零落の王墓、宝物庫の扉の前にある広い部屋。
そこで多くの魔法使いたちは、強力な複製体二人と激しい戦いをしていた。
受験者の魔法使いたちは炎や光線を放ち、攻撃する。
しかし複製体二人……偽フリーレンと偽カンネは軽々と攻撃を防ぐ。
偽フリーレンは半透明なバリアで。
そして偽カンネは水の盾で防いだ。
「……」
「……」
偽フリーレンは杖から白い光線を放ち、偽カンネは無数の水の槍を飛ばす。
迫りくる攻撃を、魔法使いたちは躱す。
全員、苦しい顔を浮かべており、疲弊していた。
「いったん撤退しよう」
フリーレンの言葉に賛成した魔法使いたちは、扉を開けて部屋から出た。
受験者の魔法使いたちはハァハァと荒い息を漏らし、地面に座り込む。
「あんなの……反則だろう」
「まさかフリーレンとカンネの複製体が宝物庫を守護しているとはな」
まさかの予想外に、全員驚いていた。
「このままじゃあダメだね。作戦を考えないと」
魔法使いたちは休息を取った後、作戦会議を始める。
そんな彼らを私―――カンネとゼンゼ先輩は離れたところから見ていた。
「どう思う、カンネ。彼らは合格できると思うか?」
私の隣に座っていたゼンゼ先輩が尋ねてきた。
数秒、私は考えた後、答える。
「正直……難しいでしょう」
「おや、意外だな。君なら愛する女の合格を信じていたのかと思っていた」
「勿論、私はラヴィーネが合格することを願っています。ですが……現実的に考えて難しい」
「なぜ?」
「今の私はここにいる魔法使いたちを一人で倒す自信があります。そんな私が殺すつもりで戦ったら、私は負けません」
「まぁ……確かに。君は多くの魔族を倒すほどの実力を持つ水の魔法使いだからね」
「そんな私がフリーレンと一緒に戦えば……勝率は低い」
「なるほど」
正直、彼らが勝つのは難しい。
複製体は敵を全力で殺しに行く。
しかも複製体は相手の見た目や魔力、魔法などを完全にコピーしている。
アニメではフリーレンとフェルンで偽フリーレンと戦い、勝つことができた。
だけど……この世界では宝物庫を守るのは偽フリーレンと偽カンネ。
負ける可能性が高い。
「もし……この状況を変えられるとすれば、一人だけです」
「ほう……それは?」
「それは……」
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「で、どうする?」
フリーレンは他の魔法使いたちに尋ねた。
どう宝物庫に入るか。
「ふむ……あの偽物たちを倒さないと、先には進めないだろう」
ゼンゼは冷静な自分の考えを告げた。
「だよね」
「他の複製体もいるだろう。このまま時間が過ぎれば、いずれここに来るだろう」
「なら早めに倒さないとね」
「しかし……どうやって倒すか」
魔法使いたちは考えた。
どうやって偽フリーレンと偽カンネを倒すか。
「私がなんとかする」
そう言ったのは、魔法剣士であるラヴィーネだった。
「君一人でなんとかするつもり?」
「そうだ。策はある」
「どうやって?」
「それは―――」
ラヴィーネは作戦を伝えた。
すると他の魔法使いたちは驚愕の表情を浮かべる。
「無茶だ」
「危険すぎるわ」
誰もがラヴィーネの作戦に反対だった。
しかし……フリーレンだけは違う。
「ラヴィーネ……信じていいんだね」
「ああ」
「……分かった。他の複製体は私達がなんとかする。だから……行ってきな」
「ありがとう」
ラヴィーネはゆっくりと立ち上がり、扉に近付く。
そして……大きく息を吸い、扉を開ける。
部屋には杖を構えた偽フリーレンと偽カンネが待ち構えていた。
ラヴィーネは魔法剣を構え、静かな声で……唱える。
「“
直後、ラヴィーネの身体から冷気の竜巻が発生。
やがて竜巻が収まると、そこに立っていたのは氷の鎧を纏ったラヴィーネだった。
氷の化物となったラヴィーネはさらに唱える。
愛する女を奪ったエルフをぶっ飛ばすために作った魔法を。
「“
次の瞬間、ラヴィーネの身体から強い冷気の嵐が発生した。
冷気の嵐は壁や床、天井を凍らせていく。
そして……ラヴィーネが纏う氷の鎧の表面に、鋭利な氷の装甲が覆われる。
指先、肩、膝、肘、腕、脚から鋭い氷の棘が伸びた。
額から鋭利な氷の角が伸び、ラヴィーネの蒼い瞳が怪しく輝く。
氷の化物は……さらに強力な化物へと姿を変えた。
「さぁ……見るがいい。氷の化物の恐ろしさを」
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