゼの言葉でカンネは気が付いた。
他の魔法使いたちがカンネたちのことを見ていたことに。
「ほほ~う」
「ラブラブね」
「お熱いのう~」
カンネは顔を真っ赤に染めて、俯く。
彼女の頭から白い湯気が現れる。
「うう~」
「カンネ、安心しろ。お前を取り戻したらこれ以上に恥ずかしいことするから」
「私になにする気よ、あんたは!?」
<><><><>
それからラヴィーネ達はダンジョンの奥に進み、そして……大きな扉を発見した。
「この扉の先が宝物庫に通じる扉みたいです」
ララのおかげで安全に、かつ最短に宝物庫の前に到着したラヴィーネ達。
彼らはゆっくりと扉を開ける。
ゴゴゴと重い石が引きずられるような音が鳴り響く。
扉を開けた受験者たちは……静かに杖を構える。
「マジかよ」
ラヴィーネは頬を引き攣った。
今、彼女の瞳に映るのは、二つの黒い物体。
その黒い物体は、人の形をしていた。
一つは長い髪をツインテールしたエルフの魔法使い。
そしてもう一人はローブを羽織った短いツインテールの人間の魔法使い。
「複製体と戦わないといけないのは知っていたが、まさかフリーレンとカンネと戦うことになるとはな」
剣を構えるラヴィーネ。
彼女の頬から一筋の汗が流れる。
「だけどここで逃げるわけにはいかない」
ラヴィーネは剣を構え、覚悟を決める。
「行くぞ!」
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