魔剣のカンネ   作:グレンリアスター

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ダンジョン攻略3

 零落の王墓、宝物庫の扉の前にある広い部屋。

 そこで多くの魔法使いたちは、強力な複製体二人と激しい戦いをしていた。

 受験者の魔法使いたちは炎や光線を放ち、攻撃する。

 しかし複製体二人……偽フリーレンと偽カンネは軽々と攻撃を防ぐ。

 偽フリーレンは半透明なバリアで。

 そして偽カンネは水の盾で防いだ。

 

 

「……」

「……」

 

 偽フリーレンは杖から白い光線を放ち、偽カンネは無数の水の槍を飛ばす。

 迫りくる攻撃を、魔法使いたちは躱す。

 全員、苦しい顔を浮かべており、疲弊していた。

 

「いったん撤退しよう」

 

 フリーレンの言葉に賛成した魔法使いたちは、扉を開けて部屋から出た。

 受験者の魔法使いたちはハァハァと荒い息を漏らし、地面に座り込む。

 

「あんなの……反則だろう」

「まさかフリーレンとカンネの複製体が宝物庫を守護しているとはな」

 

 まさかの予想外に、全員驚いていた。

 

「このままじゃあダメだね。作戦を考えないと」

 

 魔法使いたちは休息を取った後、作戦会議を始める。

 そんな彼らを私―――カンネとゼンゼ先輩は離れたところから見ていた。

 

「どう思う、カンネ。彼らは合格できると思うか?」

 

 私の隣に座っていたゼンゼ先輩が尋ねてきた。

 数秒、私は考えた後、答える。

 

「正直……難しいでしょう」

「おや、意外だな。君なら愛する女の合格を信じていたのかと思っていた」

「勿論、私はラヴィーネが合格することを願っています。ですが……現実的に考えて難しい」

「なぜ?」

「今の私はここにいる魔法使いたちを一人で倒す自信があります。そんな私が殺すつもりで戦ったら、私は負けません」

「まぁ……確かに。君は多くの魔族を倒すほどの実力を持つ水の魔法使いだからね」

「そんな私がフリーレンと一緒に戦えば……勝率は低い」

「なるほど」

 

 正直、彼らが勝つのは難しい。

 複製体は敵を全力で殺しに行く。

 しかも複製体は相手の見た目や魔力、魔法などを完全にコピーしている。

 アニメではフリーレンとフェルンで偽フリーレンと戦い、勝つことができた。

 だけど……この世界では宝物庫を守るのは偽フリーレンと偽カンネ。

 負ける可能性が高い。

 

「もし……この状況を変えられるとすれば、一人だけです」

「ほう……それは?」

「それは……」

 

<><><><>

 

「で、どうする?」

 

 フリーレンは他の魔法使いたちに尋ねた。

 どう宝物庫に入るか。

 

「ふむ……あの偽物たちを倒さないと、先には進めないだろう」

 

 ゼンゼは冷静な自分の考えを告げた。

 

「だよね」

「他の複製体もいるだろう。このまま時間が過ぎれば、いずれここに来るだろう」

「なら早めに倒さないとね」

「しかし……どうやって倒すか」

 

 魔法使いたちは考えた。

 どうやって偽フリーレンと偽カンネを倒すか。

 

「私がなんとかする」

 

 そう言ったのは、魔法剣士であるラヴィーネだった。

 

「君一人でなんとかするつもり?」

「そうだ。策はある」

「どうやって?」

「それは―――」

 

 ラヴィーネは作戦を伝えた。

 すると他の魔法使いたちは驚愕の表情を浮かべる。

 

「無茶だ」

「危険すぎるわ」

 

 誰もがラヴィーネの作戦に反対だった。

 しかし……フリーレンだけは違う。

 

「ラヴィーネ……信じていいんだね」

「ああ」

「……分かった。他の複製体は私達がなんとかする。だから……行ってきな」

「ありがとう」

 

 ラヴィーネはゆっくりと立ち上がり、扉に近付く。

 そして……大きく息を吸い、扉を開ける。

 部屋には杖を構えた偽フリーレンと偽カンネが待ち構えていた。

 ラヴィーネは魔法剣を構え、静かな声で……唱える。

 

「“氷の鎧を纏う魔法(アイス・アーマー)”」

 

 直後、ラヴィーネの身体から冷気の竜巻が発生。

 やがて竜巻が収まると、そこに立っていたのは氷の鎧を纏ったラヴィーネだった。

 氷の化物となったラヴィーネはさらに唱える。

 愛する女を奪ったエルフをぶっ飛ばすために作った魔法を。

 

「“氷の怪物になる魔法(コキュートス)”」

 

 次の瞬間、ラヴィーネの身体から強い冷気の嵐が発生した。

 冷気の嵐は壁や床、天井を凍らせていく。

 そして……ラヴィーネが纏う氷の鎧の表面に、鋭利な氷の装甲が覆われる。

 指先、肩、膝、肘、腕、脚から鋭い氷の棘が伸びた。

 額から鋭利な氷の角が伸び、ラヴィーネの蒼い瞳が怪しく輝く。

 

 氷の化物は……さらに強力な化物へと姿を変えた。

 

「さぁ……見るがいい。氷の化物の恐ろしさを」




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